2008年9月30日火曜日

ここにもド根性
    


  
9月15日に銀座のド根性キリというのをご紹介した。
  
そして先週末、近所を散歩していたら「ご近所のド根性キリ」を発見してしまった。
  
大きさも、自然と生えた様子も銀座のそれと遜色ない。
しかし、誰にも騒がれることなく、ひっそりと、そして黙々と成長を続けている。
  
銀座のデパートの玄関前に生えたからニュースになって、そうでなければニュース・バリューはないということか。
当たり前といえば当たり前だが、なんか物悲しさを感じてしまう。
  
根元を見ると、アスファルトを突き破ってはえてきたかのようにも見えて、こっちの方がスゴイと思えてしまうのだが、どうだろうか。
  
スズカケノキがガードレールに食い込みそうになりながらも、頑張っていたり、キリがコンクリートやアスファルトの間で育っていたり、植物たちは本当に根性がある。
  
見習わねば。
 
  

2008年9月29日月曜日

秋雨・・・



今日はが一日中降って、気温も上がらずに寒かった

暑い暑い とヒーヒー言っていたのはつい数週間前のはずなのに、なんなのだこの落差は?

天気予報で雨が降ると知っていたので雨合羽を上下で持参して植木屋仕事に臨んだ。
写真は雨でグッショリと濡れた花咲ジジイの膝である。

身体を動かしているあいだは良いのだけど、お茶の時間となると濡れているせいもあってか、体温がグングンと下がる気がした。
お茶の時間は、これまで冷たい麦茶1リットルとかゴクゴク飲み干していたのに、今日は温かいお茶を探した。

自販機にはまだ「コールド」の青い表示しかないものが多く困った。

お昼はオリジン弁当を買ったのだけど、食べるさきからゴハンがどんどん冷めていく・・・。

ちょっと大袈裟か。
でもホントだよ。

着替えるのも面倒で濡れネズミの状態で電車に乗ったらば、途中で寒くて寒くて着替えなかったことを後悔した。
家に帰るやいなや温かいシャワーを浴びたのだけど、なんか風邪の兆候がみられないわけでもない・・・。

明日も雨らしい。
暖かくして出かけよう。

2008年9月28日日曜日

またまたヒガンバナ



昨日の赤いヒガンバナに続いて、今日は白いヒガンバナである。

赤と白・・・・  ヒガンバナとはいっても、なんか めでたいカンジもしないわけではない。

さて、ヒガンバナをどこでよく見かけるか?
どうも田舎の田んぼのあぜなどでよく見かけるのではないだろうか。

日本のよき田園風景ってやつだ。

でも夏場の田んぼのまわりは草刈が何度も行われているのに、秋になるとムクムクっとヒガンバナが何事もなかったように咲くのはちょっと不思議ではないか?

これはヒガンバナの成長サイクルに由来する。
秋の彼岸のころに花を咲かせて枯れてから葉っぱが出てくる。
葉は冬の間中日光を浴びて光合成を行って栄養分を地中にある球根部分に蓄える。
夏のころには葉っぱも枯れて、休眠してまた秋に花を咲かせる・・・といった生活を送っている。

なので夏場の休眠中に幾ら草刈をしても、ヒガンバナは球根状態で地中にて休眠中なのでなんら影響を受けないのだ。

うまく出来ているね。

因みにこのヒガンバナは毒性が強いので、間違っても食べたりしないように。

2008年9月27日土曜日

ヒガンバナ Lycoris radiata
    

   
出ました、秋の花の王道ヒガンバナ
またの名を曼珠沙華
   
暑さ寒さも彼岸までなんていって、暑さも落ち着いたころにビビッドな赤い花が我々の目をひく。
この時期になると新聞でも「×××でヒガンバナが満開」「ン百万本のヒガンバナは圧巻」などという記事をよく目にする。
    
「ウーン、その赤いカーペットのような辺り一面ヒガンバナってやつを見てみたいゾ」と魅かれるものの、あまり騒がれると逆に興味がそがれてしまうというアマノジャクの僕は都内の意外な場所でヒガンバナをカメラに収めた。
   
それが上の写真だ。
   
すぐ脇には高さ10メートルくらいの滝があって、その清らかな水が流れる中州にこのヒガンバナは遠慮がちにひっそりと咲いていた。
  
さて、どこでしょう?
   
分かった方はかなりスルドイ。これは、椿山荘の庭園だ。
   
接写ばかりが能ではないので、たまにはちょっとロングで引いた花ってのも悪くないんじゃないかと、近くによって撮れなかった負け惜しみを書いてみた。
  
それにしても都会の真ん中にも静かな場所ってあるもんだ。
  

  

2008年9月26日金曜日

ニュースなスズカケノキ
   

  
以前、某TV局の夕方のニュース番組内で「街路樹がガードレールを飲み込んだ!?」のような内容を取り上げていたのを見たことがある。
     
それによると、江東区の某所で街路樹が生長し、横にあったガードレールを完全に包み込んでしまった、ということだった。
その街路樹はお寿司屋さんの前にあって、その寿司屋はTVが取材に来たためかは定かではないが、これにちなんだ巻き寿司を作っていた・・・というのが番組の内容だったと記憶している。
  
僕はこれを見て「ナルホドねぇ」とは思ったけど、特にこれを見るためにわざわざ江東区まで繰り出そうとは思わなかった。
この辺はこのまえ書いた「ど根性キリ」と同じ展開である。
  
で、今日。
  
都内某所(江東区ではない)でスズカケノキの剪定をしていたらば、ご覧のような、あとちょっとでガードレールを飲み込む状態にあるスズカケノキに遭遇した。
  
スズカケノキは大木だ。
木の高さは30メートルほどになりうるし、幹まわりは直径2メートルを越えることもある。
それをこれだけガードレール近くに植えたらどうなるか・・・・
  
ここは狭いから引越そう、と樹木は自分の意思で動くことは出来ない。
ある環境で生きる最大限の努力をしている。
  
そうやって考えると、こうやって頑張っているスズカケノキにスポットライトをあてて、皆の注意を喚起するというのはあながち無駄なことではない。
  

  

2008年9月25日木曜日

カクトラノオ2
     


    
昨日の補足でございます。
   
メカニカルな花の動き・・・ってどんなだ?
という疑問にお応えしたいと思います。
   
上の写真でつぼみのすぐ下にある花(6時の位置)を、軽くグイっとひねってみるとその花は8時の位置でとまった。
   
「えー、こんな程度? 大袈裟な」
と怒らないでいただきたい。
   
実際に御自分の手でグイっとひねってみると良い。
ちょっと興奮するから。
   
メカニカルな動きとはいっても植物なので可動範囲はせいぜい90度。
マシーンのように360度ぐるっと回ったら、それこそビックリだけど。
   
ビックリといえば、当ブログのアクセス。
申し上げているように、大体1日あたり50人前後の方にご覧頂いているのだけど、どういうわけか昨日は240人を超えるアクセスがあった。
  
これが実態を伴う数字なのかは分からないけど、ちょっとビックリである。
  

  

2008年9月24日水曜日

カクトラノオ Physostegia virginiana


夏のギラギラした太陽の光に疲れた目を癒してくれるかのような、柔らかいピンク色の花。

それがこのカクトラノオである。
ハナトラノオと呼ばれることもある。

虎のしっぽ に似ているから、と言われているが、果たして似ているだろうか?

まあ、そんなところにケチをつけるのは野暮というものだ。

カクトラノオという名前に着目していただきたい。
これはシソ科の植物であり、シソ科の一般的な特徴として茎を輪切りしにしたときの断面が四角である、ということがある。

その「カク」っとしたカンジを花の名前に取り込んでいるものと思われる。

そしてこの花で一番面白いこと。
それは言葉では大変伝えづらいのだけど、頑張って書いてみよう。


小さな花は茎から十字方向に整列して咲いている。

この小さな花をひとつだけグイっとひねると、この整然と並んだ列から外れて、そこでとまる。

ウーン、分かりづらいか・・・。

言い換えると、12時、3時、6時、9時の場所で規則正しく並んでいる花だけど、それは手で方向を2時、10時、1時など好きなところに動かすことが出来るということだ。

驚くべきことというのは、花の方向を手でグイ、グイっとメカニカルに変えることができるということなのだ。

僕はこれを最初に教えてもらったときに、花でありながらメカニカルに動くその様を見てエラく感心した。

もうちょっと分かり易い写真、もしくはビデオを撮ってまた改めて御紹介します。

2008年9月23日火曜日

サンゴジュ Viburnum awabuki
   


    
今日は晴れて爽やかな休日である。

最近は去りゆく夏と来る秋が丁度重なり合うビミョーな季節といえるのではないだろうか。
朝方寝ていてヒンヤリしたり、昼間歩いていてジワッと汗をかいたり。
朝起きてセミが鳴いている日もあれば、コオロギが鳴いている日もある。
  
暑さ寒さも彼岸まで。
これから本格的な秋になる。
そしてこれからどんどん日が短くなっていく。
  
さて、街を歩いていても色んな場面で実りの秋を実感できる。
   
この前書いたイチョウは既に銀杏を沢山つけていた。
そして、ソヨゴタラヨウマユミザクロピラカンサナンテンクロガネモチ・・・など赤い実をつけるやつらは既に赤いか、赤くなる日を待っている状態だ。
  
今日御紹介するのは サンゴジュ だ。
  
サンゴジュは光沢のある割と厚い常緑の葉を持つ。
生垣に良く使われる。
   
ただ葉っぱをサンゴジュハムシという虫に食われて穴だらけになるのをよく見かけるが、これはもうサンゴジュの運命といえよう。
なので、食害されていないきれいな葉っぱのサンゴジュを見るととても新鮮に思える。
    
さらにこの赤い実はなかなか魅力的。
サンゴジュの名前の由来となっているのも、この珊瑚細工に似た赤い実からきているといわれている。
  
学名 awabuki とあるように、この樹は枝の太いところを切ると泡を吹いたようになる、と言うのだけど、実際に剪定したことを思い出して「ハテ、そうだったかしら?」とハッキリ思い出せないのがちょっと悔しくもある。
  

  

2008年9月22日月曜日

コンパニオン・プランツ Companion plants



コンパニオンプランツという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
コンパニオンとは「仲間・友達」といった意味合いがあり、プランツとは言うまでもなく「植物」である。
仲間の植物・・・?

これは共生作物、あるいは共栄作物、というもので 「種類の異なる植物を近接して植えることで植物の成長が良くなり、病害虫の予防になる」ことである。

言い換えると「複数の植物を組み合わせて植え、お互いの性質の違いによって病気や害虫の発生を防いだり、生育を促したりすること」 (コンパニオンプランツで野菜づくり 木嶋利夫)となる。

今日の写真にあるマリーゴールド Tagetes はコンパニオンプランツの代表格で、トマト、ナス、ジャガイモなんかと一緒に育てると虫がつきにくい。特に土中にいるセンチュウに対して効果が高いといわれている。

マリーゴールドのニオイを嗅いでみると、ちょっとキツいツンとしたニオイがするのが分かる。
これが効くのだ。

あるいはニンジンタマネギを隣り合わせに育てるといったのもある。

害虫がついているから殺虫剤をまく、ということをすると、薬品にさらされた野菜を口にすることとなり、オーガニック野菜とは呼べなくなってしまう。
強い薬を使うと、虫たちはそれに耐えうるように少しずつ進化して結局薬が効かなくなってしまう。

そういう意味では、コンパニオンプランツは、環境に優しく、見た目もよろしく、ある意味理想的な農法であるといえる。

「防ぐ」だけではなく、例えばトマトは水分を控えると糖分を増すといわれていて、トマトの横に落花生を植えるとトマト周辺の水分を吸い上げてトマトへの水分供給を制限して美味しいトマトが採れるようになるという効果もあるらしい。

9月も残り僅か。
もはや何か新しい野菜を育てたりする季節ではないけど、覚えておいて損はないコンパニオンプランツのお話でした。

2008年9月21日日曜日

今晩の番組
  
突然ですが、今晩 21:00 より BS朝日で「中島朋子のイギリス緑の国から」という番組があります。
  
たまたま予告編を見たのですが、どうやらキューガーデンもここに出てくるようであります。
  
世界で唯一世界遺産の指定を受けた植物園ですので、ちょっと興味のある方はご覧になってみては如何でしょうか。
  
以上、お知らせでした。
  
ゴーヤ Momordica charantia
     


    
ゴーヤチャンプルーはすっかり市民権を得た、とういか、かなりポピュラーなメニューになったと思われる。
   
さらに、ゴーヤを育てて緑のカーテンをつくろう! そして地球温暖化を防ぐのだ! などというキャンペーンもあったりして、ゴーヤはちょっとした人気者だ。
   
ゴーヤのまたの名をニガウリというだけあって、独特の苦味が特徴だ。
この苦味は モモルデシン momordicin という物質がもとになっているようだが、このモモルデシンがゴーヤの学名 Momordica のもとになっているのではないかと想像される。
   
ゴーヤは熟すと今日の写真のように黄色になって、実が裂けて赤い種が露出するようになる。
黄色
その色のコントラストが鮮やかで、普段食べているゴーヤとのギャップにちょっと驚く。
   
我々が食べているゴーヤはまだ熟していないもの、ということになる。
そうなると、初めてこの植物を食べた人は「ウーン、苦い。熟するまで待とう。」とは思わなかったのだろうか?などという疑問が沸いてくる。
   
「苦い、硬い、だけどこれはこの状態が一番美味いのだ」というのはなかなか独創的な判断だったのではないかと思ってしまうのだ。
  
焼き魚のはらわた、ビールなど苦味が旨いというものはいくつかある。
   
味覚の秋、収穫の秋である。
  
   

2008年9月19日金曜日

木肌
     

    
台風の中、何の樹を切っていたのか、といえばコレである。
  
グレー肌色カモフラージュ柄、一体何でしょう?
   
ヒント1: 街路樹として日本で一番多く植えられている樹である。
ヒント2: 葉っぱのカタチは掌状で、デカい。
ヒント3: 落葉樹である。
ヒント4: 花咲ブログで既に登場済みである。
   
・・・・答は 「スズカケノキ」でした。
正確にはモミジハスズカケノキPlatanus acerifolia といってスズカケノキP. orientalisアメリカスズカケノキP. occidentalisの交配種である。
   
幹肌に特徴があって、一番表面が剥がれ落ちてご覧のようなまだら模様になる。
確か僕の記憶だと、カリンもこのようなまだら模様の幹肌だったと思う。
   
植物を見て、それが何なのかを判断するのは花、その色、カタチ、大きさ、植物としての全体の形、葉の形状、などなど様々なアプローチがあるのだけど、幹肌を見て判断ができるものもある。
このプラタナス(スズカケノキ)はそんな幹肌で判断ができる代表格であろう。
  
ヒント1で日本の街路樹で一番多く植えられているものだと書いたけど、ものの本によると
第一位 スズカケノキ
第二位 イチョウ
第三位 ヤナギ
なんだそうだ。
  
個人的にはヤナギよりもケヤキのほうが多いような気がするのだけど、現実はそんなものだろうか。
  
前にも書いたけど、このプラタナスにはグンバイという小さな虫がいて首筋をチョロチョロと這い、プラタナスそのものからでる細かい粉が目に入ったり、吸い込んでむせたりして、本当に厄介な樹だ。
  
せめてもの救いは、最近気温がやや下がってきたこと。
それでも汗だくである・・・。
  

  
Bean Boots




今日も雨が降ったりやんだりの不安定な天気だった。

ここ2日間ほど都内で街路樹の剪定仕事をしていた。

普段は地下足袋なのだけど、防水性がない ため、雨の日はご覧のような足元で仕事をしている。

Bean Boots 懐かしのアイティムである。

これは買ってから既に15年以上経っていると思う。

特に洒落っ気があって履いているのではなくて、単に防水性があってくるぶしまで隠れるので雨の日の植木屋仕事では重宝している。

雨であっても、滑りにくくなっているし。

防水性と通気性は合いいれないようで、1日履くと靴の中はムレムレだけど。

台風接近中とのことで「秋の台風」ということだろうか。

こんなところでも秋接近中である。

2008年9月18日木曜日

天使の音楽隊?!
   

   
このキダチチョウセンアサガオBrugmansia)はすでに当ブログで御紹介済みではあるのだけど、あまりに立派に咲き誇っていたので、ついついまた写真を撮ってしまった。
  
これを エンジェルトランペットという俗称で呼ぶことがあり、これだけ揃うとさしずめ天使の音楽隊ではないか、などとちょいとロマンチックなことを思ってしまった次第である。
  
春~秋と花期が長く、もうちょっと咲いているはずなので、是非散歩に繰り出して、天使の音楽隊に耳を傾けてみてはいかが。
  

  

2008年9月17日水曜日

ハツユキカズラ Trachelospermum aslatlcum



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葉っぱに白い斑が入っていることから、この名前がついたのではないかと思われる。
初雪・・・ なかなか洒落ているではないか。
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写真は壁をつたって上方向にのびているが、つたうものがなければそのまま横にのびてグランドカバーとなる。
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壁をつたう、いわゆるクライマーというやつは味気ない風景を和らげてくれるが、旺盛な成長をコントロールすのはなかなか容易ではない。
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例えば ツタ
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ブドウの仲間で、紅葉が美しい種類もある。
そして落葉するので、夏と冬では見え方が異なって、楽しめる。
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しかし、その成長は早く、吸盤のような支え をあちこちにペタペタと貼り付けて伸びるので「その吸盤の跡をはがしてください」と言われても本当に難しい。
吸盤をはがそうとして、壁ごとはがれてしまう、なんて笑えない事態も往々にして起きる。
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このハツユキカズラもそうといえばそうなのだけど、こまめに散髪してやると、上の写真のように良いアクセントになる。
なんか緑の玄関枠組みといった面持ちでなかなか良いと僕は思うのだけど。
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2008年9月16日火曜日

ワタ Gossypium
   

  
洒落た街の、洒落た店先の、洒落た鉢に植わっていたのは [ワタ、コットン、綿] であった。
  
こうやって見ると、どんな植物もしかるべきお洒落をすると印象がガラっと変わるのが分かる。
人間にも共通しているような気がしなくもない。
  
馬子にも衣装。
  
ワタはアオイ科で、これまで御紹介したタチアオイオクラムクゲハイビスカスあたりと同じ仲間ということになる。
今回写真がないので残念だが、花のカタチはハイビスカスによく似ている。
  
そして、実がなって中に種が綿毛に包まれて入っているという寸法だ。
  
  
ワタで思い出すのは小学生だったときの話である。
  
担任の先生が 「今日はSさんから珍しい植物について話があります」 と紹介されて教室の前に出てきたSさんがワタのなった枝を一本頭上に掲げて続けた。
  
「これはなんだか分かりますか?これはワタなのです。皆が着ている服や、使っている綿棒のもとになっているものです。ワタシはこれをおじいちゃんから教えてもらって、とても珍しかったので今日皆に見せようと思って持ってきました。」
  
なんてことを 「どーだ」と言わんばかりに鼻の穴を広げて興奮気味に喋っていた。
  
こちとらチョイと ひねた小学生だったので、内心は「フーン、それで?また先生に褒められようとしちゃってサ」程度にしか当時は受け止めていなかったのだが、妙にその話と場面が頭に残っていて、いまだにこうやってワタを見るとちょっと思い出してしまう次第なのである。
  
  

2008年9月15日月曜日

ニュースの現場
    
   
ちょっと前、新聞に 「銀座のド根性キリ」 という記事が載っていた。
   
なんだ、そりゃ?と思って記事を読むと、
「銀座のデパート前のコンクリートの割れ目にタンスの原材料となったりするキリが昨春芽を出して、今では通行人が足を止めるなど、ちょっとした名所になりつつある・・・」
といったような内容だった。
    
わざわざ行くまでもないが、近くを通ったら見てみようと思っていた。
そして、連休初日の土曜日の夕方、日本に新進出するH&Mに並ぶ長い長い行列を横目に銀座の歩行者天国を自転車を押して目的地に向かった。
   
余談だけど、このH&Mはヨーロッパどこに行っても見掛ける「大衆」衣料品とイメージで、こんな銀座の一等地にこんなに人が大行列して入るようなモノとはちょっと違う気がするのだけど。
ロンドンのH&Mに行ってごらんなさい。並ばずにすぐに入れて、そのフツーさに拍子抜けすると思うよ。
新しモノ好きってことかな、と300メートルほどの行列を見ながら思った。
   
閑話休題。
  
ありました、キリ
  
かなり成長していて高さは3メートル位あるだろうか。
横に立っている人と比べてみると分かる。
  
ただ、目立つかと言われれば、ちょうどデパートの花屋が同じ軒先にあるので、そこで陳列してある植物とうまい具合に混ざって、言われないと気付かずに通り過ぎてしまいそうだ。
   
   
それらと違うのは、鉢に植わっているか?という点で、ご覧のようにコンクリートの僅かな隙間に根をはっている。
どうやら成長とともにコンクリートを押しのけて、その勢力を拡大しようとしているようにも見える。
   
はたしてこのキリの行く末はいかに。
どこまでも大きくなるのを見守られるのか?
デパート側に安全上の問題などと言われて切られるのか?
心ない通行人にイタズラされて傷ついてしまうのか?
自然保護団体に植え替えられて、別の安住の地に引越すのか?
  
しばし注目していこうと思う。
  
  

2008年9月14日日曜日

銀杏
   

    
早くも銀杏を見かけた。
大きなイチョウの木の下にご覧のように立派な銀杏が落ちていた。
  
まだセミが鳴いて、残暑厳しい折なのに、秋は確実に足音をたてて近づいてきている。
  
神宮のイチョウが黄金色に輝くのも、もうすぐに違いない。
  
  

2008年9月13日土曜日

10,000
  
このブログのページの下にカウンターを設けてあるのにお気付きでしたでしょうか?
  
ブログを始めた当初からこれをつけてあったわけではなくて、ちょっと後になって、どれくらいの方に見ていただいているのか、という目安を得るためにつけてみた。
  
それによると大体1日あたり50~60人の方に見ていただいているようである。
  
本当に有難い ことだ。
  
そしてこのカウンターがいよいよ10,000の大台に乗せようとしている。
  
世の中には色んなブログがあって、一日で10,000アクセスしてしまうようなものもあるようだけど、この花咲ブログは「手作り感覚」とでも申しましょうか、植物を愛する人たちが集まってジワジワとその輪を広げていけばいいなぁと思っています。
  
毎日何かしら書くことにしているので、時には退屈な内容の日もあるとは思いますが、「面白かった」「為になったゾ」という声が聞こえてくるようにこれからもコツコツ書いて参りますので、今後とも宜しくお願いいたします。
  
花咲ジジイ拝
  
10,000人目だったゾ、という方はコメント欄に書き込みをしてみてください。
一緒に祝いましょう!
  

2008年9月12日金曜日

特許アボガド?!
  

  
アボガドをスーパーで買った。
  
シールが2枚張ってある。
  
①「特許品 登録第3579661号 このアボガドの栽培方法は、特許庁に登録されています」
②「こだわりアボガド 通常よりも樹上で長く熟成しコクのある旨味を引き出しました メキシコ産」
  
そこでどんな特許なのか調べてみた。
  
特許の名称は「アボガドの収穫法」というもので、こんなものが特許になるのか、とちょっとしたオドロキである。
更に特許請求の範囲、すなわちどんな特許なのかという説明については
  
「産地で所定の大きさに生育したアボカドを樹木から収穫し、この収穫されたアボカドを前記産地から加工場まで輸送し、この輸送されたアボカドを加工場で加温追熟した後、消費者に提供されるアボカドにおいて、前記アボカドの表皮の一部が黒色になった以降にアボカドを収穫することを特徴とするアボカドの収穫方法。」
  
とある。
  
なんとも分かりにくい。
  
花咲ジジイ的に解釈するなら、上記文章の前半は全て無視して、要するに「アボガドが黒くなって熟してから収穫する特許なのだ」 と言えるのではないかと思う。
  
そうなると更に「??」が深まる。
  
熟してから収穫するというそんな当たり前のことが特許になるっているのだから。
   
この特許を詳しく見ると、従来のアボガドは実がなってから2~8ヶ月で収穫、出荷してしまうのだが、それではアボガドに十分な脂質と風味が蓄えられる前になってしまう。それを当初青い実の黒い部分が5~80%になったときに収穫するようにした、ということが「特別」なのだという。
  
それにしても5~80%って幅がありすぎやしないだろうか?
  
まぁ、実際に美味しいアボガドを選ぶときに、どのくらい熟しているかというのがカギであることは間違いない。
僕はそれを色で判断するのではなく、触って、軽く押してみてその感触で熟れ具合を確認する。
  
確かに青くて、硬いアボガドは美味くない。
この特許によってハズレ・アボガドをつかむ不幸な人が減ることを祈ってやまない。
  
  

2008年9月11日木曜日

アイガーデン
   

  
新宿伊勢丹に出掛けた。
  
屋上にはアイガーデンという屋上庭園がある。
  
秋晴れの澄んだ空気がとても気持ちが良かった。
  
新宿というとゴミゴミしていて、高層ビルに囲まれた息苦しい場所というイメージがあるのだけど、この屋上の芝に座って、お弁当でもつついた日にはここが新宿であることを忘れてしまうのではないかと思うほど気持ちが良かった。
  
何がそうさせるのだろうか?
  
まずは緑が眩しい青々とした芝生、そして高い空、すなわち解放感ってやつだろう。
  
最近はヒートアイランド現象を幾らかでも和らげようと、屋上緑化全盛である。
なかには「??」というものもあるけど、これくらいシッカリとした屋上庭園は都会の楽園となりうると感じた。
  
植栽もかなり凝っていて、季節に応じた花が咲くらしい。
更に子供向けに「キッズ菜園スペース」もあったりして、植物に親しめるような工夫が凝らしてある。
  
都会のど真ん中にこんな場所があるのを利用しないテはなかろう。
電車代もそんなに掛からないし、安上がりでかなりノンビリできること請け合いだ。
花咲ジジイであれば、初デートはこんな場所で、地下の惣菜売り場で買ってきたちょっと贅沢な弁当を広げたりなんかして、なんてイメージがバリバリ沸いてきた。
  
これからも身近な緑のスポットをちょくちょく紹介していこうと思う。
  

  

2008年9月10日水曜日

オシロイバナ Mirabilis jalapa
    
  
これも今わりと旬な花ではないだろうか。
  
もともとは南アフリカ原産であったが、最近はすっかり日本に定着した。
   
朝、散歩に出かけるときにカメラを持って「ヨーシ、今日はオシロイバナを撮るのだ」と張り切って何度が出掛けたが、2枚目の写真のように、大抵はしぼんだ花がらしか見つからなかった。
  
それもそのはず。
このオシロイバナの花粉を運ぶのは主になので、彼らの行動時間に合わせて花を開くようになったのだろう。
なので、花が咲くのは夕方になる。
   
植物達はより優れた子孫を残すために、出来るだけ他の株と交わろうとする。
これを他家受粉という。
   
オシロイバナは花を開いて一晩かけて蛾をひきつけて、自分の花粉を他のオシロイバナに持って行ってもらおうとする。
ところが一晩たっても蛾が来てくれないこともある。
そういった場合、他と交わって優れた子孫を残せなくても、何も残さないよりはマシということで、自らの雄しべと雌しべがくっついて受粉するメカニズムを持っている。
  
上の写真のように、咲いた直後は雌しべは雄しべの先にあるけど、しばらくすると互いに巻き込むようにして雄しべと雌しべがくっついて受粉するようになっているのだ。これを自家受粉という。
  
写真はピンクのオシロイバナだけど、他に黄色もよく見かける。
  
というわけで身近で素朴な花の御紹介でした。
  
  

2008年9月9日火曜日

秋到来?
    
  
今日は晴れたけど、これまでのような蒸し暑さはなかった。
カラッとした気持ちの良い天気で、を感じてしまった。
  
つい昨日までミンミン鳴いていたセミが、今日はパッタリと聞かれなくなり、虫が涼しげにリーリーと鳴いている。
昨晩は代々木公園の横を自転車で通ったのだけど、涼しげな虫の声というよりは大合唱に圧倒されるほどのボリュームで虫が鳴いていた。
  
植物達も一息ついているのでないだろうか。
  
水はまさに死活問題で、人間に頼らないと水分補給できない場所に植えられている植物が沢山ある。
彼らに水をやるのは、今日の2枚の写真のように、作業着を着た目立たない人たちである。
黒子のようなものだが、植物達は彼らなくして生きながらえない。
  
さて、今日の話題は水遣りである。
  
水遣りはどうすべきか、というのは以前ちょっと触れたので、今日は言葉について。
  
この前、植木屋の親方とさる場所の芝張りをした。
一通り芝を張り終えて、親方が僕に言った。
  
「おーい、水打ってくんねぇか」
  
僕はそれが芝に水をやることだと理解して、ホースをもって水を撒いたのだのだけど、水を撒きながら「水を打つ」って良い表現だなぁと思った。
  
水を打ったような静けさ、なんて表現はあるけど、それ以外で水を打つという言葉を使ったことがない。
しいて言えば「打ち水」というのがあるので、今更ながら「ああ、そういうことか」などと思ってしまうのである。
  
後で「水を打つって良い言葉ですね」と親方に言うと、
「昔の言葉だよ」と教えてくれた。
  
日本語の良さ再発見の瞬間であった。
  
  

2008年9月8日月曜日

人間のエゴか、シアワセか
   
  
昨日、さる方と話をしていたら
  
「品種改良などで、より甘い果物を作ったりするのは、オカシイ。果物の甘さはこんなものだ、という控えめな甘さの中に本来果物が持っている味わいがあるはずではないのか。濃い味を品種改良でつくっていくうちに我々の味覚はどんどん失われていってしまうのではないか?」
  
というハッとさせられる話がでた。
  
より柔らかい、食べやすい穀物によって我々のあごの形は千年前のそれとは既に大きく異なるというのは周知の事実である。
  
品種改良によって我々はより「豊か」な生活を享受してきたようであるが、この辺でちょっと考え直す時期に来ているのかもしれない。
   
「青いバラ」というものを、さる酒造メーカーが遺伝子組換え によって作り出した。
青いバラはバラの育種家たちにとって永年の夢であったが、誰もそれをなしえなかった。
その理由は、バラは青い色を作り出す色素を含んでいなかったからで、ないもの同志を幾ら掛け合わせても、青いバラはできるはずがない。
  
そこで遺伝子組換えという発想の転換で青いバラを作り出して、世間の注目を浴びた。
「素晴らしい!永年の夢を叶えた」と。
  
しかし、そうだろうか?
  
青いバラがないと誰かの命が救えない、というのであればそれは一生懸命やる意味がある。
が、青いバラは鑑賞するだけだ。珍しさから売れるだろう。そこで誰かがそろばんをはじく。
   
神様がこの世の中に青いバラは必要がないということで、この世は青いバラがないようにデザインされていたのかもしれない。
    
それを、遺伝子組換えでムリムリ作り出す。因みに青いバラと騒いでいるバラはまだまだ藤色っぽいのもので本当に青いかといえばやや疑問が残る。
   
人間とは自然の摂理を曲げるおこがましさをどこかに持っているように思えてしまうのだ。
   
そんなことを考えて昨晩床についた。
  
そして今朝。
  
産経新聞の2面に「九州のナシに眠り症」という記事があった。
  
要約すると、
「温暖化の影響で冬に十分気温が下がらなくなった結果、ナシの花が咲かなくなり、実ができなくなった。本来8月頃1キロ350円くらいで出回るのに先駆けて、九州ではハウス栽培で6月に1キロ1000円で市場に出していたのだが、温暖化のせいで大打撃だ。」
というような内容だった。
   
「そうか、それは困った。やはりCO2は削減せねば。」と思う人もいると思うが、昨日の会話が頭にあった僕は
   
「ナシは季節どおり8月に食えばよろしい。6月に食うから余計な金を払わねばならなくなる。季節の旬の野菜や果物を食べるから季節を感じるのであって、ハウスものが主流になったら日本人の季節感がメチャクチャになってしまうゾ。そもそもハウスを暖めるために化石燃料を燃やしたら、さらにCO2を排出し自らの首を更に絞めることになるのではないだろうか?」
  
朝食のトーストをかじりながらそんなことを考えていた。
  
今日の一枚は某政党のポスター。
打倒CO2とうたってある。
CO2を増やす行為を減らすことが本来の目的であって、「打倒」ってちょっと違うような気がしてしまったのだが、まぁあまり細かいことは野暮というものだろうか。


2008年9月7日日曜日

カキ Diospyros kaki
  
  
今日も蒸し暑く、狂ったゲリラ豪雨はまだ続いている。
  
でも夜になるとどこからともなく、リーリーと虫の鳴き声が聞こえてきて、暑さもあとちょっとの我慢だと思われる。
  
さて、秋の味覚のひとつとしてカキがあろう。
  
まだ葉っぱが付いているけど、11月~12月頃であれば、全ての葉っぱが落ちてカキの木にオレンジ色のカキが鈴なりになっているという光景を見たことがある人も多いことだろう。
  
一番上の写真が5月31日、二番目が6月5日、そして三番目が9月5日に撮ったものである。
同じ樹ではないので悪しからず。
  
こうやってみると季節は確実に進んでいるなぁと実感できる。
  
まだ小さかった頃、祖父が庭にあったカキの木から葉っぱを取ってきて、他の果物と一緒にミキサーにかけてゴクゴクと飲んでいたことを思い出す。
カキの葉療法なんて民間療法もあるようで、花咲ジジイのじいさんは当時としては先端をいっていたのだろう。
  
カキの木はもろくてポキっと折れやすいので、「ヨーシ、お父さんがカキを取ってやろう。こう見えても昔は木登りが得意だったんだぞう」などと言ってスルスルとカキの木に登るととんでもないしっぺ返しを受けることもありえるので要注意である。
  
そんなカキに関するアレコレでした。
  

  

2008年9月6日土曜日

ヘクソカズラ Paederia scandebs
    

   
「おーい、これなんだか知ってる?」
親方が僕に聞いた。
  
「ハテ、なんでしょうねぇ・・・」
「おう、これはヨ、へクソガズラってのヨ。ニオイ嗅いでみ、くせーからヨ。だからへクソ(屁糞)カズラってのヨ」
  
親方の知識はスゴイ。学ぶことが沢山ある。
でも、ときどき笑っちゃうようなことをマジメな顔をして言うので、どこまで信じていいか、そのさじ加減が微妙なときがある。
しかし、いずれもウソはなく、あとで調べてホーと勉強なることがいつものことなのだ。

例えば「ションベン虫」というのがあって、これもツマグロオオヨコバイという名前で実在した。(花咲ブログ 3月5日 「啓蟄」 参照)
  
そんなわけで、家に帰って調べたら、ヘクソカズラはやはり実在した。
解説も、親方の言ったとおり「茎や葉をもむと嫌なニオイがします。それで、こんな名前がついてしまいました。」とあった。
  
おそるべし親方の博識。
  
僕の永遠のアイドルである。
  
  

2008年9月5日金曜日

収穫の秋
    


  
今日、とある御宅の手入れにうかがった。
  
そこはそんなに大きい敷地ではないながらも、実に色んな木が植わっていた。
しかも食べられるものが多い。
  
モモ、カキ、ミカン、カリン、ブドウ、カラスウリ、クリ、ビワ・・・。
  
よっぽど好きなんだろうな、と知れた。
  
でもそれらが限られたスペースにひしめくように植わっていたので、ちょっともったいないけど、かなり思い切って剪定した。
  
そしてお茶の時間に撮った写真がこれだ。
ブドウクリカラスウリカリンカキだ。
まだまだ青くて、熟すまでもうちょっと時間が掛かるけど、ブドウなんかは甘くて美味しかった。
こうやって見てみると、収穫の秋は間違いなく近づいてきてる。

  
今日もまだまだうだるほど暑かったけど。
  

  

2008年9月4日木曜日

ナメテン
    

    
昭和のころ、ナメ猫ブームというものがあった。
ネコちゃんたちが「なめんなよ」といって、学ランを着ていたりするやつである。
  
僕はこのテントウムシを撮って、思わず「なめんなよテントウムシ」 略して「ナメテン」と命名することにした。
吊りあがった目、鋭い眼光・・・・、に見えるではないか。
  
正式にはナミテントウという種類の、テントウムシらしく、やはりアブラムシを食べるらしい。
  
写真を撮って、モニターを見るまで気付かなかったのだけど、改めてモニターを見て一人でフフフっと笑ってしまった。
どうしたって、にらみを利かせたテントウムシに見える。
漫画のようだ。
  
自然界には結構オモシロイことが多いよな、ということで4日間に渡る、アブラムシ、アリ、テントウムシを巡るアレコレについては一応お開きにしたいと思う。
  
また機会があれば、追加情報を随時お知らせして参ります。
お付き合い有難うございました。
  
  

2008年9月3日水曜日

Aphid Story 3
  
  
今日も引続きアブラムシのお話の続きである。
  
アブラムシは繁殖力が旺盛で、アリと共存関係を築き、なんとも明るく楽しい生活のようだが、それを脅かす存在がある。
その代表格がテントウムシだ。
  
テントウムシはタマゴからかえって幼虫の段階から、アブラムシを食って食って食いまくる。
  
ナナホシテントウムシに代表されるように、テントウムシは赤くて小さくてサンバを踊りだしてしまいそうな可愛いやつらだけど、その幼虫はどのようなものか御存知だろうか?
  
2枚目の写真がそうである。
テントウムシとは似ても似つかないけど、アブラムシをバリバリと食べている。
   
そしてサナギになるとどんな風になるかというと、こんなカンジである。
  
  
幼虫のときよりも、テントウムシっぽいけど、まだ何か違う。
  
そして、ようやく我々が良く知るテントウムシになる。
  
こうやって幼虫と成虫のカタチが全く違うので、これを完全変態という。
  
そんな訳で、アブラムシの駆除の方法として、テントウムシが来やすい環境づくりをすれば薬品に頼ることなくそれを達成することができると言える。
これを、薬品に頼らないという意味で「オーガニック・ガーデニング」という場合もある。
  
テントウムシを自分の庭で見かけたらば、それは良い知らせと言えるけど、全てがそうかといえばそうではない。アブラムシを食べる彼らは益虫として分類されるが、中には植物を食べたりする種類もいる。
  
彼らは益虫ではなく、害虫と言われる。
  
同じテントウムシでも色々あるものだ。
  
  

2008年9月2日火曜日

Aphid Stroy 2
  


  
昨日に続いてアブラムシである。
  
実はアブラムシについてはいつか書こう、と日々写真を撮り溜めたりしていた。
  
アブラムシは園芸が趣味の人、植物好きな人にとってはとても知られている代表的な害虫であるが、その生態を知れば知るほど、スゲーと驚嘆してしまうのである。
  
早速、お二方からコメントを頂戴した。
  
「アリが間違ってアブラムシを食べる・・・」というのはまさに間違ってしまった場合で、あまりそれはないと思う。アリの好物はあくまでも甘い汁なのだから。多分。
  
そして今後のストリーを見透かしたかのようなぴーさんのコメント。
実はこのアブラムシには天敵が幾つかある。
  
代表的なのがテントウムシで、その辺はまた後ほど述べることにする。
  
ぴーさんのコメントにあったようにアブラムシには色んながある。
昨日のは黒。今日のは赤だ。他に緑もよく見かける。

因みに英語でアブラムシは一般的には Aphid だけど、黒いやつは blackfly 緑のやつは greenfly という。では、赤いやつは redfly というかといえばで、この辺がちょっとややこしい。
  
それそれのアブラムシには「ワタシはこの植物にしかつきません」という、好みが明らかにある。
英国で勉強していたときの、害虫に関してのバイブルと言われている「Pests, Diseases & Disorders of Garden Plants」という本には62ものアブラムシについて解説してあったりする。
  
これでもまだ氷山の一角だろう。
  
今日申し上げたいのは、彼らの増え方だ。
スゴイので心して聞くように。
  
ムシとは、タマゴを生んで、幼虫になり、さなぎになって、成虫っていうのが普通のパターンだろう。
アブラムシも当然そういう一面を持っている。
  
が!
初夏の頃は、アブラムシは胎生といって、親のお尻から子供が小さいアブラムシとして続々と出てくるのだ。しかも交尾もせずにバンバンと。
  
ちょっと前、「子供を生む機械」なんて言葉が問題になったけど、彼らはまさにマシーンである。
ミニチュア・アブラムシをバンバン生んでいって、その数が爆発的に短期間で増えるのだ。
しかも生まれてくるのはメスだけ
  
これでどうしてこんなに増えるのか、という説明がつく。

今日の写真も縮小率を下げてあるので見てほしいのだけど、羽のはえた赤い大きいアブラムシの脇に数匹いる小さいのは、羽がないだけでそのまんまミニチュア・赤アブラムシではないか。
  
しかし、これだけではない。秋ごろになると不思議なことに突如オスを生んで、胎生から卵生、すなわち普通のムシのパターンに戻ってタマゴを産み、それが越冬する。
  
更に続くぞ、アブラムシの驚異。
  
そんなにアブラムシが増えたら、食べ物がたりなくなったり、居住スペースがなくなったりして問題があるのではないか?という疑問を持ったアナタ。なんのなんの、彼らはスゴイのだ。
それは、ある一定数以上のアブラムシの数になると、彼らはある種のフェロモンを出す。このフェロモンは、彼らの天敵が好むフェロモンで、敢えて天敵を呼び寄せ、増えすぎた仲間達を食べてもらうことで、快適な人口(?)の維持に努めているのだ。
  
どーです。ビックリでしょ、アブラムシ。
あなどれないですね。
 
アブラムシ話は尽きないけど、今日はこの辺で。
   
   

2008年9月1日月曜日

Aphid Story
   

この写真はなんだろうか?
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縮小率をいつもよりも下げてあるので、是非クリックして見ていただきたい。
あまりグロなものではマズイと思って、ソフトなやつなので安心して拡大して見て欲しい。
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黒くて大きな虫が一匹、黒くて小さな虫が6匹いるのが見える。
大きな虫はで、小さな虫はアブラムシだ。
なにやら蟻がアブラムシを前に説教をしているように見えなくもない。
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今日の題名もいきなりアブラムシとすると読んでくれない人もいるのではと思って、Aphid(アブラムシ)とソフト路線をとってみた。
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さて、ここからが深い話になる。
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実は蟻とアブラムシは 共生 の関係にある。
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それは何かと言うと、アブラムシは植物から樹液を吸いまくる。アブラムシはお尻についた2本の角のような部分から、甘い液をプププッと吐き出す。
この液はアブラムシ自身が小さい為、いわば霧のような粒になり、かつ大量のアブラムシが木につくため、アブラムシのいる木の下を通ると、「あらっ、雨かしら?」と思って上を見上げたりすることになる。
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この液は甘い ので、ベタベタする。
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悲惨なのはアブラムシのいる木の下に屋根なしの駐車場を借りているような場合である。
愛車はホンの数日でベタベタになり、そこに黒いカビのようなものがはびこる。
何年もそんなことが続くと、愛車は輝きを失い、塗装にも影響がでてくる。
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そんな迷惑千万なアブラムシだが、蟻にとっては有難い奴らなのである。
なんてったって、好物の甘い汁を出してくれるのだから。
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そこで、蟻とアブラムシは契約を交わす。
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「オレが外敵から守ってやるから甘い汁をヨロシク」
「ハイっ!こちらこそヨロシクです」
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なんてやり取りが上の写真だろうか。
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かくしてアブラムシあるところに蟻アリという図式が成り立つのである。
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この話、とても奥が深くて興味深いので、今日は序章ということで。
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