2010年6月30日水曜日

アジサイいろいろ
    
   
早いもので6月も今日でオシマイ。
明日からは2010年後半戦である。
    
昔のチョーさんなら 「後半戦いってみよー」と拳を突き上げるところである。
    
この時期を間違いなく代表する花といえばアジサイがあろう。
   
ひとことでアジサイといってもいろいろある。
    
    
いわゆる普通のアジサイ Hydrangea macrophylla (左上)が一番見かけると思うが、いやいやガクアジサイ Hydrangea macrophylla (右上)だって負けていない。
そして葉っぱが柏の葉のようなカシワバアジサイ Hydrangea quercifolia (左下)もかなり個性的である。花のつき方もなにやらソフトクリームのように円錐形に細長い。
そして 「何が普通のアジサイと違うの?」 という疑問も聞こえてきそうな、ちょっと繊細なアナベル Hydrangea arborescens 'Annabelle' (右下)も見逃せない。
     
これら全部アジサイだ。
色も白、赤、青、紫など多彩だし、大きさもかなりマチマチである。
   
花びらのように見えるのは実はそうではなく・・・・
いわゆる偽花というもので・・・・・
   
なんてややこしい話は今日はおいておいて、去りゆく6月に別れを告げ、来る夏本番まで我々の眼を楽しませてくれるアジサイたちに敬意を払いたい。
  
  

2010年6月29日火曜日

ナンテンの花
      
    
昨日ご紹介した ハンカチの花黄色のコントラストが印象的だった。
そういう意味では今日ご紹介するナンテン Nandina domesitica の花も黄色と白の花なのではあるが、それほど鮮やかではない。
    
黄色も白もなんとなくくすんでいるのだ。
    
今ちょうどこの花があちこちで咲いている。
地面をみると白い花びらが散らばっているのに気付いた方も多いのではないだろうか。
    
個人的な趣味で恐縮だが、花の姿はイマイチで、ナンテンの素晴らしさは秋になる赤い実であると思うのだけど。
   
姿よし、葉よし、花よし、実よし、見てよし、食べてよし、香りよし、なんてスーパーマンのように万能な植物なんてないものだ。
花咲ジジイとしてはナンテンについては、葉の形紅葉、そして赤い実をおススメしておきたい。
  
     

2010年6月28日月曜日

ハンカチの花?
        
   
散歩をしていたらば  というなんとも派手な色遣いが目にとまった。
レタス・エッグサンドイッチ みたいなカンジである。
    
正直に告白すると、こんな植物はこれまで見たことがなかった。
今回生まれて初めて見たということである。
    
花咲ジジイの植物好きったってその程度かよぉ と知れてしまいそうではあるが、そうなんだからしょうがない。
    
で、早速家に帰って調べてみると、それはどうやらハンカチの花という名で知られているものらしい。
   
ただハンカチの花っていうのは愛称みたいなもので、和名をコンロンカといって、学名を Mussaenda parviflora というアカネ科の植物であることが分かった。
やはり、和名も学名も初めて聞くものだ。
     
      
緑の葉に黄色い花。
黄色い花には花弁が5枚。
白いのはであろう。
    
この苞はハンカチノキ、アジサイ、ハナミズキなどで何回も書いたが、花びらのように見えてそうではないというシロモノである。
    
この白い苞の様子がハンカチノキに似ているのでハンカチの花なんて名前になったんだろうなぁと想像される。
ハンカチノキは花咲ブログで2009年5月10日2010年5月4日に書いたのでその写真を見て比べてみていただくと面白いかもしれない。
    
イヤー珍しいなぁ なんて家に向かって歩いていたらば、別のお宅の軒先にもハンカチの花の鉢植えが置いてあったりして、どうやら知らなかったのは花咲ジジイだけだったようだった・・・・。
お恥ずかしい。
   

    

2010年6月27日日曜日

ハーブティー Herb tea


「案外フツーだった」なんて昨日書いたけど、お気づきの方もいらっしゃっただろうか。
日付が6月27日になっていて、毎日更新をモットーとして掲げている花咲ブログとしては6月26日の記事が抜けてしまった。

昨晩は外で飲んで帰宅し、テレビを見ながらそのまま うたた寝をしてしまった。
ハッと気づいたのが23:45ころだった。

当然ブログのことは気になっていたが、寝ぼけマナコという訳でもないが、何となくボーっとして何となくモタクサしていたらば、時間がどんどん経っていってしまった。

慌ててコンピューターのスイッチを入れてブログの投稿ボタンを押そうとログインしようと思っても、こういうときに限って無線LANがブツっと切れたりしてうまく繋がらない。
早く、早く・・・ と焦ってようやく 「投稿」 としてアップしたらば時計は無情にも0:00丁度ということで日付が変ってしまっていた。

なんたる脇の甘さ。

もうガックシである。

ではでは気を取り直して。

今日は蒸し暑い一日だった。
ちょっと歩いただけで汗が滲み出てくるようなそんな陽気だった。

出掛けたとある先でハーブティーをご馳走になった。
暑い日だったので冷たい飲み物のほうが有難い気がしないわけでもなかったが、なかなかどうしてこれがリフレッシング(refreshing)な一杯であった。

マグカップにはいったそのハーブティーは真っ赤で、味はどこかちょっと酸っぱい。
何がはいっているのだろう?

尋ねてみると、それはハイビスカスローズピンクコリアンダーオレンジピールヤグルマギクのハーブティーであるとのことだった。

瓶に入ったそれらの混合物をみせてもらったが、こんなものにお湯をそそぐだけでこんなに美味しいものができるだなんてちょっとしたオドロキであった。

なかなかおススメだゾ、ハーブティー。
 
因みに今日の写真は最近買い換えた携帯電話のカメラで撮った。
最近の携帯はやたら高性能、多機能で画素数も1000万を超えたりするのだけど、こうやってみると携帯は所詮携帯なのね、というそれなりの写りである。

   
   
案外フツーだった・・・
    
   
この前、究極の壁面緑化としてご紹介したモリゾーのように青々としたオウチ。
    
一体どこから人が出入りするのか? 一体オウチの正面はどうなっているのか? 
    
これはなんとしても確かめなくてはなるまい、と思って気合を入れて出掛けた。
    
現場に近づくと、曲がろうと思った角は工事中で迂回を余儀なくされ、いやがおうにも期待は高まる。
一体どんなんだ??

    
表側に繋がる道を回りこむとその家が見えてきた?
      
この辺があのオウチに違いない、緑に覆われたオウチはどこだ?? と分からなくなるくらい表側からはとってもフツーのオウチだった。
    
確かにオウチの上の方はツタで覆われてはいるが、大きなガラス窓は健在だし、正面の壁もキレイなものだった。
    
こうやってみると、意図的に緑のオウチを作ったわけではなくて、気が付いたらツタに覆われてニッチモサッチもいかなくなくなってしまったように見受けられる。

正面もこんもりと緑に覆われたオウチなんだろうな、と想像に留めておいたほうが夢があったように思われる。
     
なんでもかんでも確かめようという気持ちは大切ではあるけど、時にそれは夢を壊すことにもなるのだなぁなんて勝手に思った次第である。
   
  

2010年6月25日金曜日

複葉・小葉のつづき



昨日、複葉について書いた。

そうしたら今日のお弁当にナンテンの葉っぱ が添えられていて、なんとも不思議な運命を感じてしまった。
ただ、お弁当に入っていたナンテンの葉は複葉全体ではなくて、先っちょがちょん切れた半端な形をしていた。
おそらくこれを調理した方はナンテンの葉たるやなんたるかなんてことは気にかけちゃいないのだろうなぁ。
もし気にかけていたらこんなヘンテコな切り方はしないはずである。

昨日の複葉の解説は分かりにくかったことと思う。

自分で書いていて、自分の頭で理解できていることを文章にすることのジレンマを感じずにはいられなかった。
    
こうなるともうちょっと色々なタイプの複葉を見てもらうと理解が深まるのではないかと思うのだが、どうだろう。
   
これはサンショウの葉

そう、ウナギの蒲焼には欠かせない香辛料のもとである。
途中で一枚、小葉が落ちてしまっているが、先頭の一枚以外はキレイにペアとなっているのがわかるだろう。
これらは全て小葉であって、小葉が集まって一枚のサンショウの葉となっている のである。



次の例はこれ。

これは ヤブカラシ Cayratia japonica というものでブドウの仲間である。
よく見るとひとつのユニットに5枚の葉がついている。
    
これら5枚の葉が小葉であり、5枚集まったものが複葉となっているのだ。
小葉ひとつひとつが葉っぱのようであるが、5枚集まったものがひとつの葉っぱなのである。
因みに5枚の小葉の集まった様子があたかも鳥の足跡のような形をしているので、鳥足状複葉というようである。
    
そんな訳で、複葉という概念がなんとなくお分かりいただけたでしょうか?
   
  

2010年6月24日木曜日

葉っぱ
     
   
一言で葉っぱといっても色んなタイプがある。
    
何で葉っぱを見分けるかと言えば、葉の大きさ縁の形状葉柄の長さ托葉の大きさやその有無葉脈などなど、それはそれは沢山のポイントがある。
   
そんな葉っぱの特徴のひとつに 単葉 と 複葉 というものがある。
   
話はちょっと逸れるが、単葉・複葉を英語で何というか?
テニスではシングル、ダブルスなんて言うから、single leafdouble leaf じゃないの? と思った方はなかなかスルドイ。
スルドイがちょっと惜しい。
実は単葉のことを simple leaf と言い、複葉のことを compound leaf と言う。
    
覚えておいて得もなさそうだが、損もなさそうであるので一応ご紹介しておこう。
    
   
さて、今日の写真は何の葉っぱかお分かりだろうか?
ナンテン Nandina domesitica であるが、この葉っぱを良く見て欲しい。
    

一番先端に付いている葉っぱを見ると、葉っぱは三枚 と言ってしまいそうになるがそれはちょっと違う。
   
この三枚の葉っぱはそれぞれ小葉といって、小葉が集まってひとつの集合した葉になるのである。
それを複葉といって、複葉を構成する一つ一つの葉を小葉という。
さらにこのナンテンの場合、この先端に見られる三枚の小葉で一つの単位かといえばそうではなくてひとつの枝から出ている幾つかの小葉をひっくるめて一つの葉とみなすというフクザツなことになっている。
   
そしてそのフクザツな構成からなるナンテンのような葉(複葉)のタイプを奇数羽状複葉といっている。
   
なんだか頭が痛くなっちゃったでしょ。
  
気の利いた和食屋さんなんかで、このナンテンの葉が添え物として出てくることがあると思うが、そのときはスグに料理に飛びつかないでジックリと葉っぱを観察してもらいたい。
   
     

2010年6月23日水曜日

究極の壁面緑化
     
        
この前出会った家屋がこれだ。
    
四角い家がスッカリとで囲まれてしまっている。
    
窓なんだろうなぁという微妙な凹凸を見ることができるが、窓そのものを見ることはできない。
壁面緑化屋上緑化がもてはやされる昨今、ここまでやるのは相当なものである。
    
窓がない、というか開かないというのは換気などはどうしているのかと他人事ながら気になってしまう。
    
さらにはどうやってこの家に出入りするのかも興味があるところである。
たまたま通りかかって写真を撮ったものでじっくり観察する時間がなかった。
   
恐らく表には玄関があると思うのだけど・・・・
    
     

2010年6月22日火曜日

庭園愛・・・
    

   
クンクンクン・・・・
   
今花咲ジジイの部屋はヒノキの香り で満たされている。
ハテ、なんでヒノキの香りがするのだ?

実は 庭園愛 というタイトルに惹かれて買った雑誌ソトコトの付録に 四万十ひのき で作ったモノサシというのが付いていたのだ。
買って袋から出したときは鼻を近づけて なるほど、ヒノキね という程度だったはずだが、数日たって仕事から帰って自分の部屋に入ってみるとヒノキの香りで部屋が満たされていたという訳である。

ヒノキ風呂や建材などにも使われて、ヒノキには独特のフレッシュな香りがある。

それがたった数センチのモノサシからヒノキの香りがここまで香るとは意外だった。

最近は雑誌もなかなか売れないらしく、各社あのテこのテで読者を獲得しようと必死である。
時には雑誌よりも高価なのでは? 景品法に抵触するのでは? というような雑誌も見かけることもある。

このヒノキのモノサシは端材を使ったいわばリサイクル品で、これはなかなかのグッドアイディアであると思った。
ただ難点が一つ。
モノサシの歯の部分が微妙に曲がっていて真っ直ぐな線を引いたりするにはやや不向きであるのだが、それもご愛嬌ってやつだろう。

2010年6月21日月曜日

Spade & Fork
    
   
唐突ではあるが、道具とは国が異なるとかくも異なるものだという典型がこれではないだろうか。
    
園芸に関しての基本動作である 掘る ということを人の手よりも効率良くこなすために幾つかの道具がある。
    
パッと頭に浮かぶのが シャベル というものではなかろうか。
そして頭に浮かんだそのシャベルの姿は先端が尖っているタイプのものではなかろうか?
    
先が尖っているので、掘るのに効率が良いし、木の根などを切るという点においても理にかなっている。
   
ところが西洋、とりわけ英国ではスペードといって先端は尖らないが、先がナイフの刃のようにシャープなタイプのものが主流である。(写真左)
使ってみて分かったのだが、これはなかなか使いやすい。
特に穴を掘る際に底の部分がある程度「たいら」に保ったまま掘り進めることができる。
   
掘る部分と、道具の先端の接面部分が大きいというのが特徴であると思う。
   
この辺はあまり大きな差に見えないので道具の差といってもピンとこないかもしれない。
しかし次はどうだろう?
   
これをフォークという。(写真右)
   
まさにスパゲッティを食べるフォークのデカイ版と言えば分かりやすい。
これをどうするのかというと、主に地面を耕すのに使うのだ。
   
グサッと地面に刺して堀りあげる、もしくは地面に刺したままグイっとひねる。
すると固く締まった地面がほぐれる。
   
それはシャベルでも出来るのではないかと思われた方、決して間違ってはいない。
でも、このフォークの歯の間から適当に土がこぼれるので荷重が少なくてすむ。
ということは腰などへの負担が少なくてすむ。
   
このフォークというやつは例えば大きなカンナギボウシなんかの株分け なんかにも使えるし、とても便利な道具なのである。
ところがどういう訳か、気の利いたガーデニンググッズ屋さんなんかでは売っているけど、日本で実際にこれを使っている場面を見たことがない。
   
スペードもフォークもこのスタンダードの大きさのものと、一回り小さいボーダー・スペードボーダー・フォークというものがある。
ボーダーとは訳すなら花壇というような意味合いで、比較的狭いスペースでも作業がしやすいよう配慮がしてある。
   
素材もいろいろある。
先端が鉄、ステンレスなど、柄が木、樹脂など、ハンドルが木、プラスチックなど・・・・
    
ハンドルもいろいろあって、写真のものはY字タイプ
これ以外に D字タイプT字タイプなどがある。
     
ブランドも様々で、割とお安い廉価版から、最高級と言われるブルドッグ社製のものまで。
   
使い込まれた道具には何やら人格すら漂っているようで魅力がある。
花咲ジジイはアンティークマーケットで年季の入ったフォークを2本手に入れたのだが、事情があっていまだ英国の友人宅に置かせてもらっている。
いつか持って帰ってきたいと思っている・・・。
  
   

2010年6月20日日曜日

哀れな街路樹その後・・・
     
    
6月8日の花咲ブログで街路樹として植えられたヒマラヤスギが街路樹として不適格であるという理由から伐採されてしまう・・・ という話を書いた。
    
そのときは告知の貼り紙がヒマラヤスギの胴まわりにガムテープで貼ってあっただけだった。
いつ伐採が決行されるのかは明示されておらず6月上旬ころとだけ書いてあった。
   
そして今日たまたまその近所を通りかかったときにみてみたらば。
   
・・・なくなっていた。
   
跡形なく、スッキリと。
    
こうやって見るとヒマラヤスギの脇にあるマンションは日照もかなり改善されたことが分かる。
    
でもなんか釈然としないなぁ。
   
ヒマラヤスギの両脇にあるイチョウも、ヒマラヤスギと光を奪い合ってこの細さ、大きさでおさまっているが、これでライバルがいなくなったので、これまで以上に成長すると思う。
となるとスッキリして良いわね なんて言えるのは来年の春くらいまでだろうか。
来春にはイチョウが枝を伸ばして葉を沢山つけることだと思われる。
    
    
跡形もなくスッキリと言うのはやや語弊があって、根元がどうなっているか見てみると、切り株としてなにやら恨めしそうに残っている。
ヒマラヤスギはここからひこばえを出して再生するようなことはまずないと思うので、これでひとまずこのヒマラヤスギはお役を終えたことになると思うが、なんとも痛々しい切り株である。
   
考えちゃうね、都会における人と植物の共存って。
   
    

2010年6月19日土曜日

この木なんの木
     
    
梅雨に入っていきなりジメジメ、ムシムシしてきた。
暑くなるとビールがうまい。
    
別に暑くなくてもうまいけど。
    
好きなビールのひとつにこのグリーンのボトルに入ったビールがある。
味、デザイン、お値段など、どれをとっても 良いじゃない! と声を上げたくなる気の利いたビールである。
   
飲み終えたあとも、透ける涼しげなグリーンのボトルは見ているだけでも楽しい。
    
このボトルはエンボスのラベルがついていて、そのド真ん中に一本の木がある。
見るたびに 何の木だろうか? と思っていた。
   
で、今日ちょっと調べてみたが
イリノイ州の穀倉地帯の風景をもとにしたもの 
というだけで何の木なのかは分からない。
    
イリノイ州といえばシカゴへは行ったことがあるが、たしか夏は暑く、冬はめっぽう寒いと聞いた。
でも都会のシカゴと穀倉地帯では植生も異なると思うのであまり役に立つ話とも思えない。
   
木の形から勝手に想像すると カシの類ではないかと思うのだけどどうだろうか。
   
ビールを飲みながら、まだ見ぬイリノイの穀倉地帯に思いを馳せるのも悪くない。
    
   

2010年6月18日金曜日

クチナシ 2010
     
   
最近散歩していると、なにやら甘~い香りが漂ってこないだろうか?
    
季節を彩る甘い香りといえば、ジンチョウゲロウバイハゴロモジャスミンキンモクセイなどなど色々あるが、このクチナシも間違いなくそのうちのひとつである。
    
花咲ブログを振り返ってみればクチナシは
2008年7月13日
2009年6月15日
と登場していて、今日2010年6月18日はなんと3回目の登場となる。
    
こうやってみるとクチナシの花が咲く時期は6月中旬~7月中旬というのがハッキリ分かる。
役に立つなぁ花咲ブログ。
    
クチナシの花の香りは甘く、そして純白の花びらも清楚な雰囲気があって素敵だ。
    
でも唯一欠点は、花が枯れてしまうとご覧のとおり茶色くなってしばし白い花の横にすがっていることだろう。
全て真っ白なら美しいのだが、ところどころ茶色の枯れた花が混じるあたりがご愛嬌である。
  
    

2010年6月17日木曜日

ボダイジュ Tilia
     
    
あまり知らないという人もいるだろう
あまり見たことがないという人もいるだろう
        
でも注意して見てみると割りとある樹なのである。
             
植物園なんかには当然あるが、街路樹なんかにもたまに使われている。
実際、このボダイジュもとある街道脇の街路樹としてあったものを撮ったものだ。
           
ヨーロッパなどでは街路樹としてもっともっと活躍している。
             
このボダイジュが良いのは、まずその樹形が美しいということ。
もちろん街路樹として植えられた場合は強剪定されてしまって、本来の樹形を保つことはできないけども。
            
そしてその葉っぱの形が、いかにも葉っぱというようなハートの形をして葉脈もきれいに浮かび上がってキレイなのである。
さらに、これは落葉樹なので冬場には枝ばかりになり、その独特の樹形がよりクッキリと分かる仕組みになっているのだ。
           
         
樹形、葉っぱときて、次は花と実である。
花は小さくてあまり目立たないが、目立たないといっても直径1センチくらいはあるので注意深く見ていれば見過ごすことはない。
カエデやイチョウほど小さいわけではないからね。
         
小さいながら沢山の雄しべがついているのが分かるでしょ。
          
実は硬くて小さい。
これが当初緑色をしているのだが、熟すにしたがって茶色に変色する。
実が熟す頃がちょうど秋で葉を落とすころだ。
     
このころになると面白いことが起きる。
     
     
何が面白いかと言えば、このボダイジュの実にはヘラ状というものがついていて、これが樹から落ちるときにプロペラの役目をして旋回しながら落ちてくるのだ。
旋回しながら風にのってより遠くへ行こうという工夫からこんな姿になっているのだ。
   
緑色ではあるが、実が3つ。 そしてその上にプロペラの羽の役割をする苞が見えるでしょ。
これがクルクルっと回りながら落ちてくるという仕掛けだ。
   

これと似た仕組みを持っているのがカエデだ。
確か以前花咲ブログでも書いたことがあったと思う。
    
種をより遠くへ! と願うのは植物の本能なのである。
   
   

2010年6月16日水曜日

たかが水遣り・・・

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関東地方も梅雨入りした。
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農家の方々には申し訳ないが最近は涼しくて良いなぁと思っていた。
でも今日は一気にムシムシの湿度の高いこの時期にふさわしい天気だった。
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これから暑さ本番を迎えると大切なのは水遣り である。
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今日のタイトルが示すように たかが水遣り、されど水遣り なのである。
誰が言ったか 水遣り3年 なのである。
たかが水遣りなのだが語るべきことはすごく沢山ある。
よって今日は奥深い水遣りのホンのサワリだけ。
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よく 「水遣りをちゃんとやっているのですが・・・・」 と聞くが、それはどの程度の水をやっているのだろうか?
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恐らく土の表面が湿って色が変るくらいではなかろうかと想像する。
しかし、その場合土の表面をチョイチョイと引掻いてみると、たちまち乾いた土が出現するということはママあることである。
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植物はその根っこで水を吸い上げるのだからして、根に水が届かなければなんら意味がない
土の表面と葉っぱを濡らして満足していても、屁のつっぱりにもならないのである。
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それではどうやってそれをするのか?
キーワードは 細く長く である。
チョロチョロと水をある程度の時間与えるとその水は流れ出さずに浸み込んでその場に留まる。
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英国の公園で見かけたのはこれ。
ホースをつっかえ棒の上に括り付けて放水しているのが分かる。
これは細く長くではなくて、太く長く になっているが、それは公園という大きな面積での水遣り なので。
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因みにプチ英語教室みたいになるが、このホースの先についた散水のためのパーツを lance という。
さらにランスの先についたジョウロの先のような部分を rose という。
rose とはバラのローズと同じスペルであるが、散水口という意味がある。
覚えておいて損はない。
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閑話休題。
当然水遣りはこれが正解というのはなくて、このようにジャブジャブと水をやる場合にはそこにある植物の特性、水をやる場所の最近の天気、水をやる場所の土が水はけが良いなどの様々な条件を勘案してその方法を決定する。
ゆえにたかが水遣りされど水遣りなのである。
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最後にオマケをひとつ。
ロンドンを歩いていたらば日本語が飛び込んできた。
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SUPERDRY 極度乾燥しなさい
どうもこれは英国発祥のカジュアルブランドのようである。
日本語や漢字が彼らにとってはとってもファッショナブルなのだ。
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これに似た英国のカジュアルブランドに WHITE STUFF というのがあって、この洋服の襟には 「衣」というふうに刺繍がこらしてあるのを思い出した。
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日本語を母国語とする我々からすれば、極度乾燥しなさい という言い回しは 「バカ言ってんじゃない」と一蹴されてしまいそうだが、所変ればってやつだろう。
植物たちにとっても極度乾燥は避けたいところだろうなぁ。
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2010年6月15日火曜日

緑と赤
       
    
ロンドンで見かけた印象に残った光景のひとつに都会のがあった。
     
カフェでは赤いパッケージを模したコンテナにボックス(ツゲ)をただ入れたものが店の看板の色とシンクロして良い雰囲気を作り出していた。
さらにはこのコンテナにはキャスターがついていて簡単に移動できるような工夫がなされていた。
おそらく開店とともにどこかから引っ張り出してきて、閉店とともにしまうのだろう。
なかなかのグッドアイディアである。
    
     
これはもっと大型のコンテナでグレーに塗った金属のフレームで囲った赤い木の板で出来たしっかりしたもの。
オリーブの木がコンテナの真ん中にあって回りをラベンダーが囲んでいる。
これが幾つか連続で店先に並んでいるのはかなり壮観である。
     
    
そしてこれは安っぽい木のテーブルに安っぽい赤い椅子
注目すべきは店の前にふたつ置かれたポット(鉢)。
これもボックスというシンプルなものだが、これがになっている。
真っ赤なベンチも同じくになっている。
    
これがいわゆるシンメトリーな演出というやつである。
ベンチ、ポット、シンプルな植栽・・・・ とどれをとっても対して驚くべきことがないのだが、なんとなく目を引く楽しさがあるのはこの配置の仕方と赤い色なんだと思う。
   
ちょっとした工夫次第で楽しくできるものなんだなぁ。
   
     

2010年6月14日月曜日

マテバシイ Lithocarpus edulis
        
       
東京ディズニーランドへ繰り出したときのこと。
   
前方の樹木の上が何やら明るい色で覆われているのが目に入った。
   
何だろう? と思って近づいてみると、それは木の花だった。
何の木かというとマテバシイというブナ科常緑樹である。
     
      
花と言ってもチューリップのような花ではなくて、ご覧のように明るいながらも地味な花が無数についている花らしからぬ花である。
形としてはキツネの尻尾のような、というか花火がはじけ散ったような形をしている。
    
ブナ科ということで果実はドングリのような形をしていて 学名の種小名 edulis は英語の edible すなわち 食べられる という意味があるように実際食べられるのだそうだ。
     
花の香りも好みが分かれるところだろうが、花咲ジジイはかなり好きな類の香りがする。
それはクリの花とソックリだ。
     
それもそのはず、クリもマテバシイも同じブナ科の植物であるので共通項が多いのだ。
    
そんな花を大きなカメラを構えてミッキーなどそっちのけで何枚もの写真を激写していたので、周りにいた人たちが随分不思議そうに花咲ジジイを眺めていた。
そして花咲ジジイがひとしきり写真を撮り終えたらば、何人かの人たちがマテバシイに近寄っていってその花をつぶさに眺めたり、写メを撮ったり、枝を引き寄せて観察したりしていた。
    
花咲ジジイの植物愛が伝播したのだな、フフフフ・・・ と一人ほくそ笑む花咲ジジイであった。
  
   

2010年6月13日日曜日

クレオメ Cleome spinosa
      
    
その個性的な花の様子からもご存知の方も多いことだろう。
    
その名をクレオメ
    
花壇ではよく見かけるが、道端にクレオメが密生していたなんて話はあまり聞かない。
出身地はワールドカップが始まった南アフリカとも、南米ともいわれているが定かではない。
    
色はこういうピンクの混じったようなものがほとんど。
    
最大の特徴が長く突き出した雄しべで、夕方から咲いて翌朝には枯れる・・・・ と言われるが、この写真を撮ったのはお昼過ぎ。
どうも情報と実際の生態はかならずしも一致しないようである。
    
変った姿かたちをしているので、何の仲間(何科)だろうかと想像してみたけど、何も思いつかなかった。
調べてみたら フウチョウソウ科(CAPPARACEAE) というらいしいが、フウチョウソウ科なんてのを初めて聞いた。
  
漢字をあててみるなら 風蝶草 となるそうで、そうやってみると風に揺れる蝶のように見えなくもない。
   
     

2010年6月12日土曜日

東京ディズニーランド
     
   
20年以上振りに東京ディズニーランドへ行った。
   
なんと「仕事」でである。
   
ディズニーランドには色んなアトラクションがあって、色んなレストランがあって、色んなお土産屋さんがある。
まさに非日常の世界を楽しんじゃう夢と魔法の国なのだ。
    
ところが、もうひとつこのディズニーランドを盛り上げているとても重要なファクターがある。
お気付きだろうか?
   
それは植栽である。
    
ディズニーランドには様々な植物が植えられている。
それらは緻密に計算されて、然るべき意図にしたがってそこに必然として存在する。
   
どれも気まぐれでそこにあるわけではなく、すべて計算ずくだということだ。
    
花壇なんかもまるで絨毯のような芝生のど真ん中にミッキーの顔をした植栽が施してあったりするのをご記憶の方も多いだろう。
   
そういった気の利いたディズニーランド独特の植栽を見に行ったという訳である。
因みに上の写真でミニーの後方にある木々はオリーブね。
      
とてもここでその全てをご紹介することはできないが、ちょっとだけご紹介しよう。
      
    
この円柱形の刈り込みは何だ?
実はこれは最近何回か花咲ブログで書いたヒマラヤスギだ。
もうオリジナルの樹形なんかここでは関係ないみたいだ。
     
    
この四角い箱のような刈り込みがなされたものは?
これはマキである。
普通は玉散らし仕立とかいって丸いポンポンになるような刈り込みは伝統的にあるが、四角く刈り込むというのはなんとも斬新である。
      
    
ではこの鏡餅のような刈り込みは?
これはカイヅカイブキである。
これも花咲ブログで何回か書いたなぁ。
これもかなり手がこんでいる。
因みに右手にある四角い刈り込みはシラカシだ。
    
     
ではではこの素晴らしい樹形のものは?
♪この~木なんの木気になる気♪ と聞こえてきそうな樹だ。
これはタブ
    
さすが夢と魔法のワンダーランド。
すべてが あり得ない~ と驚きの声があがりそうなくらいユニークで個性的だ。
    
このように植栽を見て回ることを目的として行ったので、およそ5時間位滞在して乗ったアトラクションは蒸気船マートゥエイン号のみ。
    
70分待ちです なんて言われただけで並ぶ気が失せてしまい、平日だというのに溢れる人を見ていたら人酔いしてしまって早々にオウチに帰りたくなってしまった。
もうこういう雰囲気を楽しめない心の荒んだイヤな大人になっちまったのかなぁ・・・・。
   
     

2010年6月11日金曜日

Japanese Maple



イギリスのお庭ってステキよねぇ、バラなんかこうからんじゃったりして・・・・ 
なんて話を良く聞く。

同様にイギリスでは
おー、ジャパニーズガーデン、とってもラブリーでぇす、鯉カープが池に泳いだりして・・・・
と言ったとか言わなかったとか。

ともあれ互いに無いものねだり というか、他人の芝が青く見える もののようである。
頭の中に一旦構築されたイメージってかなり根強いというのも分かる。

英国人に限らず西洋人は概して日本庭園に一目置いているといえる。
でもそれはどんなイメージなのかと言えば、例えば竜安寺の石庭のようなものだと思われる。
砂利枯山水錦鯉赤い太鼓橋灯篭飛び石・・・・と色んなエレメントが彼らの頭をかすめるのだろう。

同時に日本らしい典型的な植栽というのもあるだろう。
ツツジマツギボシタケササ・・・

でもなんといっても認知度、人気、普及率など色んな面で抜きん出ているのがカエデ Acer palmatum であろう。

英国のガーデンセンターなんかにいくとご覧のように Japanese Maple のぼり が立つくらい目立つように陳列されている。



カエデについているタグ(ラベル)を見てみると ACER といかにもオリエンタルな字体で書いてあり、オマケに金閣寺のような清水寺の五重塔のような建物の絵までついてジャパニーズな雰囲気を盛り上げている。

こういうのがウケるわけである。

日本でも イングリッシュ~ といって売っているものは案外コレに近いのではないかと思ってしまうがどうだろうか。

2010年6月10日木曜日

東西対決 エリゲロン
    
   
この花をご存知か?
   
デイジーのようなカワイイ花だ。
これはエリゲロン Erigeron というキク科の花である。
   
デイジーもキク科なので似ているというのも頷ける。
   
それにしても誰が名付たかエリゲロン。
エバンゲリオンに似てないわけでもない。
   
このエリゲロンはフツーの姿かたちをしている花なので特に目立たないが、その生命力が凄くて階段の隅の僅かな隙間に根付いたりする。
   
   
ロンドン郊外のお屋敷街を歩いていたら階段の隅に咲き誇るエリゲロンを見かけた。
なんともさまになっている。
ロンドンでさまになっているということはまるっきり洋風なのかといえばそうでもない。
    
    
東京で散歩をしていて、思いっきり昭和の香りのするお宅があった。
そのお宅は表通りに面しているが、緑が多くてなんとも良い雰囲気を醸している。
     
    
家に寄りかかるようにあるのはハツユキカズラだろうか。
そしてその足元にあるのがエリゲロンである。
こうやってみると日本家屋に何ら違和感なく溶け込んでいる。
    
そもそもエリゲロンって名前はモノモノしいけど、そんなに珍しいものではない。
誰にも馴染みのある雑草(野草)であるハルジオン Erigeron philadelphicusヒメジョン Erigeron annuus はともに学名をみれば分かるがエリゲロンなのである。
   
ああ~、ハルジオンとヒメジョンについては書きたいことが沢山あるのだけど、今日はやめておこう。
   
とにかく今日のところは エリゲロン、かわいいゾってことで。