2009年6月30日火曜日

ジャガイモ食べ比べ
    

   
この前、行きつけと言ってはおこがましいが、大好きな美味しく食べれて飲める店にいった。
   
ここは何を食べても美味しいのだけど、特に北海道の食材がテーマとなっている店なのでジャガイモ料理が充実している。
   
そこで ジャガイモ4種食べ比べ というのを頼んでみた。
   
ご覧の通りジャガイモをふかしたものが4種類皿にのっていて塩とバターでいただくというシンプルなものだが、これがとっても美味しかった。
   
お店の方からの説明では右から
   
きたあかり (男爵)
ノーザンルビー (アンデス系)
きたむらさき (新じゃが)
とうや (男爵)
   
ということであったが、そもそも僕の舌は高級に出来ていないので、単純に どれもウマイっ!! とただ感激してアッという間に平らげてしまった。
   
ジャガイモは、フライドポテトポテトチップスマッシュドポテトジャックポテトなどなどバリエーションが多いがなんとなくどれも脇役であって表立って出てくることは少ないのではないだろうか。
  
肉じゃが は確かに主役的扱いではあるけど、概してという意味でね。
   
でもこうやってジャガイモと対峙して味わいながら食べてみると、その味の豊かさに驚かされる。
素朴でいて深い。
   
味わいとして深いだけではなく、われわれの生活への密着度や、植物としての面白さなど掘り下げると話題は尽きないと思われるのだけど、今日は「この前ジャガイモ食べたらビックリするほど美味かったゾ」という花咲日記的ご報告でございました。
  
  

2009年6月29日月曜日

正義の芝生
    

    
これまで校庭の芝生化について何回か取り上げてきた。
   
駅の構内で見かけたポスターが今日の写真。
   
広告主は東京都で校庭の芝生化促進を呼びかけるポスターだ。
   
芝生って、気持ちいい!
校庭の芝生化は、緑の生き物を大切にし、地球環境を考え行動する子どもたちを育てます。
  

とある。
  
ついこの前は地下鉄の車両内にある小さなビデオでも校庭の芝生化のCMが流れていた。
  
これによって校庭の芝が当たり前になって子供達がノビノビ遊べると良いなと思う。
もちろん、花咲ジジイとしてはこれをきっかけとして子供達が植物に興味を持ってもらえるといいなと思うのだけど。
   
芝があれば、当然雑草も生えるし、水もやらなければ枯れてしまうし、とにかく身近な植物として芝を扱う第一歩として意味があるのではないかと思うのである。
   
・・・実は今日の話はちょっと無理やりこじつけたものなのです。
駅構内を歩いていて、校庭の芝生化のポスターが目にとまったのは偽りのない事実だけど、その横に遠山の金さんのようなちょんまげのオジサンが「振込め詐欺許さん!」と赤文字で力説していた。
   
そのコントラストがとても面白かったのでパチリとやった。
あとは話を無理やりこじつけてしまったというのが今日の花咲ブログでございました。
   
スミマセン・・・。
  
    

2009年6月28日日曜日

針葉樹のオキテ



昨日は手の届く範囲だけ刈り込まれたゴールドクレストについて書いた。

今日は、同じく針葉樹のカイヅカイブキについて。
カイヅカイブキに関しては 先祖がえり の件で以前書いたと思うので、今日はちょっと趣を変えて。

今日の写真のように、木の下の部分にスッカリと緑がなくなってしまっているコニファーを見たことがあると思う。

これは家の人が剪定するときに鬱陶しいので、とかなんとかいって下の枝をバッサリ切ったことによるのだと思う。

普通の広葉樹はこのくらい思い切って剪定しても、後からちゃんと萌芽してもとに戻る。
ものによっては、大胆に切り戻してやったほうが、勢いのある若い芽をふくのでそのほうが良い場合もある。

しかし、針葉樹は全く違う。

針葉樹は緑の葉がある範囲で切っている分には、また枝分かれ(分枝)するなどして木にとっては良い場合があるのだが、緑のない部分にまで切ってしまうともうそこからは緑をふくことはない。

よって今日の写真のような剪定をした場合は、下の木の幹しかない部分にはもう2度と緑は戻ってこないというわけである。

もしこの家の人がそれを分かってやっていればそれはそれで良いのだけど、今回は思い切って切ればまた数ヵ月後には目隠しになるくらい繁るだろう という気持ちでやったのであればそれはちょっと違う。 今の状態を見て しまった と思ってもあとの祭りである。

考えてみれば、山の中に分け入って スギの木が枝打ち されたものを見れば分かるだろう。
枝打ちされたところからは、まったく枝は出ずに、上のほうだけこんもりとしている。

スギもあるコニファーであるので、この理屈が通じるというわけである。

2009年6月27日土曜日

ゴールドクレスト
    

   
ゴールドクレストとは、別名モントレイイトスギ Cupressus macrocarpa という巷ではわりと人気の針葉樹である。
   
鉢に入った小さいものもあるが、成長がとても早くて地植えするとアッという間に大きくなって30メートルをこえるものもある。
   
大きさをある程度コントロールしようと思うと、こまめに剪定をして背が大きくならないようにしてやる必要がある。
   
・・・で、街で見かけたゴールドクレストは、不思議なカタチをしていた。
   
その理由は明快だ。
この家の人が 手の届く範囲だけ刈り込んだ のである。
刈り込みバサミの届かないところは諦めたのだろう。
   
こうなるともう上の方はバンバン成長して、アンバランスさに拍車がかかる。
最終的には上が大きくて下が小さい妙な形のコニファーになってしまう。
  
そもそも コニファー conifer針葉樹をさす。その語源は松ぼっくりのような球果 cone をつけることによる。
cone の球果とは別の意味として円錐状の、という意味がある。ソフトクリームのコーンもここからきている。
   
ところが、街で見かけた下ばかり集中剪定したコニファーは円錐形状の姿を失って、コニファーではなくなってきていた・・・。
  
  

2009年6月26日金曜日

ミツバチの話題 2
    

   
という訳で昨日に引き続きミツバチの話題である。
   
花は大きく 風媒花 と 虫媒花 に区別される。
植物たちは自ら移動することによって雄しべから雌しべに花粉を運ぶことができないので、それを風や虫に頼っている。前者が風媒花で後者が虫媒花だ。
   
虫媒花では色んな虫たちが 運び屋 をしているが、最も一般的であると言われているのがミツバチたちである。
   
そんなミツバチたちが最近激減しているのだという。
   
ついこの前も 「最近はミツバチが消えていっているようなのですが何故でしょう?」 という質問をさる方から頂戴した。
僕はそのとき答に困ってしまった。
   
温暖化?病気?生態系の変化?・・・・ どれもさもありなんといったところだが、正直言ってまったく分からない。
   
そんな折、本屋で見かけたのが、その名も ハチはなぜ大量死したのか ローワン・ジェイ コブセン著 文芸春秋 であった。
(原題: Fruitless Fall - The Collapse of the Honey Bee and the Coming Agricultural Crisis)
   
この本では、ミツバチが農業でいかに有益であるか、われわれの暮らしにミツバチがいかに深く関与しているかといったところから、最近のミツバチ減少の異変について、そしてその原因を多角的に考えている。
   
携帯電話の電磁波、遺伝子組み換え作物、農薬、ダニ、そして宇宙人(?!)にまでその可能性を広げて考えている。
   
そして第10章では もし世界に花がなかったら? として、われわれと花、植物の関係、そして植物の重要さについて触れている。
   
・・・・ なんてエラそうに書いてしまったが、実はまだ本の前半しか読んでいない。
飛ばし読みが出来ないのである。
なんかどこも示唆に富んでいて、慎重に読み進むためかスピードが全く上がらない。
   
現在のミツバチに関する問題はもちろんだけど、人間と植物の関係について考えさせてくれる本であるように思う。
  
   

2009年6月25日木曜日

ミツバチの話題 1
    
   
最近ミツバチがいなくなった・・・ というニュースをよく耳にしないだろうか?
   
この前ちょっとビックリしたニュースは
   
「禁止」ミツバチ密輸 中国産、小包から羽音 
交配用不足・・盗難も増加 指定国外持ち込み 伝染病の恐れ
   (産経新聞6月7日付)
    
というもの。
内容を見てみると ミツバチが不足しており、この業者は中国から国際郵便で女王バチをふくむハチを30匹密輸しようとしたのを、税関の人が小包から羽音がするのに気付いて発覚したのだという。
   
なんでミツバチを輸入してはいけないのかといえば、家畜伝染病予防法という法律があって、指定国以外からの輸入はできないことになっていて、中国は指定国ではないからなのだそうだ。
   
大麻や拳銃などが「密輸」されるのは分かるけど、ハチも密輸される時代になったのだと驚いたわけである。
郵便小包に生きたミツバチ30匹を入れて送るという手口もかなり大胆ではあるけれど・・・。
   
この事件の背景には深刻なミツバチ不足という事情がある。
   
別の日のの日経新聞には
ミツバチ不足が農家に打撃 コスト上昇、転嫁できず
資材、肥料も相場高止まり 経営の厳しさ増す
とある。
    
現代の農業では果物や野菜を作るときに受粉をミツバチに頼っている。
花粉をおしべから集めて、筆のようなブラシでちょいちょいとめしべに花粉をつけるという手作業には限界がある。そういう意味では、ミツバチは農業とは切っても切れない仲なのである。
   
それがミツバチが減ったことによってミツバチの価格が1箱およそ8000匹で2万円くらいだが、今年は1箱が倍の4万円近くまで値上がりすることがあったというのだから、農家の方々の苦悩ぶりが知れる。
   
どうやら本当にミツバチは減っているようである。
しかし、何で??
   
その辺を明日 ミツバチの話題2 で書いてみよう。
   
    

2009年6月24日水曜日

刺身盛りの悲哀
     
   
この前居酒屋にいったときに刺身盛り を頼んだ。
     
当たり前だが皆刺身を食べる。
     
パクパクと食べるとアッという間に刺身はおおかたなくなった。
      
・・・・ 皿に残っているのは、白身の刺身一切れと カブ ダイコン オオバ ホジソ ニンジン レモン だ。
我らが愛する植物たちだ。 随分人気がないじゃないか。こんなに残っちゃって。
      
刺身のつま というのだろうか。
脇役に徹してシャシャリ出ることはない。
    
あくまでも刺身がメインであって、彼らに箸を付けない人も多い。
かといってつまがなくて、単に刺身だけが皿に盛られていてもちょっと寂しいではないか。
    
    
同席した若い人が ホジソを知らない というので、ちょっとした講釈をたれた。
    
・・・ この辺がすでに説教臭いオヤジっぽくはあるけれど。
    
ホジソはシソ科の植物で、このオオバと同じ仲間です。
シソ科の大きな特徴の一つは茎が四角なのです。さわってみてごらん、カクカクするから。
ガクの茎への付きかたからも分かるように、シソ科は対生に葉が付きます。
花は左右相称花という形をしていますが、ガクの形をみてもそれは伝わってきますね。
全体に細かい毛が生えていますがこれもシソ科の特徴です。
手でこのホジソをしごいて手に移った香りをかいでみてください、ねっ、良い香りがするでしょ。
       
・・・ なんてやっていたら あたしシソのニオイは苦手なんです なんて言われてしまった。
    
さらに彼女が ホジソが食べられるということを知らなかった と真顔で言うのでますますビックリしてしまった。
     
刺身盛りのつまを端にちょっとした悲哀を感じずにはいられなかった。
   
   

2009年6月23日火曜日

バラ湯
     
     
この前の日曜日、散歩をしていて偶然銭湯の前を通った。
    
ポスターが貼り出してあって バラ湯 入浴した方にバラをプレゼント と書いてあった。
   
道行くひとたちが結構立ち止って
「バラ湯だって」
「来ちゃう?」
なんて会話をしていたし、実際いつもよりも多くの人が銭湯の玄関をくぐっていくようだった。
   
バラの花が浮いた湯船はリラックスできることだろう。
    
バラの湯船・・・ というと映画アメリカンビューティーをなんとなく思い出すが、銭湯というあたりがその辺のイメージを払拭してくれる。
   
僕も行っちゃおうかな と思わないでもなかったが、僕はエラく暑がりで、この陽気で湯船につかったら汗がしばらく噴き出てまたシャワーを浴びなくてはならなくなるのでやめておいた。
    
しかし、最近都内の銭湯は採算割れで店たたむ銭湯が続出であるときく。
     
思えば花咲ジジイも子どものころは家に風呂があるにもかかわらず、近所の銭湯に通ったクチである。
子どもたちの恰好の遊び場、社交場だった気がする。
     
それが今や存続すら危うい銭湯が多いというのだから、のんびりニンテンドーとかプレイステイションなんかをやっている場合ではないゾ、今の若い人よ。
    
そしてこの銭湯もご多分のもれず営業的には厳しいらしく、営業は毎日ではなく 日・火・金 の週3日 のみだ。
    
金額は大人が 450円
これは都内均一料金のようだ。
    
これを高いとみるか安いとみるか、意見が分かれるところだが温泉に時間とお金を掛けていくことを考えれば激安といえよう。
   
これと花咲ブログがどう関係があるのか、といえばバラという植物がお客様の足を銭湯に向かわせるに足る魅力を持っているということ。
   
     
湯あがりにおばあさんがとても嬉しそうな顔をしてバラを一輪持っていくのを見たし、ちょっと離れた場所で湯桶をもったステテコ姿のおじさんが右手でタバコを吸いながら左手には黄色いバラを持っているのを見た。
   
なんかちょっとアンバランスで、見ていてこちらも暖かい気持ちになった。
   
花は人々をシアワセにする。
  
   

2009年6月22日月曜日

アリウム Allium
      
    
イタドリ、カタバミ・・・ と厄介な雑草たちを紹介しているが、今日はアリウム
      
和名でなにかありそうだけど、その場合はアリウムという属名からさらに種名まで分からないと特定はできない。
今日のアリウムはどのアリウムなのかちゃんと同定できなかったので、単にアリウムとしてお茶を濁すことにする。
      
お茶を濁すわりにエラそうだ と怒らないでいただきたい。
      
すでにお気づきの方もいると思うが、そんな適度にゆるいブログなのである。
     
アリウムはニラ、ニンニク、タマネギなどと同じ仲間であり、葉っぱをちぎって手に移るニオイをかげば「ニラ」の仲間だとすぐに分かる。
    
アリウムは地上のと地中の鱗茎で増える。
地上と地中の両方で増えるという点ではカタバミと同じである。
      
    
実は熟してくるとパンパンに膨れ上がり、最後にはパカッと裂けて種がこぼれる。
緑色の膨らんでいるのが実で、茶色の皮に中に黒く見えるのが種だ。
     
・・・思い出すに ニラの種もこんな感じで黒かったなぁ。
    
花びらとガクにあたる花被が6枚おしべが6つめしべはひとつだが、種が育つための子房が3つの部屋に分かれていて、実が熟してパカッと3つに裂けている。
   
3の倍数 健在である。
  
       

2009年6月21日日曜日

カタバミ 3
    
   
今日は朝から雨がシッカリ降っている。
どこかへ出掛けるあてもなく、たまった仕事を家でシコシコとやろうと思っていたので雨は気にならない。
   
いや・・・ むしろ雨は好きだ。
雨音、涼しげな空気、雨に曇った景色など、雨を愉しむ気持ちで見ると、なんとも趣があってヨロシイとおもうのだがどうだろうか。
   
よく言われるが緑も雨に濡れると映える、というのはあながちウソではなかろう。
   
さて、カタバミであるが、昨年の5月18、19日の両日にわたって花咲ブログで扱った。
とにかく繁殖力が強くて、種でも増えるし、ムラサキカタバミなどは地中の小さな鱗茎でも増える。
   
上の写真を見ていただきたいのだが、まず黄色い花が終わって子房といって種ができる場所がなんとなくプクッと膨らんでいるのが見えるのが写真の左。それが段々育っていって実になる。それが写真の右。
    
    
カタバミの実は小さなロケットのような格好をしていて、上方向を向いてそり立っている。
この実の中には沢山の種が詰まっていて、実が熟すとこの実がタテ方向に裂けて種子が勢いよく飛び出すしかけになっている。
    
それでは、この実のなかはどうなっているのか?
まだ熟していないけど、指の先でチョイチョイと実の皮をむいてみた。
    
    
中にはまだ熟していないので白い小さな粒のような種が整然と並んでいた。
この実は五角形をしているので、この種の列が5列あるはずである。
この写真で見えるのは2列。
    
1列あたり15粒くらいの種がありそうに見えるので 15×5=75 ということで、ひとつの実から100個近い種ができることになる。
そしてカタバミ1株あたりに幾つの実ができるかと言えば・・・・・
   
道理で増えるわけである。
   
昨日ご紹介したイタドリは種もさることながら、強い地下茎で増えるのだが、このカタバミは種で増える。さらにムラサキカタバミは鱗茎でも増える。
   
世にいう雑草というやつらは、こうやって逞しくあらゆる方法で増えていくのである。
  
   

2009年6月20日土曜日

イタドリ Polygonum compactum
   

   
道路に大きくはみ出しているこの植物は イタドリ という。
   
繁殖力が旺盛で、地下茎でグングン勢力を拡大する。
一度根付いてしまうと駆除するのは至難の業である。
   
早い話が厄介な雑草ということになる。
  
英語ではイタドリのことを Japanese Knotweed といって、本当に皆が眉をしかめる厄介者という扱いを受けている。
   
ジャパニーズである僕は「ジャパニーズ・ノットウィード」が話題に出るたびに何故かちょっと肩身が狭かった。
   
因みに knotweed は茎に結び目(knot)のような節があることに由来すると思うのだがどうだろうか。真偽のほどはわからない。
   
ヨーロッパへは、もともとは園芸用に使うと良いのではないかといって持ち込まれたらしいが、その旺盛は繁殖力にまで気が回らなかったのだろう。
   
気がついたら時既に遅し。
イギリスの在来種の植生域をどんどん奪ってその勢力を広げて、いまや深刻な環境問題にまで発展している。
   

    
見たところ緑のフツーの葉っぱが「互生」(茎に互い違いに葉っぱが付いていること)している。
茎と葉っぱを繋ぐ 葉柄(ようへい) がなんとなく赤っぽいのが特徴だ。
   
そんなに悪さをするようには見えないのだが、イヤイヤ大変なヤツなのである。
   

根こそぎ駆除したいところだが、根は強く、しかも結構深くまでいっている。
こうなると地面よりも上にでているところを切るしかないのだが、それは根本的な解決にはなっていない。
  
根がちょっとでも残っていれば、またそこからどんどん再生するターミネーターのようなやつなのである。
  
今そこにある危機、もしくは身近なホラーなのだ。
  
   

2009年6月19日金曜日

もやし
    
    
朝、町を歩いていたらとあるラーメン屋の前に袋に入ったもやしが無造作に置かれていた。
どういうわけか町のラーメン屋ではよく見かける風景である。
   
もやしデリバリーが立派なビジネスとして成立しているようである。
   
つくづく日本は平和な国だなぁと思ってしまう。
  
これが海外だったら・・・・  
   
恐らくこのもやしは数分のうちにどこかへ持ち去られてしまうことだろう。
   
薬局の前に歩道にはみ出して、うずたかく積まれたティッシュや洗剤などを見るたびに、よく持っていかれないものだ と変なところで感心してしまう。
   
それはさておきもやしである。
英語で言うと beansprout となるが、この sprout新芽という名詞でもあり、発芽する/発芽させるという動詞でもあるが、植物に携わる仕事をしている人にとってはとても良く使う英単語である。
ビーンスプラウト・・・。是非この機会におぼえておくとヨロシイ。
   
もやしは言うまでもなく緑豆や大豆を発芽させて光にあてずに10日ほどで育てるものである。
   
もやしっ子なんて昔は良く言ったものだが、最近だと草食系なんていうカンジに近いだろうか。
言葉の語感に反してなかなか栄養価の高い頼もしい食品である。
そしてお財布にも優しい・・・。
   
   

2009年6月18日木曜日

クサギ Clerodendrum trichotomum
    

   
今日、庭の手入れに行ったときに目にした木である。
   
その名もクサギ
   
名前の由来は 臭い木 からきているらしい。
   
3時のお茶の時間にこれを見上げながら、親方が僕に言った。
   
「あれはサ、クサギってのよ。くっせーんだヨ。」
   
そういえば去年の9月6日にヘクソカズラというのを花咲ブログでご紹介したなぁなんて思い出していたら、親方が
「ヘクソカズラみたいな臭いなのヨ」
「あれは屁とクソみたいな臭いだからヘクソカズラだろ。 これはクサギっていうよりもクソギ(糞木)ってところだな。」
   
お茶の時間が一気に盛り上がった。
   
そうかそうかヘクソカズラみたいなニオイか。
   
近寄って葉っぱを一枚もぎってニオイを嗅いでみた。
たしかにヘクソカズラと同じようなニオイがした。
   
でも、僕はこのニオイは嫌いではない。
屁や糞のニオイではないですよ、念のため。 
  
「どんなニオイですか?」 と聞かれそうなので先制しておくと キナコ餅 のようなニオイと言えば当たらずとも遠からずであると思うのだが。
   
接近した写真が撮れなかったが、これは結構な斜面にはえていた。
クサギは花が咲いて実を結ぶと、ガクは赤、実は黒っぽくてツヤツヤしている。
そしてこれが鳥のエサとなる。
   
鳥はこれで腹を満たして、どこかへ飛び去って、行った先でウンチをする。
実は消化されるが、実の真ん中にある種は消化されずにウンチと共に大地に着地し、そこでクサギの新たな生活が始まる。
   
この斜面に誰かが植えた訳ではなく恐らく鳥が運んできたのだろう。
  
クソギ いや クサギ、覚えていて損はない。
  
  

2009年6月17日水曜日

英国様式庭園・・・・
    
   
昨日の続きで、僕は新宿丸井屋上に行ってみた。
   
やはりテレビの特集で 屋上は見ごたえアリ みないなことを言っていたので気になっていたのだ。
   
まず1階のエレベーターに乗るのに既に行列があって、人の流れに身を任せてやっとの思いで屋上にたどり着いた。
   
そこには青い空を見上げるオープンな景色が広がっていた。
名前を英国様式庭園 Q-COURT というらしい。
    
・・・・ いつもいつも疑問なのが英国様式~ とか 英国風~ といった表現で、それらが一体何を指しているのかが良く分からない。
良いんじゃないの 「キモチイイ庭園」 とか 「楽々庭園」 で。
   
まあ、ネーミングはそんなところで、行ってみて驚いたのがその人の多さだった。
    
普通屋上緑化の一番の問題点は重量である。
普通の土をそのまま入れたのでは重量が重すぎて建物にかかる負担が大きすぎるということで、皆知恵を絞っているのだ。
ところがこんなに人が庭にいたので、そんな重量への配慮はあまり関係がないということになるような気がした。
   
場合によっては、屋上庭園には「定員制」を設けて入場制限をする必要があるかもしれない。
   
横道に逸れてしまった。
・・・とにかく大入り満員だった、と。
  
もう腰掛けられるところは全て誰かが腰掛けている。
  
芝生でごろごろしたりしている人もいる。
   
   
椅子に座れずにデッキの端っこに座っている人がいる脇で、どデカイ椅子にエマニエル夫人のようにどっかりと座ってくつろいでいるお兄さんもいる。
このお兄さんは良くこのシチュエーションで落ち着いて足なんか伸ばせるなぁ などと感心してしまった。
   
この Q-COURT は「実りの庭」「木漏れ日の庭」「早春の庭」「門出の庭」そして「薔薇の園」の5区画に分かれていて、エマニエルお兄さんが座っているあたりは早春の庭というらしい。
    
    
薔薇の園は整形式庭園で薔薇がたくさんあるのが売りらしい。
アイディア自体は素晴らしいと思うけど、庭のつくりを見て一つ疑問に感じるところがあった。
それは庭を走る小さな小路は両端が石のタイルで中央が芝生なのだ。
    
恐らくデザイン的に良いのでこうなったのだろうが、これはいかがなものかと思った。
とういうのは、これだけ多くの人が歩く庭である。
人は小路の端ではなくて中央を歩くだろう。
すると、芝は常に人間によって踏みしめられていくということになる。
    
構造的になんらかの特殊な仕組みを持たせていない限り、この芝は間もなくダメになってしまうのではないかと思うのだ。
  
その辺がどうなるのか今後継続的に見ていこうと思った次第である。
   
まあ、我々は飽きっぽいからこんなに押すな押すなといって人が来るのは最初の数ヶ月くらいかもしれないけど。
  
    

2009年6月16日火曜日

東急の緑化


この前用事があって東急の二子玉川駅に降り立った。

プラットホームには待ち合わせ室があって、その上部はアイビーのようなもので緑化されていた。

東急は現在 WE DO ECO 称して緑化に力を注いでいるらしい。

さらっとその説明を読んだら、軽くて保水する特殊な土を使ってこの部分を緑化しているのだという。

さらに詳しく読んで、写真でも撮ろうと思ったのだけど、人と待ち合わせしてたのでそんな呑気なことをしていたら遅れてしまうと思って足早にその場を去った。

でも目的地に着くためには、そのお向かいのプラットホームから出る電車に乗り継ぐため、お向かいのプラットホームからその待ち合わせ室を眺めて電車を待った。

!!  写真くらい撮れるかな と思いついてシャッターをきったのが今日の写真。


一方、この前、新宿の新しい丸井に行ったら 店内は緑化されている なんてテレビで言っていたので期待していたら、一部本物の緑はあったけど、かなりプラスチックの造花のようなグリーンを使っていたのでちょっとガッカリした。

このプラットホームも一見すると造花か? と思わせてシッカリした本物の緑だった。

やはり本物には理屈ではない良さがあるなぁなどと、管理の大変さはそっちのけで思った次第である。

2009年6月15日月曜日

クチナシの花
    

   
今街を歩いていて甘い香りが漂うのは何の花だろう?
   
それは、このクチナシに違いない。
   
ジンチョウゲ、キンモクセイ、ジャスミンなどと同様、かなり匂いに関して自己主張が強い花である。
   
これは是非花咲ブログに・・・ と思っていたら、既に昨年2月12日にはクチナシの実7月13日にはクチナシの花をとりあげていた。
   
我ながらサスガである。
   
となると、今日はちょっと変わった切り口でクチナシを語らねばなるまい。
   
それは 八重咲き という咲き方になるだろうか。
   
以前のブログで書いたクチナシは八重のクチナシの花で、今回撮ったのは普通の6枚の花びらがあるクチナシの花である。
  
八重咲きって色んな花にあるけど、これまで深く考えたことはなかった。
   
そこで調べてみたら面白いことが分かった。
   
そもそも花そのものは、茎や葉が分化して出来た生殖のための特別な器官である。

普通のクチナシの花には6枚の花びらがあって、その内側に雄しべ(雄蕊)と雌しべ(雌蕊)があるが、八重咲きにクチナシは雄しべと雌しべがその花びらのカタチに変化して沢山の花びらをつけているように見えるのだ、という。
   
よって八重咲きの花には往々にして雄しべも雌しべもない場合があるのだそうだ。
   
・・・知らなかった。
   
八重咲きのクチナシは2008年7月13日の写真を見ていただきたい。
  
そして、これは・・・・
   

   
これは八重咲きとはいわずに、二重咲き というらしい。
花びらの内側にもう一列の花びらがあるもので、見るとちゃんと雄しべと雌しべは存在している。
   
色々あるのねぇ と他人事のように感心してしまった次第である。
  

   

2009年6月14日日曜日

帰京・・・
     

   
東京に帰って参りました。
   
大阪、神戸、静岡と移動して、わがホーム東京に戻ってきた。
   
実は花咲ジジイは神戸で生まれた。
   
母の実家、すなわち祖父母の家が神戸市の御影という場所にあって、母は出産のために帰省し、僕はそこで生まれたという訳だ。
   
小さい頃は、春休み、夏休み、冬休みと休みになると、神戸に行っていた。
   
そんな祖父母も数年前に亡くなって、神戸の家も少しずつ朽ち始めていた。
   
今回は大阪に仕事で行ったのを良いことに祖父母の墓参りに行こうと今は誰も住んでいない祖父母の家に泊まった。
  
六甲山の中腹に家があるので、散歩がてら久しぶりに近所を歩いた。
  
いやいやいや・・・ すごく変わっていた。
昔はゴルフの打ちっぱなしではなかったかというところにマンションが建っていたり、昔は兵庫県立の高校だったのではという場所にまたまたマンションが建っていたり。
   
御影という場所には阪神線阪急線が走っているのだけど、阪神御影に降り立ってビックリだった。
駅前に大型の商業ビルが建っていて、その脇に超高層間マンションが建設中であった。
サンバード長崎屋は辛うじて残っていたけど駅周辺の雰囲気は昔とはまったく異なっていた。
  
阪急御影は駅前が開拓されて、新しい道路ができて、新しいロータリーなんかも出来ていた。
   
・・・なんか寂しいカンジだった。
   
昔通った本屋さんも、魚屋さんも、八百屋さんも今はもう無い。
    
そんなセンチメンタリズムに浸りながら、六甲山を散歩していたら、チョクチョキチョキと植木屋さんが汗をかきながら生垣を剪定していた。
   
植木屋さんは東京も神戸も変わらないんだぁ、と普遍の摂理を感じる一方で、変貌を遂げる我が町にちょっとした郷愁を禁じえなかった。
  
  

2009年6月13日土曜日

前略 掛川より


そんな訳で、大阪、神戸をあとにして花咲ジジイは静岡県掛川市に参りました。

またしても新幹線に乗って、往路とは逆サイド、すなわち海側に座ってきた。

大阪から掛川だとまだ海は見えず、昨日書いたように田んぼが点在し、工場や学校などが車窓を流れていった。

ぼんやりと見ていたのだけど、あることに気がついた。

・・・・ それは  がすごく多いことだ。
   
僕の個人的な印象なのかもしれないけど、とにかく竹があちこちで群生していた。
田んぼの一区画に竹だけがこんもりと繁っていたり、民家の隣にうっそうとした竹林があったり、スギやヒノキといった針葉樹に交じって山の中に黄緑色の竹の葉が固まって見えた。
    
写真は走っている新幹線の車窓からでブレているし、窓も写りこんんでしまっているが御容赦いただきたい。
    
たかが竹でしょ と言ってしまえばそれまでだが、その量が他の植物に比べて多い気がしてならない。
    
言いたいことは
竹は生命力が強く、繁殖も旺盛で、地下茎でどんどんその勢力を拡大する。
ときに家の床を突き破り、ときに塀を倒し、人間のコントロールが及ばないことがしばしばなのだ。
      
今日車窓から見た竹の群生は、人間が 「ここに竹をはやしましょう」 という意図のもとであれば良いのだけど、気が付いたらこんなに竹に囲まれてしまっていたなんてことであれば、今後竹はさらにその勢力を広げて、在来の植物を駆逐してしまうのではないだろうか。
    
ちょうどブラックバスを放流して、在来種の魚がいなくなってしまったように。
    
・・・ 大丈夫だろうか?
     
エラい高速で走る新幹線の車窓から外を眺めながらそんなことを思っていた。
   
      

2009年6月12日金曜日

前略 大阪より
     

   
こんにちは。
  
現在花咲ジジイは大阪にきております。
   
いわゆるひとつの出張ってやつである。
   
関東圏内の移動はあっても、最近はあまり遠出をしていなかったので、仕事とはいえ妙に興奮した。
新幹線のなかでも寝て行くつもりだったのに、目はギンギンに冴えてしまって子供が初めて新幹線に乗ったときのように身を乗り出して景色をタンノーしてしまった。
    
おおっ、横浜!
おおっ、富士山!
おおっ、浜名湖!
おっと、アッという間に名古屋だ!
   
てな訳で、景色に見とれているうちに大阪に着いてしまった。
   
景色を見ていて思ったのは 田んぼ の多さ。
ひとつひとつの田んぼの規模は大きくなさそうなのだけど、あちこちに田んぼがある。
   
サスガ、米を主食とする日本である。
   
大阪についてもスッカリおのぼりさん状態で、荷物を抱えたまま駅員の方に
「あのー、心斎橋はどうやって行ったらいいんでしょうか?」
なんてことを聞いたのだが、 「お前は外国人か!?」 というツッコミが聞こえてきそうである。
   
で、無事に心斎橋で仕事を終えて駅に向かって歩いていると目の前に変わったビルが出現して思わず足を止めた。
   
花咲ブログでは様々な屋上緑化、壁面緑化を取り上げてきたが、このケースはこれまたとてもユニークなものであった。
   

   
ビルの壁からニョキニョキと煙突のような筒が出ていて、その中に緑が育っている。
   
これは初めて見るパターンである。
   
何が植えてあるのか?
筒の中はどうなっているのか?
水はどうやってやっているのか?
あそこにどうやって植物を植えたのか?
日常のメンテナンス(剪定など)は一体どうやってするのか?
   
疑問は尽きないのだけど、それはビルの下から眺めるだけでは皆目見当がつかない。
   
ともあれ、すごいぞこれは、と興奮してシャッターを切って心斎橋をあとにした。

   
今日は神戸に宿泊し、明日は静岡である。
花咲旅ガラス日記の様相を呈してきた。
    
ノートパソコンを持ち出して出先からブログをアップする・・・・ なんてなんとなくカッチョイイではないか。
ちょっと憧れていた さすらいのブロガーの気分にひたりながら今日は筆を置こうと思う。
   
  

2009年6月11日木曜日

生 長



いよいよ入梅して鬱陶しくなってきた。

じめじめして、なんかイヤなカンジである。

で、昨日は茨城県に用事があって出かけた。

このまえ近所の学校の生徒が田植えをしたという田んぼを見てみた。

おおっ。

思わず声を上げてしまいそうになる。

かなり育っていたのである。しかも たった2週間そこそこで。
この前の写真は5月27日だった。比べてみて頂きたい。

子供たちが植えた場所がなんとなく分かってしまうのは、密度の差ではないかと思うのだけどどうだろう。
他の部分は子供たちの部分に比べると青々しているのだけど、稲の背の高さはそれぞれそんなに差はない。
見た目の違いはその密度にあるとみた。

これから夏になって強い日差しを浴びてグングン生長するのだろうなぁ。

ところで 「せいちょう」 には 生長 と 成長 がある。
どう違うのだろうか?

広辞苑によると
生長は 発育と同じ意味で用い、生物学では生態の量の増加を指し、形態形成あるいは形態変化に対していう。
成長は 育って大きくなること。育って成熟すること。

となって、似たような意味であるが植物の、特に収穫になんか絡んだ場合は 生長 なんだろうなと思う。

すくすくと生長して 秋の刈り入れのときには子供たちを喜ばせて欲しいものである。

2009年6月10日水曜日

芝生・・・
    

    
今、ラグビーのワールドカップが開催されているのをご存知だろうか?
しかも、この日本で!!
   
知らないだろうなぁ。
でも、ちょっと亜流なワールドカップで U20世界ラグビー選手権 という。
   
あまり人気もなくてガラガラなんじゃぁないの と行ってみたら当日券は買えたが、かなり盛況であった。
   
試合は西サモアvs日本で、試合はそれほどの大差はつかないながらも、終始サモアペース。
   
ビールを飲みながら見たのだが、冬のラグビーとは異なって、半袖でちょうどヨロシイ陽気でビールがすすむ。
   
ちょっとちょっとこれのどこが花咲ブログなの? といぶかしがらないで頂きたい。
   
グラウンドを見てどう思いますか??
   
緑色が目に、そして心に心地よいとは思いませんか?
これだけで秩父宮に出かけた価値はあったと思う。
   
今はプロ野球もシーズン真っ盛りである。
僕は野球はからっきしだけど、ビールを飲みにだけ球場に足を運ぶことはやぶさかではない。
   

この秩父宮ラグビー場の近くに、明治記念館というところがあって、そこの鶺鴒というビアガーデンも夜に見る芝生がなかなかキレイでビールがすすむのでオススメである。
  
   

2009年6月9日火曜日

レトロなやつ


都内を自転車で徘徊していたらば、妙にレトロな光景に出会った。

昭和の建築に「會學方東」というなんともシブい看板がでていた。
さらにその脇には ソテツ Cycas revoluta がドッシリと構えていて、レトロな雰囲気を盛り上げている。
revolutarevolution(革命)を想起させるではないか。 

ソテツはこれまで紹介してきた植物とちょっと毛並みが違う。

まず 裸子植物 と 被子植物 という植物の分け方があって、ソテツは裸子植物である。
裸子植物は被子植物と比べてより原始的な植物であると認識されていて、特にこのソテツは植物界のジェラシックパークであるといえる。

裸子植物と被子植物は植物の分類をする上でとても重要な分け方のひとつであるが、ちょっとややこしいので今日は深い説明はしないでおく。

簡単に言うと 「種が皮を被っているか、むき出しか」 の違いであると言えるのだが、あまりイメージがわかないと思う。

そんなレトロな雰囲気を今日のところは楽しんでいただきたい。

2009年6月8日月曜日

ザクロの花
   
  
ザクロの花をご存知だろうか。
  
初夏の花である。
  
この前近所を散歩していたらオレンジ色の花が沢山咲いているのを見かけた。
  
ちょっと・・・ ぜんぜん沢山じゃぁないじゃないの と怒らないでいただきたい。
   
写真でみるとそれほどでもないのだけど、実際に見たときにはここそこにオレンジ色の花が咲いていたのだ。 ホント。
  
   
花びらは和紙のようにややシワが入っている。
つぼみも、ガクも、花びらも、おしべも、めしべも、みんなオレンジ色をしている。
   
花が沢山咲いているように見えて、実際は花びらが散った後もギザギザの花びらのような形をしたガクが、あたかも花のように自己主張をしている。
花びらは散っても、まだ雌しべも雄しべもちゃんと見える。
   
花が咲く前のつぼみは、オレンジ色で光沢があって、カタチ的にはラッキョウのような形をしている。
これがギザギザにパカっと開いて花を咲かせる。
  
ガクは花が終わったあとに中にある子房が徐々に大きくなってザクロの実になるのだが、みていると首尾一貫して 肉厚 であることが分かる。
   
花咲ブログでは昨年10月9日に街で見かけたザクロの実をご紹介したが花はまだだった。
ザクロの花はこんなカンジである。
  
   

2009年6月7日日曜日

こんなところにも花咲・・・・
    

   
この前運転免許証の更新にいった。
   
講習を受けないといけないらしく2時間に及ぶ長丁場をお尻が痛いなぁと思いながらも修了した。
   
正面にあるホワイトボードには馴染みのある若葉マークをはじめ、4つのマグネットステッカーが貼ってあった。
   
若葉マークは初心運転者標識といって、誰もが免許をとると一年間はこれを付けて過ごす。
   
写真で上から2番目にあるのが 身体障害者標識、 3番目は高齢運転者標識(いわゆるモミジマーク)、 一番下が 聴覚障害者標識 である。
   
こうやってみると、 若葉、クローバー、モミジ、そして とすべて植物に関係あるように見えるではないか。
そうかぁ、道路交通法も植物に敬意を表しているわけだな、ヨシヨシ・・・・
  
と思っていたらちょっとした落とし穴があった。
   
聴覚障害者標識はどうしても蝶に見えるのだけど、実はこれは耳の形からきたデザインらしいのだ。
   
聴覚だけに、耳をモチーフにするのは分かるけど、これはどう見たって蝶なんじゃぁないの??
  
なんて思いながら2時間の講習を全うした次第である。
  
  

2009年6月6日土曜日

もったいない
    


    
6月2日は申し上げたようにNHKのプロフェッショナルという番組で 農業経営者・木内博一さん の話を取り上げていた。
    
なかなか興味深い内容だった。
    
「常識を疑う」
「もったいない」
「立ち止まるな 次へ次へ」
    
前向きにひたむきに生きている人というのはなんとも魅力的な表情をしているものだなぁ と感じた。
    
色々なエピソードがあったが、なかでも もったいない といって規格から外れた野菜をカット野菜としてパック詰めにして販売するなどの工夫をして成功しているといったくだりはナルホドねぇと思った部分である。
    
最近は農家と直接交渉して傷モノ野菜を安価に仕入れて成功しているレストランなど、これと類似した話を良く聞くようになった。
    
思えば、せっかく作った野菜を、見た目が悪いからという理由だけで廃棄してしまうというということがバカげている話ではある。
工業製品ではあるまいに。自然の産物をある規格に当てはめて作ろうというところにすでに無理がある。
    
大きいもの、小さいもの、傷のあるもの、曲がったものなどがあるのは当然だともっと知るべきだと思うのだけど。
     
そんな見た目重視の金太郎飴のような野菜しか見たことがない子供だと、二股になったダイコンを見たら「気持ち悪い~」とか「ダイコンじゃない」などと言い出しかねない。
    
味は変わらんゾ と諭してやる大人がいた方が良いし、実際に味が違うか比べてみる機会があるとなお良いのだが・・・。
     
先日花屋さんでラベンダーを買ったら、おまけに傷んだラベンダーの鉢をひとつくれたという話を書いた。
これも もったいない であると思う。
    
蒸れて傷んだ葉っぱを取って、世話をしてやればちゃんと育つはずなのにそれだけの手間を掛けられないのだろう。
商売ゆえ、コストと見合うかという発想は無視できないという事情も分かるし、傷んだラベンダーを並べていてもそれを好んで買っていくお客はいない。
・・・となると捨てるしかないのだろう。
    
以前書いたことがあるのだが、植木屋をやっていて真っ赤な実を沢山つけたネズミモチをトラック一杯捨てたことがあった。ナンテンやマンリョウなど赤い実をつけた植物は花材としてよく売れると思う。
このネズミモチ、なんとかならんものか・・・ と考えたことがあった。
     
もったいない はフジヤマ、ゲイシャなどと並んで mottainai として海外でも通じる日本語になりつつある。
国際的にもこういったモノを大切にする発想がどんどん広がってきている証だろう。
  
   
・・・・ さて、農業に関するテレビ番組を見て もったいないという発想について書いたのは良いが肝心の写真がない。
昨日に続いてで申し訳ないが 農業 という写真で手元にあったのがアメリカはコロラドで見た農業だった。
   
車で国道を走っていると、長さが100メートルをゆうに超えるブームが水をまきながらゆっくりと回っていた。
ブームはゆっくりと円を描いていて、その下に農作物が育っていた。
なんともスケールのデカイ景色だった。
   
そしてコロラドを出発するときに飛行機の窓から見えたのが、ブームの描く円の形に緑がはえているという不思議な光景。
ミステリーサークルのようであるが、それは立派な畑であった。 
   
    

2009年6月5日金曜日

花屋さん裏話
    
   
昨日近所の花屋さんでラベンダーの鉢を買った。
    
支払いのときに、店のおじさんとちょっと話をしたのだけど、これがかなり興味深かった。
    
この前ボタンの話を書いたときに、花屋の花は低温で置かれているので長持ちなのではないか というように思ったので、丁度切り花が低温ガラスショーケースにあるのを見て質問してみた。
   
あの中は何度くらいなんですか?
   
11℃くらいかな。皆ただ冷やしていると思っているけどね、違うの。むしろ湿度が大切でね、あの中は湿度90%くらいなの。
   
話好きなおじさんは次々と色んな話をしてくれた。
     
あの中だと花の「もち」はどのくらい違うのかといえば、それは一慨には言えないが、水のもちが3倍くらいは違うのだという。つまり常温ではすぐに水が腐っていたんでしまうが、あの中はそれが3倍もつということだ。
    
なぜ湿度が高いと良いのかといえば、葉っぱからの蒸散が少なくて済むからで、切り花がダメになる理由の筆頭が蒸散による乾燥だと言い切った。
    
話が弾んで、市場にはどのくらいの頻度で出掛けるのか聞いてみた。
   
おじさんは週3回、板橋の花市場にいくのだそうだ。
セリに参加するためには、業者登録をしたのちに市場に通って花を卸売業者から3年間買い続けるという実績があって初めてセリ参加者としての認可番号がもらえるんだそうだ。
    
連休のころ、僕が大田市場に出掛けたときの疑問も解決された。
    
花屋という職業であっても、店を1店舗しか持っていなかったらセリに参加するメリットはあまりない。

それはセリでは最小落札数量というものがあって、花であれば50本単位で、それをすべて1店舗でさばけるかといえばそれはちょっと疑問だ。   
    
1店舗だけのオーナーであれば、セリよりも場内の卸売業者からセリよりも1~2割高くつくが好きな分だけ買ったほうが得策なのだ。
    
裏ワザとしてはセリが始まる朝7時から2時間くらいはかなり活気があって忙しいが、セリの後半、すなわち午前11時ごろになると買う気マンマンの花屋は仕入れるものを仕入れて帰ってしまう。そこで売れないとマズいと焦る業者はセリ値を下げていくのだそうで、午前の遅い時間帯にはとんでもない掘り出し物にであうことがママあるのだという。
   
それを狙って辛抱強く市場に残っている業者もいるのだそうだ。
    
そんな具合に話が弾んで、おじさんは 「これ良ければオマケするよ」 と言ってラベンダーの鉢をひとつくれた。 オマケだけあって、傷んでしまった鉢で売り物にならないとのことだが、傷んだところを取ってやればすぐに再生する。 ありがたく頂戴した。
   
さて有意義な話を聞いたけど、ブログ的にはどういった写真を載せようか・・・・
      
昨日は話の合間にその花屋の写真を撮った訳ではなかったので、この前写真の整理をしていて見つけたニューヨークで撮った花屋の写真をイメージとして使ってみることにした。
     
というわけで、今日の写真はニューヨークの花屋です。
  
   

2009年6月4日木曜日

ハチと植木屋
  
     
庭の手入れにいって作業をすすめていたら ウワッ!!!! という親方の声が聞こえた。
   
普段は泰然としている人なので慌てるのは珍しい。
どうしたんですか?
聞くと腕をチューチューと吸いながら、ハチにやられた と言った。
しかし、そのハチは単なるハチではなかった。
殺人バチである スズメバチ だったのだ。
体長も4センチくらいはあるだろうか。
親方は刈り込みをしていたのだが、そのバラの茂みの中にスズメバチが巣を作っていたのだ。

まだ巣のサイズとしては小さいが、なかにいるスズメバチはコワモテの殺し屋だった。
親方は ヤバイ、オレはこれでスズメバチに刺されるのは2回目だ。死ぬかも・・・ と弱気なことを言う。
不幸中の幸いというか、刺して毒を注入する前に払いのけたからか腕は大して腫れもせずにすんだ。
   
ここからは親方の反撃である。

反撃というと正しくない。 このまま放置してあげたいところだが、そんなものがあると我々は安心して庭仕事ができない。職務上やむを得ず に駆除することとなった。
親方は経験から 焼く のが一番良いというのを知っていた。
ほうきの先にボロ布を巻いてそこにガソリンを浸す。

オイ、火持ってないか?
僕も親方もタバコは吸わないので、肝心の火がない。

家のかたに事情を話して火を拝借する。
点火ッ!!
     
火はボーっ と燃え上がり、それをハチの巣に近づけたらアッという間に全焼した。
        

     
中からハチがブンブンでてくる気配もない。
      
おそらく一網打尽、すべて焼死したのだろう。
     
あとになってくすぶった巣を見てみると、中からは幼虫が出てきた。
     
まだ生きている。
     
食うか?? 親方がおどけて言う。
     
そういえばハチの子を食べるって聞いたことがあるなぁ。
     
以上が作業を中断して起きたスズメバチ騒動の一部始終である。
     
こうやって撮った写真はピンボケだけど、なんともリアルである。
    
庭と虫という関係もムシできない問題である。