2009年4月30日木曜日

フラワーオークション
   
    
首都高湾岸線を横浜や羽田方面に走っていて、赤、黄、緑などの花をモチーフとした看板(?)のようなものに気付いた人も多いと思う。
   
あれは大田市場といって築地の魚・青果市場のように東京都が運営する総合市場なのである。
部門が青果、水産、花卉に分かれていて、その変わった看板のふもとに花卉部門があるのだ。
   
昨日は僕は早起きをして自転車を片道20キロちょっとこいで、この市場にいってきた。
   
仕事として行ったこともあるのだが、昨日は純粋な社会科見学。
来る母の日に向けて市場はカーネーションで盛り上がっているのではないか? と思ってその市場動向を肌で感じるために繰り出してみたというわけだ。
   
花のセリは朝7:00開始と、他の青果、水産に比べるとややゆっくりめのスタートなので、市場の中を歩いてこれからセリに掛かる花を見て回った。
群馬、埼玉などの国産も多いが、コロンビア、オランダなど海外からの花もかなり多く見受けられた。
   
因みに花のセリは毎日開催というわけではなく、さらに 切り花のセリの日 と 鉢物のセリの日 と別の日に行われるので、事前に調べていかないと、せっかく行ったのに休場だったり、お目当てのものがセリになかったりする。
   
場内には一応業者向けの花屋さんも十数軒並んでいて、街の花屋さんや、フラワーアレンジを生業とする人たちが買い出しに来ている。
当たり前だが花の種類が多くて、かつ安い。
   
   
セリが始まると、もっとまとまって多く買う業者がセリに参加する。
傾斜のきつい講堂のような席に座って、眼下にセリ人が威勢のいい声で次から次へと花をセリにかけていく。
  
    
参加者は机の上にあるスイッチによって入札する。 座席正面というかセリ人の頭上には大きな時計のような、あるいは車のスピードメーターのようなものがあって、これでセリ値が誰にでも分かるようになっている。
これを 自動セリシステム というらしい。
    
世界で最大の花市場だといわれているオランダのアルスメア(Aalsmeer)花市場を見に行ったことがあるけど、全く同じシステムだった。
   
で、4月29日(水)の大田市場における取引は・・・
 1位 キク 427,000
 2位 カーネーション 311,000
 3位 バラ 231,000
 4位 ユリ 56,000
   
というわけで、母の日としてカーネーションは2位と健闘はしていたけど、1位のキクには水をあけられていた。
この1位から3位までのキク、カーネーション、バラは順序は定かではないが、日本で取り扱われる切り花ベスト3そのままであると聞いたことがある。
   
キクはかなりシャレたものも最近出てきたけど、やはり何といっても墓前にお供えしたり、葬儀に使ったりといった需要がなんといっても大きいのだそうだ。
  
築地に観光客が大挙して押しかけて問題になっているけど、大田市場には気の利いた食堂や寿司屋はないながらも穴場的に面白い場所だと思うのでおススメしたいと思います。
  
  

2009年4月29日水曜日

目立たない花 2
    

   
これは セイヨウヒイラギ Ilex aquifolium ではないかと思う・・・。
  
ちょっと歯切れが悪くて恐縮だけど 胸張って言える度70% くらい。
  
セイヨウヒイラギといって真っ先に頭に浮かぶのは、葉の縁がギザギザで赤い実をつけるクリスマス時期に活躍するアレだと思う。
   
セイヨウヒイラギは学名としては Ilex属(モチノキ属)に含まれるが、この Ilex はかなり幅があって、
イヌツゲ クロガネモチ ソヨゴ ウメモドキ なんかも Ilex だ。
  
さらにセイヨウヒイラギそのものもかなり多様で、葉の縁がギザギザでないタイプもある。
  
よってこれを見て、ギザギザ葉っぱではないけど直感的に セイヨウヒイラギ だと思った次第。
  
セイヨウヒイラギもオスとメスの株が別の 雌雄異株 のタイプ。
昨日のサンショウ同様、この樹は普段良く見るので観察してして実がならないことを知っているから断言すると、オスの樹である。

    

   
花に近寄って見てみるとオスの動かぬ証拠である おしべが一つの花から4本突き出ている。
   
花は小さいし、色も地味。
かなり目だ立たない花であるが、一年のこの時期にひっそり咲くので、せっかくだから目を向けてあげたい。
  

   

2009年4月28日火曜日

目立たない花 1
   

   
花とはいっても、目立つ花、主役に躍り出る花もあるが、人知れずひっそりと咲いている花というものもある。
   
今咲いている目立たない花を幾つかとりあげてみたい。
  
まず第1発目が サンショウ Zanthoxylum piperitum
   
ついこの前、今年芽吹いた若い葉っぱがサンショウそのものの良い匂いだ、という話を書いた。
   
その葉っぱの脇にちょこんと小さくついているのがサンショウの花だ。
   
サンショウはオスの株とメスの株が異なる 雌雄異株 というものになる。
この花はメスの花である。

なんでそんなに自信を持って言うのかといえば、このサンショウは秋頃に赤い実を付けていたのをハッキリ覚えているからだ。
雌雄異株の場合、実を付けるのはメスの樹に決まっている。

イチョウのギンナン然り。

ウナギにかけるサンショウや、気の利いた和食屋で添え物として煮魚の脇にちょこんとのっかっているサンショウの葉っぱに馴染みがあっても、いざサンショウの花と言われてもピンとこない人が多いのではないかと思う。

こんなに小さくて、色的にも地味な花なのだ。
知ってた??

2009年4月27日月曜日

タダで増やせ
   
いやいや、ゴールデンウイーク目前
皆様いかがお過ごしでしょうか。
  
陽気も良いんだか、ちょっと肌寒いんだか、イマイチはっきりしないけど、とにかくゴールデンなウィークである。
  
この前、僕個人的にご利益のある神社にお参りに行った。
一通りお願い事をしたあとに、境内の石畳を見ると、なにやら掃いて集められていた。
   
   
何だ、こりゃ?
   
よくよく見てみると、それはイチョウの雄花だった。
    
昨年の今頃、しつこくイチョウの花について書いた。
イチョウの花は風媒花といって、特に目立たない花で、ご覧の通り白というかクリーム色というか目だ立ない色、カタチをしている。
  
花粉を風に乗せて飛ばして役目を終えた花がこうやって地面を覆うほど落ちてくるのだ。
   
そもそも風媒花は、風に花粉を雄花から雌花に運んでもらう他力本願的な方法で、花粉が無事に雌しべに付着するかなんてのは、かなりの確立の低さと言えよう。
   
その確立を上げるためにどうするか?
それは玉を多く撃つことである。 よって風媒花はものすごい量の花粉を飛ばす。
  
スギやヒノキ花粉症に悩む人が多いのはこの辺に理由がある。
  
植物を増やすためには普通は 種をまく というのが一般的なやり方である。
しかし、種をまかずに増やす方法が幾つかある。
  
挿し木、接ぎ木などがその代表である。
  
挿し木は植物の若い枝を切って、それを植える。
するとしばらく経ってから、切った枝の地中部分から根が出て、次世代の植物となって育つというものである。
このやり方だと、枝を切った親株と遺伝子を全く同一とする 「複製」 ができることになる。
   
万有引力を発見したニュートンで有名なリンゴの木はオリジナルから多くの次世代リンゴが出来て各地の植物園などで見かけることができる。
   
話が逸れたが、この神社の境内に白いプラスチックのプランターがあってそこに緑の新芽が吹いた何かが植わっていた。かなり密生していた。
   
   
これがなんと全てイチョウの挿し木だった。
  
これだけ芽が吹いているということは根もしっかりついているはずだ。
   
次はプランターから出して地面に植えてやれば、イチョウの木に育つ。
これだけ植えれば立派なイチョウ並木になることだろう。
   
これで元手はタダ。
鉢に植え替えて イイお値段 で売るのも良いだろう。
  
  

2009年4月26日日曜日

イチョウの憂鬱
   

   
3月にイチョウの街路樹剪定を目撃したことを書いた。
   
そして現在。
新緑が一斉に芽吹く今の時期、3月にガッツリと剪定されたイチョウたちは、すけすけスカスカの状態でちょっと寒そうにしていた。
   
そりゃぁそうだ。
これから芽を吹きますよと準備していた場所をほとんど切られてしまったわけだから。
   
かろうじて残っていた新芽のつぼみから申し訳程度に新芽を出している。
   
彼らは強いので、これで枯れることはないと思うが今度の秋にギンナンは見込めないだろう。
なぜならイチョウの花が咲く今の時期に、花を咲かせる枝が無いんだから。
受粉して実を結ぶ以前の問題だ。
  
これから彼らが頑張って枝を再生してもとの樹形を取り戻したとしても、その頃には花の季節はとうに終わってしまっている。
   
さっぱりして良かったですねぇ、なんていうのはその場でのお話で、秋になったら今年はギンナンが取れなくてどうなってるんだ、と苦情があるかもしれない。
  
いや、最近はギンナンは臭くてたまらんからなんとかギンナンができないような方法はないものか という苦情があって、考えた末に3月にあえて剪定をしたのだとすれば、それはそれでかなりの策略家である。
  

  

2009年4月25日土曜日

ウケザキクンシラン Cliva miniata
    

  
昨日書いたグーグルの頭ページの件。
   
早速、じゅんぺいさんから 「ウケザキクンシランではないか」 とのご指摘を頂戴した。
やっぱりクンシランかぁ、と花咲ジジイとしては、あの字も読めないような小さな絵からクンシランを言い当てたことに、ちょっとした自己満足を感じてしまったことを正直に告白しよう。
   
しかし、ウケザキ・・・ と聞いて、 「何?それは。 ウケザキクンシラン?? 普通のクンシランと違うの??」 と困惑したということも正直に告白しよう。
正直、知らなかったデス。
   
学名的には
クンシランは Cliva nobilis
ウケザキクンシランは Cliva miniata
となる。
  
どうやらウケザキクンシランとは園芸用に改良されて一般に多く出回っているものを指すようだ。
  
僕の勝手なイメージかもしれないが、どうもシブいというか、ご年配の方好みの植物のように思える。
  
オレンジの花が咲いているとそうでもないが、それ以外のときは平べったい緑の葉っぱが鉢にちょこんとあるだけで、割と退屈に思ってしまう。 ゴメンなさい、クンシラン・ファンの方。
  
それにしても、昨日はかの牧野博士の誕生日だったらしく、それに合わせてグーグルが花のデザインを頭ページに持ってきたらしい、とじゅんぺいさんに聞いた。
そうか、そういう意味だったのか。 グーグルもなかなか気の利いたことをするじゃないの。
  
恥ずかしい告白をしたついでに告白しちゃうけど、牧野博士のことも割と最近知った。
昨日、先週とかじゃぁないですよ。 でもここ数年前かな。
  
博士の 牧野日本植物図鑑 を手に入れようかなぁなんて思っていたら、とんでもなく高価で、とんでもなく嵩張ることが分かってやめた。
古本屋なんかで時々見つけて立ち読みするけど、確かに素晴らしい本だ。
  
何が良いって、植物を写真ではなくて 「絵」 で紹介していること。
前にも述べたが、植物は写真ではなくて絵を描いたほうがその植物の特徴をうまく捉えることが出来て、より伝わりやすい。
  
昨日のグーグルの頭ページの小さい絵を見てクンシランっぽいと思ったのは、やはり絵だったからその特徴がよく伝わってきたためだと思う。
  

  

2009年4月24日金曜日

Google

グーグルの頭ページに使われるロゴは季節のイベントなどに沿っていろいろと変わるのをご存じの方も多いと思う。

今日現在のを見ていただきたい。
http://www.google.co.jp/

なんと、ラッパスイセン、ヒメジャクシン、アヤメ などがモチーフになっているではないか。

一体どういった意図があるのか? はたまた意図は全くないのか?

春だから、何となく花を載せてみただけなのだろうか。

いずれにしても天下のグーグルが花を扱う、そんな時代になってきたんだなぁ、という今日のお話。

因みに一番左の クンシラン のようなオレンジの花は字が小さすぎて読めないのだけど、一体何の花だろう?

2009年4月23日木曜日

街歩きお手軽アロマセラピー
  
   
いきなり露出オーバー気味の写真で申し訳ない。
     
これは何でしょう?
     
これはサンショウです。 ウナギの蒲焼に振りかけたりするアレです。
  
以前サンショウは花咲ブログでも扱ったので、左上の空欄に 「サンショウ」 といれて検索してみてください。
  
サンショウは落葉するので冬の間は丸坊主で、春になると新芽を再びふく。
  
新緑というのはどの植物でもそうだが、みずみずしくて柔らかい
  
是非葉っぱに触ってみて欲しい。 柔らかくてみずみずしいというのが指の先から伝わってくるはずだ。
そして、サンショウなど香りの強い植物の場合であれば、その指の匂いを嗅いでみて欲しい。
   
どんな匂いがしますか?
   
オオッ、と唸ること請合いである。
サンショウの葉っぱに触れた自分の指先からはウナギにかけるサンショウの匂いそのものがしてくるはずだ。
   
植物を愉しむ方法には色んなものがある。
代表的なのは 生け花 のように生けて眺めて視覚的に愉しむ。
   
そして香りを愉しむことも誰もがやることだろう。
キンモクセイジンチョウゲのように何もしなくてもそこらに漂う香りもあれば、バラのように花に鼻を押しつけてクンクンと味わうような香りもある。
   
そして是非試していただきたいのが、植物に直に触って、触ったその手に移った香りを嗅ぐというもの。
   
今日ご紹介しているサンショウもそうだし、ラベンダーローズマリーなどもそうだ。
   
街を歩いていて、是非色んな植物に触ってみてどんな香りがするのかアレコレ試してみるのも楽しい。
   
タダで出来るお手軽アロマセラピーである。
  
  

2009年4月22日水曜日

彬さんへ  <花咲ブログ番外編>
    

    
宿題になっていた、雨水タンクのご紹介が遅れて大変申し訳ありません。
   
メーカー名は HARCOSTAR というらしく、英国製です。
調べてみると日本でもかなり取り扱いがあるようで、
  
227リットル 28000円 なんて感じで結構手軽に入手できそうです。
http://www.engei.net/Browse.asp?ID=8828
  
かのアマゾン(Amazon)でも売っているようであります。
  
このブログを見てこの雨水タンクを買う方がいるのであれば、HARCOSTAR社から幾らかの紹介料を頂戴したいものであるなぁ・・・。 なんちゃって
  
ちなみに英国では数社が生産していて、もっとバリエーションがあった気がします。
  

   
オランダカイウ Zantedeschia
    

   
オランダカイウって何?
オランダはオランダだが、カイウって漢字で書くと海芋となるらしい。
   
なんとも馴染まない名前である。
   
オランダカイウなんて言わずに カラー といった方がピンとくるのではないだろうか。
   
ちなみにカラーは calla であって、色 colour とは違う。
  
花束などでよく使われる人気者であるが、これが昨日紹介したマムシソウと同じ仲間だと知ったらどうだろう。
   
色は違うけど、よくよく見るとカタチはマムシソウと基本的に一緒であることに気づく。
この白くて一見花びらのようなものが 仏炎苞 というものである。
  

これらすべてサトイモ科なわけで、やはりかなり変わったやつらといえるだろう。
  
ひるがおさんから頂いたコメントにカラーとあって、さらに今日散歩していたらカラーを見つけたので、何か運命的なものを感じて書いてみた。
  
  

2009年4月21日火曜日

マムシソウ Arisaema serratum


そんな訳でブログに書いたら面白いだろうなぁと思われる植物たちをみすみすやり過ごした。

心は躍るが、身体がそれを許さない。 悶々である。

でもそんな状況にありながら休憩の時間などに、さりげなく何枚かの写真を撮った。
まさに盗撮気分である。

その貴重な数枚のうちの一枚がこの マムシソウ だ。

知ってはいたが、野生ではえているマムシソウを日本で見るのは初めてだったので興奮した。
特に朝、一番最初に見たときには。
       
ところがハイキングをしているとそこらじゅうにマムシソウが繁茂していて、これっぽっちも珍しくないことが分かった。
    
スミレもそこらじゅうに生えまくっていたし。
    
ガックシである。
     
しかしこのマムシソウはユニークだ。
    
まずそのカタチ
    
名前のとおりマムシがかま首をもたげているようにも見えるし、茎の縦縞模様がマムシに見えなくもない。
    
この黒っぽいヒラヒラっとした部分は 仏炎苞(ぶつえんほう) といって花ではない。
    
花はこの中に入っている。
    
オスとメスの株が異なる、いわゆる雌雄異株である。
   
ムシたちはオスの花から花粉を自分のカラダにつけてメスの花に向うのだが、ここで面白いことが。
   
花はこの仏炎苞の中にあるのだけど、かなり狭い間をムシたちは分け入って花に到達する。
しかし、ムシたちが逆行できない仕組みがあって閉じ込められてしまう。
    
ムシ君たち絶体絶命! かと思いきや、オスの花には脇に小さな穴が開いていてそこから脱出できるようになっている。
    
ところがメスの花にはこの脱出口がない。
     
花粉をカラダ中にまとったムシ君たちは雌しべに花粉をなすりつけて、悶えながらその最期を迎えるという、すごいストーリーがあるのだ。
      
マムシソウは サトイモ科(ARACEAE) に属するのだけど、このサトイモ科はえてしてこんな姿をしていて、やれグロだ、やれキモイ などどヤリ玉にあがってしまう気の毒なやつらである。
    
とてつもなく大きな花が咲く ゾウコンニャク(Amorphophallus titanum もこの仲間だ。
    
コンニャクを栽培している農家を見るとこんなカンジの葉っぱが見つかるハズ。
  
  

2009年4月20日月曜日

山登り報告
    
   
数ヶ月前にある人と出会った。
さる旅行会社に勤める方で、いろいろとお喋りをしていたら
「花咲さん、ツアーに興味はありませんか?」
   
僕はてっきりツアー参加を聞かれているのだと思って 「はあ、そうですね」 と返事した。
   
ところが先方の意図は、ツアーを引き連れていかないか ということと知って驚いた。
   
僕は一匹狼的に色んなところへは行くけど、そんな引率なんて大それたことは考えたこともなかった。
   
最近は植物や写真に興味を持った人の山歩きも盛んだそうで、植物的切り口はかなりウケるのではないかというのだ。
   
断るのもなんなので、一度ツアーがどんなものか 「見学」 させてくださいと言ってあった。
   
その見学ツアーが昨日の山登りだったのだ。
   
僕は 金魚のフンよろしく、団体にくっついていけば良いのではないか、くらいにしか思っていなかったのだが、あにはからんや。
僕は ツアー添乗員のサブとして参加者の方々に紹介されて手を抜けなくなってしまった。
   
参加者は18名。
50~60代の方々の女性の方々が中心で、この辺りはこの前出掛けた植物学セミナーの客層と全く同じだった。
   
引率するのは、添乗員1名、山のガイド1名、そしてオマケの僕1名。
   
現地に到着すると、皆で輪になって準備体操。
輪になって イチ、ニ、サン、シ・・・ と体操するなんて何十年振りだろうか。
   
一行は一列に隊列を組んで山を歩くのだが、先頭はガイドの方、最後尾は添乗員の方、そして僕は列のド真ん中。
「真ん中にいて自分の前に常に9名のお客様がいることを確認してください」 と言われて緊張しながら歩いた。
   
   
全行程で10キロちょっと。 かなりアップダウンがあった。
皆様健脚である。
   
ツアーの最後には温泉につかって、さらにビールも飲めるらしい。
   
でもそれはお客様のことであって、すっかりスタッフ側にまわってしまった僕には叶わないことだと思っていたら、あにはからんや。
「どうぞ温泉につかってください」 と言われて嬉しくなる。
   
しかし、さすがに湯上りのビールは許されないのだろうと思ってブルーな気分でいると
「缶ビール一本くらいなら良いですよ」
と言われて天にも昇るような気持ちになる。
   
帰りのバスの中。
朝早くに起きて、山を歩いて、温泉につかって、ビールを飲めば、あとはもう決まっている。
  
寝たい。 
    
お客様たちはスースーとバスの中で寝ている。
フト添乗員の方を見ると、スッカリ「落ちて」いた。
   
僕も軽く落ちてみた。
   
天気にも恵まれたこともあるけど、このツアー決して悪くないと思った。
新宿に行きさえすれば、あとはバスに乗せてくれて、登山口まで連れて行ってくれて、道案内もしてくれて、温泉につかって、ビールを飲んで、寝て、目覚めれば再び新宿である。
そして10000円しないお手頃価格。
   
唯一の欠点は自分のペース、自分の興味を追求できないこと。
   
オマエは遊びに行くつもりだったのか! と怒られそうだけど、大きなリュックサックの中には一眼レフカメラ、交換レンズなどの装備に加えて、車中で熟睡するための iPod と首マクラを持って行ったのだ。
   
ブログネタはゴロゴロ転がっていたのだが、隊列のド真ん中にいるものが、やおらカメラを構えて植物ににじり寄ってコースを外れるわけにはいかない。
   
そういう点においては、団体行動にすっかり飲み込まれて身動きがとれなくなってしまった。
   
繰り返しになるが、参加者のほとんどが50~60代。
バスの集合場所であった早朝の新宿駅西口には他のツアーに参加する人たちが沢山いたが、それもほぼ50~60代の人たちだった。
   
お金的にも、体力的にも一番元気な世代なのだろうか。
   
添乗員の方も、ガイドの方もとても気さくで、ざっくばらんに色んな話を聞かせてくれた。
ここのにはとても書ききれないほど、色んなことを考えさせられる、貴重で中味の濃い一日でありました。
   
ピンクの花の写真は、濃いピンクがキレイだったミツバツツジ。
これを撮るのが精一杯だった。
  
 

2009年4月19日日曜日

山報告
   

   
申し上げたように今日は山登りにいってきた。
  
天候にも恵まれ、素晴らしい一日だった。
   
ただし、これまでとは趣が違って今回は「仕事」で山に行った。
とても興味深い、有難い経験をしたのでその辺について書いてみたいと思うのだけどそれは明日にしようと思う。
   
実はついさっき帰宅して、疲れに加えてあれやこれやとやることがあって、まとまった時間がさけない。
さらに日付変更の時刻は迫る・・・。
   
というわけで、お茶を濁すわけではないが今日は軽めに。
  
山歩きをしていて、オッ! と足を止めた。
  
これは数日前にセイヨウジュウニヒトエとしてご紹介したものの日本版、すなわち ジュウニヒトエではないか、と思われる植物があったのだ。
   
ちょっと興奮してシャッターをきったのだが、帰宅して早速ジュウニヒトエの文献と比べてみると、ちょっと違う。
   
じゃぁこれは何だ??
   
シソ科であり、かつジュウニヒトエの属であるアジュガであろうとは思うのだけど。
   
更に調査が必要である。
調べて分かったらまたお知らせしますが、もし分かった方がいれば是非コメントの書き込みをお願いします。
  
  

2009年4月18日土曜日

宝の山
   

   
商店街の中に塀で囲まれた空地があった。
   
今度ビルが建つ予定らしい。
   
商店街の喧騒をよそに中は静かなものである。
空地の正面からは中の様子が見えないのだけど、脇のわずかな隙間から中の様子が伺える。
   
手前の部分にはゴミが散乱していたが、敷地の大部分は雑草で覆われていた。
   
雑草と一言で片付けてしまえばそれまでだけど、言いようによっては宝の山といえる。
   
雑草なんて人間が勝手に名前を付けてそういう分類をしているだけで、彼らは愛すべき野草なんである。
   
空地には タンポポ、ハルジョン、ナズナ、ハコベ・・・ など花咲ブログで既に扱ったもの、そしてこれから扱ってみたいものなどてんこ盛りである。
   
奥のほうで紫色に見えるのは、ムラサキハナナが群生しているからだ。
   
許されることならば、中に入って何がはえているのかジックリと見てみたいものだけど、それは私有地なのでかなわない。
   
残念。
   
なんだよ、草ボーボーでよぉ と言ってしまえばそれまでだが、気持ちの持ち方によってはそれは宝の山になるのだ。
どうせ同じものだったら、宝物に見えたほうが人生シアワセではなかろうか。
   
さて、明日日曜日 花咲ジジイは群馬県方面の山に登りに行ってくる。
久し振りの山歩きで、荷造りをしていて血が騒いできた。
   
そしてステキな花たちが沢山待ち受けていると思われるので、写真をたくさん撮ってこようと思う。
刺激に溢れた来週の花咲ブログにご期待いただきたい。
   
あっ、一応コレは仕事の一環でして、決して遊びに行くわけではないので念のため。
  
  

2009年4月17日金曜日

Sustainability
    
    
昨日に続いて、新築アパートのお話。
    
昨日はエアコンの室外機について、植物の立場にたってやや同情的に書いたのだが、実はこのアパートにはひとつ気の利いたものがついていたのだった。
   
当然中に入って部屋を見たわけではなく、外から見える範囲でのお話であるが。
    
雨どいからパイプがおりてきて、その末端にタンクがあったのだ。
   
これは 水のリサイクル である。
   
降ってくる雨をキャッチして、それを蓄えて、植物の水やりに使う。
なんともエコな発想である。
   
植物にとっても、塩素のきいた冷たい水道水よりも、塩素のない常温水のほうが有難いハズ。
   
実はこの製品は英国ではあちこちで見かけたものであるが、日本で探そうとしてもコレといったものがなかった。
それが散歩をしていて偶然に見つけたので、散歩もまんざら無駄ではないよなぁと思ってしまう。
   
でもこのタンクをよくよく見てみると made in England の文字が。
やっぱりイングランド製か・・・。
   
ありそうでない、こんなシンプルかつ環境に優しい雨水リサイクル・タンク。
このブログを読んだ製品開発者は日本国産の良いやつを作ってほしいものである。
   
その際には花咲ジジイをアドバイザリースタッフとして仲間にいれてくれないかなぁ。
  
  

2009年4月16日木曜日

エアコン
    


散歩をしていたらば、新築ピカピカのアパートを発見。

レンガ張りの外観はとても洒落ていた。

想像するに 1DK 程度の独身向けの間取りの部屋のようだった。
    
一階の部屋は外の通りよりもやや高いくらいで、中の様子がチラリと見えてしまう。
      
そのためか、目隠しのためと思われるコニファーが間隔を詰めて植えられている最中だった。
   
植物はときに我々の目を愉しませるために、ときに外からの侵入者を防ぐために、ときに目隠しのために、ときに果物を収穫するために・・・ と色んな目的で植えられるものだ。
        

そういう意味でこのコニファーは目隠しのためにこれから新築の家とともに頑張っていくものと思われる。
    
でもっ!
   
果たしてそうだろうか?
    
実は花咲ジジイは このコニファーの寿命はエラく短いのではないか と他人事ながら心配している。
    

      
というのは、これらコニファーの幾つかはエアコンの室外機に触れるか触れないかくらいの場所に植えられているからだ。
     
夏場、冬場とエアコンを稼働させると、室内は快適に保たれるが、温風が室外機からブンブンと吹き出す。
      
植物のすぐ脇でそんなものが動いていたらば、植物にとって良い結果をもたらすのか、そうでないのかは誰にでも容易に分かりそうなものだ。
     
花咲ジジイも夏場に庭の手入れをしていて、エアコンの室外機の脇の雑草をとるためにしゃがんでいて、温風にあたって気分が悪くなったことがある。
        
植物の気持ちも分かる。これはツライ。
       
折角新築の家が建って、見栄えの良い植栽を施しても、これではちょっと思慮に欠けると思うのだ。
      

この可哀想なコニファーがどういった道をたどるのか、しばし注目していきたいと思う。
  
   

2009年4月15日水曜日

ヤマブキ Kerria japonica
    

    
春らしい花である。
   
ビビッドな黄色い花と、吹いたばかりの若い緑の葉のコントラストが絶妙である。
   
そもそもこのヤマブキのハッキリとした黄色を指して やまぶき色 という名前ができたんだろうなぁと想像するとさもありなん、である。
   
ヤマブキはバラ科に属し、その花の形を見るとサクラなど他のバラ科の植物たちと似ている。
  
どこが似てるのか??雰囲気でモノを言わないでくれ と責めないでいただきたい。
   
ええーっとですねぇ、 例えば花びらが5枚。
これは必ずしもというわけではないが、バラ科には5枚のやつらが多いのである。
そして、花びらが一枚一枚離れている。 これを離弁花という。
   
これに対してアサガオのように本来は5枚の花びらがありながら、それらが互いにくっついてしまって、花びらが何枚と言いづらいやつらもいる。
こういったタイプの花を合弁花という。
   
で、ヤマブキの1枚1枚独立した5枚の花びらはバラ科の特徴そのまんまなのである。
   
うーん、あんまり理屈をこねると散歩がつまらなくなってしまう。
あの植物とこの植物のここが似ているクイズ をしている程度の軽い気持ちであれば楽しめるんじゃぁないだろうか。
  
今日のような陽気であればただ歩いているだけで楽しい。
   
   

2009年4月14日火曜日

ドッグラン 
   

   
校庭の芝生化が今脚光を浴びている。
昨年の11月20日の花咲ブログでも、校庭の芝生化について言及した。
   
校庭が芝になると子供たちは素足で思い切った遊びができる。
怪我を恐れずノビノビとして、素足で芝の感触を楽しんで五感がより研ぎ澄まさられる・・・。
   
何やら良いことばかりだが、これはどうも人間に限ったことではなさそうだ。
   
最近見かけたのは、公園の隅にワンワン広場と称して犬が自由に遊ぶスペースが設けられていたというもの。
   
あいにくノビノビというにはやや狭いような気がしたのだが、それでも犬は犬達同士で存分に社交性を発揮していた。
面白かったのは飼い主同士も犬につられてアカの他人同士、なかなかどうして会話が弾んでいたことだった。
   
こういった施設をドッグラン(dog-run)と呼ぶらしい。
和訳すると 犬走り となるだろうか。
  
待てよ。
庭に従事する者として犬走りは聞いたことがあるぞ。
  
広辞苑によると犬走りとは
築地(ついじ)の外壁と溝との間の狭長な空地
を指すらしい。
  
要するに家の壁とお隣との壁の幅60センチくらいの狭い通路を犬走りというわけだ。
  
この公園のワンワン広場は確かに狭かったけど、それでも犬にとってはいわゆる犬走りよりはマシかな・・・。
  

  

2009年4月13日月曜日

辛さ対決
    

   
週末にちょっとした会があって、都内のとある飲み屋に繰り出した。
    
とても気の利いた小洒落た居酒屋だった。
トビウオの塩釜焼き なんてのも出てきて、木槌で塩釜を叩き割ったりして盛り上がった。
    
思わず写真を撮ろうと思ったけど、花咲ブログは植物・園芸ネタ限定を旨としているので思いとどまった。
残念ながらトビウオの塩釜焼きはそのあたりにかすりもしなかった。
    
しかし・・・
次に出てきたのが 鳥の唐揚げ なのだが皿一杯に溢れんばかりに盛られたトウガラシにのけぞってしまった。 肝心のトリが見当たらない。
   
ソロリソロリと菜ばしでトウガラシをかき分けると、ようやく下の方からトウガラシまみれの唐揚げが現われた。
   
スゲー・・・
   
このトウガラシを食べる人はいないと思う。
皿から唐揚げがあらかた引き上げられたらば、このトウガラシは捨てられてしまうのだろうか?
   
それももったいない気がするし、かといって次の人に使い回しするのもマズイ。
   
次なる一品が お刺身の盛りあわせ だった。
そこにはすりおろしたばかりのワサビがあった。
   

   
期せずしてタイプの異なる辛さ対決となった。
    
実は花咲ジジイは辛いものが好きで、牛丼屋にては七味をわっさわっさと振るし、中華に行けば麻婆豆腐ばかりを頼んでいる。
    
今更言うまでもなくトウガラシはヒリヒリと刺すような辛さであり後を引くし、ワサビはツーンと鼻にくるが瞬間的であまり後を引くことはない。
   
植物的に比べてみると、
トウガラシ Capsicum annuumナス科 であり ワサビ Wasabia japonicaアブラナ科である。
   
つまりトウガラシはナス、ピーマン、トマト、ジャガイモの仲間であり ワサビはキャベツ、ブロッコリー、カリフラワーの仲間といえるわけだ。
    
ワサビは日本原産というのは割りと知られているけど学名の Wasabia japonica を見れば日本のものだという主張が伝わってくる。
ワサビア ジャポニカ ですよ。
   
辛さ対決といって、どちらかに軍配を上げるつもりはない。
普段は脇役の彼らにちょっとだけスポットライトを浴びせてみたかったのだ。
  
  

2009年4月12日日曜日


セイヨウジュウニヒトエ Ajuga reptans
    
    
青い花が目をひく。
   
この時期青い花を咲かせるのは、他にムスカリなんかがあるけど、このセイヨウジュウニヒトエもなかなかのものだ。
   
このブログを書くので調べて分かったのだけど、日本固有のものをジュウニヒトエ(Ajuga nipponensisといって、ヨーロッパから入ってきた園芸品種のものをセイヨウジュウニヒトエ(Ajuga reptansといって区別しているようだ。
    
ジュウニヒトエといえば一般にこれを指すと思っていたのだけど、別の種類があると分かって勉強になった。
   
それにしても十二単(ジュウニヒトエ)とは気の利いたネーミングではないか。
この小さな花が沢山咲く様子からついた名前らしい。
   
学名も、英語の一般名も アジュガ という。
最近は日本でもアジュガで流通するものが増えてきたと思う。
   
今の時期に花が咲くけど、あとは地面を覆うようにはえる葉っぱが特徴で、かなり地味な植物ではある。
でもこのビッシリと密度高くはえる性質から、グラウンドカバーとして重宝されている。
   
庭の手入れにいって、ときどきこれがはえているお宅がある。
作業中に 誤って 踏みつけてしまうことがあるが、なんのなんの 彼らはその程度ではびくともしない。
  
強いのだ。
   
植物そのものに目を向けると・・・
   
    
アジュガはシソ科の植物である。
それが証拠に、まず花の形が他のシソ科のラベンダー、ローズマリーのように 左右相称 になっている。
  
次に葉っぱのつき方が 対生 である。
これはどういうことかというと、葉っぱが左右それぞれペアでついているということ。
これに対して 葉っぱが左右交互についているタイプを 互生 という。
   
そして、シソ科の隠れたる特徴として細かい毛がはえていることがある。
写真をクリックして拡大して見ていただきたいのだけど、花のツボミのあたりに細かい産毛のような毛がはえているでしょ。
この毛がシソ科の特徴なのだ。
   
お寿司屋さんにいって、つまみに刺身盛り合わせなんかを頼んだら、つまについてくるホジソをよーく見ていただければ、これらの特徴も納得していただけると思う。
   
ともあれ、なかなか可愛い花である。
  
  

2009年4月11日土曜日

スミレ それぞれ
    
   
これらのスミレは鉢や花壇に植わっていたものではない。
   
それこそアスファルトの隙間にたくましく根を張った雑草魂を発揮して、元気に咲いていたものである。
   
ムラサキのスミレは割りと良く見かけるのだけど、白い のは珍しいと思う。
   
思わず地面に ほふく前進スタイル をとってシャッターを切った。
周囲の視線などなんのそのである。
   
でもひとつ オッと思ったことがあった。
   
葉っぱのカタチだ。
   
ムラサキのスミレは葉っぱがハート型をしているが、白いスミレは葉っぱのカタチが全く異なる。
いわゆるキンポウゲ科にありがちなフワフワしたカタチをしているのだ。
   
ムラサキのスミレ、白のスミレ、それぞれ学名を調べあげねばならぬが、あいにく今日はちょっと時間がない。
   
スミレといえば、3月25日に触れたオダマキで、花の後頭部にあたる部分がでっぱっていて、これを きょ と呼ぶのだ、なんてことを書いた。
   
スミレもそのきょを持つ代表的な植物なのだが、ほふく前進スタイルをとっていたらば、その きょ をよーく観察することができた。
   
    
皆様とくとご覧あれ。
  
   

2009年4月10日金曜日

キンギョソウ Antirrhium majus
.
.
趣をかえて、今日はキンギョソウ
.
花壇に目をやると今の時期結構咲いている。
.
黄色オレンジピンクなど色も豊富だ。
なんでキンギョソウなのかというと、金魚のようなフワフワした可愛さからきているという説もあるが定かではない。
.
英語名は Snap-dragon(スナップ・ドラゴン)という。
doragon は言うまでもなくをさす。
snap は色んな意味があるが、ここでは 噛みつく という意味が妥当だろう。
.
これを一緒にするとどうなるか?
.
噛みつく竜 となる。
.
なんでそんな名前か? というと、恐らく花があたかも竜が何かに噛みつくかのように動くからだろう。
.
.
(写真上) いいですか、これから竜が口を開けますよ
(写真下) ガオーッ!!
.
という訳で、花の動きは本当に竜の口のようなのである。
.
実際はこうやって花が開閉するのを良いことに、ミツバチがこの隙間をすり抜けて花の中に入っていって蜜を吸う。
.
蜜を吸うついでに雄しべの先についた花粉を身体にくっつけて次の花へと飛んでいく。
.
是非童心にかえって、ガオーっ とやっていただきたい。
.
.

2009年4月9日木曜日

カウボーイ
    
   
この前近所を自転車で走っていたら、チェーンソーの音がした。
   
チェーンソーの音には敏感で、現場を見たくなって音源を捜した。
   
ちょうど、ケヤキの伐採をしている最中だった。
   
ケヤキの高さはおよそ12メートル。
   
写真でバックに写っているのは建物の2階3階部分であるので、その大きさが知れるだろう。
   
驚いたのはその伐採方法だった。
   
樹に登っているチェーンソーを持ったオジサンは、ケヤキの半分あたり でチェーンソーの第1カットを入れようとしていたのだ。
   
それが何か? と聞かれそうであるが、通常このくらい大きな樹であれば、周囲への影響を考慮して上の方から徐々に切り詰めていくものである。
   
安全面の問題もある。
いきなり大きなかたまりとして切って、意図したとおりの方向と位置に倒れてくれればいいが、そうでないこともありううるわけで、コントロールの効くそれなりの大きさの部分で切って、さらにそれをロープでつってソロリソロリと降ろすのが常套手段である。
   
ところが、このオジサンは高さ12メートルのケヤキをいきなりまっぷたつに切った。
   
そばで見ていた僕は固唾を飲んだ。
   
マジか・・・・?!
   
ドドーンっ という音と若干の地響きとモウモウたるホコリが舞い上がった。
   
幸い誰も傷ついていない。
   
オジサンは何の躊躇もなく次の枝にチェーンソーを持って向かっている。
今日の写真はクリックするとちょっとは大きくなると思うので詳細を見られたい。
   
このオジサンは一応プロだと思うのだけど果たして事の危険性をどれだけ認識しているのだろうか?
ヘルメットはかろうじてしてるけど、安全帯もしている様子はない。
   
フト思い出した英単語が COWBOY (カウボーイ)。
西部劇に出てくるのもカウボーイであるが、荒っぽい、いい加減な仕事をCowboy job という。
   
イーハー!!
このカウボーイのオジサンが怪我をしないことを祈る。
  
   

2009年4月8日水曜日

サクラゆく・・・
   

   
うわー、もうちょっとで日付が変わる。
外出先から今戻って慌てて今日のブログの更新をしている。
  
実は今日は英国から友人が来日していて、久し振りに旧交をあたためていたのだ。
   
最近はどうしているのか、どうなっているのか、なんてことをかなり突っ込んで聞いた。
   
彼女は昨日成田について、リムジンバスに乗って東京にやってきたのだという。
   
渋谷で待ち合わせをした。
   
どこに行きたい?何を食べたい? と聞くも、乳母車に赤ちゃんが乗っていて、センター街の人ごみや、電車に乗っての移動はやや面倒だと思ったので、渋谷から歩いていける中目黒に出掛けた。
   
というのも、この付近を流れる目黒川は知る人ぞ知るサクラの名所なので、夜桜でも愛でながら散歩も悪くないと思ったのだ。
   
上野のように修羅場というわけでもないが、それでもかなりの人出だった。
   
赤いぼんぼりに照らされての夜桜を見た彼女はどう思っただろう?
   
外国人で日本に旅行で訪れたい人の多くは、このサクラを見たいという願望を持っている。
でも、一体いつ来たら良いのかが分からない。
   
年によって 「例年よりも××日早い開花」 とか その逆に遅れたりすることはママあることで、旅行の手配を一ヶ月以上前からする人たちにとっては本当に悩ましいところだろう。
3月の終わりから4月の半ばくらいまでのまとまった期間滞在できれば、日本のどこかでサクラを見ることは出来るが、一週間くらいの滞在だと、まさにギャンブルである。
   
そういった意味では彼女は本当にラッキーだ。
さらに今週は天気もよろしく、気温も高めで、カラッとした気持ちの良い日が続くようであるし。
   
折角来たんだから日本の良い所を見ていって欲しいもんである。
   
そんなサクラもそろそろ終りかなぁ。
  
この前、ひるがおさんが言っていたけど、花と同時に既に葉っぱが出てきているものもある。
  
淡いピンクよりも緑が目立つようになると、もう終わりだなぁと切なくなる。
  
今日の写真は川面にサクラの花びらがビッシリと浮いている様子を撮ってみた。
川が薄いピンクに染まる(埋まる)というのも圧巻である。
  
  

2009年4月7日火曜日

アネモネ Anemone coronaria
     
   
この取って付けたようなピンクの花を見てアナタは何を思うだろう?
   
可愛い??
   
それは主観の問題なので、ここでとやかくは言わない。
でも僕個人的には、このアネモネを見るたびに田舎の飲み屋のおトイレに飾ってある造花を想起してしまうのである。
   
アネモネ・ファンの方々には大変申し訳ない。
でも、そうなんだからしょうがない。
  
そういった先入観を捨ててこのアネモネを見てみると・・・・
   
アネモネはキンポウゲ科に属す。
これまで花咲ブログで、クレマチスクリスマス・ローズなどを取り上げてきた。
キンポウゲ科の特徴である「幾つ」と正確に数えられない多くの雄しべ、というのは今日の僕が撮った青いアネモネを見ていただければ分かると思う。
   
キレイねぇと何となく見ていても花は花であるが、一歩踏み込んで顔を近づけてみると新たなる発見がある。
   
さて、おトイレに飾ってある造花のようだと申し上げて、あたかもアネモネ・ファンではないように書いているが実はそうではない。
  
この写真を見ていただきたい。
   
   
一面にまるで赤いカーペットを敷き詰めたような風景であるが、この赤い花は全て アネモネ なのである。
   
これは花咲ジジイが園芸修行の一環として訪れた イスラエル での写真である。
   
イスラエルは花の宝庫で、こうやって野生のアネモネが季節には文字通り咲き乱れるのだ。
   
あまり馴染みのない国かもしれないが、もし旅行で訪れるチャンスがあれば是非オススメの国である。
  
  

2009年4月6日月曜日

ハハコグサ Gnaphalium affine
   

   
サクラばかりに目を向けてはいけない。
   
足元にも目をやって欲しい。
   
何が見えるだろうか?
   
丁度昨年の今頃、花咲ブログで 雑草魂 と称して幾つかの愛すべき雑草をとりあげた。
   
そこで全てをカバーできたわけではなく、散歩をしていると オッ、これは見逃した というのが出てくる。
それが今日の ハハコグサ だ。
   
このハハコグサは都内の取り壊しが決まったビルの雑草だらけの花壇に咲いていた。
   
ハハコグサの背丈がせいぜい15センチくらい。
そしてこの黄色い花がまた小さい。
   

   
この小さい花に見えるのが、実は小さい花が集まって出来ている。
   
そう、このハハコグサはヒマワリと同様キク科の植物なのだ。
そしてキク科の植物の特徴として、小さい花が集まってひとつの花に見えるという 頭状花序 のスタイルを守っているというわけだ。
   
漫然と歩いていると決して気付かない。
それほど小さく目立たない花だけど、これでもゴギョウとして春の七草に名を連ねる有名人である。
  

ところでハハコグサ全体を見るに、なんとなくシルバー色に見えないだろうか?
  
これは細かい白い毛が全体を覆っているからだ。
ラベンダーなんかにもこの傾向が見られる。
   
おそらくシルバー色が太陽の光を反射し、強い日差しから身を守り、余分な水分の蒸発を防ぐような工夫がここにあるに違いない。
雑草が、その辺の園芸植物よりもタフなのにはそういったディテール上の工夫がある。
   
   

2009年4月5日日曜日

春来たる
    
   
今日は花咲ジジイの花見の日であったので、天気が良くなりますように・・・ と祈って今朝を迎えた。
   
まぁそれほど大げさなものではないけど、でも折角なんだからそりゃ晴れていたほうが良い。
   
おかげさまで雨は降りそうになかったが、お隣の国から別のものが降ってくるかも、なんて言われていた。
しかし、花見に興じる人たちにはそんな心配は御無用のようである。
   
花見は午後からで、午前中は近所を散歩してサクラを堪能した。
   
でもそこで見かけた光景は決して良いものではなかった。
   
まずゴミの山
そのゴミの山を片付ける町内会の人たち。
  
そして何よりも心が痛んだのが、花見会場の脇の花壇に踏み荒らした跡があったことだった。
   
   
花壇は近所の小学生が植えたもので 皮肉にも 花を大切に! と書いてある。
その花壇に植えてあるパンジーの上を人が踏みつけた跡があるのだ。
   
これはいけないと思う。
   
せっかく花を植えた子供がこれを見たら何と思うだろう。
  
花見で酔っぱらっていたので・・・ というのは言い訳にはならない。
   
花咲ブログは極力ポジティブに楽しい話題を提供したいと思っているのだけど、時にはこんな嫌な話題にも触れざるをえない。
   
私は決して聖人君子ではないが、それでも植物の代弁者としてちょっと今日は腹を立てつつこのブログを書いている。
   
ネガティブな内容で今日のブログを終わるのもなんなので、付けたし的ではあるが今朝の新聞から話題をひとつ。
   
この前花咲ブログで書いた パソナの植物工場 が今朝の新聞に載っていた。
   
季節はずれの稲刈り と題して、 小学生ら親子連れ約80人が季節はずれの稲刈りを体験したのだというもの。
この地下の施設は平成17年開設以来約7万人が来場したのだとか。
   
オフィス移転のため近く閉鎖されて、22年1月ころにリニューアルオープンされるらしい。
   
もしご興味がある方は、閉鎖前に一度見に行ってはいかがでしょう。