柿食えば鐘がなるなり法隆寺・・・
とはかの正岡子規が松山から上京する途中で立ち寄った奈良で詠んだあまりにも有名な句である。
当然のことながら柿が秋の季語となっている。
柿=秋 というのは子規のころの話であって、最近では柿=冬に近いのではないかと思わなくもない。
スッカリ落葉して丸坊主になった柿の木にはオレンジ色の柿がたわわになっている。
葉っぱのない木にオレンジ色の実がたくさんなっている様はなんとも特徴的である。
食糧がすくなった冬に柿は鳥たちの絶好のエサとなる。
地面に目をやればスッカリ熟して地面に落ちた柿がつぶれて散乱している。
こういう一連の様子を見ると、秋というより暮れも押し迫った今頃、すなわち冬の風情だという気がするのだがどうだろう。
カキは学名では Diospyros kaki で、種小名 kaki からも分かるように日本語の柿が語源となっている。
英語の一般名は persimmon でゴルフ好きの方ならピンと来るのではないだろうか?
今でこそチタン素材などのいわゆるメタル素材のドライバーがほとんどだが、ちょっと前までは木製のドライバーが主流だった。
木製のドライバーの最も典型的だったのはパーシモンというもので、これぞまさに柿の木を材料としていた。
今はまず見かけなくなったけど。
日本ではあちこちで見掛ける柿の木だが、思い出すにイギリスでは植物園以外で見掛けることはまずなかった気がする。
そもそも柿は温暖な場所を好むらしいのでヨーロッパなどの日照時間が少なくて寒い地域ではなかなか育たないのだろう。
まさに日本の秋~冬の風情であるなぁ。
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