2009年11月30日月曜日

トラ刈りケヤキ
     
   
とあるマンションの前を通りかかったらば、そこにケヤキがあった。
    
それがこの写真なのだけど何かお気付きでしょうか?
     
そう、木の上の半分は剪定してあるのだけど、半分はそのままの姿で残っているのだ。
       
何となく床屋さんで散髪の途中で逃げだしたみたい になっていると言えば分かりやすだろうか。
     
想像するに、道路側のケヤキは電線に触れるので、その部分を切ったのだろう。
   
でもこの高さであれば、恐らくプロの植木屋さんがマンション内の剪定のついでに切ったと思われるのだけど、なんでこんな中途半端なところで止めてしまったのだろうか?
   
予算不足か?
       
マンションの管理組合のオトウサンたちではこの高さには届かないと思うし。
      
隣との境界を越えているから、日が射さないから、電線に触れるから・・・ いろんな理由で都会の樹木は憂き目にあっているという話はこの前したばかりだけど、街路樹だけではなくマンションなどの植栽であってもこんな目にあってしまう木があるのだなぁ。
   
     

2009年11月29日日曜日

身近な紅葉
   

   
今日は冷え込みましたねぇ。
   
でもこの位寒いほうがピリッとして好きだな。
個人的には暑がりであるので、気持ちも良いし。
   
それはそうと家から駅に向かって歩いてると道端にドクダミを発見した。
   
ご覧のように葉が黄色褐色となんでもござれの色彩のオンパレードである。
これがまさにリアル・小さな秋見つけた ではなかろうか。
   
ジックリ見ればこの前25日に書いた紅葉の仕組み通りのことがここで起きているのだろう。
赤くなっている部分はアントシアニンが効いているのだろうが、それほど優勢ではなくそれが薄れてカロチノイドの黄色が盛り返し、それも失せて葉っぱの命を全うしたのが褐色へと変わり朽ちていくのであろう。
   
なんとも はかなさが伝わってきて胸がぎゅーっとなる。
   
ちょっと大袈裟か。
   
でもこうやって季節は巡っていくのだなぁ。
ドクダミは地上部は枯れても白くて逞しい根っこは地中で越冬して、春になるとまた元気に姿をあらわすはずである。
   
11月も明日限り。
そろそろ本格的な冬支度である。
  
   

2009年11月28日土曜日

トピアリー Topiary
    


    
この前出掛けた、とあるショッピングセンターに動物たちが沢山いた。

ネコ、ペンギン、ラクダ、リス・・・・

といっても本物の動物ではない。

ミズゴケのようなものを動物のようなカタチしてあるもののまわりに
ハツユキカズラ Trachelospermum asiaticum が這わせてある。
まだこれを作り始めてから日が浅いらしく、ハツユキカズラはそれぞれの動物の半分程度しか覆っていない。

ネコはまだチョッキを着ているようなカンジである。

これを見たときに あっ、トピアリーもどき!! と思って ブログネタになるなぁ と嬉々として写真を撮った。 

このときに僕の頭の中にはトピアリーとはツゲやイチイを刈り込んで動物などの形を作るものであると思っていた。 動物の形を作りやすくするために、金属のワイヤー状のフレームを使っているものもあるけど、このようにミズゴケを使ったようなものは 正統派トピアリーとは言い難いと思っていたのだ。それもハツユキカズラだなんて・・・

で、今日このブログを書くのにトピアリーとは何ぞや?というのを調べてみた。

すると、
トピアリーとは植物を人工的・立体的に形作る造形物
である、と定義してあった。

さらに、立体フレーム型トピアリーとして
動物やキャラクターの形をカゴ状に立体的に作り、これにツゲなどの樹木にかぶせて、はみ出した部分をフレームに沿ってカットするトピアリー
であると説明があった。

これがまさに僕が当初思っていたトピアリーである。

でもこのショッピングセンターで見かけたナンチャッテ・トピアリーは、特にナンチャッテではなく、これもひとつのトピアリーの形であると、この定義は教えてくれていることになる。

この定義をしているが、その名も 日本トピアリー協会 である。
色んな協会があるものだと感心させられてしまう。

日本トピアリー協会のHPをさらに読んでいたら上記のナンチャッテ・トピアリーはスタッフド・モストピアリーであると分かった。

もう12月目前。
トピアリーのネコ君はチョッキだけでは寒そうなので、早く全身をハツユキカズラが覆う日が来ることを願ってしまうなぁ。

2009年11月27日金曜日

小石川後楽園 vs 新宿御苑
    
紅葉の季節だけど、紅葉狩りといって遠出ができる人ばかりではあるまい。
    
中には 行きたいけど、忙しくてねぇ・・・ という人も結構いるはずである。
かく言う花咲ジジイもその一人で、気ぜわしいのとは裏腹に身体が一向に動かず、いたずらに時間だけが刻々と過ぎていく・・・というとてもマズイ状況である。
   
それはさておき。
都内にも紅葉スポットは結構ある。
   
今日、ご紹介する小石川後楽園新宿御苑も素晴らしい名園である。
    
     
小石川後楽園 はJR水道橋からでも、飯田橋からでも、アクセスは良い。
庭園のサイズも手頃で、回遊式庭園をゆっくり歩いて庭を堪能しても2時間もあれば満足感が得られる。
    
その後は水道橋の王将あたりで餃子とビールなんてのもオツなものである。
    
    
新宿御苑はいまさら説明の必要もないだろう。
とにかく広大なので、色んなアクセスができるし、園内にも見所が満載である。
   
その後は通り沿いのラ・ボエムあたりでビールとマリゲリータピザなんてのもオツなものである。
   
とにかく、言いたいことは都内と侮ることなかれ、ゆっくりと時を過ごすに値する名庭園がかなりあるゾ ということ。
かなり面白いサイトは 公園へ行こう! というもので、都内の色んな公園の情報が満載である。
この前出掛けた 日比谷公園情報 なんてのもあるし、この週末行き先に迷ったら要チェックだ!
  
   

2009年11月26日木曜日

愛の泉・・・
     

   
いよいよ今年もあと僅かとなってきた。
   
焦っております。色んな意味で。
   
この前銀座に出掛けたところ、ソニービルの脇 愛の泉 というチャリティのためのディスプレイがしてあるのを見かけた。
   
これは1968年から始まったものだということなので、ナントもう40年以上も年の瀬になるとやっていることになる。
   
高さ10メートルの壁面緑化がなされていて、赤い部分はシクラメンである。
   
緑の部分は・・・・ 思い出せない。
困った。確かに写真をとったときは ホホウ、シクラメンと×××ね と頭の中で確認していたはずなのに、いざこうやって思い出そうとすると忘却の彼方に、といったカンジなのである。
   
最近年取ったことを認めざるを得ない出来事がたびたび身の回りで起きる。
細かくは述べないが、困ったものである。
   
ソニービルの脇のこのスポットは頻繁に植物に関する色んなイベントをやるので、ブログネタ収集先としてはなかなか有難い場所である。
  
暮れなると、この愛の泉も社会鍋などチャリティを呼びかける動きが盛んだが、ああ もうそんな時期になったのね と感慨しきりである。
 
それにしてもこの壁面緑化はシンプルであるが結構規模は大きくてさながら壁の花壇といった風情で近所を通るついでがあれば見てみるといい。
で、緑色の植物が何か分かったら教えてね。
   
  

2009年11月25日水曜日

紅葉 vs 黄葉
      


秋本番ですねぇ。

年賀状の販売を見かけたり、年末ジャンボ宝くじなんかの宣伝を目にすると、すでに冬って気もする。

秋といえば 紅葉狩り に行かれる方も多いことだろう。

実は日本は紅葉の素晴らしい国のひとつである、と花咲ジジイは思っている。

えっ?紅葉なんてどこでも一緒じゃないの??
なんて声も聞こえてきそうだが、花咲ジジイは 違う と思っている。

まず紅葉もしくは紅葉するのは広葉落葉樹である。

まれにカラマツのような針葉落葉樹もあるけど。

そういった広葉落葉樹が生育するのは主に冷帯、温帯地域である

イギリスなんかでも紅葉は十分見ることはできるし、そこそこキレイなのだけど、日本の日光、箱根、京都などの紅葉の名スポットの素晴らしさには及ばない。
そこでイギリス人がわざわざ紅葉を見に行くために旅行する人気スポットはアメリカ東海岸のマサチューセッツあたりなのである。

イギリスは西岸海洋性気候であり夏と冬の寒暖差がそこそこあって、夏は乾燥して冬には湿度が高いという特徴がある。
日本やマサチューセッツあたりは大陸東岸気候で夏と冬の寒暖差がより大きく、夏には湿度が高くて冬は乾燥している。

ここに紅葉の美しい秘密があるとにらんでいる。
寒暖差植物が旺盛に育つ環境

よく 寒暖の差が激しいと紅葉が美しい と言われる。

この仕組みはザッと以下の通りである。

晴れて条件が良いと樹木は光合成によってデンプンを大量に蓄える

温度が下がり、水分の供給が減ってくると葉の根元に離層という壁ができる

この離層が、葉でできたデンプンを葉に閉じ込めてしまう

閉じ込められたデンプンが糖に分解される
葉緑素(クロロフィル)が分解される葉の緑色が失せる

糖をもとにアントシアニンという色素ができる葉が赤くなる

紅葉!!

ポイントは、いかに多くのデンプンが葉に蓄えられるか葉緑素(クロロフィル)がいかに早く分解されるか という2点。

日中暖かいほうが光合成が盛んに行われてデンプンが多くできる。
冷え込みが大きいほどクロロフィルの分解が早くすすむ。

これが寒暖の差が大きいほうが紅葉が美しいという理由で、日本やマサチューセッツのほうがそれが大きいのだと思う。

マサチューセッツに行ったことはないけど、たぶんそんなカンジだと思う。

イギリスは夏もそんなに暑くないし。


一方イチョウのように葉っぱが黄色くなるものは仕組みがやや異なる。
      
葉っぱにはもともと緑色の色素(クロロフィル)と黄色の色素(カロチノイド)の2種類が同居している。
   
ただ春~夏はクロロフィルが勝ってカロチノイドは裏方に徹していて見えないのだ。
    
それが秋になって気温が下がってきてクロロフィルが破壊されると、それまで隠れていたカロチノイドが表舞台に出てくる。そして葉っぱが黄色く見える、という仕組みである。
   
昨日の新聞では神宮外苑の絵画館前のイチョウ並木も見ごろを迎えたらしい。
   
外に出て秋を堪能しようよ!

  

2009年11月24日火曜日

スズカケノキ治療中
     
  
シリーズで書いてしまった 街路樹を考える 
自分でも書きながら考えることが多くてなかなか面白かったのだけど、皆様はいかがでした?
   
ちょっとくどかったでしょうか?
   
さて、気分を変えて全く別の話題という気もしたのだけど相変わらず木について書いてみようと思う。
   
何度も出てきたスズカケノキであるが、今日のスズカケノキはちょっと痛々しい。
    
この前 新宿御苑 に出掛けたときに見つけたもの。
木の胴回りは2メートルを軽く越えるだろうという巨木なのだが、よく見ると何かおかしい。
   
まず立派な胴回りの割りに背の高さが低い。
そして、枝を支えるために沢山の支柱が見える。
   
説明書きによると、これはモミジバススカケノキPlatanus acerifolia というもので、スズカケノキとアメリカスズカケノキの交配種で、樹齢は100年を超えるらしい。
ところが2007年9月の台風でダメージを受けて治療中なのだそうだ。
   
幹はシートで覆われて養生されている。
そして支柱が枝を支えているが、どうも回復の道は険しそうである。
   
向かって左のほうの枝からは葉っぱが殆ど出ていない。
右半分が辛うじて生きているといった感じだ。
   
右半分の枝のなかでかなり太い枝が一本地面に着いてからまた上にグッと反っているものがあった。
その接地面から根が出て、そこに新たな株が形成されようとしていた。
おそらく、この木全体を救うのではなくて、この新たな株を大事に育てて、ある程度成長したところで他の部分と切り離す作戦ではないかと思う。
   
言うなれば 「大型取り木」 といった感じであろう。
   
これは花咲ジジイの勝手な推測なのでなんとも言えないが、今後のスズカケ君の容態を見守りたいものである。
  
  

2009年11月23日月曜日

街路樹を考える その4
       


    
連休最終日、好天に恵まれましたがどこかへ出掛けましたか?
    
花咲ジジイは特に遠出もせず、仕事といえば仕事、そうでないといえばそうでない、なんとも曖昧な連休を過ごしておりました。
    
さて、皆様とともに考えてまいりました街路樹、一応今日で一旦お開きにしたいと思います。
   
言いたいことは 街路樹は我々の身近にある植物であり色んな意味で我々の役に立っている、 一方で街路樹を邪険にする人がいるのも事実で、それは然るべきものを植えることである程度問題は回避できるのではないだろうか ということである。
   
銀座のヤナギっていうくらいで、銀座~新橋界隈のヤナギはなんとも風情があるし、ご覧のように皇居のお堀端にもヤナギとイチョウが存在感を放っている。
   
悪くない。
悪くないんだけど、TPOというか、場所に合ったものを選ばないと悲劇が起きるわけだ。
    
まずあまり大きくなりすぎないことなど、外見的な適性もあるけど、それが都会という厳しい生育条件でも元気に育つかといったあたりも課題となる。
車の排気ガスや、コンクリートやアスファルトの照り返し、あるいは街灯やネオンのような光害もあるだろう。
   
街路樹も不眠症になるだろう。
    
この前、ある人が言っていたのは ドウダンツツジ
ドウダンツツジは大体生垣や植え込みで見られるもので、たいてい四角にきれいに刈り込まれているが、自然樹形で育ったドウダンツツジというのはあまり見たことがない。
その人曰く ドウダンツツジはあまり大きくなりすぎず、生育スピードもゆっくりで、新緑や紅葉が楽しめるので街路樹として今後使っても良いのではないか ということだった。
   
どのくらい耐公害性があるのは分からないが、興味深いサジェスチョンではある。
    
ベスト10に挙げた中では ハナミズキナナカマド以外は巨木になりうる。
     

   
プラタナスは木が大きくなるのもそうだけど、葉っぱ一枚がエラくデカイ。 上の写真がそうで、ハサミと比べていただきたい。
これがハラハラと散って落ちてきたらそれはちょっとうんざりするかもしれない。
   
木もハッピー、人間もハッピーないわゆるWIN-WINの良い関係を築けるといいのだけど。
  
    

2009年11月22日日曜日

街路樹を考える その3
    

   
一昨日 moon さんからコメントを頂戴した。
    
去年の今頃、地方の駅裏にタクシーで乗りつけたときに「イチョウが変に落葉しているなぁ」と思ったら運転手いわく、住民からの「葉が落ちる前に枝を切ってくれ」と言われたとのこと。寒々しい気持ちになりました。運転手さんも植物好きらしく「見てみい、お客さん。かわいそうやろ、まだ見ごろやというのに・・・のやりとりを思い出しました。
    
このコメントは当「街路樹を考える」シリーズを思いついたときに触れようと思っていたことだった。
   
花咲ジジイは自称パートタイム植木屋ということで、ときどき植木屋仕事をすることがある。
昨年は都内の街路樹剪定を精力的に行っていろいろ考えさせられた。
2008年8月1日の花咲ブログではそのときの様子をリアルに書いてある。
   
まぁそういった街路樹の剪定をしていて 「何でこの木を剪定するのか」 考えたり、親方に聞いたりしたことがあった。
①毎年やっていることだから
②毛虫が出たと苦情が出たから
③落ち葉が散らかると苦情が出たから
④マンションの自分の部屋に日が射さなくなると苦情が出たから
⑤信号・標識が見えないから
⑥枝が通行の支障になるから
などなどが主なところである。
    
①は区なり、都(県)なり、国なりに予算があってその範囲で作業が組まれる。
面白いのはこの行政単位ごとに作業が組まれることで 「この通りは区、あそこから先は国」とかいって作業分担、作業責任が違うのだ。ある通りの街路樹はキレイに剪定されているのに、角を曲がったとたんに様子が違うという経験がおありの方は、そういったことが原因になっている。
    
②一般の方々は毛虫に過剰に反応する。それは分かる。さらに区役所などに苦情を寄せる人がいる。そうなると、区も結構真面目なので、その問題の街路樹の毛虫のついた枝を取り除くなどの対応をする。区が対応するといっても、それを植木屋さんに依頼するだけのことだ。サクラについたアメリカシロヒトリを取り除いたときなど、ウニュウニュとおびただしい数の毛虫と格闘したのは良い経験だった(花咲ブログ2008年6月20日)。
   
③はあとで書こう。
    
④これは何とも個人的な理由で、この程度で行政が動くのか、といえば動くときもあるようなのだ。確かに度を越して鬱蒼としている街路樹もあるからね。
   
⑤⑥は公共の安全を考えれば十分ありえる話だ。
    
こうやって考えると、まず街路樹としてそこに植えることが適切なのか という点をよく考えれば避けられる問題が多いことに気付く。
道路幅の狭いところにケヤキやプラタナスなどの大きな木を植えれば、④⑤⑥のような問題は出るだろう。
    
でももっと困るのは③だと思う。
落葉樹である限りは、秋になれば紅葉もしくは黄葉し、落葉するのはこれ自然の摂理ってものだろう。
それを 掃除が面倒くさい という理由で どうにかしてくれ って言われても言われたほうも困るじゃないか。
それはどうにもなりませんなぁ と言っておけば良いものを 分かりました切っちゃいましょう なんて引き受けちゃうからややこしいことになる。
   
人間のわがまま優先なのだ。
     
以前、品種改良によって人間にとってより都合の良い植物が増えてきているなんてことを書いた気がするが、こうなると葉っぱの落ちないケヤキだとか、臭くないギンナンのなるイチョウなんてものがそのうち出てくると思われる。
     
実際、この前さる勉強会のようなところで イチョウの葉張り(木が枝を張る幅)が2メートル程度という品種が近々発表になるらしい なんて話を聞いた。
もし、そういう細いイチョウができれば街路樹として植えても、落ちる葉っぱは少ないだろうし、剪定の手間もかなり省けるであろうという人間側のメリットがある。
    
でも微妙な問題だよね。
そうかぁイチョウってこんななのね、と思った都会の子供が本当のイチョウを見てイチョウに見えなくなったりして。
   
話が逸れてしまった。
    
落ち葉が嫌だから枝を切るのではなくて、落ち葉を掃きながら ああ、秋ねぇ と思えないものだろうか。
落ち葉が嫌でも、昨日書いたように木があることによって我々は多くのメリットを享受しているのだ。
アナタの吸っている酸素は誰が作ってくれたものですか?
その辺をスッカリ忘れちゃっているんじゃぁないのか。
    
我々のために頑張ってくれた木に感謝して落ち葉を掃いたり、さらにオマケとしてギンナンを拾ったり、落ち葉で焼き芋を焼いたり、焚き火をしたりといったシンプルな愉しみを忘れちゃったのかもしれない。
   
ずいぶん熱弁をふるっちゃったが、今日の写真について。
これは昨日撮った街路樹のイチョウだ。
     
昨年は黄金色に輝いて、ギンナンを拾っている人が沢山いた。
春にこのあたりのイチョウが次々と丸坊主になっていたのに、何故かこの3本だけは剪定されずに残っていた。
   
ちょっと不思議に思っていたら、これから黄葉ってときにご覧のようにバッサリとやられてしまっていた。
もう黄葉を楽しむことも、ギンナン拾いも出来ない。
  
   

2009年11月21日土曜日

街路樹を考える その2
    
   
そんなわけで街路樹のお話
    
昨日街路樹のベスト3をご紹介したが、気になるその後の順位についてもサラリと触れておこう。
   
4位 ハナミズキ
5位 トウカエデ
6位 クスノキ
7位 モミジバフウ
8位 ナナカマド
9位 プラタナス
10位 国産カエデ類
といった具合。
    
意外なのが ユリノキ(= ハンテンボク = チューリップツリー = Liriodendron tulipiferaがベスト10に入っていないこと。
ほかにも ヤナギとかエンジュとかサ。
    
結構見かけるけどなぁ・・・。
    
今日、注目すべきは弟4位のハナミズキである。
    
街路樹の世界にも はやりすたり があって、ハナミズキは
   
① 白、赤、ピンクなど花が楽しめて、赤い実が楽しめて、さらに紅葉も楽しめる
② 木のサイズとして馬鹿デカくならない = 管理が楽
③ 樹形も美しい
     
ということで一時期人気が急上昇して、街路樹として引っ張りだことなった。
     
しかし、最近は都会の街路樹として対公害性、すなわち排気ガスや、アスファルトやコンクリートからの熱の照り返しといったストレスを受けて、生育が不ぞろいだったり、枯れてしまうなどの問題が出てきているのだという。
    
こういった街路樹への適正を考えると、今後ハナミズキを街路樹として使うケースは減っていくのではないかと思われる。
    
そもそも街路樹は、都市における緑地面積を増やす 騒音、大気汚染などの公害抑制・防止 鳥・昆虫などへの棲み処の提供 都市の景観を美しく保つ 日陰を作り出し気温上昇を軽減 などなどの目的がある。
    
それでも 植えてあれば何でも良い ってわけにもいかず、そこには色んな思惑が交錯する。
    
そのあたりを明日は書いてみよう。
   
今日の写真は街路樹@成城。
サクラ並木イチョウ並木が有名だ。
   
高級な邸宅を見ながらそぞろ歩くのも悪くない。
    
告白しちゃうと、このもっともらしい写真は2006年11月末に撮ったものでタイムリーなものではない。
街路樹の写真・・・ と思って手元を見ていたら出てきたもので大きな気持ちでお許しいただきたい。
   
     

2009年11月20日金曜日

街路樹を考える その1
    

   
道を歩けば、何かしらの植物に出会う。
出会う確率が一番高いのは 街路樹 ではなかろうか。
   
そんなの当たり前だと言われそうだけど、ちょっと待ってほしい。
   
身近にある街路樹について我々はどれだけのことを知っているだろうか?
案外知らないことが多いのではないか。
でも知ると結構面白いこともあるのではないか。
   
数週間前の朝日新聞で街路樹について取り上げた記事があって、これがなかなか興味深かった。
   
この記事をもとに、身近だけど案外知らない街路樹について考えてみよう。
世間は連休だし、黄葉紅葉を見るのにわざわざ遠くまで出掛けなくても街路樹でそのあたりがタンノーできる。
   
さてまずは 街路樹に使われる樹のベスト3 は何だろう?
  
1位 イチョウ
2位 サクラ
3位 ケヤキ
   
なんだそうだ。
   
しかし北海道では ナナカマド 沖縄ではフクギ といった具合に地域によって若干の差がある。
そりゃ気候が違えば植生も違うのは当たり前か。
   
でもこのベスト3は ~並木 というように当てはめてみれば景色が浮かばないだろうか?
例えば、
イチョウ並木・・・神宮絵画館前
サクラ並木・・・善福寺あたり
ケヤキ並木・・・表参道 もしくは 六本木ヒルズ横のケヤキ坂
    
私にとってはそんなんではなくて・・・ というマイ並木もあると思う。
   
写真はこの前出掛けた幕張メッセの横のイチョウ並木だ。
ここはもうあらかた葉っぱが落ちてしまっている。
   
でもこうやって見ると街のコンクリートジャングルにも結構緑があるもんだ。
  
 

2009年11月19日木曜日

ボージョレ・ヌーボー
     

   
おはようございます。
     
今日は珍しい時間にアップしております。
   
何故なら 旬な話題 なだけに早くお手元にお届けしたほうか良いかと。
   
昨日の夜、神楽坂をトボトボと歩いていた。
   
飲み屋では 「今夜0時解禁!」 なんて立て看板が至るとこrに出していたし、
スーパーでは 「今夜0時からヌーボー販売します」 なんて呼び込みもやっていた。
   
ボージョレー・ヌーボーとは言うまでもなく フランス産ワインの新酒 である。
毎年11月の第3木曜日を解禁として、その年のワインの出来をみる良い機会であるとされている。
   
どの辺が花咲ブログなのかと言えば、ワインの原料であるブドウがそうだろう。
説明によれば 今年は産地の昼夜の気温差が大きかったためブドウの生育が良くて50年に1度の当たり年 なんだそうで、ブドウには昼夜の温度差が大切なのだと知れる。
    
何十年に一度 ってフレーズに弱い人も多いのではないか?
「プレミアム」とか「限定」に近いものがある。
本当かなぁ。 年がら年中そんなことを言っている気がしないでもない。
    
で、今日の写真は昨晩神楽坂を歩いていて撮ったもの。
ボジョレー・ヌーボー今夜解禁 と書いてあるのは良いが、真ん中のあたりに
ただいまフライング中 とある。
    
商魂たくましい。
    
まぁ 「花咲容疑者 ボジョレー解禁前にフライングす」 なんて悪そうな顔つきの写真付きで新聞の見出しになったり、逮捕されちゃったりすることはないと思うけど。
  
   

2009年11月18日水曜日

ハヤトウリ Sechium edule
    

   
この大きな洋ナシのようなものが何だか分かりますか?
   
表面は硬くてごつごつしている。
   
これは ハヤトウリ といって、ウリ科の植物である。
キュウリ、スイカ、メロン、カボチャ、ヒョウタン、などの仲間である。
   
これを何で取り上げたのかといえば、この前とある料理の大変お上手な方のところでご馳走になったときに食べたお漬物にこれが入っていたのだ。
   
淡い緑色をしていて、歯ごたえがしゃきしゃきとして、見た目以上に美味しかった。
漬物の味といえばそうなんだけど、昔駄菓子屋で食べたアンズの味をどこか彷彿させる懐かしい味がした。
   
これ、何ですか?
これはハヤトよ。
ハヤト?知らないなぁ。でも美味しいですね。
もとはこんななのよ。
   
と言って見せてくれたのが糠漬けになる前のフレッシュなハヤトウリだった。
   
フーン、ハヤトウリねぇ。
   
そして、今日。
お昼に最近よく行く定食屋さんに行ったら、このハヤトウリの漬物が出てきた。
ハヤトウリだという確信は80%くらいだったので、
   
オジサン、これ何?
これはさぁ、なんて言ったけなぁ・・・・
ハヤトウリかなぁ。
   
すると横にいた定食屋のおばさんが アナタ良く知ってるわね と感心してくれた。
ちょっと鼻が高かったけど、それをつい一昨日覚えたんだ とは言わなかった。
   
役立つぞ、花咲ブログ。
  
   

2009年11月17日火曜日

ニンニク礼賛?!


今日のお昼ごろ近所のハンバーガー屋にコーヒーを飲みに行った。

昼時だけに結構混んでいたのだが、あるオジサンの横の席が空いていた。

腰掛けようとしたらオジサンが 「荷物、よければ置いてください」 と親切におじさんの正面、すなわち僕の隣の席を譲ってくれた。

「有難うございます」 と礼を言って、荷物を置いてコーヒーをすすった。

・・・・なんか臭うのだ。

なんだろう、なんかニンニクのような臭いだぞ。
    
キョロキョロして臭いの元をたどると、その親切なオジサンに行き着いた。
    
なんとビックリ!
      
オジサンは左手にハンバーガー、右手にはおろしニンニクのチューブを持っていて、一口ハンバーガーを頬張るたびにウニュウニュっとチューブからニンニクをたっぷり付けて食べていたのだ。
       
見たところ、どこかでこのチューブ・ニンニクを買ってきて一本丸々ハンバーガー1個に付けて食べきるつもりらしい。
   
あたりに凄いニンニク臭が漂っている。
    
気になっちゃって仕方なく、チラチラとオジサンを観察していたら、見事チューブは空になった。
   
満足そうなオジサン。

こんな人、初めて見た。
   
しかし、これだけではなかった。

お盆の上には、これもどこかで自分で買ってきたと思われる栄養ドリンクがあって、ビンのふたを開けて紙コップにトクトクトクっと注ぎだした。

黄色い液体が紙コップを満たしてオジサンは一気にこれを飲み干した。
   
なんなんだ、このオジサンは?
   
そんなにパワーを付けてどうしようっていうのだ?

イヤイヤ、これはひょっとして新手の宗教か?
     
ニンニクの話題はこれまでも花咲ブログでちょいちょい取り上げてきたが、まさかこんなアプローチの仕方があったとは新鮮なオドロキである。
   
ニンニクは、あの独特のニオイが料理を引き立てて食欲をそそるだろうし、あるいは栄養があると信じられて、スタミナ源として食されることもあろう。
しかし今日のオジサンはこういった概念を突き抜ける圧倒的な存在感を昼時のハンバーガー屋で放っていたのであった。
   
   

2009年11月16日月曜日

初めてのお茶会


タイトルを書いていて 「初めてのお使い」 みたいな響きになってしまったが、そうではない。
お茶会 である。

お茶会。

そう、あの お茶を点てていただく というアレである。

実は花咲ジジイは日本の心をしっかりと学ぶために英国に渡る前の数ヶ月間だけであるがお茶を習っていたのである。
日本の心だけではなく「お茶」「庭」というのもかなり強い結びつきがあって、その辺もしっかり学びたかったのだが、いかんせん半年くらいでは何にもならない。

その時の先生がとてもお優しい方で、いまだに花咲ジジイのことを気にかけてくださり、昨日はお茶会があるのでいらっしゃいとお誘いいただいた訳である。

せっかくのお誘いなので、万難を排して馳せ参じたのは良いが、なにぶん初めてのことで何を着て行ったら良いかも分からないし、どのように振舞って良いかなんて皆目見当がつかない。

この辺は恥ずかしくなるくらい 非常識な男 なのだ、花咲ジジイは。

かつて某省庁で人に会うのに短パン、サンダルで出掛けてエラく恥ずかしい思いをしたこともある。

ともあれ無難な格好をして出掛けた。

素晴らしい秋晴れのもと目的地に着くと、それはかなり大掛かりなお茶会で15~20人くらいのお客さんが一緒にお茶をいただく。 
それがローテーションで繰り返されて、総勢150~200人のお客様が訪れたのではないかと思われる。

とりあえず人数が多いことで、ちょっと 薄まった 気がしてホッとした。
とにかく花咲ジジイは外見的に目立つので、こういう場合に困ることがシバシバなのである。

心地よい日差しの中、庭の椅子に腰かけて順番を待つ。

そしてまずは 薄茶 を頂戴した。
これは立礼式といって椅子に座ってお茶をいただくもので、正座が苦手な花咲ジジイとしては大変助かった。
亭主も緊張しているのが伝わってくるし、我々も緊張した面持ちでお茶をいただく。
      
薄茶をいただいた後、庭で数分時間をつぶして今度は 濃茶 を頂戴する。
    
こんどはちゃんとお座敷にあがらねばならない。
玄関で靴を脱いで白い靴下を履く。
そして寄り付きという待ち合わせ室で待つ。
このとき皆がなんとなくお互いの様子を探るというか、悪く言うと値踏み をしている気がする。
あの人はデキる・・・ とか。
      
案内の方がいらして、正客といって一番上座に座って客全員の代表として振舞う人を男性の中から決めて欲しいと言われて、危うく正客になるところだったが、そこは一番年配の方が大役を買って出てくれた。
    
いざ部屋に入る段になって僕は正客の方のあとに何気なしにくっついていって座ったのだが、それが次客といって文字通り2番目の代表であると後で知った。
     
次客までは亭主が濃茶を点ててくださるが、それ以降は人数が多いので奥からすでに点てたお茶が振舞われた。    
いかがですか みたいな感想を聞かれ ともておいしゅうございます かなんか言った気がするが舞い上がってしまっていてハッキリとは覚えていない。
     
正味30分くらいだったろうか。
     
途中で足を崩していただいても結構ですよ と言われたのだが、お隣とすでに膝がくっつくくらいぎゅうぎゅうだったので、ここで膝を崩すと収まらなくなるということと、途中で足を崩すのは男がすたると何故か気負っていて、最後まで正座を貫いた。
    
この前 花咲ジジイは根性がない と書いたのだが、ねっ、たかだか30分の正座でもこのありさまなのである。
    
この正座タイムを最短化するならば、お座敷に入るのを2番目ではなく最後のほうにしたほうが良かったなぁなどとも思った。
    
何故なら最初のほうに部屋に入って早々と正座していると、最後のお客が部屋に入るまで5分ほど掛かるため、その分正座エネルギーが消費されてしまうという発想である。
     
ねっ、根性なしでしょ。
      
濃茶は通常ひとつのお茶碗に入ったお茶を数人で回し飲みするらしいのだが、昨日は折からのインフルエンザの影響で一人一碗という異例な方法だったのだそうだ。
薄茶と違って、濃茶は味が濃いだけではなく丹精した樹齢100年以上の木から葉を摘むものだそうでとても貴重なのだとのこと。ドロっとしているが美味しかった。
    
最後に点心といってお弁当をいただけるのだが、緊張から開放されたいという気持ちと、天気が良かったので外で食べたいという気持ちがあったので、お弁当を手に外の芝生に座っていただいた。
   
・・・・ とまぁかなりはしょって書いたが、ずいぶん長くなってしまった。
花咲ブログ的には 「お茶と庭」 「お茶と床の間の花」あたりが書きたかったことであるが、まぁたまにはこんなブログも良いかな、と。
  
  

2009年11月15日日曜日

ガーデンエキスポ 番外編
    

   
あれやこれやと書いてきたガーデンエキスポ
まだまだ沢山お知らせできそうなことはあるが、ちょっとこればっかりってのもどうかという気もして、一応今日が最後です。
   
新樹種 って聞いたことがありますか?
   
シンジュシュ・・・・ なんか真珠に関係のある何かのように聞こえるが、真珠とはなんら関係ない。
   
新しい樹木の種類 ってことになるが、それでは分かりにくいだろう。
きちんとした定義は正直なところ良く分からないが、どうも 日本の在来種ではなく外来種の樹木で最近日本国内で流通する量が増え、また植栽される機会が著しく増えてきた樹木 というような解釈をしてみた。
   
簡単に言ってしまえば、外国でよく見かける樹木を日本で積極的に使っちゃおう ってことになるだろうか。
   
実は花咲ジジイは幕張メッセの横で日本植木協会主催で行われた 新しい造園樹木研修会 というセミナーを聞くために幕張まで出掛けたのだった。
メイン講師は農大卒の山本紀久先生とおっしゃる方で、この業界ではとても著名な方である。
   
色々ためになるお話があったのだが、とくに印象的だったのが
不味い素材で美味しい料理を作るよりも美味しい素材を使って美味しい料理を作るほうがずっと簡単
絵の具は色んな色をたくさん持っていたほうが良い絵が描ける
といったお話で、要するに何を植栽するか引き出しを沢山持ってその場に一番あった選択ができるようにするのがプロである ということだろう。
    
さらに強調されていたのが 植物を同定する力が造園家としての信用につながる ということ。
確かに木や花の名前を知らない植木屋や造園家はちょっと心配になるかも。
    
花咲ブログでは植物の名前を出すときには極力学名を付すことにしている。
このあたりも是非お役立ていただきたい。
   
皆様はどうお感じになられるか分からないが、花咲ジジイ的に深イイ話でありました。
  
   

2009年11月14日土曜日

ガーデンエキスポ その4
    

   
広大な幕張メッセの旅はまだ続く。
  
一昨日、エラく大げさな剪定バサミの話を書いた。
    
今日は古風ないでたちの剪定バサミの話。
    
花咲ジジイは Felco の剪定バサミを使っているが、いわゆる植木バサミは祐天寺の金物屋さんで買った手打ち風のハサミを使っている(花咲ブログ2008年5月30日参照)。
   
このいぶし銀的な渋さに惹かれるのも事実。
良い道具はだまって良い仕事をするということだろうか。
   
で、見かけたこの剪定バサミ。
Felco と違って刃と柄が一体になっていて替えがきかない。
   
さらに面白いのは バネがない こと。
普通はハサミを握って閉じると、バネの力でハサミが自動的に開いて次の枝を切る・・・という仕掛けになっている。

しかし、このハサミにはバネが見当たらないのだ。
   
どうなっているのか聞いてみると、ネジ部分の奥にバネがコイル状になって入っているんだそうだ。
   
なんか良いようだか、内心はちょっと疑問を持った。
何故なら、こういった道具は構造がシンプルであればシンプルであるほうが手入れも楽だし、壊れにくい。
これだとネジが壊れちゃたらどうなるんだろう??
   
さて以上はすべて前置きである。
   
このハサミの最大の特徴であり、今日の花咲ブログで語らなければならないのは ハサミの柄 である。
   
写真では分かりにくいかと思うが、ツヤツヤなんとなく黒光りしているのが分かるだろうか。
   
実はこの柄が 漆塗り になっているのだ。
   
スゲー (出ました、スゲー)
   
こんなデリケートなものをこんなところにあしらったら、おっかなくて思いっきり使えないではないか。
もったいない。
   
その辺を担当の方に聞いたら
「そうなんですよ、飾っておくとか、室内で使うとか・・・・」
   
それじゃぁ何のための剪定バサミだか分からんではないか。
  
そして気になるお値段を聞いてみた。
  
2万5千円也。
    
・・・中途半端に高い。
   
色んなものがあるなぁ、ガーデンエキスポ。
   
    

2009年11月13日金曜日

ガーデンエキスポ その3
    

   
ガーデンエキスポで、ちょっとした人だかりができているブースがあった。
   
そこには新聞などでも話題のサントリーが開発した 青いバラ が展示してあった。
   
皆、携帯のカメラなんかを熱心に向けていた。
   
僕もそこに混じってシャッターを切った。
   
噂になっていたものが実物として目の前にあるから写真に撮った。
これはブログ・ネタとして面白いのではないかと思って写真を撮った。
  
でも、美しいバラだから写真に撮ったわけでは決してない。
   

    
正直言って、かなりガッカリの色合いだった。
青を写真で表現するのは結構難しくて 「やっぱり実物を見ないと伝わらない」 ということはママあることなので、先月の花咲ブログで書いたように新聞のカラー写真であっても、それはあまりアテにならないと思っていた。 ひょっとすると素敵な青なのかも という淡い期待があった。
    
でも、僕が見た青いバラは、やはりどう贔屓目に見てもには見えず、グレーっぽい淡いといった印象しか持てなかった。
   
これを一輪数千円出して買う人がどのくらいいるのか、はなはだ疑問である。
   
一説には匂いが柑橘系っぽくて良い なんて聞いたことがあって、このあたりも確認したいところだったけど、生憎鼻を近づけてクンクンとできる雰囲気ではなかった。
   
やはり一度は自分で買ってみて、納得のいくよう鑑賞・観察する必要があると感じた。
  
   

2009年11月12日木曜日

ガーデンエキスポ その2
   

   
そんな訳で昨日出かけたガーデンエキスポで見かけた面白いもの。
   
花やショーガーデンなど綺麗でカワイイのも悪くないが、男子たるもの道具なんかにはかなりググッとひかれるものがある。
   
色んな道具屋が軒を並べているのだ。
   
その中で目が留まったのは剪定バサミのトップブランドである FELCO であった。
  
花咲ジジイも2本のフェルコを愛用している。
このあたりについては花咲ブログ3月10日、11日、14日にしつこく書いてある。
   
何か目新しいものはないか・・・・ と思って立ち寄ったのだが、ありましたよ、面白いのが。
   
店員さんというか、担当の人が大きなバリカンのようなものを持って、さらには背中に何かを背負っていた。
   
それが何かというと 大型電動剪定バサミ だったのである。
   
スゲー 
   
やたら大きく、やたら大げさである。
   
思わず話しかけてしまった。
    
スゴイですね。
ええ、これは果樹園の人なんかが一日中剪定をするときなんかに便利なんです。
スゴく大きくパワフルに見えますが、何センチまで切れます?
3.5センチまでいけます。
スゴイですねぇ。指なんかアッという間になくなっちゃいますね。
ええ、でも安全面も考慮されていて、この拳銃の引き金のようなところで微妙な力加減が出来るんです。
なるほどスゴイですねぇ。 ちなみにこれはお幾らなんですか?
ええ、35万円です。
ナニっ!35万円??!!スゲーっ!!
  
もうスゴイですね、スゴイですね、のオンパレードなんである。
   
果樹園で朝から晩までリンゴやブドウの剪定を毎日毎日しなければならない人には嬉しいかもしれない。

街路樹でスズカケノキなんか、結構硬くて太いのを切っていると手にはマメができるし、関節も痛くなるし。
そんな人には朗報かもしれないが、35万円はちょっとねぇ。
   
植木屋の親方に是非教えてあげたい一品である。
  
ちなみにこの担当の方はとても気さくな方で 写真を取らせてくれますか? と頼むと快諾してくれて、更には背中に背負ったバッテリーパックの様子も撮らせてくれた。
この前の花屋さんといい、植物に関連する人は皆良い人たちだなぁ。
  
  

2009年11月11日水曜日

ガーデンエキスポ その1
     
  
今日から金曜日までの3日間幕張メッセにて 第3回国際ガーデンEXPO が開催中である。
   
今日はその初日だったのだが、ちょっと仕事もあったりして雨の中繰り出した。
   
メッセという巨大な会場に色んなブースが出ている。
種苗、園芸資材、道具、サービスなどなど、ガーデニングとか園芸に関するものであればおおよそ何でも揃っているように見える。
   
出展者も日本の企業に限らず、中国、韓国などのアジア各国、イギリス、オランダなどのヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアなど世界から色んなものが集まっていた。
   
仕事の絡みで正味60分程度しかおれず、サラサラッと見て回った。
仮に一日中いたとしても人酔いしてしまって絶対に長時間はいれない。
   
根性がないのだ。
   
短い時間だったけど面白いものも幾つか見かけたので、数回にわたって花咲ブログでご紹介しようと思う。
   
まずはこのバラを見て欲しい。
   
    
スゲー色でしょ。
なんちゅーかケバケバしいのである。 サイケである。
   
左のはどういう仕掛けでこういう色になっているのか分からないが、右のやつについては担当者に直接聞いてみた。
   
特殊な塗料を吹きかけているだけのことらしい。
   
外部的にチョイチョイと細工をしているだけということで何となく安心した。
遺伝子組み換えや、なにやら組織をいじって内部的にそれを行ったとすれば何となくホラーな感じがするもの。
   
でも、これはどういう趣味だろうか。
   
例えるなら、白いプードルをピンクに染めたりする人、あるいは中国で大きな白い犬をパンダのように色を塗ったような、そんな趣味と相通じるものがあるような気がする。
  
金曜日までやっているので時間と興味のある方は行ってみるべし。
  
   

2009年11月10日火曜日

鉢好き
    

   
散歩をして見かけたのが今日の写真。
   
通りに面したじゃばら式の門の内側にはおびただしい数の植木鉢が並んでいた。
    
そもそもは駐車場なのだろう。
車一台分のスペースにギッシリと鉢が見える。
   
この写真から色んなことが言える。
   
あくまでも勝手に気ままに、無責任に言ってみよう。
    
①この家主さんはモノスゴク植物が好きなのではないか
②少しづつ揃えていって、気がついたらこんなに増えていったのではないか
③手前はじゃばら式の門なので風通しは良いが、奥の方は塀と家の壁に接していて風通しは良くなさそうではないか
④全体に鉢同士がくっついているので、蒸れてしまうのではないだろうか
⑤これだけあると手前の鉢には目が届くが、奥の鉢にはなかなか目が届かないのではないか
⑥これだけあるとすべての鉢に水をやるのも大仕事ではないか
⑦よって、オチオチ旅行にも行けないのではないだろうか
⑧自然の恵みである雨を活かしたいところだが、そもそも駐車場なだけに屋根が雨をさえぎってしまうのではないか
⑨エアコンの室外機は植物のためにわざわざあのような高い位置に設置してあるのではないか
⑩日当たり的にはどうなんだろうか
   
などなど思いは尽きない。
   
ここで申し述べたことは決して酔狂で言っているのではない。
植物を育てる場合に鉢で育てる場合と大地に植えて育てる場合があるが、鉢で育てる場合に考えなくてはならないことが、とめどない思いの中に散りばめられているのである。
  
詳しくはまた。
  
   

2009年11月9日月曜日

ベゴニア Begonia
    

   
昨日は食べられる花ってことで、ベゴニアの花びら がのった皿の話を書いた。
   
で、そのベゴニアそのものは・・・ こんな感じの花である。
   
実は9月22日の花咲ブログでは 「蝋細工のようであまり好みではない」 なんて大胆な発言をしている。
その後、10月26日の花咲ブログでは ハンギングバスケットに飾ってあった赤い花は実はベゴニアで綺麗だった」 なんて持ち上げている。
  
そして昨日、めでたく花咲ジジイの胃袋に収まった。
   
なんとなく先入観的に、好みではない なんて言っていたけど、こうやってジックリ見てみるとなかなか可愛いやつらである。
   

     

2009年11月8日日曜日

食べる花 Edible flower
      

    
そんな訳で昨日はお祝いの席に出席し、ほろ酔い気分で帰宅して花咲ブログを更新したのは日付が変わってからだった。
   
日付が変わってからだったと気づいたのも今朝になってからのことで、それほど良い気分になっちゃっていたのかなぁ。
   
とても美味しいイタリアンのお店だった。
気の利いたお料理が次から次へと出てくる。
   
花咲ブログは植物園芸などを主に扱うことを旨としており、食べ物ペットなどには走らないことにしてある。
   
この写真を見た方は 「あらら、ついに花咲ブログも・・・・」 と思われるかもしれない。
   
でもご安心を。
   
この2枚の写真をよく見てほしい。
   
上の写真は、赤い花びらが数枚ちりばめてあった。
すかさず店員さんに 「スミマセン、この花びらはなんですか?」 と尋ねてみた。
   
「ベゴニアです」 とのこと。
   
ベゴニアが食べられるとは知らなかった。
   
いわゆるエディブルフラワーという、花が食べられるというものがいくつかある。
ナスタチウムあたりがその代表格であるが、それだけ食べても美味しいとは思えず、料理に華を添えてさらにそれが食べられるという程度だと思っている。
    
このベゴニアの花びらも、ベゴニアの味はまったくせずにアンチョビのソースとともに口の中でとけていった。
    

   
デザートに出たケーキにも花が添えてあった。
   
見るとバラの花に見える。
しかしバラの花が食べられるという話は聞いたことがない。
   
バラに見えるが、他の何かかもしれない。
なにしろ結構飲んでいるからな。
  
「スミマセン、これは何ですか?」
「バラです」
「食べられるんですか?」
「イエ、見るだけです」
  
よかったよ、聞いて。
酔っ払った勢いでバラをむしゃむしゃ食べるところだった。
   
粉砂糖がかかった黄色いバラは美味しそうに見えた。
  
   
花 束
    

   
今日は友人の結婚の報告会のような会食があったので、花束を持っていこうと思った。
  
あまり大げさではなく、あまり派手ではなく、予算を伝えると店員さんは
「色はどんな感じにされますか?」と聞いてきた。
  
赤を使った暖色系も良いし、緑を使ったナチュラル系も悪くない、白を使った清楚系も捨てがたい。
  
悩んでいると 「何のお祝いですか?」 と聞いてきたので 「結婚祝いです」 と答えると 「では柔らかい感じで・・・」と提案してきたので、すぐに「それでお願いします」と決めた。
  
彼女は店内のフラワーベースから、あたかも花摘みの少女のように色んな花や葉っぱを選んであれよあれよという間に素敵なブーケを作ってくれた。
   
手際のよさに感心したし、このお値段でこんな素敵なブーケができるのかぁとなんとも有難い気持ちになった。
   
「この葉っぱはなんていうんですか?」と気になって聞くと「レモンリーフです」と教えてくれた。
「っていうとレモンのような匂いがするんですか?」と更に尋ねると 「いえ、葉っぱの形がレモンににているからなんですよ」とのこと。
   
レモンリーフ・・・ 初めて聞いた。
後で調べてみたら学名は Gaultheria shallon というらしい。
   
限られた予算で、お客さんの希望に近い花束をある程度の時間で作る。
さらには変な質問にも嫌な顔せずに答えてくれて 「せっかくなのでこの花束の写真を撮りたいんですが・・・」という唐突のリクエストにもすすんで花束を持って撮影に協力してくれた。
   
写真の花束を持つ手はその親切な店員さんの手である。
有難う、親切な花屋さん。
  
   

2009年11月6日金曜日

アゲラタム Ageratum
    

   
アゲラタムをご存知か?
   
花壇などでよく使われる花で、背は低く(15~20cmくらい)で淡い青というかのような色をしている。
   
実は花咲ジジイが初めて作った花壇の外周にはこのアゲラタムをあしらった。
ある意味思い出の花である。
   
なので花を見れば 「ああ、アゲラタムね」 とすぐ分かりそうなものだ。
で、この前見かけたのが、今日の写真のこれである。
   
背が低くなくて50センチ以上あった。
更に色が青や紫っぽくなくてピンク色なのだ。
   
なんだ?これは?
フジバカマ(Eupatorium fortuneiか?
ツワブキ(Farfugium japonicumか?
いや違う。なんだ?
   
疑問は膨らむばかりで、分からずに悶々としていた。
   
何日か経って、たまたま近くに花に詳しい方がいて聞いてみたら 「アゲラタムじゃない?」 とのお答えをいただいた。
   
アゲラタム? ちょっと特徴的に違う気がするけど・・・。
でも細部をよく見てみると、そうだアゲラタムだった。
自分の中のアゲラタムの概念をブチ破るものだった。

   
アゲラタムには僕の知っている背の低いタイプと、そうでない背の高いタイプがあって、どうもこれは後者のようなのだ。
   
そうかぁアゲラタムかぁ と何なのか分かってスッキリした。
   
でも 「何ですかねぇ?」 と聞くとパッと正解が分かるっていうのは本当にカッコ良い。
   
「花の名前を知っている人はカッコ良いなぁ」と思って、そうなりたいという気持ちがこの道を志す理由のひとつだった気がする。
植木屋の親方も木の名前とか本当によく知ってるし。
   
花咲ジジイもまだまだ道半ばである。
  
いや、半分も来てないないなぁ。
  
   

2009年11月5日木曜日

軒下のニンニクたち
    

   
夜の散歩に出掛けたときに、とある居酒屋の前にニンニクがぶら下げてあった。
   
最近はニンニクもかなりのお値段がして、特に国産は一個200~300円したりする。
   
もしぶら下げてあるものが国産だとして、一房3000円以上の価値があることになる。
それが3つ。
   
一万円近くの価値があるものが、何気なく店の軒先にぶら下げてあるだなんて、日本とはなんとピースフルな国なのだろう。
どこの国とは言わないけど、アッという間にこういったものが消え失せる国は沢山ある。
   
ドラッグストアなんかでも道路にはみ出して、歯磨き粉やら、ティッシュやら、お菓子やら置いてあるが、これも見るたびに よくなくならないなぁ と変に感心してしまう。
   
閑話休題
  
さて、ニンニクのみならずタマネギなんかも軒先にぶら下がっているが、何でだか考えたことがあるだろうか?
   
何で?
   
恐らく一番もっともらしく思えるのは 保存のため ということだと思うのだけど、置くのとぶら下げるのとではどう違うのだろう?
冷蔵庫と常温ではどう違うのだろう?
   
あるいはどっちが良いのだろう?
    
それにキッパリ答えるのが花咲ブログだと思うのだけど、正直申しあげてよく知らない。
   
今日は無責任に問題提議だけして、足早に去るのであった・・・・。
  

   

2009年11月4日水曜日

フヨウ Hibiscus multabilis
   
   
イヤイヤ、急に冷え込むようになりましたね。
お元気でしょうか?
さて昨日はかなりマニアックな花を御紹介してしまったので、今日は平凡な、でもそれでいて知ると不思議な花 フヨウです。
   
一昨日撮った写真なので、当然今の時期に咲いている。
   
学名は Hibiscus ということで、あの南国の象徴であるハイビスカスと同じ仲間だ。
花は朝咲いて夕方には萎んでしまう1日花である。
花びらは5枚・・・・
となると 五数性 を持っている花なのか?
見てみると、雄しべは沢山付いていてそれが果たして5の倍数ついているのかは不明だ。
   
    
雌しべは多くの雄しべに囲まれるように中心にあって、雄しべよりも長く、そしてグイッと反り返ってるのが特徴である。
そんな雌しべは間違いなく1本である。
   
しかしここで安心してはいけない。
   
顔を近づけてよ~く見てほしい。
   
反り返った雌しべの先端はナント 5つ に割れているではないか。
   
5の倍数がこんなところに息づいている。
  
今日の小さな2枚の写真は縮小率を下げてあるので、クリックして拡大してその不思議な様子をじっくり見て頂きたい。
  
それでは寒くなってきたので風邪などひかないようにお元気で。