実は街は植物で溢れている。彼らは色、カタチ、ニオイなどで「ここにいるよぉ」と静かなるメッセージを出している。そこには時として胸を打つドラマがあったりもする。そんなやもすると見過ごしてしまいそうな愛すべき彼らにあまり肩肘張らずにゆる~いカンジでスポットライトを当てる。日々の「あれ何だろう?」という好奇心に素直に向き合うブログ。
2008年3月31日月曜日
2008年3月30日日曜日
雑草魂 2
タンポポについて語ることが多い。多すぎるのでちょっと小出しにてみよう。
まず単にタンポポとせずにわざわざ西洋タンポポと書いたのはなぜか?
日本にもともとあったエドタンポポ、カントウタンポポなどの在来のタンポポがあったのだが、あとになって主ににヨーロッパに分布するセイヨウタンポポが外来種として日本に入ってきた。
このセイヨウタンポポのスゴイところは 在来のタンポポは雌しべに雄しべの花粉がつかないと種ができないのだけどセイヨウタンポポは受粉なしでも種がバンバンできてしまうということ。よって繁殖力がとても旺盛で勢力を広げていまや在来のタンポポを駆逐する勢いなのである。
さらに在来種は春のみ花が咲くのだけど、やつらは春にも秋にも咲いちゃうのだ。
2008年3月29日土曜日
2008年3月28日金曜日
うららかな日差しのなか、荒川沿いを散歩していて一面ピンク色のパッチを見つけた。
なんだ?としゃがみこんでみると、それはホトケノザだった。
これだけまとまると見ごたえもあるし、キレイでカワイらしい。
で、このホトケノザはよく雑草と言われて一言で片付けられてしまうのだけど、そもそも雑草ってなんだ?
辞書をひもといてみると
「自然に生える色々な草。また、農耕地で目的の栽培植物以外に生える草。たくましい生命力のたとえに使うことがある」とある。
つまり要らぬところに生える要らぬ草、ってことで、要る場所か要らぬ場所かの線引きは人間がしているわけだ。 (unwanted plant at unwanted place)
そもそも分類学上には 雑草 というカテゴリーはなく、人間自分の都合で勝手にひと括りににしちゃっているだけで、それをよくよく見てみると結構チャーミングな奴らが多いのに気付く。
言い換えれば 野草 とも言えるわけだし。
そこでよく見かける雑草たちに、グッと寄って幾つか見ていこうと思う。
トップバッターは ホトケノザ Lamium amplexicaule
和名ホトケノザは葉っぱのカタチが仏さまの座る台座に似ているのでついた名前だといわれている。
これはシソ科の植物。このシソ科に共通することを幾つか覚えておくとオモシロイ。
- 茎の断面が四角
- 葉は対生
- 毛が生えている
あたりが代表的な特徴。
1は茎を持って指先で転がしてみよう。カクッカクッと角張っているのが実感できるハズ
2は見ての通り、葉っぱが常にペアになって茎から出ている
3は花、茎、葉などあらゆる場所に産毛のように細かい毛が生えている
今回の写真はちょっと縮小率を下げてあるので上の2枚は毛が生えているのがみえると思う。
他にも花の形が以前述べたことがある 左右相称 になっていたりする。(3月14日ユリオプスデージー)
シソ科にはおなじみものがかなり多くて、シソは言うに及ばずラベンダー、ローズマリーなんかもそう。
お刺し身の薬味でホジゾがでてきたら見てみてねん。
2008年3月27日木曜日
2008年3月26日水曜日
巷は今まさに百花繚乱。
なにもサクラに限ったことではない。
赤あり、ピンクあり、白あり、黄色あり、我々の周りがいかに色で溢れているか気づかされる。
この黄色はレンギョウ。株立ちの潅木として見かけることもあれば、生垣などにも使われる。
上の写真は植え込みに使われている例で、日曜日天気が良かったので荒川を散歩して見かけたものだ。
花が咲いていればそれが何なのかは区別しやすいのだけど、この花が散ったらどうだろう?
葉、茎、樹姿などで見分けるには結構その特徴を日頃から観察する目を持っていないといけない。
言い換えれば 好奇心 をもって、あるいは 興味 をもっていよう、ということになるか。
ちなみにこのレンギョウはモクセイ科なので、もしキンモクセイを見かけたら比べてみるといい。
枝が硬くて木のよう、とか何かしら共通点も発見できるかもしれない。
昨日書いたユキヤナギの欄で 「ユキヤナギとコデマリが区別できるようになった」 というコメントを頂戴した。
知っている植物が増えると街歩きがもっと楽しくなるはず。
2008年3月25日火曜日
2008年3月24日月曜日
昨日の 情熱大陸 見ましたか?
屋久島の杉を救う樹木医のお話でした。
本ブログでも22日に樹木の根の大切さを書いた矢先でしたので、とても興味をもって見ました。
根の周りの状態が樹木にとっていかに大切なのか、改めて勉強になりました。
この仕事のツライというかキビシイことは、その効果を目で見て確認できるようになるのは数年、あるいは十数年先のこと。逆に処置が適切でなくて状態が悪くなるのはすぐテキメンに表れるということではないかなと思いました。Good News はスグに聞けないけどBad Newsはスグに耳に入るということ。
やるだけやって枯れてもしょうがないとある程度腹をくくれる木の処置はそうでないにせよ、国宝級の樹齢数千年の樹に処置を加えるというのはエラいプレッシャーだと思います。ビビッて出来ないカモ。
それにしても「樹」というのは本当に魅力的な存在だ。
そのカタチや大きさ。我々なんかよりもはるかに長生きであり、その場から動くことなくジッと全てを見つめているようだ。動物、鳥、虫などにも住処を提供し、文字通り屋根となっている。神木などといわれるように神なりなんなり宿っているのは間違いない。
昨日の番組で屋久島の杉を見た外国人が「Amazing」と言っていたけど、まさに。
そんな木々をもっと尊び、敬わなくてはいけないのではないだろうか?
今日の一枚のように針金をまいたままにして、木の成長がそれを追い越していく・・・なんて仕打ちを受けているのはザラ。
この木はすでにこの針金を木肌の下に包み込んで更に成長しようとしている。そんなの関係ねぇ、とでも言いたげではあるが関係なかねぇデス。針金より上の部分は明らかにその下よりも細っている。人間はなんでこんなことをするのか・・・?
昨日の樹木医の方、スゴク良い顔をしていた。
しきりに「儲からない・・・」とボヤいていたけど、カネにならなくても、必要とされ頼られて樹と向き合うというのは樹木医冥利に尽きるのではないかなぁ、ってのはキレイごとでしょうか。
単純な僕は カッコエエなぁ と思って見ていました。
2008年3月23日日曜日
2008年3月22日土曜日
2008年3月21日金曜日
今日は冷たい雨。風もけっこう強い。
でもサクラをみると、ツボミが膨らんでいるのに加え、遠目にもツボミがピンク色度を増しているのに気付く。そろそろですねぇ。
昨日のコメントで花見のことがあったのでちょっと。
この前上野の東京都美術館に写真展を見にいったときのこと。
一枚の看板が目にとまった。
花見のルール とある。
ここ上野公園はいうまでもなく花見のメッカ。
で、この看板である。
- ガスコンロなどの火気の使用は禁止します
- 桜保護のため植え込み地内への立ち入りはおやめください
- 朝からの席とりは禁止します
- ゴミはなるべくお持ち帰りください
- 発電機の使用やカラオケなどは禁止します
- ボンボリは午後8時に消灯します
と、以上6項目。
中には あたりまえ、常識というものもある(というか全部そうかも)けど、3番目の席とりでちょっと思い出したことが。
平成バブルでわいた頃、僕はサラリーマンをしていた。当時新入社員の4月の大仕事として、この花見の席とりがあった。寒いさなかゴザを引いて昼過ぎくらいから場所を確保する。トイレにいく間に席がどうにかなりやしないかなんてことでハラハラしながら1日を過ごす。
仕事を終えて皆が到着する頃にはカラダが冷え切っていて、ビールなんかより暖かいコーヒーください、などど涙目で訴えたものだ。
そんなことがフツーにあった、良くも悪くも破天荒、ノンビリ、お気楽極楽な時代を思い出してちょっと懐かしくなった。
2008年3月20日木曜日
春らしい花である。
もうあと数日でサクラは咲くと思うので、その前にちょっとサクラの名にちなんでみた。
このサクラソウは植木鉢に入れられて、軒先などでよく見かけるのでなんら珍しい花のようには思えないでしょうが、それは園芸品種のこと。
野に咲く原種は、なんと環境省のレッドリストにて 準絶滅危惧種 に指定されているレアな植物なのである。
ピンクの花はシンプルでなんとも可愛らしい。
ここで学名に注目してみると sieboldii とあって、これはかのシーボルトに由来している。
シーボルトは教科書でもでてきた我々日本人にも御馴染みのドイツ人のオッサンであるが、植物を多く命名して彼の名前がかなり残っている。
この写真のサクラソウは近所の寿司屋の前のプラスチックのプランターに植わっていたもので、サクラが咲いて皆がサクラに心が奪われるまえに御近所の植物をチェックしてみてはいかがでしょう?
2008年3月19日水曜日
2008年3月18日火曜日
たかがバジル、されどバジル。
たかだかバジルでアレコレと書いてきましたが、これで一旦打ち止めデス。
昨晩、ついにバジルの葉を4枚摘んで、モッツァレラチーズとトマトでカプレーゼをつくって食べました。
バジルはご覧の通り包丁で切って使いましたが、本当は切らずに葉っぱ丸ごと使いたかったのだけど、たった4枚ではそれも叶わず。
思ったのはこのカプレーゼ
- ウマイ トマト
- ウマイ モッツァレラ
- ウマイ バジル
- ウマイ 塩
- ウマイ コショウ
- ウマイ オリーブオイル
さえあれば、ウマイ カプレーゼができるのですね。当たり前か。
火を通して調理するわけではないので素材が大切といいたいのですね。
コショウも挽きたてが香りがたってウマイし。
そういった場合、自宅で摘みたてのフレッシュなバジルを使うと美味しさはアップするのは自明の理というもの。
めでたくバジル君は胃袋におさまり、長らくお伝えしてまいりましたバジルニュースは一旦お開きに。
お付き合い有難うございました。
2008年3月17日月曜日
2008年3月16日日曜日
昨日の陽気はいったい・・・。
気持ちヨカッタ。半袖はモチロンだが、思わず短パンを引き出しの中から探し出してはこうと思ったけど、これはさすがにやめておいた。
靖国神社に散歩がてら寄ってみた。
そういえばここ靖国神社には サクラの標準木 というのがあって東京のサクラの開花宣言はこのサクラで出されると聞いたことがあったので、どれどれどれがその有名なサクラだ? と野次馬的にそのサクラを探した。
聞くと靖国神社には3本の標準木があるそうで、そのうちの一本がこの能楽堂わきのこれ。
まだツボミは硬かったけど、かなり膨らんでいるようだった。
開花宣言も遠くないな、と。
開花宣言はこのサクラが 5~6輪咲いたらだされるそうなのだが、お恥ずかしながらこの5~6リンを「輪」ではなく「厘」だと思っていた。
なぜならサクラは「××分咲き」という表現をするではないか。で開花なのでホンのちょっと咲いているのを気象庁のエキスパートの方が見分けるとすれば「分」のひとつ下の単位「厘」ではないかと思うのは道理だと思うのだけど。
どうやって5厘を見極めるのかは大いに興味があった。
全体の花のつぼみの数を数えて分母を導いて・・・・、などと変に感心していたのだけど、ナーンダである。
2008年3月15日土曜日
~Weekly Basil News vol.4
。
この前間引きをするときに、間引いたバジルを捨てるのはもったいないので鉢上げした、と書いたあとどうなってるか。
ご覧になって分かるかと思うのだけど、もともと育てていたポケットティッシュのような容器のバジル君たちはスクスクと育ち、葉っぱはもう食べごろです。
かたや植木鉢に植えたほうは、葉っぱのサイズが半分くらいで色も濃い緑色をしている。
明らかにアンハッピーなシチュエーションと申せましょう。
でも、たった一週間やそこらでこれだけの差がでるっていうのはある意味スゴイと思いませんか?
ちょっとショック。
良かれと思ってやったのに。
で、どうしてか?と原因をつらつらと考えてみるに、
①植え替えのときに細かいヒゲ根を傷つけてしまった
②植え替えのときに使った土にいらぬものが入っている
かな、と。
①は、仮にそうだとしてもそろそろ根を再生して元気を取り戻すころである。現にアンハッピーそうではあるが、枯れちゃいないので根にはあまり問題がなさそうに思える。
一番疑っているのが②である。今回鉢上げのときに使ったのはホームセンターで買ってきた「種まき・さし芽 緩効性肥料入り」という土。都会のベランダでは、不本意ながらこういったものを買わざるをえないのである。
で、何でそう思っているかというと、バジルの葉っぱの色とサイズ。
ハッピーなバジル君に比べると明らかに葉っぱの緑の色が濃くて小さい。植物、とくにバジルのように葉っぱが柔らかい草本は「肥料やけ」のように過剰な肥料の影響を受けやすいのだ。
人間でもオトナ、特にオッサンはユンケル黄帝液をガブ飲みして「パワーついたっ!」と満足顔だろうが、赤ん坊にそれをしたらどうだろうか?
改めてその買ってきた土の袋を詳細に見てみると、「醗酵海藻土入り」「貝化石入り」「緩効性肥料」などとアレコレ入っている。百歩譲って前者ふたつがいわゆるオーガニックものであったとして、緩効性肥料はどうも化成肥料のようである。化成肥料は即効性があるけど、それがバジルのように柔らかい植物には利きすぎちゃうのだと思う。
化成肥料を使ったこのバジルを食べるというのは、自分が育てたものとはいえちょっとだけ二の足を踏んでしまう。
世の中オーガニック流行りなのもうなずけるのであった。
*多分ポケットティッシュ状のバジル栽培キットの土にもなんらかの化成肥料が入っていると思うけど。
2008年3月14日金曜日
この度、私の友人「正直ジジイ」がブログを立ち上げたとのことでこの場を借りて皆様にお知らせいたします。
http://blogs.yahoo.co.jp/chickentikkamasaya
彼は植物のことには全く無頓着で自分の趣味でアレコレ勝手にホドホドにモノ申すと言っております。
大した内容ではないと思うのですが、お茶のみ友達でもありますのでたまにのぞいてやって下さい。
花咲ジジイ拝
2008年3月13日木曜日
2008年3月12日水曜日
2008年3月11日火曜日
2008年3月10日月曜日
~Weekly Basil News vol.3
2008年3月9日日曜日
これも春を代表する花である。
雪の下からヒョッコリと黄色い花がのぞくとシャッターチャンスなんでしょうが、都会ではそれもかないません。
カワイイ花のわりに毒があって、人によってはふきのとうと間違えて食べてしまって大変なことになるらしい。
風媒花とか虫媒花とかいう言葉を聞いたことがあるでしょうか?
花は花粉を雄しべから雌しべに運んでもらって(受粉)子孫を残そうとアレコレと工夫をしているのわけです。その代表例は蜜をだしてハチを呼び寄せ、蜜を吸いにきたハチがカラダに花粉をつけて次の花へと行くというやつで、この手段をとるものを虫媒花というのです。なんか小学校もしくは中学校のときの理科でやったでしょ。
かたや風媒花はムシによらずに風に花粉を運んでもらうもの。ムシを呼び寄せる必要がないので地味な色をしていて、蜜もださないのが多い。
で、このフクジュソウはチト変わっている。
雪の下から顔をだすように、この花が咲くのはまだあたりが寒い季節。
このフクジュソウは、「暖かさ」でムシを呼ぶのだ。
どうやって?
この花は太陽の方向を向いて、パラボラアンテナのようなそのカタチで太陽光を花の中心に集めて温度をあげるのです。実際に測ってみると温度が数度ちがうらしいってんですから、自然のなせる業の不思議なことよ。
温泉につかるニホンザル、フクジュソウにとまるムシ。どこか似てると感じるのは僕だけだろうか?
2008年3月8日土曜日
先日かつおの刺し身を食べた。
初がつおと呼ぶにはまだ早いらしく、5月頃のほうが脂がのってウマイのだとか。
なんのなんの、かつお好きの僕としてはいつ食べてもウマイと思える。
で、なんでこんな話かというと、出された皿に目をやるとメインのかつおに当然目がいくけども、そこを「花咲ジジイ」的目線で見てみると・・・・。
- ホジソ
- ダイコン (つま)
- 万能ネギ (薬味)
- ニンニク (薬味)
と植物のオンパレードである。さらに厳密にいえば、醤油もダイズからということで、植物界からの堂々のエントリーである。
かくして主役のかつおを控えめな植物たちで脇をかためるという図になる。
素晴らしいじゃぁありませんか。
もしこのひとつでも欠けるとかつおの旨さは活きてこないと思うのだけど。
そういった意味ではつまのダイコンにも敬意を表して残したりしてはいけません。
イヨッ!!名脇役!!