2013年1月31日木曜日

アオギリ・がりんこん


街路樹、そして冬芽の話を続けよう。

今日は外苑西通り沿いにあるアオギリ Firmiana simplex

外苑西通りはアオギリが多くて、外苑東通りはユリノキが多いという差があることも面白い。

アオギリの名の由来となったと思われるのが、緑色の幹肌。
若い数年はご覧のように青々としている。

年をとるにつれ青々した感じは薄れるが、それでもどこか青みがかっている。

面白いなぁと思うのはその冬芽。



茶色のスェードのような皮で芽が覆われれている。

この薄い皮のことを芽鱗(がりん)という。

この芽鱗の下に新芽が隠されているのだ。

でもこのスェードのようなカンジは見れば見るほど植物っぽくない。
何かの動物のような気がしてくる。

因みに昨年に芽鱗があったことろから、現在の芽鱗があるところまでがこの一年間で生長した長さということになる。



僕の人差し指で触れている箇所がそうなのだけど、昨年の芽鱗の痕なのでこれを芽鱗痕(がりんこん)という。

が・り・ん・こ・ん??

冗談で言っているんではない。
本当にそう言うの。

ちなみにアオギリは生長もなかなか早くて、昨年の芽鱗痕から現在の芽鱗の距離を黄色い線で示してみた。


50センチくらいは伸びているんではないかな。

アオギリは幹肌の色、冬芽、花、そして実とそれぞれとても面白いので是非見つけたらば観察してみて欲しい。

今は、冬芽に目を向けるべし。

2013年1月30日水曜日

「モンサントの不自然な食べもの」


数日前、種苗法のことを書いたときに
「モンサントの不自然な食べもの」
という気になる映画があります、というコメントを頂いた。

モンサント・・・・ 知る人ぞ知るアメリカを拠点とする多国籍企業である。

誰でも知っている除草剤ラウンドアップの開発をした会社である。

最近問題になっているのは、ラウンドアップに耐性のある大豆などの穀物を遺伝子組換えによってつくりだし、このタネとラウンドアップ、さらには専用の肥料をセット販売することによって、市場を独占しようとしていることがある。

さらには遺伝子組換えをされた植物のもたらす影響について。
その場合の影響とは我々の健康に対する影響という意味もあるし、環境に対する影響という意味もある。

とにかくもはや見過すことのできない大きな問題になっていることは間違いない。

その元は 「タネ」 なわけで、種や苗について考える法律「種苗法」を扱う人間としてはスゴク気になった。

で、調べてみると一般的な映画館では上映されていなくて、地方自治体などが自主上映のようなかたちで細々とやっているようだった。

その中で一軒、渋谷のアップリンクという小さな映画館で上映していることを突き止めて、今日出掛けてみた。

なんとも小さな映画館で、上映される部屋も折り畳みの椅子が並べてあるような小さな小屋的な映画館だった。



映画の感想は・・・・

一言でいえば 「怖い」 ということだろうか。

身の回りで起きていることながら、あまり気づかれない。

園芸に携わる者としてランドアップだって使ったことがある。
しかし、その裏にあるコトの大きさに怖くなってしまった。

大きな企業が自分たちの利益を図る目的を最優先にして邁進する。

誰かがこの暴挙を止めることができるのだろうか。
あるいはもはや遅きに失してしまったのだろうか。

一度破壊された環境はなかなか元の通りにはもどらない。

この手の啓蒙をはかるようなドキュメント映画はマイケル・ムーア監督の作品でいくつか観たことがあるけど、観る度に暗澹とした気分になってしまう。

でも観ること、そして考えることは必要でしょ。

映画は作り手の視点、目的、シナリオに沿って作られるので、それを盲信することは危険だと思う。

大切なのは映画を観た後、自分なりの問題意識をもって世の中の動きに目をやること、そして必要に応じて行動することだと思う。

たかがブログでは深く書くことは難しいので表面的なお話しでお茶を濁してしまっているようで申し訳ない。

まずは上映しているところを探して観てみる価値はあると思うよ。



2013年1月29日火曜日

おもはらの森



快晴。

気持ちの良い一日だった。

昼過ぎまで表参道で仕事があって、帰り道を明治神宮方面に歩いた。

そうそう、ずっと気になっていたビルがあったんだ。

ちょうど良いのでチラリと寄ってみた。

それは東急プラザといって表参道と明治通りが交差した角に新しく建ったビル。

外観からしてミラーでキラキラしていて、とても目立つ。

外観通り、立地通り、入っているお店はどうも僕とは異なるジェネレーションをターゲットにしているようだ。

そんなことは気にせず最上階を目指す。

交差点で信号待ちしているあいだシゲシゲと眺めているとビルの上の方にモサモサと植物の気配があるのを感じていたので、何があるんだ?どうなっているんだ?と気になっていたわけである。

行ってみるとかなり広い屋上庭園が広がっていた。

その名を 「おもはらの森」 というらしい。

表参道と原宿からとった名前だと推察される。

森ってだけあって、かなり大きな木が入っている。



シラカシ、ケヤキなど。

株立ちの大きなケヤキは何トンあるんだろうか?

こういう大きな木を屋上に植えるとは、まさに最先端技術が駆使されているに違いない。

根の処理はどうなっているのか、用土はどうなっているのか、灌水は、排水は・・・?

とにかくスゴイ技術だと思う。

天気が良いこともあって、多くの人がコーヒーなど飲みながらくつろいでいた。

良いよね、都会のオアシスみたいで。

デザインにも目を向けてみよう。

階段を設けるなどして高低差を作り出している。
階段に腰かけることも出来るだろし、全体に単調な感じはしないようになっている。

そして六角形を基本パターンとした軽量パネルを組み合わせて全体を構成している。



六角形というあたりはちょっとベタな感じがしないでもないけど、ご覧のように斜め方向から射す冬の太陽が作り出す階段の影がなかなか良い雰囲気を醸している。

階段だってこのとおり、六角形をキープ。



ビルのほぼ屋上だけあって景色だって悪くない。

ラフォーレ越しに新宿が見えるし、代々木体育館越しに国営放送局も見える。



真冬とはいえ、陽だまりにいるとそこそこ暖かい。

ベンチに腰掛ける人、あるいは寝そべる人。


なかなか良い雰囲気だった。

スタバもあったりして、ちょっと休憩してリフレッシュするには良い場所だと思った。


だたし、今日のように天気が良くて人が少なければね。

一度出掛けてみる価値はあると思う。

最新の屋上緑化を見ることができるはずだ。


2013年1月28日月曜日

trees by street


今朝は都内でも雪が舞った。

あれよあれよと薄っすら雪化粧したが、その後は天気が回復してこの前のようなことにはならなかった。

イギリスでも雪が降っているという話を書いたが、どうやら今は大雨が降っているんだそうで、積もった雪がどんどん解凍されているらしい。

雪、大雨・・・ ちょっと異常なカンジがして不安になる。

昨日の都内は快晴だった。

雲ひとつない青空でとても気持ちが良かった。

表参道で仕事をして、そのあと青山一丁目までフラフラと散歩した。

表参道から外苑前の間には街路樹として何が植えられているかご存知でしょうか?

そんな質問にスッと答えられる人はあんまりいないだろうなぁ。

街路樹に何が植えられているか、言い換えれば何通りに行けば何の木が植えられているか、というのが頭に入っていると面白いんじゃぁないかと思う。

外苑東通りであればユリノキ、外苑西通りであればアオギリ、甲州街道はケヤキ、銀座みゆき通りであればヤナギ、新青梅街道のフウなどなど、それ以外にも名の知れない通りにも特定の樹木が植えられているものである。

そういう意味において、この木が植えらえているこの通りは覚えておいて損はない。

表参道から外苑前あたりの青山通り沿いにはトチノキが植えられているのだ。
ちょうどavex本社の前あたりね。



大きな複葉をもった木で、マロニエなんて呼ばれて、ヨーロッパでは街路樹の代表格である。

花もソフトクリームのような形をして面白いし、クリのような実も特徴がある。

しかし何と言っても特徴的なのはその冬芽だと思う。

トチノキは落葉樹で、冬の間は葉を落としてしまう。

しかし春に備えて枝の先には春に芽生える葉を大切にしまってある冬芽を見ることができるのだ。

落葉樹それぞれ冬芽には特徴があるが、このトチノキの冬芽は一度見たらば忘れることはできないだろう。

それくらい特徴的なんであります。


トチノキの冬芽はごらんのように濃い茶色でテカテカに艶っぽく光っている。

触ると分かるけど、とてもネバネバの粘液で先端が覆われていて、それがテカテカに光っているのだ。

こんな木は他にない。

なので、冬芽をみれば、葉がなくたって、花が咲いていなくたって、一発でトチノキだと分かるのだ。

前にも書いたけど、この冬芽というのは大変興味深いテーマで、冬芽だけで本が出ているくらいだ。

ロウバイが咲いたとかいう話題も聞こえてきて、春はもうすぐそこなんだけど、できれば冬芽のご紹介もぼちぼちしていければなぁと思います。

2013年1月27日日曜日

つくば


昨日はちょっとエモーショナルなブログになってしまった。

淡々と、クールにいきたいとは思うけど、どうも性格なので仕方がない。

さて、見学に出掛けた独立行政法人種苗管理センターは茨城県つくば市にあるのだが、これがなんとも不便な場所にあるのだった。

最寄駅はつくばエクスプレスの万博記念公園駅。
そこからタクシーに乗っていく。

ご覧のように、岡本太郎氏の彫刻なんかもあるが、ハッキリ言って駅前には何もない。

コンビニもコーヒーショップもハンバーガ屋もない。



人影もまばらで、駅前には自家用車用の駐車場がひろがっている。

1日300円、なんて書いてあった。

都内ではへたすると15分で300円くらいかかるコインパーキングがあるので、その田舎ぶりが知れる。

別につくばをバカにしているわけではない。

むしろその逆で、愛着のある土地である。

何故なら僕はつくば市にある寮のある高校で3年間を過ごしたから。

まだ筑波万博の前で、本当のド田舎だった。

入学式までに破傷風の予防接種をしてくるように。
夜間は野犬が出るので出歩かないように。

などといった説明を受けて、「いったいどんなところだ?!」と大いにビビったものである。

それが万博以後、急速に開発が進み、つくばエクスプレスが開通し格段に便利になった。

まさに隔世の感がある。

とはいっても万博記念公園はご覧のように殺風景で、つくばおろしがぴゅうぅぅ~と冷たく吹いていた。


駅前に木のコンテナに入ったイミテーションのクリスマスツリーが数基置かれていた。

今は1月後半でしょ。

まだクリスマスツリーが出しっ放しってのも御愛嬌か。

近くて遠いつくば。
遠くて近いつくば。

不思議な場所である。

2013年1月26日土曜日

熱き15週間


東京理科大学大学院で非常勤講師となった。

よもや理系大学の大学院で講師をやるとは思っていなかった。

イノベーション研究科というところで知的財産専攻のなかの種苗法概論という科目を担当することになった。

僕の担当は後期なので9月から1月までの15週となる。

15回分のシラバスを考えて、それに向けて授業で使うレジュメなどを準備する。

こうやって言うのは簡単だが、実際は想像以上に大変だった。

講演など人前でお話することにはある程度慣れているつもりでも、大学院の講義となるとまったく勝手が違った。

何しろ「種苗法」という法律を、大学院のレベルで教えなければならない。
学生は4年生大学を卒業してきた若い学生から社会人まで。
社会人のなかには弁護士や弁理士も紛れていることがある。

昨年の今頃から準備を始めて以来、重圧に押しつぶされそうな毎日だった。

心のどこかに常にこのことがあって、読みたい本があっても、そんな本を読む時間があれば種苗法に係る資料を読んだ方が良いのではないかとか、休日くらい山歩きでもしたいなと思っても、そんな時間があれば授業の構想を練った方が良いのではないかなど、実際にそうしたかは別としても常に気持ちのどこかに解放されない部分があった。

実はこの「種苗法」を単独科目として扱う教育機関は日本でこれまでなかった。
なので、日本初の種苗法の講義をするという名誉な部分もある一方で、重たい責任も負っていた。

種苗法管轄の農林水産省からも授業の様子をみるために聴講にくることもあり、プロを相手に講義をしなければならないという気の重たさもあった。

でも、明けない夜はないとでもいうべきか、それでもなんとか15回の講義をやり切った。

全て我が人生初めてづくしの15週間であった。

学生たちとは極力同じ目線でいることを心掛けた。

最初はどことなくぎこちなかったけど、最後の方はそれなりに打ち解けることができた気がする。

そして昨日は授業の番外編として、茨城県つくば市にある独立行政法人種苗管理センターの見学に出掛けた。


場所が遠いこともあって面倒くさそうにやってくるのかなぁと思っていたらば、積極的に質問をしたり、写真を撮ったりして愉しんでいる様子をみて感激してしまった。

大袈裟にいうとお恥ずかしながら「感動」してしまったのだ。

おまえら・・・ と言って砂浜を夕日に向かって走りたくなるような、そんな気分とでも申しましょうか。

一応先生の立場なので、生徒たちが積極的に種苗法というマイナー分野に興味を示してくれていることが嬉しくて。

数年前、僕がこの大学院の学生であったとき、誰一人として種苗法に興味を持っている人はいなかった。

でもある教授が、「アンタ良いところに目をつけたね。第一人者を目指して頑張りなさい。」と言ってくれた。

そうか、方向性は間違っていないんだと背中を押してもらった気がした。

そして巡り巡って教壇に立つことになったわけだ。

人生とは本当に不思議だと思うし、人の縁というのは本当に有難い。

そんな訳で一年以上苦悶してひとつの山を登り切った。

なんとなくちょっと違う景色が見える気がするし、そのひとつが昨日の学生たち課外授業の楽しそうな表情だった気がする。

2013年1月25日金曜日

イチゴは知的財産


今日はいつもと違う角度からイチゴを語ってみよう。

昨日書いたけど、栃木県といえば「とちおとめ」ということで、栃木弁の漫才コンビが
「とちおとめだっぺよ!」
なんて言うのを聞いたことがあるだろう。

このとちおとめには育成者権という、知的財産権があった。

1996年に品種登録されて、15年間の登録期間を2011年に満了した。
それまでは育成者権者である栃木県に許諾をもらわないと勝手にとちおとめを作ってはいけなかったのだけど、登録が切れた今となっては誰でも自由にとちおとめを作って販売することができる。

いわば版権フリーになった、といえば分かりやすいだろうか。

そこでとちおとめに代わる次の主役として登場したのがスカイベリーというわけだ。

福岡のあまおう、佐賀のさがほのか、静岡の紅ほっぺなど、日本各地でイチゴ戦争が活況を呈している。

それぞれ開発には長い年月、そして気の遠くなるような試行錯誤を重ねている。
たった一つのいちごの品種を開発するのに10年くらいかかることはザラなのだ。

そんな苦労のすえにできたいちごを誰でも勝手に作る(栽培して販売する)ことができたら、作り手はやる気を失ってしまうでしょ。

なので、作り手に育成者権という権利を与えて一定期間これを保護しましょう、という法律が種苗法なのであります。

まぁ植物版の特許権と思っていただければいいだろうか。

特許権も、この育成者権も知的財産権というもの。
略して知財。

最近この知財というのをよく聞くでしょ。

デザインに関係する知的財産権は意匠権、商号などに関係する知的財産権は商標権、音楽や書籍など著作物に関係する知的財産権は著作権など、幾つかの種類があるのであります。

で、この前買ったイチゴについてきた箱を見ていたらば、様々な知的財産権がこのイチゴに絡んでいた。

それが今日の写真。

ちょっと分かりにくいかもしれないけど。

①意匠権(左上)
 「意匠登録番号第708378号」とある。
 これはこの赤い丸が連続しているデザインに対して。

②商標権(右上)
 「全農」登録商標第1545172号とある。
 これは白黒にした「全農」のロゴに対して。

③商標権(右下)
 「博多あまおうはJA全農の登録商標です。」とある。
 これは書いてある通り、「博多あまおう」の名称に対して。

それ以外にも、もちろんイチゴそのものに育成者権が存在する。

どーです?
たかがイチゴなんだけど、エラク大袈裟なほどに知的財産権が存在するものでしょ。

携帯電話機には沢山の知的財産が詰まっていると言われている。
だからサムソンとアップルが揉めたりしているわけだ。

イチゴもなかなかどうして知財の宝庫なんだなぁ、という今日のお話。

2013年1月24日木曜日

高嶺の花 高値の花


冬ですねぇ。

今が旬の果物といったら、なんてったってイチゴでしょ。

そんな中、昨日の新聞に

新品種イチゴ「スカイベリー」
栃木県が贈答用として開発、出荷を始めた新品種大粒イチゴ「スカイベリー」PRのため、とちぎフレッシュメイトの田村さん(21)が・・・ 産経新聞1月23日

という記事が載っていた。

モチロン知ってたよ、スカイベリー。

以前、この花咲ブログでも書いたことがあるが、栃木県のイチゴ生産を長らく牽引してきた「とちおとめ」の品種登録満了にともなって、栃木県が全精力を注いで開発したのがこのスカイベリーであります。

気になるのは「贈答用」ってところ。

ブドウ、メロン、マンゴーなど「贈答用」となったとたんに信じ難い値がついて、庶民には手の届かないものになってしまうことはママある。

そもそも、とちおとめの後継であるのであれば、誰にでも親しみやすいという路線も継承すべきではないか?

昨日、出掛けたついでに「スカイベリー」を一目見てやろうと思ってキョロキョロしてみた。

渋谷の新宿高野(ややこしいね、新宿?渋谷?)で見かけた。

1粒200円くらいの感じでパック詰してあった。

モノによっては一粒づつアクリルのケースに入っているものもあって驚いた。

同様に光輝いていたのは、白いイチゴ「初恋の香り」で、これもイチゴとしては目の玉が飛び出るようなお値段。

買うことはせずに目の保養だけしてきた。

帰りに駅の地下街でやっていたイチゴフェアで「とちおとめ」1パック1050円で買ってきた。

これでも十分美味しいよ。

付加価値をつけたブランド野菜やフルーツ、さらには肉や魚がもてはやされる昨今。
これも時代なんだろうなぁ。

2013年1月23日水曜日

ハコベ取り放題


ちょっと温い(ぬくい)と言うんでしょうか。

いっときの刺すような寒さとはちょっと違う気がするのは僕だけだろうか。

しつこく残っていた雪もあらかた消え去った。

日陰で人の手が入りにくいようなところにチラホラと残っているだけだ。

「手を焼かせやがって。雪かきとか大変だったんだぞ。でもオマエの命もあと僅かよのう・・・」
と、ちょっとだけ残って悪あがきをしている雪に向かって話しかけてやった。

で、その横を見ると、何やら小さな植物が青々としているではないか。



これはハコベだ。

ちょっと前に食べた七草粥にこのハコベも入っていたはずだ。

なんだなんだ、スーパーなんかで買わなくたって、新鮮なハコベがこのように取り放題ではないか。

まぁ、犬のオシッコなんかが隠し味になりかねないけど。

でもこうやってみると、厳しい冬のなかにも植物の逞しい生命力を強く感じるし、春の足音もなんとなく聞こえる気がするなぁ。


2013年1月22日火曜日

気候の正常化を願う


今日の東京の天気予報は雪ではなかったか?

この前ほど積もることはないながらも、ちらほらと雪が混じると確かに天気予報で言っていた。

しかし実際は雪どころか、むしろ最近ないくらいに生ぬるい感じの風が吹いて雪が降る様子はまったくない。

別に良いんだけど。

この前のたった一回の雪が原因ってわけでもないと思うが、近所の園芸店に行ったらば、まったく鉢苗がなかった。

皆無ってほどでもないが、いつもはもっと品揃えがあるのに、売り場面積に対して品物がまったくなくてスカスカな状態だ。

とある場所の植栽管理を定期的に行っているのだけど、こうなるともうお手上げであります。

花苗だけではない。
野菜もバカみたいに高い。

冬はほどほどの寒さ、夏はほどほどの暑さ。
何事もほどほどが良い。

数日前のニュースでは、オーストラリアで観測史上最高の46度を記録したなんてやっていた。

46度!!
湯船につかっても、46度は熱くて躊躇する温度である。
っていうか46度の湯船なんてないな。

46度に耐えられる植物って・・・・?
そのひとつがユーカリなどのフトモモ科の植物なんだろう。

葉っぱが硬くて小さめで乾燥に強く、色も白っぽくて太陽の光を反射するようになっているし、ものによっては細かい毛が生えていて身を守ることもする。

進化、もしくは適応ってやつだ。

まぁそんなに暑いと人間も大変、植物も大変だ。

この異常なカンジは色んなところで起きているようだ。

例えばイギリスは先週から大雪に見舞われているらしい。

イギリスのラジオを良く聴いているんだけど、
「空港閉鎖、もしくは大幅な減便」「交通マヒ」「学校の休校相次ぐ」といったことを盛んに報じている。

キューガーデンの友人によれば、キューガーデンもご覧のとおり真っ白らしい。

異常気象は困るなぁ。
正常な範囲で四季を愉しみたいものであります。




2013年1月21日月曜日

気楽にいこうよ


先日パパイヤの件で、野菜と果物の違いについて書いてみた。

木本性の植物からとれるのば果実で、草本性の植物からとれるのが野菜である、というのが基本筋である、と。

で、その後いろいろみてみたところ、農林水産省として見解を出しているのを見つけた。

野菜と果物(果実)の分類については、はっきりした定義はありません。
あるものを野菜に分類するか果物に分類するかは、国によっても違い、日本でも生産・流通・消費などの分野で分類の仕方が異なるものもあります。
生産分野においては、一般的に次の特性を持つ植物が野菜とされています。
 *田畑に栽培されること(栽培されていない山菜などは野菜と区別することが多い)
 *副食物であること
 *加工を前提としないこと(こんにゃくのような加工を前提とするものは野菜としていない。漬物のように原料形質がはっきり残っているものや家庭における簡易加工は加工に含まない)
 *草本性であること
 しかし、どの定義も確固たるものではありません。 
また、農林水産省では、果実を、生産や出荷の統計をとる上で果樹として分類しています。
この果樹は、木本性などの永年作物のことをいいます。
なお、いちご、メロン、すいかなどは野菜に分類されますが、果実的な利用をすることから果実的野菜として扱っています。

とまぁんとも日和見的とういうか、風見鶏的というか、ハッキリしないんであります。

でもまぁそうかもなぁ。
植物の世界というか生きとし生けるもの、すべからくシロかクロかなんてことはなくて、なんとなく曖昧な間を漂うってことは往々にしてあることだものなぁ。

「モクレンとコブシの違いってなんですか?」
「サザンカとカンツバキの違いってなんですか?」

良いんじゃぁないの、あまり気にしなくて。
もっと大局的に「楽しむ」ことを優先しようではないか。

パパイヤの青い時期が野菜で、オレンジに熟したらば果物だと仮にして。
ある日突然青からオレンジになる訳ではないんだから。

少しづつ色が変わって熟していくんだから。

おおっと、今まさにパパイヤがオレンジ色を帯びてきましたぁ!!
しかし今はまだ野菜の段階かっ!!
徐々にオレンジが優勢になっていくぅ!
これは果物に変化しきったと言っていいかぁ!!
正真正銘の果物であります、お見事!ワンダフル!パパイヤ万歳!!

・・・・っね、疲れるでしょ。

だから良いの、パパイヤが野菜だって果物だって。


2013年1月20日日曜日

「ウィルソンの夢を追いかけて」開催御礼


今日はずっと練ってきた企画
『ウィルソンの夢を追いかけて』
の開催日だった。

僕のイベントには珍しく(?)盛況で、定員を上回るお申込みをいただき、遠くからもお集まりいただきました。

ご参加いただいた皆様本当に有難うございました。

英国人2名との珍道中はこのブログでもリアルタイムでお伝えしてきたとおりなのだけど、ブログでは語り切れないほど色んなことがあったので、それをご参加いただいた方々にだけそっとお話ししようということでこの企画を思いついた。

2時間という、講演にしてはやや長い時間ながら、それでも伝えたいことの半分も伝えることができたかどうか。

昨晩はああでもない、こうでもない、と夜中の3時過ぎまで準備していたので、今日はちょっと寝不足気味だった。

こうやって改めてあの2週間を振り返ると、本当に良くやったなぁと感慨もひとしおであります。

今となっては、客観的にお話しできることも、そのときは必死だったし、それなりのストレスや、衝突もあったし、もちろん感動もあった。

自分一人では、たった一本の杉の木を見るために四国に行くなんてことは絶対にしないと思われるので、貴重な体験だったなぁと思う。

夕方近くに家に戻ってからはビールで喉をうるおして、そのまま倒れるようにしばらく眠った。

今年初めての、花咲園芸総研主催のイベント。

お蔭様で楽しくやることができました。

今年は、こういった「旅」「イギリス」「植物」「園芸」「庭」「自然観察」などのテーマでこじんまりとした、でも楽しい企画をいろいろと考えていきたいと思っています。

もちろん、昨年同様子供たちとの自然観察イベント「自分だけの植物図鑑をつくろう!」もやります。

ご要望のある、大人向け自然観察もやっていこうと思っていますので、どうぞ花咲園芸総研をよろしくお願いいたします。

今日はこの前の旅に「オトシマエ」を付けることができ、気持ちの整理もできてホッとしました。

さぁ前を向いて明日からまた頑張るもんね。




2013年1月19日土曜日

恐らく日本一ラッキーな駄菓子屋


雪が降ってもうちょっとで一週間経とうというのに、相変わらず残雪がここそこに。

天気は良いが、底冷えのする日が続いている。

雪が降った時に、気になる、見たい、と思っていたのは都内の樹木たちだった。

しかし、交通もままならないのに、のんきに木を見に出掛けるわけにもいかず。

僕の機動力の源となっている自転車が使えないのだから、もう仕方がない。

で、昨日たまたま用事があって雑司ヶ谷の鬼子母神あたりを通りかかった。

そうだ、ここには大きなイチョウの木があったんだった。

早速見にいってみると、別に枝が折れるといったようなこともなく、わずかに残った雪のなかに神々しくイチョウは佇んでいた。

枝に雪がのった様子を見たかったなぁ。

境内にはこのイチョウほどではないながらも、そこそこ大きな木が何本もある。

境内をそぞろ歩いていると、ボトボトッという音がした。

何かが地面に落ちてくるような音だった。

何かと思ったら、それはギンナンだった。

一番上の写真の大きなイチョウはオスの木なのでギンナンはならないけど、境内にあるその他のメスのイチョウの枝にはまだギンナンが残っていたのだ。

風も強かったこともあって、風が吹く度にボトボトっと落ちてくるのだった。

地面には雪が降る前に落ちたギンナンが、雪に埋もれていた。




「冷凍保存」・・・

そんな言葉が脳裏をよぎった。

さて、この境内には戸建ての駄菓子屋がある。


行ったことがある人は知っているだろう。

看板を改めて見てみると
「上川口屋 創業1781年」
とある。


1781年?!
天明1年、江戸時代ですよ。

そんな時代からこんな駄菓子屋さんが??

気になって、お店のおばあさんに聞いてみた。

明治のころに建てかえたらしいこの建物は戦争中にも空襲をのがれ戦火にもあわなかったんだそうだ。

すごくラッキーな駄菓子屋ではなかろうか。

御利益もありあそうな雰囲気が漂っている。

駄菓子屋、懐かしいなぁ。

語り始めると、かなり脱線してしまいそうである。