2014年12月31日水曜日

お疲れさまでした


1年は365日。

なんだかたくさんあるようでいて365日が経つのは本当に早い。

今年は皆様どんな年でしたか?

僕は良い出来事もあったけど、やはり月並みではあるが健康で楽しく過ごせたこと、家族も健康に元気に過ごせたこと、これが一番ではないかな。

逆に良くなかったことは、大切な友人を失くしたこと。
まだまだ若かったのに、本当に悔しい。

また今度逢おうね・・・

そして二度と逢えないことになってしまった。

教訓、本当に逢いたい人にはためらわず万難を排し逢うべし。

「今度・・・」なんてダメだ。



まぁそんなこんなで大晦日。

テレビは観るにたえないくだらない番組ばかりなので、ここは独りゆっくり酒など飲みながら2014年を回顧し、2015年いかに生くべきか考えたい。

今年も多くの方々に支えられ、実り大き一年とすることができました。

心から御礼申し上げます。

2015年もよろしくお願いいたします。

花咲ジジイ拝

2014年12月30日火曜日

自転車すす払い


いよいよ晦日。

今年もあと明日一日となった。

掃除は済ませましたか?

正月飾りは?

いろいろとやるべきことが多いよね、暮れは。

先だって、お世話になっている「あしびなさん」(自転車屋さん)とビールを飲んだ。

そのときに自転車のメンテナンスについて尋ねた。

僕はかなりの頻度で自転車に乗っているけど、お恥ずかしいことに普段メンテナンスらしいメンテナンスはあまりしていない。

チェーンのオイルを時々さすくらい。

ただ通常は玄関に置いてあるので雨ざらしになることはないのは自転車の寿命に大いに関係があると思われる。

そんな話をしたらば、「基本的にはそれで大丈夫ではないですか」とのこと。

正月が迫った先日は念入りに乾拭きをして、目立つ油汚れを落として、チェーンにオイルをさした。

すると気のせいか、見違えるほどピカピカになったし、ペダルも軽くなった。

これで良し。

毎年元旦は早起きして荒川沿いを自転車に乗りながら初日の出を見ることが恒例になっている。

来年1日も天気予報では大丈夫そうなので、一年の計は元旦にありとばかり早起きして出かけるつもり。

さぁ、明日はやり残しがないよう万全にして2014年を締めくくりたいものであります。



2014年12月29日月曜日

きのこ・・・


暮れの冷たい雨。

しみますねぇ。

いかがお過ごしでしょうか?

僕は対外的、直接的な仕事は終わりましたが、来月早々にある数本の講演の準備、原稿書き、さらにはレポートの採点などせわしくしております。

暮れなので今年を振り返ったり、来年の目標を立ててみたり。

来年はきのこについても詳しくなりたいと思っております。

乱暴な言い方ですが「キノコは植物ではない」のです。

キノコは菌類で胞子によって増える。
植物は主に種子で増える。

八百屋さんではダイコンもシメジも一緒に売っているし、なんとなく似ていると思うかもしれないけど、分類的にもまったく異なるものなのですね。

自然観察などで森に入るとキノコの役割の大きさに気付くことが多い。

森には健全な樹木もあれば、倒れて朽ちている木もある。

倒木には腐朽菌が入り込み、じわじわと分解し「土へと還す」助けをしている。

その腐朽菌が我々の目で見える形になっているのがキノコというわけ。

一説によれば森の生物種の3割が枯死木に依存して暮らしているなんてことも言われている。

この秋にこども達と植物観察したときに小学2年生の男の子がハッとする箴言を放った。

「キノコがあるのは森が元気な証拠」

どうです?ズバリ的をえたスゴイ一言であります。

樹木医として樹木の健全度を測る際に大きな指標になるものキノコの有無やその種類だったりする。

ということで、「キノコは植物じゃないからワシは知らん!」という態度だったのを改めざるを得なくなった。

手始めにポケット図鑑を買ってみたが、これではあまり専門的なことは分からない感じだ。

来年は少しづつキノコへの興味を深め、知識を蓄えていきたいと思っております。

2014年12月28日日曜日

旅に出よう


ちょっとしたお知らせです。

来年3月に英国二都市を巡るツアーを計画中です。

英国人が住みたい街ランキングで常に上位にあるケンブリッジとヨークを巡る旅。



察しの良い方は気付いたと思いますがそれぞれの街に僕は住んでいましたので、いわばホームタウン。

ちょっと変わった切り口で旅のご案内をします。

時期が3月11日~18日と庭巡りにはやや早いのですが、それでも見る庭はあります。

例えばケンブリッジ大学植物園のウィンターガーデン(一番上の写真)は冬の植物の楽しみ方を教えてくれます。

そこには色んな工夫があるのですが、詳しい解説ももちろんします。

ケンブリッジもヨークも古き良き英国の趣をたたえた街。

佇んでいるだけでもヨーロッパに旅にきたと実感できることでしょう。

旅のテーマは「街・庭・食」ですので、それぞれを独特の切り口でご紹介したいと思っています。


食は「飲」とも置き換えられるかと思いますが、パブ巡りをして英国の庶民文化の代表であるパブとビールを堪能したいと思います。

ローカルな醸造所の見学や、美味しいフィッシュアンドチップスのお店にも足を運ぶ予定です。

恐らくこれまでにないユニークな切り口であることは間違いないと思います。

ご興味のある方は是非ご参加ください。

お問合せなどもご遠慮なくどうぞ。

詳細は 

 http://tabi.7netshopping.jp/7tabi/ab_tour/615701/




2014年12月27日土曜日

クリスマス便り



クリスマスが過ぎた。

クリスマスは英国ではもちろん一大イベント。

多くの人たちは家族と過ごす大切な時間。

仕事は休みになり、それぞれ帰郷、もしくはホリデーへと出かけてしまう。

人間は休みでも植物たちには休みはない。

キューガーデンなどの植物園でも休日シフトを組んで、それぞれ植物たちの世話にあたる。

英国人は家族と過ごすためいなくなってしまい、家族のいなかった僕はクリスマスは「稼ぎどき」だった。
同じように母国を離れて独り過ごす人たちがもっぱら休日部隊に名を連ねていた。

キューガーデンなんかだと、スケールが大きいのでパームハウスで一人、テンパレートハウスで一人、POWで一人、バックヤードのナーセリーに三人・・・といった具合で園内にガーデナーだけで10人近くが働いていたと記憶している。

さらにクリスマス特別手当なんかもついたりして、勤務条件はすこぶるよろしい。

僕も自らすすんで休日シフトに入り、クリスマスは静まり返った植物園内にて過ごすことがほとんどだった。

クリスマスは一般公開もされていないし、世界遺産のキューガーデンを独り占めしたような気分になれる。

静まり返った園内を好きな場所を好きなだけ味わうことができる。

今考えるととても贅沢なひとときだった。

当時のクリスマス勤務部隊の友人、スペイン人のカルロス君はいまだにクリスマス勤務を続けているようだ。

彼の撮ったクリスマスのキューガーデンの様子をご紹介しよう。

気温が低くぴーんと張り詰めた空気がなんとなく伝わってくる。

スノードロップなんかも咲きはじめて、じょじょに春へと向かいはじめているようすがわかる。




2014年12月26日金曜日

字を書こう


葉書の木、あるいは手紙の木をご存知か?

正式にはタラヨウ Ilex latifolia というモチノキ科の高木。

この葉の裏面を釘のようなもので字を書くとしばらく経つと字がご覧の通りくっきりと浮き出るのだ。

こうやって葉に字が書けるので葉書の木、もしくは手紙の木というわけだ。

実際に切手を貼って投函し、配達されるか試した兵(つわもの)もいるらしい。

願い事をしたためて葉を川に流したりしても良いんではないかな。

2014年12月25日木曜日

季節はずれのサクラ咲く


Happy Christmas

今日はクリスマス。

この度、樹木医なる資格に合格し、今日が認定証の授与式でありました。

よりによってクリスマス。

なんとなくサンタのプレゼントのような・・・

この資格は知っている人は知っているだろうけど、まだまだ知名度はそれほど高くないのかもしれない。

ただ、身の回りにこれだけたくさんの樹木があって、それらをプロの知見をもってケアすることは今後さらに求められてくると思われる。

年初に「今年は樹木医に受かる」と目標を立てたのだがそれが叶ってとても喜ばしい。

「今年は休肝日を設ける、週に2~3日は。」というのは3月頃に散った。

樹木医と休肝日どちらが難易度が高いか冷静に考えれば我ながらよく頑張ったと褒めてやりたい。

樹木医に受かったといっても、これでスタートラインに立ったまでのこと。

医者だって医学部を出て、国家試験に受かって医師免許を得るが、その後インターンやら臨床の実績を積んでいっぱしの医者になっていく。

もう50の大台目前でスタートラインというのもやや遅きに失した感もぬぐえないでもないが、もうやるっきゃないのだ。

というわけで、2015年は樹木医資格と、木登り技術を活かして新境地を拓いていきたいと思っております。

乞うご期待、そしてよろしくお願いいたします。

2014年12月24日水曜日

激アツ池袋


池袋が今アツいらしいではないか。

なんと「住みたい街」なんてのにも吉祥寺や恵比寿などに並んで食い込んでいるらしい。

その原因としては副都心線によって横浜とも繋がったこともあるし、なんといっても集中的な再開発もあるだろう。

その象徴が豊島区役所の新庁舎ビル。

1階~2階が商業施設、3階~9階が豊島区庁舎、10階~49階が分譲マンションという、日本初のマンション一体型の区役所庁舎で、高さはサンシャイン60には及ばないながらも堂々の189メートル。

なんといっても気になるのは9階部分までが斜面状になっていて、そこに植栽が見られること。

このブログでも取り上げたことがある福岡のアクロス福岡のようなイメージを狙っているのだろうか?

まぁ見たところアクロス福岡ほど重厚な植栽は考えていなさそうだけど。

完成は来年5月7日らしい。

これによって池袋の特に東口側がさらに賑わうことだろう。

出来上がったら、都市と緑化の関係の最新モデルなるものがどんなものなのか、今からとても気になるし楽しみであります。




2014年12月23日火曜日

ヒマラヤスギの花

ヒマラヤスギ雄花

冬。

咲いている花の数も少ない。

それでも咲いている花のなかに一風変わった花がある。

ヒマラヤスギ。

かなりの大木だけど、これを生垣として都会の限られたスペースに植えてあるのをよく見かける。

潜在的にどのくらいの高さにまで育つか知っているのか?

知っていたら狭小住宅の生垣には使わないだろうなぁ、普通は。

ヒマラヤスギといって「スギ」の名前がついているけど、スギとはまったくの別物。

スギはヒノキ科だけど、ヒマラヤスギはマツ科になる。

いずれにしても風媒花で、地味な花を11月ころにつける。

風媒花ということは花粉が細かくて大量に生産されるということ。

実際、ヒマラヤスギの花が咲く時期は路面が花粉で真黄色に染まるくらい。

役目を終えた雄花が地面に転がっている。

その数はおびただしい。

ヒマラヤスギの雄花の花がらだと知らなければイモ虫??と見紛うくらい。

しかしこれだけたくさんの雄花がある割には雌花を見かけることはない。

何故か?

一説によれば、ヒマラヤスギの雌花は5ミリ程度と小さいこと、さらに木の上のほうになるので人目につきにくいらしいのだ。

たしかにヒマラヤスギの球果は木の高い場所に多く見かける。

そうそう、イチョウの雄花もわりと良く見かけるけど、雌花を見つけるまではかなり苦労したっけ。

人目につかずひっそりと咲く目立たない花も多く、それらに目をむけるのも面白い。


ヒマラヤスギ雄花の花がら

2014年12月22日月曜日

カラスウリ・ハウスの今

現在、冬の様子

冬らしいといえば冬らしい殺風景さ。

スッカリ枯れてしまったカラスウリが家屋を完全に覆っている。

夏はまだ緑だったので、緑のカーテンと見えなくもなかった。

しかし今となっては異様としか言いようがない。

この家は窓を開けないのだろうか?

家に光は入ってくるのだろうか?

ちょっと壁の一面を覆う程度ならなんとか理解できるけど、家屋全体をここまでカラスウリが覆っているのはちと珍しい。

枯れたんだから取り除いてみればどうなんだろう。

カラスウリといったって、これだけ取り除けば軽トラいっぱいには軽くなるだろうな。

捨てるのも大変そうだ。

すごく気になる・・・・

夏、青々しい様子

2014年12月21日日曜日

ゆず湯


昨日は冷たい雨の一日。

今日は弱弱しい太陽の光がどうにか差してまずまずの一日。

そして明日は冬至。

冬至、すなわち一年で一番日が短い日。

これを越えれば日一日と日が伸びていくのだ。

明けない夜はない、とは良く言ったもので、寒い日はまだまだ続くだろうが春に向けて季節は少しづつ動いているのだなぁと思う。

冬至にはゆず湯に入りましょうというのは素晴らしい日本の伝統。

こういう風習がどんどん風化していってしまうのはなんとも残念なこと。

家でゆず湯や菖蒲湯につかるというのも難しいというのもこれまた事実。

そんなときに銭湯は有難いイベントを開催してくれる。

昨今の銭湯不況(?)から、毎日営業すら厳しいというのが銭湯の現実。

この銭湯は通常であれば月曜日は定休日なのだろう。

ところが冬至ということで臨時営業をするようだ。

もちろん「ゆず湯」を提供するために。

明日はちょっとした予定があって、22時にこの銭湯に行けるかちょっと微妙。

もし間に合えば行ってみようかな、なんて思っている。


2014年12月20日土曜日

暮れ模様




12月20日日曜日。

今年も残り10日となりました。

クリスマスまではあとたった5日。

クリスマスはそれほど意識していないながらも、ネットから聴こえてくるイギリスのラジオからはクリスマスソングがひっきりなしなので、いやがおうにもクリスマスが近いことを感じさせられてしまう。

今日通りかかった花屋さんはちょっと変わっていて、門松あるいは生け花などに使うと思われる花材がズラッと並んでいた。

五葉松 大サービス税込み600円

果たして高いのか安いのか、てんで見当がつかないけど。

まぁこういうようすを見るに暮れ模様を肌で感じる次第であります。

2014年12月19日金曜日

さらに止まらない落ち葉の話


落ち葉で思い出した。

英国で住み込みの庭師をしていたとき。

住まわせてもらっていた家がやたらにデカかった。

庭全景だって写真に納まらないくらい。

その庭には2本の大きなポプラ、そしてユリノキ、クワ、モクレンなどがあったが、それら全て落葉樹。

つまり秋にはハラハラと葉が落ちて、庭師の主な仕事は落ち葉かきになる。


朝からせっせとかき集めてはコンポストにするための置き場に運ぶ。

午前中いっぱい汗だくになってやっと終わったと思っても、午後外出するときにはすでに芝の上には落ち葉が・・・・

これにはさすがにゲンナリした。

こんなことが2ヶ月くらい続いたっけ。

庭仕事と引き換えに格安の家賃にしてもらっていたけど、世の中やっぱり甘くないんだよね。

2014年12月18日木曜日

それでも葉は落ち続ける


冬らしい澄んだ空気。

爆弾低気圧なんだか、とにかく底冷えのする日が続いております。

京都、名古屋あたりでは大雪なんだそうで、東京も他人事ではない日が近い気がします。

ホワイトクリスマスになったりして・・・。

大気が乾燥して澄んでいるせいか、毎朝富士山をクッキリハッキリ拝むことができる。

良い事がありますようにと手を合わせる。

夕方はまた息をのむ美しい夕焼けが見れたりする。

しばし足をとめて西の空を仰ぐ。

寒いけど実害がない範囲であれば、これはこれで良いかなと思う。

日本海側、北海道では大変な被害なんだそうで、心からお見舞い申し上げます。

さて、街路樹のイチョウもほぼ散りつつある。

とっくに丸坊主になっているイチョウもあれば、まだ緑色が濃いイチョウもあったりして、個体差がかなりあるのは興味深い。

なんでかなぁ。

道路に目をやれば、黄色い絨毯のような場所もある。

おびただしい黄色いイチョウの葉が街を席巻しているのは間違いない。

律儀で真面目な人は一生懸命落ち葉かきをするのだけど、後から後から葉が落ちてくるのでキリがない。

かき集めた落ち葉はゴミ袋やバケツにいれてゴミ収集車にもっていってもらう。


しかし落ち葉の落ちてくるペースのほうがゴミ収集のペースを上回るので、とりあえず寄せて固めておけ、なんていうところも出てくる。

それでもまだハラハラと葉は落ちてくる。

これを風情ととらえるか、迷惑ととらえるか、微妙なところであります。


2014年12月17日水曜日

真砂土


最近こういうの良く見かけませんか?

街路樹や商業施設の樹木の根元がコンクリートのようなもので塞がれている。

これは真砂土というもので、もともと関西方面の土壌としては主流。

花崗岩が風化してできたもので、もともとは人工的なものではない。

真砂土と字をみればわかるけど、「砂」と「土」の間みたいな感じといえばいいだろうか。

保水性もそこそこあるが、一方で透水性もある。

これに固化剤を混ぜたものが園芸用でも売っている。

袋に入っていて、砂のようで、それを目的の場所に撒く。

平らにならして、そしてジョウロのようなものでキメの細かい水をかけるとあれよあれよと凝固する。

出来上がると、今日の写真のようにコンクリートのようになる。

実際、コンクリートのように固いので、ここに雑草が生えることはない。

固いくせに透水性がそこそこあるので、樹木の根にも水が届く。

そんな理想とも思われる素材なので、最近街路樹の根元などでよく使われるようになったのだろう。

比較的安価で、施工も容易、根にも水分が届き、雑草は生えない・・・。

でもねぇ、透水性が良いっていったって、樹木の根が十分に吸水するほど透水するかっていうとやや疑問だと個人的には思っている。

こういう街路樹が増えているので、今後樹勢にどのような影響があるか見守ってみたいと思う。

2014年12月16日火曜日

野いばら


ある方が親切に貸してくれた一冊の本。

梶村啓二の「野いばら」。

読みましたか?

冒頭は現代、しかもイギリスで話が展開していくので、そのままいくのかと思いきや・・・

本筋は幕末。

攘夷の機運高まるなか、生麦事件が起きたあたりから話がはじまるのですが時代小説にやや抵抗があってもなんのなんの、あれよあれよと引き込まれていきました。

時代小説ってほど時代小説ではありませんが。

イギリス、植物、植木、庭・・・気になる言葉がちりばめられていて、どんな話なんだ?と。

読み終えた後は、なんとも優しい余韻にひたることができ、紹介してくださった方に感謝。

ちょっとオススメです。

2014年12月15日月曜日

天ぷら屋さんにて植物観察


美味しいものを食べると思わずニヤけてしまうこと、あるよね。

天ぷらを食べにいったときに頂いたマグロ。

美味しかった~。

生きてて良かった。

しかし、ここで落ち着いて皿を見てみよう。

もちろんマグロ。

そしてダイコン、大葉、穂ジソ、わさび、芽じそ(紫芽:むらめ)。

大葉はシソの葉、穂ジソはシソの茎と実、芽じそはシソの幼葉。

刺身業界はシソにかなり頼っているといえるだろう。

シソ独特の香りが、刺身の生臭さを相殺してくれるのだろう。

穂ジソに至ってはその独特の食感も刺身を頂戴するときには欠かせないものだ。

そして食べる前に穂ジソをつまんでジッと見てみる。


シソ科だけに、実も対生についているし、実のついた茎はカクカクしてしている。

これすなわち、シソ科の茎の断面は四角だということ。

さらに良く見れば、実には毛が密生している。

毛があるというのもシソ科の特徴。

そしてこの香り。

ラベンダー、ローズマリー然り、シソ科の植物は独特な香りを放つものが多いのだ。

・・・ということで、天ぷら屋さんにてひととおり植物観察を済ませた後に、「いただきま~す」。


2014年12月14日日曜日

春遠からじ?


暮れ。

忘年会ってことでとある天ぷら屋さんに行った。

旬のものをカラリと揚げてくれる。

食感はカラッとした香ばしさながら、サクサクと軽い食感。

ついつい食べ過ぎちゃう。

筍が美味しかったなぁ。

店内に掲げられた御品書にはみつば、アスパラ、生椎、茄子、銀杏、はす、丸十、ぺこ玉、しし唐・・・と植物名が並ぶ。

この御品書はディスプレイ的な意味があって、親方の手元の食材を正確に反映しているわけではないと思われる。

その時の旬のものが選ばれて揚げられていく。

こういうところで食べると日本人で良かったなぁとつくづく思う。

親方がせっせと揚げようと準備していたのは、なんとフキノトウ。





さすがにまだ早いのではないかと思ったけど、最近はハウスもので手に入るらしい。

これは真の意味での旬ではないけど、グッと冷え込むようになって気分も沈みがちなので、春を感じさせる食材を口に運ぶことでちょっと気分が上がる気がした。

実際、食べてみたフキノトウは苦味があってちゃんとしたフキノトウだった。

春遠からじ、かな。

2014年12月12日金曜日

レトロなやつ


どうです、このレトロな感じ。

場所は神保町の裏手あたり。

建物も古くて昭和の香りがプンプンするのに加えて門かぶり(?)のソテツが一層古さを感じさせる。

建物にナントカ学会と書いてあるけど学会が「學」と字が古いだけでなく右から左へ書いてあるのもシブい。

ソテツはイチョウと並んで原始的な植物と言われている。

小石川植物園に行くとソテツの精子発見をした池野成一郎が観察したソテツの子孫が植えられていたりする。

見た目も、そのエピソードも、分類学的な立場も、何から何までちょっと個性的。
それがソテツであります。

2014年12月11日木曜日

知的財産


現在、東京理科大学大学院にて「種苗法と農水知財」の非常勤講師をしております。

後期担当で全15回の授業。

今日で12回を終え残り3回となりました。

毎年のことながら、その責任の重さと、しんどさは登山のようです。

しかし登りきるとまた違った景色が見えるのが楽しみ。

さぁ年内は来週でおしまい。

学生たちはそろそろ冬休み気分です。

2014年12月10日水曜日

飛ぶタネ


秋というかもはや冬ですね。

師走だし、そりゃそうか。

でも景色とカレンダーが一致していない気がして、秋と冬の線引きが年々難しくなってきている気がする。

春と夏の線引きも然り。

都内のイチョウもほぼ終わりにちかいかな。

木枯らしが吹いたりして寒さがつのっていく・・・。

そんな北風にのっていろんなタネが飛んでくる。

今もっとも見かけるのがケヤキではないだろうか。

ケヤキの葉はカラカラに乾燥すると、小枝ごと風にのって飛んでいく。

ケヤキって葉っぱ一枚が単独で飛んでいくのではなくて、こんな感じでまとまって飛んでいくことが多いでしょ。


そのひとつを拾い上げてジックリみていただきたい。

するとあることに気付く。

葉の付け根に小さくて丸い何かがプチッとくっついていることに。

これがケヤキの実(タネ)であります。

彼らはこのようにして種子散布を行っているわけだ。

この話は毎年しているので、あまり新鮮味がないかもしれないけど、それにしても良くできている。

しかもこの葉はかなり遠くまで、そして高く飛ぶようで、ビルの4階、5階程度の階段の踊り場や屋上なんかにも積もるようになっているのを見かけることが多々ある。

落ち葉掃除でウンザリ、というのも分かるけど、そのひとつを拾い上げて「おおっ、こんなところにタネが」と感嘆してみる心のゆとりも大切であります。