ゴアのマーケットで見掛けた香辛料 |
昨日の「THE世界遺産」ご覧になりましたか?
コショウ一粒は小さいながらも、その背景にはなんともスケールの大きな話があるものだ。
番組で取り上げた幾つかの町には実際に足を運んだことがあったので、より一層興味深く感じた。
ヨーロッパの人々がコショウを求めると同時に買い付け先ではキリスト教の布教も盛んに行われた。
インド西部のリゾート地ゴアは、ポルトガル人が植民都市として入植しキリスト教を広める拠点となった。
そういえば町や村には小さな教会が点在していたっけ。
青い空、ヤシの木、そして白い教会の壁のコントラストがなんとも印象的だった。
コショウを求めて旅をしたバスコダガマが眠るというリスボンのジェロニモス修道院。
ポルトガルが海洋王国として栄華を極めた証となる荘厳な修道院。
ステンドグラスも美しく、あまりの荘厳さにしばし時を忘れて佇む。
番組では、大航海時代の象徴として修道院の壁には帆船やコショウそのものをモチーフにしたものが彫られているとのことだった。
手元の写真を見ていたらば、あった、ありました。
帆船が彫られている壁の写真を撮ってあった。
コショウは、粒が大きく描かれていて、コショウと気付かなかったんだと思う。
知っていれば、もっと有難く見ることができたのに。
そして最後に出てきたのがキューガーデン。
キューガーデンは生きた植物の展示ばかりではなく、植物標本を約1000万種保有し、植物の分類・同定などに役立てている。
植物標本は昔ながらのやり方であるが、今彼らが取組んでいるのは「種(しゅ)の保存」で、タネを凍らせて保存したり、昨日番組でやっていたようにDNAを取り出して保存している。
植物の話題になると、最後にはこうやってキューガーデンに行きつくというのが、キューガーデンのスゴイところであると改めて思った次第。
最後の写真は、これがコショウの木。
木とはいっても、つる性の植物で、いわゆる「木」とはイメージが異なる。
番組でインド南部ケララ州のコショウ・プランテーションの様子が映っていたけど、あれは実はコショウの木ではなくて、つるが巻きつく為の何かの木を植えて、そこにコショウが巻きついてあたかもコショウの木になっていたのだと思う。
コショウは学名では Piper nigrum
Piper は英語でコショウの意味 pepper のもとになったと容易に想像できるし、
nigrum は黒いという意味で、いわゆる黒コショウを指してついた名前であると思われる。
キューガーデンでは昨日のブログの写真パームハウスという温室にコショウの木が展示されている。
またしても手元に写真がないか探してみたらば、一枚だけあったのが上の写真。
なんの変哲もない葉っぱの写真で有難味がないカンジがするかもしれないが、間違いなくこれがキューガーデンにあるコショウの木の写真であります。
なんでこんな写真を撮って持っているかというと、植物の同定試験というのが隔週あって、このコショウも試験範囲だったのだ。
そこで写真を撮って、パソコンで写真を見ながら学名をムニャムニャと思い出しながら紙に書く、といった試験勉強をしていたのだった。
コショウは身近で地味な香辛料だが、確かに我々の生活に今や欠くことができない。
出来合いの粉状のコショウも良いのだけど、やはりペッパーミルで潰したての方が香りがたって美味しい気がする。
旅に出たいなぁと胸がぞわぞわする、そんな楽しくも為になる昨日の番組でした。
2 件のコメント:
告知どうり「THE世界遺産」見ました!何気なく使っているコショウですが、色んな歴史があるんですね。ましてやコショウの木のルーツをたずねて旅をした花咲ジジイさんに感動してます!
匿名さん
コメント有難うございます。
・・・・コショウのルーツを訪ねて旅をした、というわけではなく、たまたま行ったことがあった場所が番組に出てきただけなんです・・・。
スミマセン、変に期待を煽ってしまったみたいで。説明が悪かったかな。
でも、番組に出てきた、トルコと南アフリカには行ったことがなく、この二つは自分の中での行きたい先リストの常に上位にあります。
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