実は街は植物で溢れている。彼らは色、カタチ、ニオイなどで「ここにいるよぉ」と静かなるメッセージを出している。そこには時として胸を打つドラマがあったりもする。そんなやもすると見過ごしてしまいそうな愛すべき彼らにあまり肩肘張らずにゆる~いカンジでスポットライトを当てる。日々の「あれ何だろう?」という好奇心に素直に向き合うブログ。
2011年12月31日土曜日
大晦日です
ついに大晦日です。
いかがお過ごしでしょうか?
テレビでは年末特番の目白押し、街に出れば買出しでごった返し、正月目前の雰囲気が充満している。
もーいくつ寝るとお正月ぅ~ などとと妙に気分が高揚したのは子供の頃で、最近はそういう感覚はまったくなくなってしまった。
年をとったってことなのかなぁ。
ノンビリしたいのはヤマヤマなのだけど、締切の近い原稿があったり、期限間近の仕事があったりして、普段と変わらないペースの年末である。
気分転換を兼ねて外に散歩に出掛けると、気温が冬らしくグッと低い。
このピーンと張り詰めた冷たい空気は嫌いじゃない。
イチョウもカエデもケヤキもだいたい落葉しきった感じで寂しいが、植物たちに近づいて見てみるとしっかりと春に向けて準備が整っていることが分かる。
例えば、今日の2写真。
上の白いツボミはミツマタ Edgeworthia chrysantha で
下の赤いツボミはジンチョウゲ Daphne odora であり、ともにジンチョウゲ科の常緑潅木である。
見れば分かるようにツボミがかなりプックリと膨らんでいる。
寒さい寒いといっていても、自然は春に向けて着々と準備を整えているんだなぁ。
今年もなんとか毎日更新を果たして、多くの方に花咲ブログを読んでいただきました。
いつも暖かいまなざしとともに花咲ブログを読んで下さり本当に有難うございます。
2012年もちょっと笑えてちょっと為になる、そんな季節感溢れるブログを目指していきたいと思います。
どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。
皆様にとって2012年が素晴らしい年でありますよう!
2011年12月30日金曜日
柿食えば・・・
柿食えば鐘がなるなり法隆寺・・・
とはかの正岡子規が松山から上京する途中で立ち寄った奈良で詠んだあまりにも有名な句である。
当然のことながら柿が秋の季語となっている。
柿=秋 というのは子規のころの話であって、最近では柿=冬に近いのではないかと思わなくもない。
スッカリ落葉して丸坊主になった柿の木にはオレンジ色の柿がたわわになっている。
葉っぱのない木にオレンジ色の実がたくさんなっている様はなんとも特徴的である。
食糧がすくなった冬に柿は鳥たちの絶好のエサとなる。
地面に目をやればスッカリ熟して地面に落ちた柿がつぶれて散乱している。
こういう一連の様子を見ると、秋というより暮れも押し迫った今頃、すなわち冬の風情だという気がするのだがどうだろう。
カキは学名では Diospyros kaki で、種小名 kaki からも分かるように日本語の柿が語源となっている。
英語の一般名は persimmon でゴルフ好きの方ならピンと来るのではないだろうか?
今でこそチタン素材などのいわゆるメタル素材のドライバーがほとんどだが、ちょっと前までは木製のドライバーが主流だった。
木製のドライバーの最も典型的だったのはパーシモンというもので、これぞまさに柿の木を材料としていた。
今はまず見かけなくなったけど。
日本ではあちこちで見掛ける柿の木だが、思い出すにイギリスでは植物園以外で見掛けることはまずなかった気がする。
そもそも柿は温暖な場所を好むらしいのでヨーロッパなどの日照時間が少なくて寒い地域ではなかなか育たないのだろう。
まさに日本の秋~冬の風情であるなぁ。
2011年12月29日木曜日
落葉スイーパー
2011年も残り2日となった。
申し上げたように昨日どうにかしめ飾りを玄関ドアに飾りつけて正月の準備はほぼ整った。
しめ飾りだけで正月気分が整ったとはかなり能天気ではあるが、そこはご愛嬌ということで。
年末ではあるが、まだイチョウにこだわってみたい。
黄金色に染まったイチョウも、あらかた葉が散ってしまい寂しい風情となってしまった。
落葉をせっせと掃いてゴミ袋につめていた人たちもようやくホッとしているのではないだろうか。
思えば、後から後から落ちてくる葉っぱをせっせと掃き集めるというのは、なんとも虚しい作業ではなかろうか。
だって掃いた先から降ってくるんだから。
かといって放っておくわけにもいかないのも分かる。
基本はホウキとチリトリなんだろうが、ちょっと先進的になるとブローワーという機会を使って落ち葉を吹き飛ばしつつ一箇所に集めて一網打尽にする。
植木屋さんはブローワーをよく使うし、大きな神社の境内を清掃しているおじさんなんかもよくブローワーを使っている。
この前、丸の内にロートレックを観にいったときに見かけたのは「吹く」のではなくて「吸う」タイプ。
この黄色くて大きな芝刈り機のようなマシンがウィーンと音を立てて落ち葉を片っ端から吸い込んでいく。
力強いような、そうでもないような微妙なカンジで落葉を吸い込んでいく。
寒風吹きすさぶなか、汗だくになって落葉を掃き集めるもよし、こういったマシンを使って落ち葉を一掃するのもよし。
いろんな手段と道具があるものである。
そのうち、かの無人掃除機「ルンバ」みたいな落葉清掃マシーンも登場するかもしれない。
たしか
丸の内で見かけたこの落葉吸引マシーンのボディはイチョウの黄色とマッチしていたのが印象的だった。
2011年12月28日水曜日
正月準備 しめ縄のことなど
気が付けば12月28日。
今年も残り3日となった。
今日は御用納めとはいうが、すでにお休みの企業もあるようで街中の人出もまばらだった気がする。
その代わりに上野アメ横あたりは押すな押すなの人出なんだと思う。
行ってないけど。
マンションやビルのエントランスには門松も飾られ正月気分が早くも漂う。
つい数日前はクリスマスだと言っていたのに、なんとも切り替えが早い。
結婚式で文金高島田の新婦がお色直しとかいって数十分後にウエディングドレスに着替えてしまうようなものだろうか。
街のかどかどには屋台というのだろうか、ご覧のような注連飾り、注連縄などを売るブースが建っている。
僕は決して信心深くはないが、なんとなく注連飾りは毎年玄関に飾っている。
そして注連飾りは29日、31日に飾るのは縁起が悪いとされ、とくに31日に飾り付けるのは一夜飾りといって特に縁起がよろしくないという。
今日が28日。
29日と31日がダメ。
・・・・となると、今日、もしくは30日に飾るしかない。
善は急げ。
早速今日は街角で売っている注連縄を買ってきた。
いつもはスーパーマーケットなんかで売っている小さいン百円の注連飾りだけど、今回はちょっと奮発して桁をひとつ上げてみた。
2012年に期するものがあるのだ。
震災を含めて色んな辛いことはあったけど実り多き2011年に感謝して。
そしてより楽しくも充実した2012年でありますよう。
2011年12月27日火曜日
3強空飛ぶタネ
これまでに何度か書いたネタなので恐縮だけど、どうしても書きたい衝動に駆られてしまった。
とあるビルの4階の階段にタネが落ちていた。
正確にはケヤキの小枝についた数枚の葉っぱとその葉腋についた小さなタネ。
さらにキョロキョロと見回すと、ユリノキの実、そしてカエデの実を発見。
何で書きたい衝動に駆られたかというと、周辺にそのような木は見当たらないからだった。
姿も見えない植物のタネがこんなところで見つかるという種子散布のスゴさにちょっと感動した。
階段のスグ横に大きなケヤキでもあれば不思議でもなんでもないのだが、ケヤキの木があるのははるか200メートルくらい先だし、ユリノキなんて見当たりもしないし、カエデの気配すらない。
そもそもカエデなんてせいぜい3メートルくらいの樹高であり、ビルの4階に迫るカエデなんてそうそうない。
そんな低い場所に棲息するカエデのタネがこうやってビルの4階という高い場所まで飛んでくるというのだからちょっとオドロキである。
ケヤキ、ユリノキ、カエデ
この3つをして 『3強空飛ぶタネ』 と命名したい。
色は茶色だし、小さいので、とにかく目立たないが、目を凝らして見てみればここそこに落ちているものと思われる。
ちょっとした宝探ししてみませんか?
2011年12月26日月曜日
美術館の楽しみ方
先日、丸の内にある三菱一号館美術館にロートレック展を見にいった。
フランス臭がプンプンしてくる(良い意味で)展示内容で、カフェに出掛けてカフェオレとクロワッサン、パンオショコラ、あるいはクロックムッシュなんかをムショーに食べたくなってしまった。
それはさておき、この美術館がある場所は三菱地所が気合をいれて2009年に再建したものである。
大きなコラム(柱)に施された植栽は壁面緑化の先端をいくものである。
中庭もなかなか洒落ていて、天気が良い日はまわりのカフェのテラスに人が溢れる。
ロートレック展は美術館の3階から観ていくのだが、階を移動するときに窓越しに中庭の様子を見下ろすことができる。
上から見ると中庭のデザインなんかも良く分かってなかなか楽しい。
この日は寒風が吹きすさんでいたので、人影もまばらだった。
中庭のデザインも見ていて楽しかったが、僕が一番ひかれたのは目の前のこんもりとした緑の樹だった。
この時期に緑色をしているということは常緑樹であるが、いったい何でしょう?
写真が分かりにくいと思うので正解をいってしまうと セコイヤ Sequoia sempervirens であります。
別名センペルセコイヤと言ったり、レッドウッド、アメリカスギと言ったりもする。
サンフランシスコにあるレッドウッド国立公園には世界で一番大きな樹としてこのセコイヤが繁っている。
死ぬまでに一度は訪れたい場所である。
そんな樹高100メートルを超えるポテンシャルを秘めた樹を美術館の窓からは見下ろすことができるのだ。
そして樹の上の部分、樹冠のあたりには小さな松ぼっくりのような球果が付いているのも間近に見ることができるのだ。
ロートレックも良いが、個人的はこっちのほうに興味をそそられた。
ロートレック展は終わってしまったが、美術館横のセコイヤは移動することはないので、また何かの機会に美術館に行くことがあれば是非窓越しに見えるセコイヤをジックリと見ていただきたいものである。
セコイヤを見下ろす・・・・ ここがポイントね。
セコイヤを見下ろす・・・・ ここがポイントね。
2011年12月25日日曜日
解体現場にて
メリークリスマス。
今年も残り一週間となった。
やり残したこと、たくさんあるなぁ。
まずいなぁ・・・ と思っているのは僕だけだろうか。
今更仕方がない。
残り一週間を精一杯、そして元旦からスタートダッシュできるよう気持ちを引き締めていきたいものである。
それにしても冬らしい寒さだ。
散歩をしていても寒さが身にじみる。
テクテクと歩いていたらば、大きなパワーシャベルで解体作業をしているところに出くわした。
古い家屋を壊して新たな建物をつくる。
相続で持ち堪えなくなってしまって、売却→更地→分譲というのもよくあるパターン。
どういう事情があるのかはそれぞれだと思うが、解体現場を見ていつも胸が痛むのがそこにある植物たちの行方である。
家のシンボルとして家族と共に歴史を刻んできたので、移植して欲しい・・・なんいうのは大変レアなケースで、大体はゴミ同様に扱われて処分されてしまうのだと思う。
このお宅でも、パワーショベルがコンクリートブロックをバリバリと壊したついでに、その脇にあるシイノキをメリメリとなぎ倒していた。
ショベルカーの爪あとがなんとも痛々しい。
その横には一箇所にまとめて積み上げられた植物たちが見える。
ソテツ、キンモクセイなんかも見えた。
いや、そりゃ全部は救えないのは分かるよ。
でもねぇ、ぞんざいに扱われているのを見るとなんともやりきれない気持ちになってしまうのだ。
もうちょっと敬意を表するというか、塩とお酒で清めてから作業を始めるとかさ。
仮にも生き物なんだから。
数日後に歩いて見てみたら綺麗サッパリの更地になっていた。
まるでそこには何もなかったかのように。
2011年12月24日土曜日
ビックリ クリスマスホリー
セイヨウヒイラギとヒイラギの違い、分かって頂けただろうか。
そんな話をしたところで、ものすごいセイヨウヒイラギを見掛けた。
都心のとあるお花屋さんの店先に、赤い実をたわわにつけたセイヨウヒイラギの鉢が売っていたのだ。
樹高がざっと80センチくらいだろうか。
これのお値段がすごかったのだ。
ナント73,500円(税込)です。
このお花屋さんはビックリ価格の鉢花を沢山置いてあるお店として花咲ブログでも触れたことがある。
都心の一等地ゆえ、地代も高いだろうし、なにかとコストが嵩むのだろう。
それにしても堂々の7万円越えはスゴイ。
デフレなんてなんのその、強気な価格設定である。
因みに昨日の写真のセイヨウヒイラギはJR飯田橋駅のすぐ脇の商業ビルの植え込みにあったもので、樹高は3メートルくらいだろうか
。
そうやって考えると、街路樹を含めて街のなかに植えられている木々それぞれの価値ってのもかなりのものなんだと知らされる。
散歩するときももっと有難がって歩かねばならないかもね。
さて、今日はクリスマスイブ。
明日はクリスマス。
皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
どうぞ平和で楽しいひとときを。
2011年12月23日金曜日
ヒイラギの話
12月23日。
今日は天皇誕生日で国民の休日にあたり、3連休という方も多いことと思う。
忘年会も昨日くらいがピークだったようで、街は人で溢れていた。
子供たちは昨日が終業式、今日から冬休みというパターンが多いようで、子供たちのもっぱらの関心事といえばクリスマスではないだろうか。
クリスマスソングなどが流れ、プレゼントやらケーキやら買う人たちでごった返している。
花屋さんでは、ポインセチアとシクラメンが最前列におかれている。
なんでポインセチア、シクラメンなんだろうかと考えるに、恐らく緑と赤という彩りがクリスマスなんだと思う。
ポインセチアはまだしも、シクラメンなんかはあまりクリスマスに関係なさそうだもんなぁ。
そういう意味ではセイヨウヒイラギ Ilex aquifolium は欧米においてクリスマスの装飾として欠かすことのできない植物である。
モチノキ科 AQUIFOLIACEAE であり、艶っぽい光沢のある葉とトゲのある葉縁が特徴だ。
葉の縁全体がキザキザのトゲのあるものをイメージした方は、今日の写真を見て、葉っぱが違うんじゃぁない?と思ったかもしれない。
確かに葉の縁は尖っていないが、先端は尖っていてかなり鋭いトゲがある。
ところでセイヨウヒイラギとヒイラギって何が違うの?実は同じでしょ?
と思われた方、ちょっと違うんですなぁ。
セイヨウヒイラギといって、わざわざ「セイヨウ」をくっつけてヒイラギと区別するには訳がある。
今、ちょうど白い花を咲かせているヒイラギ Osmanthus heterophyllus はモクセイ科 OLEACEAE の植物だ。
学名 Osmanthus はキンモクセイ Osmanthus fragrans と同じ属名である。
ヒイラギはモクセイ科、セイヨウヒイラギはモチノキ科。
似て非なるものなのだ。
何やら紛らわしいけど、この機会にヒイラギとセイヨウヒイラギの違いを覚えておいて損はないと思うゾ。
2011年12月22日木曜日
年の瀬
今日は冬至。
一年で一番昼の長さが短い日である。
そう思うとゲンナリしてしまうかもしれないけど、なんてことはない。
明日からは日一日と日が伸びてくるのだから。
早いもので今年も残すところあと10日も切った。
クリスマス目前、正月目前ということで街はかなりごった返している。
テレビの地方ニュースなんか見ていると「門松を飾った」とか「日本庭園に冬の風物詩である雪吊りを飾った」なんていうのをよく目にするようになった。
町のかどかどで植木屋さんが忙しそうに剪定仕事に精をだしている光景をよくみかけるようになった。
植木屋さんは今がまさに書き入れ時だろう。
改めて2011年とのお付き合いも残り僅かであると思い知らされる。
そして今日、とある街を歩いていたらば、とある御宅の屋根つき駐車場に門松がズラーっと並んでいた。
察するにこの御宅は植木屋さんでこれからお得意さんの御宅に門松を備え付けにいくのだと思う。
瑞々しく、そして青々とした松、竹を見ていると、なんとなく気分も一新されたような気がした。
そうかぁ、正月はスグそこに迫っているんだなぁ。
2011年12月21日水曜日
風に吹かれて
イチョウの葉っぱが散って黄金色の絨毯ができるのは良いが、掃除が結構大変だ。
朝からせっせと掃いても後から後から落葉が降ってくる。
街路樹の落葉がひどいってんで、頭にきた人が区役所なんかに
「街路樹の落葉がひどい。なんとかしてくれ。」
なんていう苦情の電話を入れると、区役所は問題の街路樹の枝を切りにやってきてくれるとか、くれないとか。
そんなまことしやかな噂を聞いたことがある。
落葉樹なんだから葉っぱが落ちるのは当たり前で、そこに苦言を呈されても困ると思うんだけど。
夏は葉っぱが繁って日陰(木陰)をつくりだし、冬にはちゃんと葉を落として光を遮らないという、なんとも賢いやつだと思えば愛着もわくと思うが、落葉だけを気にしていると頭にくるんだろう。
落葉の量も、大木になればその分増えるのは自明の理というもの。
イチョウはまさに大木落葉樹で、落ちてくる葉の量もかなりのものだ。
スズカケノキも大木落葉樹で、さらに葉っぱ一枚一枚の大きさがかなり大きいので厄介かもしれない。
そして僕が密かに落葉ランキングのナンバーワンだと思うのはケヤキだ。
ケヤキは樹高30メートル級も珍しくない大木だ。
そのわりに葉っぱ一枚一枚の大きさは小さい。
葉っぱ一枚ごとがヒラヒラと飛ぶのではなく、何枚かの葉をつけた小枝ごと風に飛ばされる。
今の時期のケヤキの葉はカサカサに乾いていて、小枝に葉っぱが数枚付いた状態でもかなり軽くて風にのって遠くまで飛ぶ。
これは以前の花咲ブログでも書いたけど、小枝についた葉の根元(葉腋)に小さなケヤキの実がなっている。
要はタネをより遠くへ飛ばしたいという種子散布の工夫として、ケヤキは小枝ごとタネの付いた葉っぱを風に乗せるのだ。
今日の写真はビルの3階である。
テラスにたくさんのケヤキの葉っぱ付きの小枝が落ちている。
この元となっているケヤキの木は、このテラスから50メートル以上離れたところにある。
50メートル離れていても、一旦地面に落ちた葉が風に吹かれて移動することはあると思うが、ビルの3階にある枯葉たちはダイレクトにこの場に飛んできたものに他ならない。
このビルの5階にも積もるくらいのケヤキの葉っぱがあった。
スゴクないか?
いったい何メートル飛ぶことができるんだろうか?
我々にとっては、枯葉を大量に、そして遠くまで散らかす厄介なケヤキだが、当のかれらは生存競争に勝ち残ろうと大量のタネを産み出し、それを遠くに運ぼうとしているだけのことなのだ。
2011年12月20日火曜日
目白通りのイチョウ
ここは東京都文京区。
目白通りである。
目白通りにはイチョウが街路樹として沢山植えられていて黄葉が今まさに真盛りなのだ。
椿山荘のちょうどお向かいには東京カテドラル聖マリア大聖堂もあるし、講談社野間記念館、江戸川公園、さらにはかの田中(角栄)邸なんかもあって雰囲気のある場所である。
夕日に映える黄金色のイチョウの写真を一枚パチリと撮ってみた。
イチョウの向こうには東京カテドラルの教会も見える。
当花咲ブログは植物目線で書いているが、都内を建築物目線で歩くというのも結構流行っているのは知っている。
本屋さんに行けば都内のアイコン的な建築物を解説したマップ付きのガイド本も出ている。
実はこの東京カテドラルはかの丹下健三氏の設計によるもので知る人ぞ知る名建築なのである。
そういう名建築をイチョウの黄葉が飾るという、人造物と自然のコラボレーションとでもいいますか。
とにもかくにも一年のうちでも最も見ごたえのある時期であることは間違いない。
歩道は黄色い葉で埋まめつくされ、それはそれでキレイナのだが地元の方々にとっては厄介なのだろう。
突然タテ表示になってしまってヨコに直らなくなってしまった。 イチョウの葉が一杯詰まったゴミ袋をイチョウのマークの入ったゴミ収集車が回収していく・・・ |
せっせと掃いてかき集め、ゴミ袋に入れられていた。
木になっている葉の様子を見ると、落葉の掃き掃除、しばらく続きそうです。
2011年12月19日月曜日
スケッチブック
落葉拾いに行ったのが昨日の話。
実は今週、某小学校で子供たちと校庭の自然観察をするのだけど、もちろん今の季節は花の観察って訳にはいかない。
落葉やドングリなどの実といった、今ならではの内容にしようと思っている。
そこで考えているのが、スケッチブックに落葉を貼ったり、描いたりしてみようというもの。
で、サンプルの意味もあって自分で作ってみた。
まだサラリと作ったところなので、もうちょっと書き込んでいこうと思うけど、これが数ページにもなるとなかなか見ごたえがある。
葉の名前、採取した日付、サイズ、特徴などを簡単に書き込むだけ。
使っているスケッチブックも100円ショップのものなので、実に安上がりだ。
サンプルのため・・・ なんて言っておきながら実際に手を動かし始めると夢中になってしまって時間を忘れてしまう。
これは小学生ばかりでなく、オトナがやっても楽しいのではないかと思う。
出来上がったスケッチブックのページをパラパラめくるだけでもかなり楽しい。
2011年もそろそろ終わりに近づいて、新たに何かというわけにはいかないが、年明けくらいに一度冬の植物観察会のようなものを開いてみようかな、と思う。
どうです、自分だけの植物観察スケッチブックって。
結構面白いと思うんだけど。
2011年12月18日日曜日
落葉拾い
今朝散歩ついでに、落葉拾いをしてみた。
これが案外面白かった。
普段は何気なく通り過ぎてしまう道も、落葉を探してキョロキョロしてみると景色がちょっと違った。
落葉ってことは、地面に葉が落ちていればほぼその上にその木があるということで、
木→葉 という普段の発想から
葉→木 という逆の発想ができたことも面白く感じた理由だろう。
拾ってきた葉っぱを机の上に広げてみた。
ご覧のとおり、かなりカラフルで、形もバラエティに富んでいる。
特に珍しいものはなく、イチョウ、カエデ、サクラ、ハナミズキ、ケヤキ、クワ、トキワマンサクなど。
それだけでも、これだけ色や形にバリエーションがあるのだ。
黄色と一言でいっても、真黄色のもの、ややオレンジ色がかっているもの、葉脈が浮き上がっているものなど色々ある。
残念ながらこの色は保存がきかずに、徐々に色あせて茶色く変色していくと思う。
でもそんな一瞬のはかない美しさに目をやるのはとても良いことだと思うのだけど。
2011年12月17日土曜日
散歩のススメ
今さらなんだが、散歩って楽しい。
植物を見て季節を肌で感じることもできるし、色んな発見があるものだ。
この前は、店舗や家の前の植栽などを見ていたのだけど、色んなものがあって楽しかった。
まず、最近はよく見るトクサのみの植栽。
トクサの良いところは洋風にでも和風にでもなりうるということと、そしてなんといってもメンテナンスが楽で放っておいてもまずまず元気だ。
さらに常緑なので年中緑が絶えることがない。
しかしやみくもに植栽すると暴れてしまって、手のつけられない雑草と化すので植え込む場所は慎重に剪定しなくてはならない。
次のはススキのような、ペニセタムのような、とにかくイネ科の植物がバラけてしまわないように紐でゆわってあるのだけど、これが「収穫」を思わせるオブジェのようでなかなか良いと思った。
上部の花穂が枯れたらば、結わえたあたりを刈りこみ鋏でジョキっと切ればよろしい。
さらに行くと、建物に合わせた直線的な黒い板を渡した花壇があった。
実は僕も最近これと似たような木製の花壇を作ったのだけど、花壇の内側がどうなっているのかが大変気になった。
どの程度底上げしてあるのか、花壇の内側はどのようになっているのか、排水はどうなっているのか、潅水はどうしているのか、何が植えられているのか、どういう土が使われているのか・・・
そういう目で見てみると大変勉強になる。
そして最後は某店舗の外溝。
中古のふぞろいの板を使ったフェンスがレンガの門柱とあいまってなかなか良い雰囲気だった。
ピシーっと揃えるのも良いが、こうやって適度な「ぬけ感」があるってのもなかなか気が利いている。
ねっ、ちょっと散歩をするだけでも色んな発見があるでしょ。
明日日曜日も気温は低いながらも天気は良いようなので、暖かくして散歩に出掛けてみてはいかが?
2011年12月16日金曜日
奇跡の一本松
書こうかどうしようか迷ったけど、今日はやっぱり書いておこうと思う。
それは 「奇跡の一本松」 のこと。
もう知らない人はいないんじゃないかというくらい有名になったが、陸前高田市の高田松原で津波に耐えて約7万本の松の中でたった1本だけ生き残った。
津波ということで潮水に浸かってしまったため、根が腐ってきてしまった。
専門家が知恵を絞ってなんとか生き延びさせようとしたが、結局数日前に「生育絶望」という結果となってしまった。
この一本松の樹齢は260年以上、高さ30メートル、直径80センチ。
260年前って江戸時代、徳川吉宗のころなわけで改めて樹木の生命力には驚かされる。
でも260年って割にはスリムで、幹の直径が80センチっていうのはいわゆる大木・古木のイメージとはやや異なる。
これよりも太いウエストの人、沢山いるでしょ。
この奇跡の一本松がいわれはじめた頃から、行って実物を見てみたいと思っていた。
でも松の木を見るためだけに被災地に足を踏み入れるのも不謹慎な気がしていた。
実は来年、再来年に日本を縦断するような植物に関する大きなプロジェクトがあって、そのときに立ち寄ろうと思っていた。
でもそのころには残念ながら一本松はもうないかもしれない。
残念だ。
一方、新聞に目をやると、『一本松の枝から接木をして遺伝子を残そうとしている』 とか、『種から苗を発芽させることに成功した』 などの記事があった。
接木は接木4兄弟ってことで長男「ノビル」次男「タエル」三男「イノチ」四男「ツナグ」と命名されたそうだ。
この辺がちょっと緊張感があるようなないような微妙なカンジで困っちゃうんだけど。
でも価値ある木の遺伝子を構成に継承していこうというのは洋の東西を問わない気がする。
記憶に新しいところでは鎌倉鶴岡八幡宮のイチョウ。
西洋では 「ニュートンが万有引力を発見したリンゴの木」 っていうのがいくつかある。
ニュートンは1600年代半ばにイギリスのケンブリッジ大学にいたので、ケンブリッジ大学植物園にもニュートンのリンゴの木がある。
でもそれはオリジナルのリンゴの木ではなく、接いだものだ。
恐らく接木の接木、そのまた接木だろう。
接木っていうのはこの前のペアフルーツでも書いたけど、ひらたく言うならクローンなので、親とまったく同じものができるわけだ。
話が逸れたけど、一本松の遺伝子を引き継いだ苗がこれから少しづつ大きくなっていって、高田松原が再び景勝地に戻るまで、我々は今年の3月11日のことも大切に語り継いでいかないといけないだろう。
2011年12月15日木曜日
継続は力なり
イチョウの葉っぱが絨毯のように敷詰められた歩道を犬と一緒に「ワーイ」といって、葉っぱを蹴散らしながら走った。
40代のオッサンのすることではないが、童心にかえってとても楽しい。
気分が高揚する。
スキップでも良いよ。
スキップって最近いつしたっけなぁ、とたぶん大体の人は思い出せないはず。
ちょっと照れなくもないが、勇気を出して一歩を踏み出すと不思議とルンルンしてくる。
気分が高揚する。
まぁ、そんなくだらないことは置いておいて・・・。
今日の写真を見ていったい何の樹なのかスグに言い当てられる人がいたらば、その人はかなりの植物通である。
趣味の域は出ているだろうなぁ。
プロの植木屋さんかもしれない。
葉っぱだけじゃ分かんないよぉ とボヤかないで欲しい。
この一枚の写真にもヒントが沢山ある。
- 紅葉ではなく黄葉している
- 葉脈のかたち
- 葉のつき方:互生
- 葉のかたち
- 葉の縁のギザギザのパターン
- 葉が落ちる=落葉樹(常緑樹ではない)
その他にも葉の質感、毛の有無、表と裏の色の違い、葉柄の長さ・・・
それらひとつひとつに特徴があるのだ。
なーんてエラそうなことを言って、実はこれを見たときにスグには何の樹なのか分からなかった。
樹にたまたま名札がついていて エゴノキ Styrax japonica とあってハハーンとなったのである。
エゴノキを知らないわけではない。
なんといっても白い小さな花が房状につくのが目立つので、その様子をみれば一発でエゴノキと言い当てることができるのだが、花が散った後にそれが何だかってのは案外難しいものだ。
例えばロウバイなんかはまだ寒い季節に薄い黄色の花を咲かせて甘い香りを放っているからロウバイと分かるが、花が散って夏に葉っぱだけになった枝をみてロウバイを言い当てられる人は案外少ないと思う。
それそれの季節を通じて植物たちがどういう姿をしているか注意を払っていないとなかなか身につかない。
こうやって考えるとまだまだ苦手な分野というか、知らないことが多いなぁと気付かされる。
花咲ブログはこうやって情報を発信する一方で、自分自身の良い勉強の機会でもある。
継続は力なり。
続けていくことで、やがて血となり肉となると信じて。
2011年12月14日水曜日
あんまりな名前
誰が名付けたか、「そんな名前を付けなくても良かったんじゃない?」 という植物がある。
ヘクソカズラなんてのはその筆頭だろう。
屁や糞のようなニオイがするからだっていうけど、僕はそれほど悪いニオイだとは思わない。
今日ご紹介するのもヘクソカズラに負けず劣らずの強烈な名前を有している。
その名も ハキダメギク であります。
ある意味ヘクソカズラよりもインパクトが強いと思うのは僕だけだろうか。
Galinsoga ciliata という立派な学名があるキク科の植物である。
もともとは熱帯アメリカ原産のようだが、日本でもスッカリと雑草として定着している。
そもそもは世田谷の掃き溜め(それってどこ?)で発見されたことから、かの植物学者牧野富太郎氏によって名付けられたということだが、他に良い名前はなかったんだろうか?
花があるのか、ないのかも近づいて見なければ分からないほど小さな花が可愛く咲いている。
この小ささに着目したもうちょっとメルヘンなネーミングがあっても良かったろうに。
ヒメなんとかよりもさらに小さいってことでヒメヒメギクとか。
うーん、センスが無いがハキダメギクよりは良いんじゃない?
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