2008年12月31日水曜日

植木屋という職業
    

   
いよいよ大晦日
子供の頃、異常に興奮したあの気持ちはもうない。
サバサバしすぎちゃって、単なる月末という気もしないでもない。
    
さて、この一年の多くを植木屋の親方の手伝いをして過ごした。
僕は自称パートタイム植木屋なんていっても、かなりの稼働率であった。
    
そこで見えてきた(今更ながら)植木屋という職業について深くあれこれ考えることが多かったので、ちょっとその辺を一年の締めくくりとして。
     
12月に入ってから御近所を散歩していて植木屋さんをあちこちで見かけなかっただろうか?
   
あの家も、こちらのお宅も、といった具合で、世の中にこんなに植木屋がいるのかと思うくらい見かけた人もいるだろう。
    
僕は昨日(12月30日)自転車に乗って家の近くを走っていて、あちこちで店のシャッターをたわしでこすっている人、店の棚の下を雑巾がけしている人、など大掃除に精をだしている人をあちこちで目にした。
    
ここがポイントである。
   
どうやら日本人の気持ちとして、新年はさっぱりキレイにして迎えたい というのがあるのだろう。
   
そうなると、どうなるか?
    
12月の声を聞くと「ウチの庭の手入れをお願いしますね」という依頼が殺到する。
    
植木屋さんは仕事なので出来るだけ日程調整してこれに応えようとする。
    
まさに書き入れ時ってやつである。
ウチの親方は11月半ばくらいから文字通り休日返上、無休で手入れ仕事をしていた。
    
風邪を引いたり、インフルエンザになっている暇はないのだ。
    
そしてようやく新年を迎えるとどうなるか?
    
a まだまだ引続き忙しい
b 通常ベースの仕事量になる
c 仕事がガクッと減る
    
答は c の仕事が減る、もしくは無くなってしまうだ。
   
植木屋仕事というのは本当に季節によって閑期と繁忙期の差が激しい職業だと思う。
皆、正月前にサッパリしたいというのに、正月を過ぎるとパタッとそういう気持ちが失せてしまうらしい。
とっても不思議だ。
     
植木屋さんは「不思議だ」なんて呑気なことを言ってられない。
まさに死活問題だ。
     
手入れ仕事は1月~3月頃までほぼ開店休業状態で、4月頃から少し上向き、夏に一旦ピークを迎え、初秋にスローダウンし、暮れに一気に爆発する・・・・というのが一般的なパターンであると聞く。
     
そうなると閑期に何をするか、何が出来るかが問題となる。
マンションやオフィスビルの外溝植栽の定期的メンテナンスの契約なんかがあると、季節を問わず定期的な仕事が見込める。
あるいは季節に関係がないのが、庭の手入れではなく「庭造り」である。
    
とにかくいかに仕事量の平準化を図るかが分かれ目となる。
    
もし、従業員を数人抱えているような植木屋さんであれば、仕事があろうとなかろうと人件費は待ったなしで発生するし、事務所や資材置き場を借りていれば、家賃が発生する。固定費を負担しなければならない場合、致命傷になる場合がある。
    
植木屋さんは木を切ってれば良いのか?となると、まぁそれはそれがメインなので間違いはないのだけどもっと問題は奥深い。
    
木を切るのはある程度経験すれば出来るようになる。
問題は切ったことで出てくる ゴミ なのだ。
    
大きなポリ袋に入れて家庭ゴミとして出せる量ではない。
となるとトラックに満載したゴミをどこかに捨てねばならない。
   
産業廃棄物の不法投棄の問題もあって、やたらにどこかに捨てたり、燃やしたりも出来ず、それを引き取ってくれる業者に引き取ってもらう。モチロン有料である。
    
草刈りをする機械、生垣を刈り込む機械、トラック、各種ハサミ、ハシゴ、などなどTPOに合わせた色んな設備を持たねば効率の良い仕事はできない。それらを購入する金額も並みではない。ケチって安い道具を使ったのでは仕上がりに差が出たり、怪我をするかもしれない。
   
持った設備、備品はどこかに保管せねばならない。
   
・・・・とまあ、一言で植木屋さんといっても本当に大変な職業なのである。
   
さらに自然には逆らえない
株価やスポーツの結果を熱心にチェックする人がいるのと同様、われわれは天気予報をマメマメしくチェックする。
植木屋殺すに刃物はいらぬ、雨の3日も降ればいい と誰かが言ったとか言わなかったとか。 確かに。
     
雨でもカッパを着てやることもあるけど、足元が悪いと滑ったりして怪我をしかねない。作業効率も下がる。
親方の判断で、雨ではやらないことが多い。
    
怪我も付きまとう。
知り合いの高木剪定を専門にしている植木屋さんは、昨年木から落ちて肺に穴が開いて骨も折ったらしい。同じ人なのだが今年はノコギリで自分の手の甲を切って、手の腱まで切れる大怪我をしたらしい。
聞くだに恐ろしい。
     
まあ、植木屋を取り巻く様々な環境は決して楽観できるものではないけど、外にいることが好きだし、植物と向きあう毎日は本当に楽しい。生きている実感がある。
こうやって12月31日に今年を振り返って怪我もせず楽しく充実した一年を送れたことを本当に有難いと思う。
     
そして、1月25日にスタートしたこの花咲ブログはこれで350エピソード目となり、無事に2009年を迎えられそうである。
毎日、立ち寄って拙い文章を読んでいただき心から感謝感謝である。
身近な植物のアレコレを取り上げつつ、2009年はちょっと新しいことも考えていて花咲流「 change 」にご期待いただければと思います。
    
今後とも花咲ブログをよろしくお願いたします。
皆様どうぞ良いお年をお迎えください。
  
花咲ジジイ拝
  
  

2008年12月30日火曜日

 <年末スペシャル>
おお、イスラエルよ・・・
     
   
花咲ブログで11月28日にムンバイで起きたテロを取り上げた。
     
そして3日前、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区を空爆し、大量の死傷者を出してニュースになっている。
      
実は、花咲ジジイはイスラエルのエルサレム植物園に5週間ほど滞在していたことがある。
上の写真は有名な嘆きの壁を外から撮ったものだ。
      
そのとき初めてイスラエルという国に行ったのだが、もうこれがスゴイ国だった。
スゴイ=ヒドイ という意味では決してない。奥の深い国なのだ。
     
イスラエル勢力対パレスチナ勢力の対立はもちろんのこと、その他イスラム教など宗教がフクザツに絡み合い、人種も雑多である。
国のある部分では科学技術、医療技術など世界最先端をいっているかと思えば、ある部分ではスラム街のような場所もある。
   
   
花咲ジジイがノンビリと花を探しながら歩いている、一見平和そうなこの場所から数キロ離れたところが今回空爆騒ぎがあったガザ地区である。
滞在したアパートには防空壕があり、部屋の備蓄箱には毒ガスマスクやマシンガンの銃弾カートリッジなんかもあってタマげたものである。
     
エルサレム市内は比較的安全ではあるが、少年兵がマシンガンをもって女の子とデートしていたり、スーパーマーケットやレストランに入るときにも金属探知機のチェックを受ける。
      
国は南北に伸び、かつ土地に起伏があって高低差があるため様々な気候が混在する。
このために多様な植物やイスラエル固有の植物も多く見られ、植物好きな人にとってはひとつの聖地でもある。
     
僕は英国人、カナダ人との3人混成チームで行ったのだが、一人ではちょっと・・・という場面も幾つかあった。
    
花好きの我々は週末となるとレンタカーを借りて、南へ北へと植物を見て回った。
      
もうちょと詳しくイスラエルのことを植物目線で説明すると、
イスラエルは地中海にそって肥沃な海岸平野がひらけて、北部のレバノン国境付近のゴラン高原、ガリラヤ湖近辺のガリラヤ丘陵が広がる。
南に目を向けるとベゲブ地方といって、乾燥地帯が広がり砂漠やグラウンドキャニオンのような乾いた渓谷がある。
イスラエル東部を縦断するヨルダン渓谷は文字通りヨルダンと国境を分け、有名な死海がある。
  
   
まとめると海、湖アリ、草原、砂漠アリ、暑さ、寒さアリ、と何でもアリアリなのである。
    
日本の屋久島もフクザツな気候帯からなり、結果として多様な植物が見られるというのに似ている。
    
とにかく植物は珍しいものが多く、本当に素晴らしいのだが、現地の新聞やテレビ、ラジオのニュースは常にパレスチナ問題である。当たり前と言えば当たり前だが、戦争と平和がこれほど身近に背中合わせにある皮肉な状況に身を置いたことがなかったので、僕はかなり混乱した。
   
    
左の写真は アヤメIris lortetii と思われる) であり、こんな希少なアヤメが平気で自生している。
右の写真は死海のすぐ脇にあった遺跡を見にいったときのもので、後ろの水が死海である。さらにその向こうの陸はヨルダンである。
      
植物を通じて、イスラエルという国がどんなものか見て回り、戦争と平和について考えた旅だった。
      
暮れも暮れ。 皆お正月の準備で忙しいけど、世界のどこかで大きな紛争が起きているということをちょっとでも思い出していただければと思い、花咲ブログ・年末スペシャルということで日常を離れて書いてみました。
   
    

2008年12月29日月曜日

ヤドリギ 最終章
    
   
3日間に渡って、ヤドリギについての熱い思いを語ってきたが今日が一応締めくくりである。
    
何でそんなに思い入れがあるの? と疑問に思われるかもしれないが、とにかくその生態の不思議さと、人々から愛されながらもわざわざそれを育てている人がいない、という辺りに惹かれたのだと思う。
     
さて、英国で一番有名なヤドリギのセリ市がロンドンから北西に160キロほどいった Tenbury Wells という小さな小さな田舎町である。バーミンガムのちょっと下、あたりで、ウスターソースの発祥の地であるウスター州( Worcestershire )にある。
    
セリ市はクリスマスの需要にあわせて冬に日にちを限って開催されるもので、100年以上の歴史を誇る。
    
何故この場所なのか?
これは昨日書いたヤドリギの不思議とも関連するが、どういうわけかこの地域のリンゴの樹にはヤドリギが宿りやすいらしく、昔からヤドリギの一大産地であったことによるらしい。
    
あれは確か2003年だったと思うが、日にちを調べてこの小さな田舎町を目指して早朝オンボロ車で繰り出した。
    
着いてみると想像にたがわぬ小さな田舎町。
しかし、あちこちからヤドリギをセリ落とそうという業者が集まってきていた。
    
熱い紅茶をすすりながら、出品されるヤドリギやヒイラギなどを皆真剣なまなざしで見て回っていた。
そして時間がくると、ハンチング帽、長靴、ハンタージャケット、そして杖、という典型的な英国田舎のジェントルマンのいでたちのセリ人が威勢のよい声でセリを進めていく。
     
     
このセリ場はその昔、羊や牛などの家畜のセリ場として使われていたもので、ケージの中に整然と並べられたヤドリギやヒイラギにその名残が見てとれる。
     
     
しかし、このヤドリギは最近はフランス産におされて、英国産は減ってきているのだという。
確かにフランスの田舎にいくとポプラの樹におびただしい数のヤドリギがぶら下がっている。
     
僕がこの市場に行った2003年をもってヤドリギのセリ市は終わり、今後は大きなスーパーマーケットがセリ場跡地にできると聞いたのだけど、今回この記事を書くためにネットでみてみたら、2004年から Tenbury Mistletoe Festival として再スタートしてこれまでにも増して活気がありそうである。
簡単に伝統を絶やさないというあたりがイギリス人のエライところである。
当花咲ブログは、身近な植物を取り上げることを旨としているが、このヤドリギは身近にないことはないが、あまりピンとこなかったかもしれない。
写真は全て英国で撮ったものだし。
その辺りはポリシーとズレてしまい申し訳ないのだが、この時期TVで特番が多いように、花咲ブログ年末スペシャルということで御容赦いただきたい。
  
   

2008年12月28日日曜日

ヤドリギ2
     
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昨日に続いて不思議植物ヤドリギ第二弾である。
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ヤドリギについて注意を払って見ていると色んな疑問が湧いてきて、それに明確に答えている人、答えている書物に出会えず、ついには自分で試行錯誤するようになった。
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ヤドリギの中でも今回取り上げているオウシュウヤドリギ(Viscum albumについての疑問として
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* 何故落葉樹にのみ繁殖するのか
* 同じホストとなる樹であっても、ヤドリギの繁殖する個体とそうでない個体があるのはなぜか
* 上記の疑問としてA地区ではヤドリギを多く見かけるのに、僅か数キロ離れたB地区では一切みかけないといったことは何故起きるのか
* 鳥が種を運ぶと思われるが、それはくちばしに付着した種なのか、それとも糞として排泄された種なのか
* 糞として出された種だとして、鳥の消化作用の過程で特に胃袋の酸が発芽に関係するか
* 風媒花なのか、虫媒花なのか、一体何が花粉を媒介するのか
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本当に分からないことだらけだ。
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しかも英国で自分が身を置いていた植物園は世界で一番デカイ植物園と呼ばれていたのにもかかわらず、このオウシュウヤドリギは無かったのだ。
たった数キロ離れた公園には沢山垂れ下がっていたのに・・・。
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そこで、僕は植物園の大ボスに相談をして、「ヤドリギを繁殖させてみたいのだが・・・」といって交渉して、幾つかの樹で試す許可をもらおうとした。
大ボスからすれば貴重な樹のコレクションにそんな要らないものを繁殖させて、肝心の樹が枯れてしまっては困るわけだ。
  
一度では首をタテに振ってもらえず、何度か通って説得した。
  
ついに許可を得て10本のホストとなる樹に約400粒の種をなすりつけた。
詳細は省くが、結果として2つ(繁殖確率0.5%!)のヤドリギがリンゴの樹に繁殖して、現在も成長を続けている(ハズ)。
    
以来、僕はちょっとした変わり者の「ヤドリギ男」として注目を浴び、全国紙の取材をも受けることになった。
何故ならヤドリギは自然に生えるものであって、わざわざ好き好んで繁殖させる人はいなかったからである。
      
僕はこの種を入手するためロンドンから車を飛ばし、ケンブリッジまで種の採取をしにいったり、ヤドリギをクリスマス時期に出荷している農家へ話を聞きにいったりした。
この写真は採取してきたヤドリギの実たちだ。どうです、キレイでしょ。
    
     
農家といってもリンゴ農家で、自然となっちゃったヤドリギを「ついで」に出荷して臨時副収入を得ている農家でヤドリギ専業農家ではないので念のため。
  
生態はとても変わっていて、まずオスの株とメスの株が異なる雌雄異株である。
ちょっと分かりづらいかもしれないが、一番上の写真がオスの花で下がメスの花である。
  
いったん根付くと、根はホストとなる樹の幹をめぐり、樹の皮を破って新たな芽をあちこちに出す。
   
    
こうなると樹のあちこちにヤドリギがぶら下がることになる。
    
   
果実は白く中はネチョネチョと粘性のある果肉で種が覆われている。
この粘り気のある果肉が糊の役割をして樹の幹肌にくっついて発芽の時を待つ。
指先にあるのが種で、関節あたりにあるのが白い皮です。
    
なんか想像つきます?
スゴイ植物でしょ。
  
ちょっとした本が書けるくらい色んなことがヤドリギについてはあったけど、あまりここで書いても「ヤドリギ飽き」してしまうと思うので、今日はこのへんでやめておこう。
    
明日は一応今回のヤドリギストーリーの最終回ということで。
     
    

2008年12月27日土曜日

ヤドリギ 1 Viscum album

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昨日は本格的に冷え込んだ。加えて風が強かった。
午後からの植木屋仕事のため、現場に自転車で向かったのだがあまりの風の強さに吹き飛ばされそうになり、しがみつくようにして自転車をこいだ。
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片道20キロ。
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普段ならなんてことはないのだが、風のためにいつもの疲れた。
一旦帰宅し用事があって再び出掛けたのだが、さすがに自転車はやめて電車にした。
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さてさて、クリスマスが終った。
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シナトラやクロスビーのトラディッショナルなクリスマスソングを聴いていると Mistletoe という単語を耳にしないだろうか。
Mistletoe はミスルトーのように発音するのだが、これは日本語でヤドリギという。
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ヤドリギは親となる樹に寄生して大きくなる。
葉緑素を持ち、自ら光合成をするので「半寄生植物」ともいわれる。
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世界のヤドリギには色んな種類があるのだが花咲ジジイが熱心に研究したのはいわゆるオウシュウヤドリギ Viscum album というものである。
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これは主に、ポプラ、アカシア、リンゴとった落葉樹になる。
落葉樹は冬には葉っぱを落として枝だけになるので、夏の間葉っぱの陰に隠れていたヤドリギが冬になると姿を現す。今日の上の写真を見ていただくと分かるだろう。
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形は球形で、大きいもので直径80センチ~1メートルくらいになる。
何も知らなかったときは、僕はこれを ナンダ?大きな鳥の巣か? と思っていた。
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日本でもときどき見かける。
僕の記憶では都内では小石川植物園の温室脇にひとつ、そして箱根に行ったときにも見かけた。
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ヨーロッパでは赤い実のヒイラギとともに、クリスマスの飾りつけ によく用いられる。
何故クリスマスソングによく出てくるかというと、クリスマスの時期にヤドリギの下で出会った男女はキスをしてもいい( OR しなくてはならない) ことになっている、という古式ゆかしい言い伝えによるからだと思われる。
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ヤドリギをかなり本気で研究したので、語ることはまだまだある。
とりあえず今日はヤドリギ1ということでイントロにとどめて、明日続編をお送りしたい。
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2008年12月26日金曜日

いち、じゅう、ひゃく、せん、まん・・・・

今日は今年一番の冷え込み だそうだ。
でも、嫌いじゃない、このピリッとした空気。
なんでこんな時間に今日の分をアップしているのかというと、今日の植木屋仕事は午後からだからである。
暮れは植木屋さんの仕事はまさに書き入れ時で、本当に忙しい。
手入れに伺う斜体御宅でよく見かけるのが、赤い実をつけた センリョウ Chloranthus glaber (写真下)、だったりマンリョウ Ardisia crenata (写真上)で、家の方からはお正月で使うから切らないでね、と言われる。
     
そう、この赤い実を付けた彼らは お正月飾り として活躍するのだ。
    
それにしても、このネーミング。
センリョウとマンリョウがあるのなら、イチリョウ、ジュウリョウ、ヒャクリョウなんかもあるのか?
     
あるんです。
  • イチリョウ Ardisia pusilla
  • ジュウリョウ Ardisia japonica
  • ヒャクリョウ Ardisia crispa
  • センリョウ Chloranthus glaber
  • マンリョウ Ardisia crenata
というラインアップである。
    
見て気付かれた方もいると思うが、センリョウだけセンリョウ科(CHLORANTHACEAE)で、あとは全てヤブコウジ科(MYRSINACEAE)となる。
    
よく見かけるセンリョウとマンリョウ。
その外見的な違いは、センリョウの赤い実は茎の先に付くのに対して、マンリョウは赤い実が葉の下に垂れ下がるように付く点が決定的に違う。
        
      
クリスマスも過ぎて、これからはお正月に向けてまっしぐらだが、これから見かけるお正月飾りにもチョイと目をむけてみるとオモシロイ。
   
     

2008年12月25日木曜日

野菜工場
   

  
12月24日付、産経新聞に「野菜工場普及へ法改正」という記事があった。
  
これは何かというと
野菜を室内の設備を用いて育て収穫量を10~20倍に生産量を増やすというもので、これに伴って農地法を改正していく というものだ。
  
メリットは自給率を上げていくことができるらいしのだが、デメリットとしては施設の建設コストがビニールハウスの20倍、光熱費も50倍掛るということらしい。
  
らしい、らしい、で恐縮だがそうなのらしい。
  
で、昨晩夕食にサラダを作るためにレタスを買ってきた。
何と一玉258円
  
レタスが258円もするのかぁ、とタメ息が出てきてしまう。
たかだか葉っぱなのに。
  
サンドイッチにもレタスがあると美味しさが増すが、レタスはあくまでも脇役であって、主役ではない。
なのに主役並みのお値段だ。
  
昼ゴハンは節約だ、エコだ、といってお弁当を持っていくのが流行の兆しをみせつつあるが、これではそこらでお弁当を買ったほうが安上がりな場合もありうる。
  
困ったもんである。
  
野菜工場が普及したとして、生産量が上がることで供給量増による価格の低下は期待できるが、それを成し遂げるために必要な設備費、光熱費が野菜の価格に転化されると逆効果だ。
さらに、光を年中あたえるため、あるいは温度を一定に保つために化石燃料を燃やしていたのでは、なんのための野菜工場計画なのか分からなくなってしまう。
  

3Rという言葉をよく聞くようになった。
  • Reduce
  • Reuse
  • Recycle
を指すわけだが、花咲ジジイとしてはここに Reset を加えたい。
  
例えば日本に季節というものがありながら、人間のエゴで季節にかかわらずいつでもミカンを食べたいというニーズをわざわざどこからか掘り起こしてきて商売に結びつける。
何でも金さえ払えばなんでも手に入るようになり、便利な暮らしを求めて人々は競い合うようになった。
  
その結果が今の我々の回りに起きている問題として返ってきていると思うのだ。
ここはひとつ、便利なもの、楽なもの、などを短絡的に求める気持ちや生活を改めて、あるべき暮らしに戻る(Reset)必要があるように思うのだ。
  
野菜工場も悪くないけど、それはちょっとオカシイ発想のような気がするのだけど、いかがなものだろうか??
  
  

2008年12月24日水曜日

ど根性キリその後
  

  
今年の9月15日に銀座のど根性キリ、9月30日に我家の近所のど根性キリを立て続けにご紹介した。
  
季節は流れ、今日はクリスマスイブ。
その後我家の御近所のキリはどうなったか?
  
キリは落葉樹ということもあって、ご覧のとおり丸坊主、というか「棒」になってしまっていた。
9月30日の写真と比べていただきたい。
  
でも根元のアスファルトの盛り上がり具合は以前にも増しているように見受けられ、今後益々大きくなる予感を漂わせていた。
  
一旦根付いたら、取り除くのが厄介な雑草的一面を持っているのではなかろうか、と思ってしまうほどの生命力である。
  
  

2008年12月23日火曜日

くさっぱら公園



とてもステキな名前の公園をみつけた。

くさっぱら公園・・・。

花咲ジジイが小学生だったころ、すなわち昭和40年後半から50年前半ころは、都内でもまだまだ空地があった。
記憶が定かであれば、田んぼ もあった。

学校を終えてランドセルを家の玄関に放っぽり出して、日が暮れるまで友達と遊んだ。
遊び場所は、神社の境内だったり、マンションの駐車場だったり、そして空地や原っぱだったりした。

「はらっぱ」「くさっぱら」・・・なんとも懐かしい響きである。

ポイントはアスファルトで地面が覆われていないこと。
雑草などがボーボーにはえてたりして、その中でかくれんぼをしたり、バッタをとったりした。

植木屋仕事に向かう電車で、めがねを掛けて任天堂DSなんかに没頭している私立小学校に通う子供を見て、なんとなく気の毒になってしまう。

子供なんだから遊ぼうよ、と。

でも、どこで遊べば良いのサ、と反論されてしまうと答に窮してしまう。
たしかに遊び場が減ってきている。

はらっぱなんかありゃしない。
そんな中で、見つけた「はらっぱ公園」。



元気に遊ぶ子供の姿を想像しながら誰もいない公園に向けてシャッターを切った。

2008年12月22日月曜日

クリスマス
   

  
今日は本当にヘンな1日だった。
  
朝起きて新聞を取りに外にでると、なにやら暖かった。
植木屋の現場に向かうために地下鉄に乗ると、車内は暑かった。
  
午前中は半袖のポロシャツで快適に仕事が出来た。
  
夕方近くになると、それまで吹いていた南風が北風に変わり、急激に気温が下がってきた。
慌てて上着を着た。
  
家路に着く途中で雨がポツポツと降ってきて、最寄の駅から自宅までは濡れて歩いた。
  
所用があって出掛けたのだけど、もう冬支度アゲインである。
  
よくイギリスの変わりやすい天候を指して four seasons in a day すなわち一日に春夏秋冬があると例えられる。
今日の東京はそんな感じだったのではないだろうか。
  
やはり何かが狂ってきていると感じずにはいられない。
  
さてさて年内の植木屋仕事もあと数日となった。
夏のクソ暑いなか、ヒーヒー言いながら脱水症状にならないよう、水筒の水を飲みながら汗だくになって仕事をしたのが昨日のようでもあり、遠い昔のようでもあり、とても不思議な感覚である。
  
まぁ年の暮れが押し迫るとこういった気持ちになるのは毎度のことなのだけど。
  
でも何やら今年は本当に早かった。
このままでは人間としての賞味期限がもうすぐ切れてしまうのではないか、と不安な気持ちになる。
  
冬至も過ぎて、クリスマスまであと3日。
年をとってきたせいか、クリスマスということで異常に興奮したあの感覚はもうないなぁ。
ちょっと寂しいカンジもしないでもない。
  
  

2008年12月21日日曜日

植物の多様性を思い知る・・・
  
「ハナイカダの葉は、葉なのか茎なのか?」というスルドイ質問を今日頂戴した。
  
なんでこんな質問を受けたかというと、ナギイカダ Ruscus aculeatus というのがあって葉っぱの上に小さい花が咲いて赤い実をつけるのだけど、この一見葉っぱに見えるのは実は茎なのです、なんて説明をしたからである。
  
じゃあハナイカダもそうなのね?
  
実にごもっともな御質問である。
  
正直言ってその場では自信がなかったので、そうかもしれないけど後で調べてみます とお答えした。
  
そして帰宅して調べてみると・・・
  
ハナイカダHelwingia japonica
「葉腋からでた花柄が葉の主脈と合着している」
とあった。
  
何を言っているのか分かりにくいと思うので図解してみるとこのようになる。
  

  
つまり葉のつけ根部分から本来は花柄が出ているのだけど、これが葉と一緒になってくっついちゃっているってことになる。
すると、ハナイカダの葉はあくまでも葉であって、ナギイカダのように茎が変形したものではない、ということになる。
  
ヨカッタ 「ええ、ハナイカダもアレは葉ではなく茎です」などといい加減なことを言わなくて。
  
これだから植物の多様性のスゴサには恐れ入ってしまう。
学んでも学んでもまだまだ知らないことだらけだ。
  
植物のことを勉強してきたってったって所詮はこの程度である。
まだまだヒヨッ子である。
ちょっと悲しくもあるが、これを励みにもっともっと知ってやろうと思う。
  
今日質問してくれた方はこのブログをご覧いただいているだろうか。
スミマセン、ハナイカダの葉は立派な葉っぱです。
  
  

2008年12月20日土曜日

カランコエ Kalanchoe blossfeldiano



花屋さんに行くと、ポインセチアシクラメンの陰にかくれているのがカランコエだ。

今くらいから春まで咲き続けるので、冬の間の植物的にさびしい時期にはオススメの一品である。

オススメの理由は幾つかある。
まず冬に花が咲く こと。

次にベンケイソウ科の多肉種であり、お手入れが楽。もっと言うなら水遣りが楽
逆に水のやりすぎは、根腐れ を起こすので要注意である。

この厚手の葉っぱの中に水分を沢山蓄えているので、もし氷点下などの冷気にさらすと内部の水が凍って組織が破壊されてしまって枯れてしまう。

要は 「室内で水をほどほどで楽しむべし」 ということなので、一部の面倒くさがりの植物ファンには朗報である。

以前ご紹介した ポインセチア と同様、短日性の植物であり、花を咲かせるには一定以上の暗い時間が必要だ。
来年も花を咲かせたい、と思われる方は覚えておいて欲しい。

花の色もオレンジ、赤、黄色、白などバラエティに富み、通常のものに加えて八重咲きのものもあるので好みで色々と試してみるといい。

まだ他にも冬に楽しめる花はあるので、また追々このブログでご紹介していこう。

2008年12月19日金曜日

うちでの小槌・・・
  

  
今日は年末ジャンボ宝くじ の売り出し最終日だった。
  
買いましたか?
  
で、今日のカラスウリの実は11月2日の花咲ブログで スペースインベーダーのようだ とか 犬の顔のようだ などと書いた。
  
でもその後で うちでの小槌に似ていてお財布の中に入れておくとお金が溜まる なんてことが書いてある記事を目にした。
  
そこで庭仕事のついでにカラスウリの実をみつけて、そっと財布の中にしのばせてみた。
  
最初のうちはコインを入れるところにカラスウリの実を入れておいたのだけど、小銭を出すたびにカラスウリの実が出てくる。
ちょっと煩わしくなって、同じ財布のカードを入れる場所に押し込んだ。
スイカと同居させてみたのだ。
  
そして1週間も経ったころだろうか。
カラスウリの実が程よく乾いたことと、財布に僕のケツ圧がかかったために気が付いてみたら財布の中のカラスウリの実は粉々になってしまっていた。
  
もはや原形をとどめておらず、粉をはらってオシマイにしようかと思ったのだけど、縁起を担いでしたことだけにムゲにもできない。
  
とりあえず年内は年末ジャンボもあるし、そのままにしておこうと思いとどまった。
幸運がおとずれますように・・・。
  
  

2008年12月18日木曜日

Wreath
   

  
一昨日ひと足早い日本の伝統 かどまつ をご紹介したので、今日は西洋の伝統クリスマス・リースである。
  
まぁ一言で言ってしまえば 花輪 である。
  
クリスマスの時期にモミの木などの常緑針葉樹をベースに、アイビー、松ぼっくり、などと赤い実のついたもの、更には英国ではヤドリギなども飾ったりする。
  
最近のカルチャースクールやお花屋さんの教室でも 手作りリース なんてのを教えてくれる。流行っているのだろう。
以前お伝えしたプリザーブドフラワーを使ったリースなんてのもあって、これは1年はもつ。年がら年中クリスマス気分でいられる。
  
それにしても英語の試験があったとして クリスマスリースと綴りなさい なんてのがあったらアナタは大丈夫だろうか?ちゃんと書けるだろうか?
  
正直に言うと、僕はこの綴りを正確に知ったのは割りと最近だ。
花咲ジジイと一緒にしないでよ、とお叱りを受けそうだが、書けそうで書けない単語ではないだろうか。
  
余談だけど英語を母国語とするイギリス人も綴りに滅法弱い人がいる。
漢字に弱い日本人のようなものだろうか。
何度かイギリス人から ××××ってどうやって書くんだっけ? とマジメに聞かれて、教えてあげたことがある。心の中では なんで外人のオレに聞くんだよ って思っていたけど。
  
彼らが案外苦手なのが address =住所 というもので、書いているうちに アレッ?d は幾つ?sは幾つ?と混乱するらしい。
他にも diarrhea =下痢 なんてのも聞かれたことがある。どうやら文字が幾つか連続するのに弱いようである。
  
話が逸れてしまった。
もう幾つ寝るとクリスマス。もう幾つ寝るとお正月。
いよいよ年の瀬、植木屋仕事も佳境に入った。
  

  

2008年12月17日水曜日

Welly

Welly とは何だ?

最近長靴が主に女性を中心に流行っているようで、割とこのハンターのブーツも見かける。

ハンターのブーツでトラディッショナルなのはこの緑色なのだが、ピンクなどカラーバリエーションも増えてきた。

花咲ジジイはこの緑と紺の2色を持っていて、雨の日なんかはかなり重宝している。

長靴全てにいえることだと思うが、欠点は蒸れること

防水と通気性は相容れないものなのだ。

よくオシャレな雑誌などを見ていると ガーデニングの足元はコレで決まり なんて記事があったりするけど、夏場の庭仕事で1日中そんなものを履いていたらエライことになる。

以前六本木アークヒルズに行ったときも、かなり暑い日に庭師のお姉さんの足元がゴム長だったのを見てこちらが心配になった。

クサイんじゃないのか? カユイんじゃないのか?

この前さる現場で3日間に渡って植え込み・花壇の土の入替え などを行った。

土はやや湿っていたので、地下足袋ではそのうち滲みてくるし、この前ご紹介したLLBean のビーンブーツではくるぶしまでしかないので土が入ってきてしまう。

そこでこの長靴の出番となった。大活躍である。

さて、冒頭書いた Welly とは何かというと、このブーツを買った英国ではこの手のブーツを Wellington Boots という。で、日常会話においては略して welly と言うのである。

英国の田舎に行くといわゆるカントリーな娘が金髪をサラサラとさせ、このウエリーを履いて犬を数匹散歩させて、ヒースの荒野をノッシノッシと歩いていく、あるいはその散歩の途中にパブに寄って泥のついたブーツを履いたままビールを飲んでいる、なんて場面を何度も見た。

くっそー、むちゃむちゃカッチョエエなぁ、とドキドキしながら振り返ってしまったものである。

2008年12月16日火曜日

先取り・・・?



昨日忘年会に向かう途中で店の軒先に かどまつ を見かけた。

クリスマスもまだだってのに、もうかどまつか、とちょっと呆れつつシャッターを切った。

でももう12月も半分が過ぎ、もう幾つ寝るとお正月といったところにきているのは否めない事実である。

かどまつの意味は?いつ頃からそれを飾るのが適切なのか、などかどまつに関する考察はまたの機会に譲るとして、今シーズンお初のかどまつを御報告申し上げたい。



そうそう、昨日書いたケヤキの葉っぱ の写真を撮った。
裏と表から撮ってみた。
どうです、葉の縁がギザギザにノコギリのようでしょ。

是非ナマのケヤキでお確かめいただきたい。

2008年12月15日月曜日

ウメモドキ Ilex serrata
   

   
変則的な時間ではあるが今日の分をアップさせていただく。
12月に入り、今晩は忘年会なのである。
この前日付が変わる前に家に戻ることが出来ずにその日の更新を逸してしまったことから教訓を得たというわけである。
  
飲む前に書け、と。
  
で、今日はウメモドキ
黄色い実がキレイだ。
  
この実は葉っぱが落ちた後もしばらく枝から離れずにくっついているので、茶花として床の間などに良く飾られたりする風流なやつなのだ。
これはたまたま黄色いが、多くあるウメモドキの実はで、ときどきなんてのもある。
  

  
学名の serrata鋸歯状の という意味があって葉の縁がギザギザになっている・・・・ハズなのだが写真を見る限りではあまりハッキリとは分からない。
この葉がウメと似ているのでウメモドキとなったらしい。
  
今どきの言葉で命名するなら ナンチャッテウメ となるか。
ウメモドキはモチノキ科(AQUIFOLIACEAE)
ウメはバラ科(ROSACEAE)
ということで、実は全くの別ものだ。
  
今イチョウと同じくハラハラと散っている葉っぱにケヤキがある。
表参道に沢山ある、アレだ。
ケヤキの学名は Zelkova serrata で、地面に落ちた葉っぱを見てみて欲しい。
これは間違いなく葉っぱの縁がノコギリのようにギザギザしているから。
  
さぁ、これで今晩は心置きなく飲めるゾ。
  
  

2008年12月14日日曜日

2色のピラカンサ
    
  
これはピラカンサという。
既に花咲ブログで10月13日に御紹介済みである。
  
で、今更何か? と言わないでいただきたい。
このピラカンサを見て何か気付かないだろうか?
  
  
そう!そうなんです。
このピラカンサにはオレンジの2色の実がなっているのです。
  
そんなことってあるのだろうか?
  
実はこれには種も仕掛けもあるのだ。
赤の実をつけるピラカンサオレンジの実をつけるピラカンサを同じ鉢に寄せて植えてあって、外見的にはひとつのピラカンサのようにしてある。
  
  
既に知っていた人にとってはなんてことないが、知らなかった人にしてみればちょっとオドロキのテクニックではなかろうか。
この前ポインセチアにカラースプレーを吹き付けて目新しさで売る、といったことを御紹介もしたが、この目新しさをなんとかしようと農家の方々もアレコレと日々大変な知恵を絞っているのである。
  
スプレーはちょっと・・・、という方も、この寄せ植えはOKではないだろうか。
  
  

2008年12月13日土曜日

知らぬが仏?
   

  
申し上げましたように、昨日は有明であったエコプロダクツ2008という大イベントを見にいってきた。
  
とにかくスゴイ数のブースとモノスゴイ数の人に圧倒されて、熱が出そうになってしまった。
ひとつひとつのブースを丁寧に見るべきだし、またその価値もあると思うのだけど、とにかくその数の多さに徐々に気持ちが萎えてしまって、最後には会場をただ散歩するオッサンと化してしまった。
  

  
そんな中、某写真機メーカーのブースにはそれぞれの地方の小学校で撮った植物や虫などの写真を撮って紹介してある場所があった。
ホホー、と感心して見ていたら、ある学校で撮った写真にふたつの花を被写体にしたものがあって 「2つの可愛いお花」というタイトルがついていた。
  
それはこの花咲ブログでも以前ご紹介したことのある花だった。
  
ヘクソカズラ。
  
その植物から発せられる独特のニオイが屁のようであり、糞のようでもあり・・・というところからついた名前だ。
「2つの可愛い花」と何も知らずにメルヘンチックなタイトルをつけて、後でそれがヘクソカズラというイケていない名前だったらちょっとショックではなかろうか。
  
以前、アジサイとシソを間違えて食べて中毒にあった、なんていうニュースもあった。
  
色んな意味で植物のことをより知っていたほうが、人生をより楽しめるのではないかなぁと思った出来事だった。
  

  
やってしまいました・・・
  
現在12月13日午前0時25分であります。
  
12月12日の更新がなりませんでした。
  
実は12日は有明で開催中のエコプロダクツ2008を見に行っていました。
そのあと、ワシントンホテルであったエコジャパンカップ2008の表彰式を見学し、さらにその後関係者の方々と親交を暖めていたところ、気がづくともうこんな時間になっておりました。
  
このブログは「毎日更新」にこだわると時に厄介な場合があるなぁと思います。
今日のような大人の社交の場であれば時に日付を越えそうになることはママあることで、ブログの更新をせんがために走って家路につくというのは、まさにシンデレラのようなカンジであります。
  
30分遅れてしまいましたが、これをとりあえず12日分として認めていただいて、明日(というjか今日)の分はまた改めて書きます。
  
もう寝ます。
オヤスミナサイ。
  
花咲ジジイ
  
  

2008年12月11日木曜日

捨てる神、拾う神
   

   
今日植木屋仕事に伺ったお宅にサルビアがあった。
ボーボーに伸びていたのでバッサリと切った。
  
あとは捨てるだけ、のはずだったのだが、ジッと見ていたらキレイなので突然モッタイナイという気持ちがググッと沸き起こってきた。
  
チョイと脇へよけておいて、お茶の休憩時間に葉っぱをとって、適当な長さに切ってブーケにしてみた。
  
おおっ。
買ったら結構なお値段がしそうなカンジだ。
  

僕はこれを手に、ルンルン気分で家路についた。
今日の現場へは電車で行ったので、帰りも当然電車である。
  
いかついオッサンがこのサルビアのブーケを持って電車に乗っている・・・。
周囲の視線をバシバシと感じた。
  
別に悪いことをしているわけでもないのに、ミョーに後ろめたいのは何故だ?
  

  
家につくやいなや、早速花瓶にこのブーケを生けてみた。
なかなかイイ線いっているのではないだろうか。
  
問題はハラハラと花が散って机の上に落ちること。
あと2~3日は楽しめると思う。
  
  

2008年12月10日水曜日

シュロ Trachycarpus fortunei
   

  
ヤシの木か? いえ、これはシュロっていうヤシ科の木だ。
  
この前新聞にシュロの育つ北限がどんどん北上してきているなんて記事が載っていた。
  
繊維質の樹皮は、シュロ縄といって植木屋さんが竹垣を作ったりするときに使われる。
シュロ縄についてはまた今度詳しく書こう。
  
さて、今日見たシュロはちょっと特筆に値する
何故ならば、高さおよそ6メートルほど、2階建ての家の屋根ほどの高さのシュロを支えていたのはわずか60センチ×60センチほどの小さな花壇(?)だった。
  

  
このサイズのシュロになると重さは100キロを軽く超えると思う。
シュロは結構中味が詰まっていて重たいので300キロ以上あるかもしれない。
  
それをこんなに小さな根っこが支えているのだ。
  
台風が来たりして、いつ倒れてもおかしくはない。
  
想像するにこれを植えた家の人はまさかここまで大きくなるとは思わずにホンの軽い気持ちで植えたのだろう。
植物のパワーをあなどってはイケナイのだ。
  
   

2008年12月9日火曜日

男の子・女の子
  
  
なるべく多くの植物について触れていこう、できるだけ重複がないように、とは思っているのだけどイチョウについては書かずにはいられない、というか次から次へと書くべきことが出てくる。
  
今はイチョウの枯葉の絨毯が見られる。
道路が黄色で埋まる。
  
なんか雪が降ったあとのようで、数センチに積もった葉っぱを足で蹴散らしながらズイズイっと前に進むのがなんとも楽しい。
他人様が僕のことを見たら、かなり怪しいオッサンに見えるに違いない。
  
あと何日間これが楽しめるだろうか。
  
雪が降ると除雪車なんかが出動して雪かきしたりするのだけど、イチョウやケヤキなどの葉っぱは都会の道路ではどこへ行くのだろう?
律儀なオジサンが落ち葉かきするのを見かけるけど、そんなものではおっつかない。
  
とても不思議だ。
  
  
さて、イチョウに関する別のお話は当ブログで度々コメントを頂くひるがおさんから教えていただいた。
  
イチョウにはオスの樹、メスの樹が分かれているのだけど、それをどうやって見分けるかというと、一番手っ取り早いのはギンナンがなるのがメスの樹ということ。
でもひるがおさんが教えてくれたのは葉っぱで見分けるという目からウロコの識別法だった。
  
葉っぱに切れ目があるものと、ないものがある。
切れ目がある葉っぱのなっている樹がオスの樹、切れ目がないのがメスの樹とする説である。
これがスゴイ、というか面白いというのは、葉っぱの形に着目して切れ目があるのがズボンに見えるので男の子すなわちオス、切れ目がないのはスカートに見えるので女の子すなわちメスという点。
  
スゲー。
  
感心してさっそく真偽のほどを検証してみた。
  
・・・100%ではない、残念ながら。
が、かなりの高率でそれは言えていた。
スカートもズボンも同じ樹になっている点がやや問題ではあるが、スカートが目立つと周囲はギンナン臭かったりした。
  
これホント。
  
なんにしても植物も生き物なので100%ということはないのである。
  
その後、あれこれ文献にもあたってみたが、どうやらそういった言い伝えはあるがそれは科学的な判断基準にはなっていないということであった。
  
でも「アッ、男の子!!」 「ややっ、スカート!!」なんて言いながら枯葉を蹴散らしながら歩くのも楽しいと思う。
ひるがおさん有難う。
  
  
  

2008年12月8日月曜日

犯人に告ぐ
    

   
当花咲ブログでこれまで街中で見かける植物にかかわる看板を取り上げてきた。
  • 心あるヒトvs心ないヒト (2月3日)
  • 木からのお願い (4月17日)
  • 七夕 (7月5日)
  • 花を愛しましょう (8月19日)

まあ、それぞれ色んな目的で人々に喚起をうながしているわけだが、時に笑えるものがあり、時に考え込んでしまうものがある。

そして今日見かけたのがこれだ。

家の前の植え込みにツツジが植えてあるのだが、そこにあったのがこれ。

「夜間ツツジを何度も抜いている者へ 器物損壊罪(最高懲役3年)で刑務所行きになってもいいのか。 現在調査中」

なんかスゴイことになっている。

まぁこの方が言うことが本当だとすると、心ない人は一度ならず何度も何度も繰り返してツツジを抜いていて、これに嫌気がさしたのであろう。

嫌がらせか、ツツジ嫌いか・・・。

世知辛い世の中になったということだろうか。