2009年8月31日月曜日

花散らし
    

   
TVのスイッチをひねると、選挙台風がもっぱらの話題である。
   
この前書いたけど、コチョウランと選挙には大きな因果関係があるのだが、当選者のところにはコチョウランが沢山届いているころだろうか?
   
さて、写真は昨日ちょっと降った雨のあとに撮ったもの。
   
排水溝に雨水と一緒に流れてきていたのは花びらであった。
   
淡いピンクと濃い赤の花びらだ。
  
何だかお分かりだろうか?
  
そうです、サルスベリです。
  
夏の花であるサルスベリも今日の台風であらかた散ってしまうことだろう。
  
セミの声もどんどん細っていく今日この頃。
8月も今日で終わり、いよいよ季節は秋へとむかう。
  

  

2009年8月30日日曜日

東京タワー
   
   
この前、都内を自転車で疾走していた折に思わぬ絶景を目にした。
   
それは夕方の芝公園
   
丁度夕暮れどきで、東京タワーが夕陽に映えて、芝公園のバラの花壇が文字通り華を添えていた。
   
自転車で一旦通り過ぎたのだが、思い留まってUターンした。
   
写真にその風景を収めたつもりなのだが、こうやって見てみるとイマイチその素晴らしいニュアンスが伝わってこない。
残念であるが仕方ない。
   
申し上げたいのは、東京という大都会であっても時として息をのむような絶景に巡り合えるということで、その絶景の手助けをしているのはえてして植物である場合が多いということである。
   
・・・なんでもっと上手く写真が撮れなかったのか?
腕のせいか? カメラのせいか?
   
なんか悔しい一枚である。
  
  

2009年8月29日土曜日

トマト食べ放題?!
   

  
この前遊びに行った先でこんな気の利いたサービスがあった。
   
「完熟トマト」
ご自由にお召し上がりください。
  
・・・なんとキップの良い!!
   
最近は年齢のせいか、昔ほど食べれなくなったが、それでも「食べ放題」みたいなフレーズには滅法弱い。
これは決して食べ放題ではないが、自由に3つパクついてみた。
   
氷で冷やされたトマトを、塩をかけてシンプルに頂く。
いやいや、本当にウマかった。
   
最近のスーパーでのトマトの高騰ぶりを知っているだけに、この気前の良いサービスにとっても嬉しくなってしまった。
   
さて、話はまったく変わるが、この花咲ブログは一日大体100人くらいの方に読んでいただいている。
ところが、昨日はナント2300人以上の方々に見ていただいたようなのだ。
   
何かの間違いではないか? とは思ったのだが、特にそんな気配もない。
そして今日は・・・ また100人くらいの通常のペースに戻った。
   
何だったのだろう??
  
  

2009年8月28日金曜日

ケヤキの息吹を聞け!
   

   
広場に大きなケヤキがあった。
   
これもまたとても美しい樹形をしているし、サイズも立派な魅力あふれるケヤキである。
   
僕はフラフラと誘われるようにケヤキに近づいていって、そのケヤキに頬を寄せた・・・・。
   
実はこれは嘘ではない。
本当だ。
写真を見るとケヤキの奥にすべり台が見えるだろう。
   
すべり台で遊んでいた子供がそばにいたお母さんに
「ねぇ、あの人何してるの?」
「あのオジサン、写真撮ってるね」
と逐一話題にしてくれるので、何ともいえない恥ずかしさがあった。
   

   
でもそれを禁じえなかったのだ。
   
何故か?
    
実は以前から、夏の暑い時期はこのケヤキのような巨木は大量の水分を蒸散するのだけど、その分の水分を地中から吸い上げ、幹の中を吸い上げた水分が通過する音が シューシューと聞こえる と聞いたことがあったのでかねがね試したいと思っていたのだ。
   
その水が幹を上っていく音を聞きたくなって、抱きつくような姿勢で耳を幹肌に押しあてたのだ。
   
なんたるピュアな好奇心!
   
でもそんなことを思っているのは僕だけで、傍から見れば キモイおっさん としか映らなかったことだろう。
   
で、どうだったのか。音は果たして聞こえたのか。
   
残念ながら、何も聞こえなかった。
   
何故かと考えるに
①その周りの子供の声がうるさかった
②音をたてて吸い上げるほどの十分な水分が根元になかった
といったあたりが理由ではなかろうか。
   
白昼堂々、ケヤキに抱きついて頬を寄せた勇気ある行動も無駄骨だった。
  
でもこれだけ大きな樹になると何かが宿っているというのはジンジンと伝わってくる。
  
皆様も大樹を見たら抱きついてみては?
  
   

2009年8月27日木曜日

リョウブ Clethra barbinervis
   
  
週末に御殿場方面に遊びに出かけたときのこと。
   
なんか珍しい樹を見かけた。
   
小さな花が房状(総状花序)になっていて、遠くからはクリの樹に見えた。
  
でもクリの花はもうとっくに終わっているはずだし・・・・
   
   
近寄って見てみると、クリと決定的に違うものがあった。
  
幹肌」である。
   
すべすべした感じはサルスベリに良く似ている。
   
樹形が美しい事、花が咲いていた事、幹肌がユニークであった事、とトータルで見て良い樹だなぁと思って思わずパチリとやった。
  
  

2009年8月26日水曜日

お知らせ
   

   
突然ではありますが、花咲ジジイよりお知らせがあります。
   
この度ホームページなるものを立ち上げることにいたしました。
    
その名を 花咲園芸総研 と申します。
URL は http://hanasaka-engei.com/ です。
   
まだ開設したばかりで至らぬことが多々あることかと思いますが、花咲ブログ同様よろしくお願いいたします。
  
花咲ジジイ
  
  

2009年8月25日火曜日

ハエトリグサ Dionaea muscipula
   


   
知っている人は知っている 知らない人は知らない
   
当たり前か。
    
その辺にはえてはいないけど、知っている人が多いのではないかと思うのが今日のハエトリグサである。
   
いわゆる食虫植物といわれる植物で、子供の間では大人気である。
どの辺が大人気かと言えば 植物が虫を食う というなんともSFチックなところではないかと思う。
    
見てくれもご覧の通り怪物が口を開いているように見える。
   
実際これでハエなどの虫を捕えて消化して栄養分(窒素)を吸収する。
ハエくらいならまだ当たり前で、カエルなんかも捕まえちゃったりするというのだからオドロキである。
  
そもそもこのハエトリグサはアメリカ北部の湿地帯に自生し、土がやせて栄養分が少ない場所に育つため、その栄養不足を虫などで補っている訳である。
   

この口のような形をしているのは葉っぱの一部で、口の内側に3つの小さな突起がある。
この突起を感覚毛といって、ここに2回以上の刺激が加わると エサ と判断して素早く葉っぱが閉じる。
しかし、1回触っただけでは閉じない仕掛けになっている。
   
これは何故かというと、葉っぱを閉じるのにはエラいエネルギーを使うから。
つまり寿命に直結しているのである。
言いかえれば命と引き換えに開いたり閉じたりしているので、エサでもないのに葉っぱはそうそうたやすく閉じていられないということなのだ。
   
ホームセンターやデパートで子供が面白がって葉っぱが閉じるようにチョイチョイいじっているのを見かけるけど、それは彼らにとってはいい迷惑なのだ。
   
・・・ このハエトリグサにしても他の食虫植物、例えばウツボカズラモウセンゴケなど面白い話がいっぱいあるのだが、あまり一気に書いてもつまらないので今日のところはこのあたりで一旦止めておこうと思う。
   
続編をすぐ書きたいところだが、写真が今すぐ手元にない。
花咲ブログは花咲ジジイが実際に撮った写真に文章を添えることを旨としているので、今しばらくお時間を頂戴できればと思う。
乞うご期待である。
  
   

2009年8月24日月曜日

何が・・・・
     

   
ここで何が起きているのか?
   
実はこれは散歩をしていて見かけたものなのだけど、昨年の12月08日の花咲ブログ 「犯人に告ぐ」 を読んでみてほしい。
   
約9カ月前にはここに張り紙が出ていて、ツツジを抜く心無い人にメッセージが送られていた。
   
想像するにその後も改善は無かったのだろう。
この前見かけたらば、金網有刺鉄線がなんともトゲトゲしく花壇を囲っていた。
   
花壇の中には何が植わっているのかもこれでは分からない。
なんともトゲトゲしく、そして痛々しい。
   
本来、我々の気持ちを潤したり、和ませたりしてくれる植物たちを、こうやってグラディエーターのような恰好をさせてしまうのは本当に残念なことである。
   
そういえば昨年、新聞などで何度も報道された 花壇の花を抜いて捨てる事件 は最近は聞かなくなった。
大衆の関心が薄れて報道されなくなっただけなのか、それとも実際にそういった心無い事件がなくなったのかは謎である。
   
なんとかならんかなぁ。
   
   

2009年8月23日日曜日

No Green No Life
   

   
近所を散歩していて車にこんなステッカーが貼ってあったのを見かけた。
   
No Green No Life

ダイミネがどこなのか分からないが、鎌倉のどこかの緑を守ろうというステッカーなのだろう。
   
これは某音楽CMの

No Music No Life

というコピーからきているのだと思う。
   
花咲ジジイ的には

No Beer No Life

といってはばからないのだが・・・。
     
ともあれ、こういった気の利いたデザインのステッカーだと皆の意識をそこに向けることが出来てとても良いと思うのだがいかがだろう。
   
・・・ えっ!今日はこれだけですか?? これは手抜きでは??
   
そういうお叱りの声を頂きそうであるが、実は今日は遊びに出掛けていて、夕方御殿場から東名高速に乗った。
  
ところが乗ってほどなく大大大渋滞に巻き込まれてしまった。
御殿場から用賀までほぼ全行程ノロノロ運転ではなかったか。
   
マイケルダグラスフォーリングダウンをという映画を思わず思い出した。
    
高速をノロノロ運転というこの矛盾に約5時間耐えて、ついさっき帰宅した。
    
帰宅して一番最初にすることは何か?
   
それは花咲ブログの更新である。
    
そして実は 「書き終えたっ!」と安堵に包まれたところ、無線LANの不具合でアップができないどころか、書いたものを全て失ってしまった。
   
大ショックである。
   
ボヤいても仕方がない。

同じ内容を思い出しつつこれが2回目のトライである。
   
もはや瞼を開けているのもツライので今日はこの辺で失礼します。
   
オヤスミナサイ。
  
   

2009年8月22日土曜日

カクレミノ Dendropanax trifidus
    

   
カクレミノ・・・ と聞いて何を連想するだろうか?
   
個人的なことで恐縮であるが、僕の場合、幼き頃祖母が読んでくれた 「天狗のかくれみの」 というお話を思い出す。
   
ご存知の方も多いと思うが、
天狗のかくれみのをコッソリ手に入れて姿を消して、悪さを連発する少年だが、ある日納屋に隠してあったかくれみのを家の人に燃やされてしまう。
かくれみのを諦めきれない少年は燃えかすの灰を我が身にまぶして再び姿を隠して悪さをする。
しかし、喉が乾いたときに水を飲んだところ、口のまわりの灰が落ちて正体がバレてしまう・・・・
   
という元祖・透明人間のような話。
   
これを興奮して聞いた覚えがある。
もしも透明人間になれたら・・・ なんて空想しまくったものである。
   
そして大人になって、このカクレミノという植物を知った。
植物そのものよりもその名前に惹かれた。
   
植木屋をやっていると色んなお宅でお目に掛かる植物ではあるが、これといってエキサイティングなものでもない。
アオキのように日陰にも耐える常緑ものなので割と重宝がられる。
   

    
花が咲いて実がなると写真のようなカンジなのだが、見たカンジがヤツデ Fatsia japonica に似ている。
それもそのはず共にウコギ科 ARALIACEAE である。
   
面白いのは葉っぱのカタチ。
この3つに裂けた形が 隠れ蓑 に似ていたのでカクレミノの名前がついたのだろう。
   
木がまだ若いうちはこのようなカタチの葉っぱだが、木が熟してくると葉っぱのカタチが裂け目無しの普通の楕円の葉っぱのカタチになってくる。
   
この辺も面白いところである。
  
  

2009年8月21日金曜日

オシロイバナ・ロード
    

   
仕事を終えて自転車で帰宅する途中で、道路沿いの植え込みがオシロイバナで埋まっている場所があった。
壮観である。
    
オシロイバナについては花咲ブログでは昨年9月10日に軽く述べた。
   
・・・もうすぐ一年か。
時の経つのは本当に早い。
   
既にざっとご紹介してあるので、付け足し的にもうちょっと。」
   

   
オシロイバナには花びらは無い。
花びら のように見えているのは実はガクなのである。
   
仕事を終えて夕方に見かけたというのもミソで、オシロイバナは夕方から夜にかけて咲くのである。
それは蛾に花粉を運んでもらうため。
   
それまであまり意識したことはなかったけど、これだけまとまって咲いているとかなりの芳香を放つ。
なんというかとっても甘い香りである。
  
あまり匂わない花もあるが、何かしら香りを放っているものが多いので、花を見かけたら鼻を近づけて是非クンクンとやっていただきたいものである。
  
    

2009年8月20日木曜日

珍 植物2
   

   
非日常な植物第二弾。
   
昨日のヒスイカズラを見た方からは 「怖い感じ」 というコメントを頂戴した。
そうなんです、植物の世界は本当に多様なんです。
   
カワイイやつ、キモイやつ、コワイやつ、スゴイやつ・・・・
   
そして今日は温室を盛り上げる刺客第二弾である。
   
これは Thunbergia mysorensis という。
和名は・・・・ 分からない。
   
黄色と、エンジ色のツートンカラーが何とも個性的である。
昨日のヒスイカズラに加えてこんなのもが天井からぶら下がっていたら、かなりエキサイティングだと思うのだけどいかがなものか??
   
旭山動物園が全国から人を集めるように、植物園も立派なエンターテイメント性を持って多くの人たちにアピールできる潜在的な力を持っていると思うのだけど。
  
   

2009年8月19日水曜日

珍 植物
   

   
身近な植物を題材とすることを旨としている花咲ブログですが、今日はちょっと変わりものをご紹介しようかと。
  
数日前に立川の清掃工場付属の温室について書いた。
何か 目玉 があると良いのではないか、例えばヒスイカズラとか・・・ と書いたのだけど、ヒスイカズラをご存知の方は少ないと思うのでご紹介しようと思う。
   

   
ヒスイカズラ Strongylodon macrobotrysマメ科の植物で、フィリピンなどのごく限られた場所でのみ自生する。
   
なんといってもその色がスゴイ。
写真は青色がうまく伝わらないのことが多いのであるが、このヒスイカズラは青というか、緑というか、まさに ヒスイ のような色をしているためにこの名前がついた。
   
デルフィニウムのような青さとも違うし、スプレーマムのような緑とも違う。
とにかく独特なのだ。
    
言葉にしづらい。
   
こうやって書くと 「どれどれ一体どんな色の植物だ?」 と見たくなるでしょ。
そういう目玉を幾つか揃えれば、植物マニア、写真マニア、家族連れ、カップルなんかが大挙して押しかけるようになると思うのだけど。
  
要は、工夫と、プレゼンテーションであると思うのだけど。
  
   

2009年8月18日火曜日

都会の涼
    

    
気象庁によると、あと5日もすると気温がグッと下がって、秋めいてしまって、夏らしい夏がないまま夏が終わるのだとか。
   
冷夏だ冷夏だというけど、皆そんな実感はあるだろうか?
新聞に目をやると例年よりもエアコンの売り上げが少なかったなんてことを言っているが、仮に暑かったからといっても毎年エアコンを買い替える人も少ないだろうし、エアコンの普及率を想像するに、夏の暑さとエアコンの売り上げの相関関係はそれほどでもないような気がする。
  
そんなことはさておいて、というのはなんか涼しげな感じを醸し出す。
実際気化熱の仕組みもあって実際に気温が下がるというのもあると思うが、チョロチョロでもザーザーでも、水が作りだす音には清涼感がある。
  
庭を考えるときに、噴水でも、池でも、小川でもなんでも良いが水が関わる何かがあるとアクセントにもなるし、夏の間は涼しげな雰囲気を作り出すのでとても重要なエレメントである。
  
写真は飯田橋と水道橋の間あたりにある商業施設で見かけた噴水だ。
先端を切り取った円錐型の噴水で、水が絶え間なくザーザーと流れていた。
見ているだけで何となく涼しい。
   

   
そしてその脇のオオムラサキツツジの植え込みに看板が出ていた。
   
木や植物を大切にしましょう
   
女性らしき人が花を切り取っている絵が描いてある。
初めて見るパターンだ。
   
ここで なんでこれが男性ではなく女性なんだ とか 木は植物じゃぁないのか とかそういった議論はせずに、シンプルに 大切にせにゃいかんなぁ ということで残り少ない夏を楽しもう というお話しでした。
   
   

2009年8月17日月曜日

ムラサキシキブの花
   

   
今日も暑かった・・・ けど、なんとなく秋めいてきてはいないだろうか?
   
確かに暑いんだけど、朝晩ちょっと涼しい風が吹いたり、夜にはコオロギだろうか、リリリ・・・と鳴く声が聞こえる。
相変わらずセミはうるさいけど。
   
さて、そんな季節の移り変わりを予感させる今日この頃、近所を散歩していて地味な花が咲いているのを見つけた。
   
これは恐らくムラサキシキブだろう。
ムラサキシキブは昨年10月30日に花咲ブログでも紹介したのだが、とにかく紫色の小さい実が目を引く個性あふれる植物である。
   
実が付いていると個性的ではあるが、それ以外の時期は案外地味である。
ムラサキシキブの実がどんなものか頭に浮かぶ人がいても、その花がどんなものか頭に浮かぶ人は少ないのではないか?
   
そこで今日の1枚となる。
   
枝から葉っぱが出ている部分(これを葉腋という)から花柄が出て、その先が二つに分かれて対で花が咲く。
葉っぱはといって、枝を挟んでペアで付いているのが分かる。
   
枝の一部ではまだ花が咲いているし、枝の一部では受粉が終わって、花が茶色くしおれているし、枝の一部では紫ではなく緑色の若い実が既にスタンバイしている。
   
これがあと数カ月で濃い紫色へと変化していく。
実りの秋へカウントダウンである。
  
   

2009年8月16日日曜日

カポック Scheffelera arboricola
   

   
暑いと言っても始まらないが、暑い
   
ちょっと新宿に用事があって自転車で明治通りを突っ走っていたのだが、信号待ちでの直射日光に耐えられず、歩道に乗り上げて日陰で信号が変わるのを待っていた。
   
ふと、オレンジ、黄色、赤が混ざった実を付けた植物が目に入った。
   
何だ?
  
自転車を降りて観察してみると、それはカポックであることが分かった。
カポックというのも、なんというか面白味に欠ける、年がら年中緑の葉っぱの植物だと思っていたのだが、こんなにカワイイ実を付けるとは知らなかった。
   
もっと近寄って見たい気もしたのだが、生憎誰かのおうちの門の中だったので、写真だけをパチリとやった。
   
するとその家の持ち主らしきおじさんが、僕を見て怪しいと思ったのだろう。
「なんですか?」
と、無愛想な声で聞いてきた。
  
そりゃそうだ、いかつい怪しいオッサンが自分の家に向かってカメラを向けていたら 「なんじゃい!?」となるだろう。
  
自分でそれが分かっていながら、無愛想な声にちょっとカチンときて、こっちもぶっきら棒に 「ええ、これが綺麗だったんで・・・」 とカポックを指差した。
    
するとオジサンの表情がちょっと緩んで 「ああ、これね。へえ、実がなってんのかぁ」 と話しかけてきた。
「これも写真撮ってよ。綺麗だから、ホオヅキ。」
といってアサガオの鉢を指差した。
   
ホオヅキ市アサガオ市が似てるもんで、頭の中がごっちゃになってしまったのだろう。
  
「これはホオヅキじゃなくてアサガオですよ。ほら今朝咲いたのが萎んでるでしょ。」
「あっ、本当だ。いけねぇいけねぇアサガオだった。ガハハハ・・・」
   
アサガオでもホオヅキで、そんなのなんでもいいじゃないの という豪快なおじさんだった。
  
   

2009年8月15日土曜日

桃 と 葡萄
    

    
いやいやこの数日の日の照りはヤケクソ的だ。
この前、花咲ブログで 「日照時間が足りないんだ!」 と言ったのが聞こえちゃったのかな。
   
朝起きた時からすでに痛いほどの強い日差しで、出掛けるのをためらってしまう。
   
こんなときは家にいて、テレビでも見てのんびりしたほうがいいのだろうか。
   
そんなときに冷えた美味しい果物があればシアワセである。
   
実は昨晩友人が訪ねてきたときに、大きなブドウと、ピチピチのモモを手土産に持って来てくれた。
   
デラウエアなども美味しいが、どこかみみっちくて、ガブリ、ムシャムシャ、ジューシーというブドウが食べたくなることはないだろうか。
でもそういうブドウは、えてして「ブドウ様」といった面持ちで恭しく果物屋さんで一段高い棚に陳列してあったりして手に取るには躊躇してしまう。
   
モモはそれほどでもないながらも、本当に美味しそうなモモはかなりのお値段がする。
モモも、グッと冷やして、柔らかくてジューシーな果肉にかぶりつく時の心の高ぶりったらない。
 
この夢のような果物を持って来た友人に心から感謝である。
モモなんか二つちょこんと箱の舟にのってドンブラコ、ドンブラコといった感じな辺りがなんともニクイではないか。
  
モモもブドウも夏の果実ってことで、つくづく季節の恵みに感謝だなぁ。
  

   

2009年8月14日金曜日

立川清掃工場
    
   
ずいぶん引っ張るなぁと思わないでいただきたい。
   
先週末BBQに昭和記念公園に自転車で繰り出したときのこと。
   
何かあったら撮るべし、とコンパクトデジカメをいつも持って歩いている花咲ジジイである。
昭和記念公園まであと5キロくらいまで来たときに、目に留ったガラス張りの建物があった。
   
   
それはいわゆる温室であった。
   
温室での仕事もかなりの期間やっていたことがあったので、懐かしさにも似た「何か」に引き寄せられるように自転車から降りて近づいていった。
   
自動ドアをくぐると、受付におじさんがいた。
    
「スミマセン、中を見ても良いんですか」
「ええ、どうぞどうぞ」
   
見廻したところ僕以外誰もいない。
    
温室はざっと10×15メートル程度のもので、高い天井にヤシの木のようなものと、パパイヤの木が数本、そして小さな池にハスが浮かんでいた。
   
   
この木がパパイヤの木 Carica papaya である。
実がなっているでしょ。
   
正直言って、あまりエキサイティングな空間ではなかったが、こんなものが清掃工場の脇にあるのか、と思うと何とも不思議な感じだった。
これは清掃工場でゴミを燃やすときに発する熱を利用して、この温室を冬でも熱帯のジャングルのように保てるという意味なんだろうと思う。
温水プールが清掃工場の脇にあるのと同じ理屈だ。
   
ただ・・・、なんかもったいないなぁと思ってしまうのだ。
折角の施設なのに、あまり人が来ない。
折角の施設なのに、興味をそそるようなものが置いていない。
折角の施設なのに、害虫がかなりいた。
    
とにかく、折角の施設なのにもったいない と思うのである。
    
折角なのだから、中をもうちょっと整備して、興味がわくものを育てて、もうちょっと宣伝すると見違えてその価値がググッと上がるのではないかと思うのである。
   
それにはお金が掛かるというのも分かるけど、ほんのちょっとお金を掛けてもっと人が来るような施設じゃなければ、何のための施設か分からんではないか。
   
僕ならまずガラスをピカピカに磨き上げ(これによって病害虫が減るし、光の透過率が上がって熱効率も上がり、見た目も良くなる)、数は少なくとも遠くからでも人が興味を持って来てくれるようなものを育てる。例えばヒスイカズラとか、バナナとか、トケイソウとか・・・・
  
そんなことを思いながら知られざるナイスな施設を見て回った。
  
   

2009年8月13日木曜日


校庭の芝生化 その後・・・
   
   
この前、片道40キロ自転車に乗ってBBQに行ったと話したが、途中でとある学校の前を通り過ぎようとしたところでブレーキを掛けてUターンして学校まで戻った。
    
何故かといえばその芝生が張られていた青々とした校庭が変わり果てた姿になっていたからである。
   
以前花咲ブログで書いたのは昨年の11月20日
そろそろ冷え込みが厳しくなってきた頃であった。
校庭の芝生はご覧の通り青々と輝いていた。(写真上)
    
しかし、8月9日に見た校庭は芝のかなりの部分が茶色くはげてしまっていた。(写真下)
お分かりになるだろうか、奥の針葉樹の下あたりが茶色く土がむき出しになっているでしょ。
   
   
これはどうしたことか、と想像すると
恐らく子供たちが芝生を喜んで連日この上で遊んだ → 土が踏み締まった → 芝の根がやや窒息状態になって枯れた
    
あるいは
この夏場の暑さ、特に蒸し暑さで芝が蒸れてしまった、更に水が足りなかった
   
といったあたりではないかと思うのだけど。
   
とにもかくにも芝の管理は案外大変なものなのである。
   
芝を張って子供たちの喜ぶ顔を見るまでは良いが、その笑顔を絶やさぬようにするためには並みならぬ手間が掛かるということである。
子供たちが夏休みで校庭を使わない間に、シッカリと休息をとって、夏休み明けには元気な芝に戻って欲しいものである。
   
校庭の芝も夏休みってことだな。
  
   

2009年8月12日水曜日

晴れ間
    

   
今日は久しぶりに強い日差しが照りつけている。
   
でも何日振りかなぁと記憶をたどれども怪しいくらい、ここしばらく天気に恵まれていなかった。
   
植木屋として外働きをしているときには、ちょっと曇っていたほうが楽のは間違いない。
しかし、それで良いのか?
   
実は良くないのである。
   
この前、花を生産している農家の方と話す機会があった。
   
今年は冷夏だかなんだか知らないが、梅雨明けにも曇り空が続き、日照時間が例年に比べれば圧倒的に少ないんだそうだ。
で、育てている鉢ものの花の生育が遅れてしまっているのだ、といって浮かぬ顔をしていた。
   
新聞でも、この天気が農作物に与える影響なんかについても連日触れていて、野菜の値段が高騰してきているというのはスーパーに買い物に行っても分かる。
   
植物が育つには色んな条件が必要で
水、適当な温度、太陽光、空気(酸素+二酸化炭素)などは絶対で、あとはミネラル、養分、などなどである。
太陽の光が足りないというのはある意味致命傷である。
   
写真は先週の土曜日の夕方のちょっとした晴れ間をパチリとやったもの。
ご記憶にあるかもしれないが、土曜日は朝からまったく日が射さず、あまりの暗さに机にむかうときにライトを点けたほどである。
   
これじゃぁ植物は十分光合成することはできないだろう。
光合成ができなければ、彼らは腹ペコ状態になって、生長することも出来ないという理屈だ。
   
暑すぎるのも問題があるが、かといって日が射さないってのも問題である。
   
天気もおかしいが、最近は地震が続いたりして、なんかちょっと怖いカンジがするのは僕だけだろうか?
  
  

2009年8月11日火曜日

本屋にて・・・
    

   
夏休み真っ只中という方も多いのではないだろうか。
   
かくいう花咲ジジイもブログ更新時間を見ていただければお分かりのように、ちょっとしたお休み期間中であります。
    
本屋さんにフラリと出掛けて本と雑誌をそれぞれ一冊づつ買った。
    
雑誌は ソトコト で 「美しい植物と出会う、ボタニカル・トリップ! 植物愛」 というタイトルで、パラパラとページをめくってみて面白そうだったので買ってみた。
北海道の礼文島の特集があって、以前から屋久島と並んで一度は行ってみたいと思っていたので涼しげな北の固有植物の写真を眺めつつ思いを馳せてみた。
   
本は 園芸少年(魚住直子著) で帯によると「なにしろ、おれら園芸部だからな」とあって高1の少年たちの春から秋の物語らしい。
軽めの内容で、読み始めたら数時間で読み終えてしまいそうなので、夏休みらしくゆったりとしたシチュエーションで読もうと、まだ手を付けずに置いてある。
   
これはなんといってもタイトルにやられてしまった。
園芸少年・・・・
本屋で目に入った瞬間に やられた と思った。
   
花咲ジジイも、こういったタイトルでフィクションでもノンフィクションでもエッセーでもなんでも良いから書いてみたいものだと、なんとなく思っていたので先を越されちゃったなぁという やられた感 と、そのシンプルながらとっても良い話を想像してしまうタイトルの妙に やられた と思ったのだ。
  
折角の夏休み。
たまにはのんびり本でも読んでみよう。
  

  

2009年8月10日月曜日

ユリの最近のお話し



写真は、近所を散歩していて見かけたユリの花だ。

花は大きくて主張があって、見栄えがする。
しかし、好みが分かれるところで、強烈な芳香のせいもあって敬遠する人が多いのも事実。

それでも2008年度の取扱量では「キク」「カーネション」「バラ」の不動の上位3つを追って堂々の第4位につけている。

ユリを敬遠する理由のひとつに 花粉 があげられるかもしれない。

ご存じの方、ご経験のある方もいると思うが、ユリの花粉は濃い茶色をしていて、服に付いたりするとなかなか取れない。机のうえにポタっと落ちてもなかなか落ちない。

困りものの花粉を持っているのだ。

花屋さんなんかでは売りにだすときに雄しべをわざわざ取り除いて売っているケースもあるらしい。

そこで最新の品種改良においては 無花粉ユリ を育成しているらしいという話を聞いた。

雄しべ は分かると思うけど、
写真の細長くて茶色いのをといってこの中に花粉が入っている。
その葯を支えている白い柄を花糸という。
花糸と葯をまとめて雄しべと言っているわけだ。

無花粉ユリではこの葯そのものがないものを育てたのだという。

スゴイ技術ではないか。



しかし、良く写真を見ていただきたい。
茶色い葯があるからユリがユリのように見えるのであって、これが無かったらなんともユリっぽくなくなってしまうではないか。

・・・そこで、現在は葯はあるけど中に花粉の入っていない品種を開発中なのだそうだ。

スゴイ技術ではないか。

この秋からは満を持していよいよ青いバラが売りに出されるという。
花をめぐる技術開発、新品種開発というのは実はかなり熱い話題なのである。

2009年8月9日日曜日

盛 夏
   
   
昨日はホームパーティーであったが、今日はバーベキューに誘われて立川にある昭和記念公園に行ってきた。
しかも自転車で。
   
ちょっと距離感を誤ってしまい、実際にこいでみたら片道40キロもあった。
帰りに自転車を捨てていくわけにもいかず、そのまま乗って帰ってきたのだけど往復80キロのハードなバーベキューとなってしまった。
  
結構ゲッソリである。
   
友人たちには 楽勝、楽勝と強がってみせたが、内心はエラいところまで来ちゃったなぁと トホホなサイクリングであった。
   
昭和記念公園はご存じの方も多いと思うが、とにかく広大である。
その一角に野外調理場があって、そこでバーベキューができるようになっている。
   
夏休み、日曜日、天気悪からず・・・ 
当然エラい混み具合で、どこに友人グループがいるか分からず、思わず電話してしまったほどだ。
    
ここまで書いたところで、また植物の話が抜けてしまうのではないか と思われた方、ご安心を。
   
   
バーベキュー広場の脇には花畑があって、いろんな種類のヒマワリが満開だった。
一眼カメラを握りしめた、かなり真剣なまなざしのカメラマンが大勢いた。
       
僕はこの長距離サイクルゆえ、コンパクトデジタルカメラしか持ち合わせなかったのだが、数枚写真を撮ってみた。
   
黄色のド定番のものもあれば、チョコレート色のものもあれば、ゴッホのひまわりの絵で描かれたタイプのものもあった。
   
ヒマワリはいうまでもキク科の花で、夏の代表のような花である。
花咲ジジイも小学生のころ夏休みにヒマワリをベランダで育てて、日記につけるという宿題をしぶしぶやったなぁ、などと思い出す次第である。
   
  

2009年8月8日土曜日

恵みに感謝
   
   
今日はさる方からお声を掛けていただいて、暑気払いのホームパーティーにうかがった。
   
ホームパーティーとはいっても、総勢30名を越す大規模なホームパーティーであった。
しかし、なんともアットホームな雰囲気で心底和んでしまった。
   
それにしても驚いたのが、その料理だった。
テーマは旬の素材のイタリアンということかと思うのだけど、どのお皿にも気遣いが溢れていてそんじゅそこらのイタリア料理屋さんなんかよりもよっぽど美味しかった。
  
会にさきがけて、実際に調理の陣頭指揮にあたった方からそれぞれの料理に関して説明があった。
   
   
左の写真は白いのがニンニク、黒いのがオリーブでそれぞれオリーブオイルを加えシーズニングするなどしてフードプロセッサーにかけたものだそうだ。
クセがなくて思わずパクパク食べてしまった。
   
その中でも特に印象に残ったのが
夏野菜をふんだんに使ってみました。夏野菜をとると体の中が冷えて涼しくなるのです」というお話。
そうやって伺ったうえでそれぞれの料理を頂戴すると美味しさも倍増する気がした。
それは単なる気のせい、思い込みばかりではあるまい。
    
何よりも心のこもったもてなしというのは、どんなスパイスにも勝ると思うのである。
   
そんなことを思いながら夏野菜満載の料理を楽しい会話とともに堪能させていただいた。
   
恵みに、そして友に感謝である。
Buon appetito!!

2009年8月7日金曜日

エンジュ Sophora japonica
    
   
街を歩いていて、地面に黄色い何かが散らばっているのを最近見ないか?
   
もうピークは過ぎているが、それでもしつこくその黄色いものは上から降ってくる。
    
上を見上げてみる。
   
パラパラと降ってくる、それは何かと言えば 花がら である。
   
この樹を エンジュ という。
     
     
葉っぱを見てみると、小さな葉っぱが奇数ついているという 奇数羽状複葉 である。
落ちてきた花がらを見てみると、蝶形花 である。
   
・・・これは!!
そう、一昨日ご紹介したコマツナギと同じ特徴を持っているではないか。
   
エンジュは立派な木であるし、この前のコマツナギはどっちかと言えば灌木であり、草っぱらに生えているクローパーもマメ科であって、サイズは違っても皆同じ特徴を持っている。
当たり前と言えば当たり前なのだが、改めてこうやってみると 血は争えんのぉ などど思ってしまう。
  
   

2009年8月6日木曜日

丸の内パークビル
 
  
最近は建築ラッシュとでもいうのか、あちこちで立派なビルがニョキニョキと建っている。
   
そんな最新のビルはこぞって有名な建築家に依頼をするのか、なかなか見ごたえのある、ユニークな建築物が多い。
      
丸の内では、東京駅ビルが現在改修工事中だし、ついこの前出来たのが 丸の内パークビル である。
このあたりは三菱地所が力をいれていて、丸ビル同様、この丸の内パークビルも三菱地所が作ったものである。
       
丸の内から有楽町に向かって歩いていたので、ついでにどんなものなのか見学してみた。
      
すげー・・・ である。
      
何がすごいと言って、その 柱 がすごかった。
       
4~5本あった大きくて太い柱は地上15メートルくらいまで、壁面緑化が施されていた。
      
色んなものが植わっていたが、どうなっているのかと裏をのぞいてみると、小さな受け皿のようなスペースに植物がひとつひとつ植えこんである。
そしてその脇を潅水用の水パイプが通っていた。  
    
   
これ以外にも 一号館広場 というネーミング的にはごくごく普通の広場は、さながら都会のオアシスといった風情で、小路をそぞろ歩きながら植物を楽しむことができるようになっている。
      
お弁当でも買ってきて、このあたりでランチでもしたら、さぞ美味しいだろうなぁ。  
    
六本木ヒルズ、東京ミッドタウンなど大型商業ビルが建つと、ビルそのものの機能やデザインもさることながら、外のスペースにいかに付加価値をつけるか、といったあたりがとても重要になってきていると思われる。
  
ヒルズもミッドタウンもすごく凝った庭を持っている。
      
これからはそういう目線で都内を散歩するのも面白いかもしれない。