

これは立った姿勢で、一掃きで多くの面積をカバーできるようになっている。

実は街は植物で溢れている。彼らは色、カタチ、ニオイなどで「ここにいるよぉ」と静かなるメッセージを出している。そこには時として胸を打つドラマがあったりもする。そんなやもすると見過ごしてしまいそうな愛すべき彼らにあまり肩肘張らずにゆる~いカンジでスポットライトを当てる。日々の「あれ何だろう?」という好奇心に素直に向き合うブログ。
突然ですが、この濃い紫の花は何でしょう?
そんなの簡単、パンジーでしょ。
そうなんです、パンジーなんです。
それはそうなんですが、このパンジーはそんじゅうそこらのパンジーとは訳が違う。
今日はビックリですよ。
いいですか?心の準備は?
それでは発表します。
このパンジーがスゴイのは、なんとこのパンジーは木の幹に住処を構えて元気に生きているのであります!!!
えっ?何??言っている意味が分からない ですって??
ごもっとも。
それには写真を見てもらうのが一番手っ取り早い。
どうです。
木の幹、地上からおよそ2.5メートルの高さにこのパンジーは育っているのだ。
他人の敷地内なので塀によじ登って観察するわけにもいかないのだが、外から見る分にはそのパンジーは木の幹ちょっとしたくぼみに溜まった僅かな土に根付いているのだと思われる。
なんでまた、こんなところに・・・と思わなくもないが、まず考えられるのは ここに住んでいる人がわざわざこれをここに植えた、ということ。
でもそれはちょっと考えづらい。
何故なら普通は花は植えたら鑑賞したいというのが人情というものであり、こんなところに植えても鑑賞はしにくいからだ。
さらにこんなところに植えようなんてキテレツな発想は普通の人には浮かばないだろう。
となると、あとは鳥が種を運んだ ということになろう。
鳥は色んな木の実を食べて色んな場所を移動する。
種を食べて一部消化されなかった種が飛んでいった先で糞にまぎれて落ちるということは、植物がそのテリトリーを広げていく過程ではママあることなのである。
それにしてもよくこんなところで花を咲かせるほどにそだったよなぁと労をねぎらわずにはいられない。
そして、よくこんなところに咲いているパンジーに気付いたよなぁという花咲ジジイの植物観察眼もなかなか大したものである。 オッホン。
昨日、春は黄色い花から と書いた。
すると ミモザが咲いているのを見ました というコメントをお二人の方から頂いた。
コメント有難うございます。
そうなんです、ミモザ Acacia dealbata もこの時期に咲く黄色い花であります。
昨日のブログではこの時期に黄色い花が咲く植物を幾つか列挙したのだけど、そこにはミモザは入っていなかった。
・・・実は入れ忘れたのではなくて、敢えて入れなかったのである。
何故か?
ミモザはその学名から分かるようにアカシヤの仲間である。
アカシヤの仲間は南半球を中心に約600種が知られているが、日本には自生はな く明治初期に導入されたといわれている。
南半球が主なわけですよ。
つまり季節が北半球の我々とは真逆なわけで、今の時期に咲くってことは本来は秋に咲くってことにはなるまいか? と思ったわけである。
そんなわけで、昨日はミモザは脳裏をかすめたのだけど、敢えて列挙しなかったというわけであります。
それはそれとして、この前ミモザを観察していたら株全体の葉っぱは薄い緑色なのに対し、新芽の部分が濃い紫色をしていたのに気付いた。
これはベニカナメモチなどと同じ理屈で、新芽の柔らかくてデリケートな時期に直接強い紫外線に当たって焼けてしまうことを避けるためにこんな色をしているのではないかと思うのだけどどうだろうか?
そもそもは南半球のオーストラリアなどの日差しの強い場所で育っているやつらであるからして、この推理は当たらずとも遠からずといったところではないかと思う。