ちょっと変わった角度からキウイについてお話したい。
このキウイは、花咲ジジイの母校にあったもの。
実はこのキウイは僕が高校時代に当時の園芸好きの校長先生が 「キウイを植えます」 といって植えたものだ。
当時の僕は園芸に興味がないのはもとより、キウイなんて果物の存在すら知らなかった。
何でもかんでも一応反対する反抗期年代だった僕は 「なにがキウイだ」 くらいにしか思っていなかった。
思えばこの高校は変わっていて、作業の時間と称して雑草取り、草刈り、芝貼り などいろんなことを「させられた」 。
そう、正直に言うと自ら進んで楽しみながらやったという記憶は全くなくて、なんとなくやらされたという記憶しかない。
それは自分が反抗期にあったからかもしれないし、単に興味がなかったからかもしれない。
とにかくサボることばかり考えていた。
それが25年経った今、僕はこの園芸を生業としている。
不思議なものである。
この園芸の愉しさを説いてくれた校長先生が先月お亡くなりになった。
今日、校長先生を偲ぶ会なるものに出席したときに、校内を歩いていて藤棚のような棚一杯に茎が伸びて立派に育ったキウイを見て、麦藁帽子に長靴、ジャージ姿の校長が「キウイを植えます」といったあの日を鮮明に思いだした。
高校生の頃、ちょっと煙たかった校長先生の教育方針のもと土をいじっていた僕も25年経って 園芸で飯を食っていこうとしています と献花をしながらそっと報告した。
校長先生の御冥福を心から祈りたい。