2015年6月29日月曜日

クリの花


花には大きく分けて風媒花と虫媒花がある。

花粉の媒介を誰がするかという問題。

一般に虫媒花は虫たちに花粉を運んでもらわなければならないので、蜜を出したり、良い香りを漂わせたりする。
花そのものが大きくて派手なのも目だって虫たちに存在をアピールしたいからだろう。

いっぽう風媒花は風を相手にしているので、目立つ必要はない。
なので地味で香りもせず、そのかわり大量の細かい花粉を出す。

この前見かけたのはクリ。

どうだろう、この花は上記の特徴に照らすと。

派手とは言いがたいので風媒花のような気もするし、でもご存知の方もいると思うけどクリの花って独特のニオイがするでしょ。

実際、よく見てみると小さな虫たちがしきりにクリの花の周りを飛んでいる。

おそらく虫媒花で間違いないとは思うけど、風媒花的な花粉の伝達も行われているのではないだろうか。

そしてさらに良く見てみると白い穂状のものは花粉を放つ雄花。

その根元についている球形の花は将来クリになる雌花。

もうイガイガ(殻斗)の気配がうかがえる。

街中でそれほどみかけるものでもないけど、もし見つけたらちょっと足をとめて観察してみると面白いよ。


2015年6月28日日曜日

登録品種の底力


先日ご紹介した、とあるお花屋さんに咲いていたピンクの花。

これはサフィニアといってサントリーフラワーズの登録品種。

一般的にはペチュニアなので、珍しくもないが、あれだけボリューミーに咲くあたりが登録品種たる所以だろう。
加えて発色も素晴らしい。

もちろん「その他一般的なペチュニア」に比べると一ポットあたりのお値段が違う。

例えばこのサフィニアは一ポット500円はしなかったけど、それに近いお値段だった。

それを買ってきて、摘心し、切り戻し、施肥するなど管理をしっかりするとこぼれんばかりに咲くという寸法だ。

殺風景な我がベランダでも試しにやってみようかな。


2015年6月26日金曜日

豪華屋上庭園


昨日、今日と2日間講習を受けていたのですが、気になったのは講習会場隣の超・高級マンション。

エントランスの雰囲気もただものではなかったし、常時黒服を着た案内係が立っている。

講習の休憩時間にはその様子を俯瞰的に見ることができまして、さらに好奇心を煽られました。

特に目に留まったのは屋上。



見事なまでの屋上庭園が広がっています。

おそらくこれは最上階の人の専有庭のようなものではないかと想像します。

樹木もけっこう入っていたりして重量は大丈夫なのか、芝は枯れないのかなど心配になりましたが、なんのなんの、ご覧のとおり青々としています。

覗き見的であまりよろしくないような気もしますが、でもこれはなかなかのもの。

見ずにはいられませんでした。


2015年6月25日木曜日

範を示せ


とあるお花屋さん。

2階からはピンクのサフィニアがもっさりと。

思わず足を止めて見入ってしまった。

そしてお店の方に話を聞いた。

*花はいつからいつまで咲くのか?
*これだけ育つのにどのくらいの日数を要したのか?
*プランターひとつに何株入れているのか?
*どうしたらこのように育つのか?

お店の方は作業中の手を休めて、イヤな顔ひとつせずに丁寧に教えてくれた。

これは3月後半に苗が出回るようになったころから植えつけて、プランター(長さ約60センチ)にたった3株しか植えつけていないらしい。

コツは切り戻しをマメに行って、分枝を促すようにしたことらしい。

これで10月頃まで楽しめるってんだからスゴイ。

僕がこの2階のサフィニアを見て足を止めたように、「これと同じ感じで作ってください」と言われて都内某所の花壇管理もしているらしい。

そりゃそうだよね。
これはとても良い広告宣伝の仕方だと思う。

こんなベランダにしたい、と思う人の共感を得られればいいわけで、率先して見本を示しているわけだ。

商売のヒントが隠れている気がしたよ。


2015年6月24日水曜日

まぼろし


このまえ赤城自然園に行ったときのこと。

淡く青い色の花が咲いていた。

なんだろう?

見たことがなかったので、あとで調べてみた。

その名をシチダンカ Hydrangea serrata f.prolifera という。

学名 Hydrangea を見れば納得。

なーんだアジサイかよぉー。

でもアジサイっぽく見えなかったなぁ。

苞の感じも、葉の感じも、一般的なアジサイとは違った。

調べたときにひっかかってきたフレーズが「幻のアジサイ」というもの。

幻・・・、このフレーズには弱いぞ。

世代的にはちょっと違うんだけど、それでも子供のころ「まぼろし探偵」という漫画を愛読していたことがあって、以来「まぼろし」というフレーズにはひきつけられてしまう。

なんでこのアジサイが幻なのか?

諸説あるようだけど、かのシーボルト博士が日本植物誌に紹介したのは良いが、肝心のわれわれ日本人にはあまり馴染みがなかった。
そのアジサイを探してみたが、しばらくのあいだ見つからずにいた。
そして昭和30年代にこれが見つかった・・・ので「幻」なんだとか。

幻のわりには、いまや園芸店にも並ぶらしい。

知らなかった。

勉強になるなぁ。

2015年6月23日火曜日

over seed


庭園には芝生がいたるところに。

ところがある箇所では簡易的な柵が施してあって、何か張り紙がしてあった。



Please do not cut this area as has been over seeded. Thank you.

しいて訳するならば
芝のタネをまきましたので、ここを通らないでください
となるだろうか。

人が頻繁に通る場所は芝が痛んでハゲてしまう。

もちろん土が踏み固められてしまう soil compaction が原因であることが多い。

そこで芝の管理として、堅く締まった土を緩めてあげて、さらに芝のタネをまいて薄くなった芝の密度をあげようということである。

芝のタネをお相撲さんが塩をまくように、芝がハゲた箇所に均等になるようにまく。

そして目土(この場合は砂)をまいて、タネが発芽し定着するまで待つ。


もちろんこの間に人が歩いたのではすべてがパーである。

このようにして英国庭園の芝は青く保たれるのだ。

タネを追加的に芝がハゲた箇所にまくことを over seed と表現する。

品詞としては動詞になる。

このあたりは毎月第二日曜日、西武コミュニティカレッジで開催中の講座で楽しく扱っていますのでご興味のある方は是非。



2015年6月22日月曜日

ジレンマ木登り


昨日の赤城にての特別植物観察会はグループをふたつに分けて、前半は僕と一緒に植物観察、後半はロープを使った木登り体験、もう一方のグループはその逆、という構成だった。

僕は植物観察の指導者として仕事をまっとうしたが、気になってしかたがなかったのは木登り体験。

だって木登りですよ。

こっちのグループに入りたいくらいだよ。

木登りの指導をされている方とイベントをご一緒するのは今回2回目。

とても経験の豊富な方で、そうなると、どういう道具を使って、どのように登るのかなんてことがとても気になる。

しかし、こちらは植物観察の仕事がある。

・・・ということで、なかなかジックリゆっくりと木登りの様子を観察することができなかった。

でも、知り合うことができて、今後もお付き合いを続けていただけそうなので、それが良かったな。

木登りといっても、人ぞれぞれ。

色んな人のやり方を見て参考にしていければと思う。

2015年6月21日日曜日

雨に降られずの日曜日

キイチゴ

心配された天気ではありますが、お陰さまでどうにかこうにか傘もささずに子供たちとの植物観察ができました。

春のピーク時ほどの花は咲いていないけど、その分いろんな実がなっていた。

草本だけではなく、木本にも実がなっていた。

これからじっくりと時間をかけて実が熟していくのだろう。

都会では見れない植物も多い。

たとえばマムシグサ。


赤城自然園ではここそこに見かけることができるけど、これは都内を散歩していて気軽に見かけることはできないなぁ。

一方でこれから咲く花もつぼみを膨らませて準備をすすめていた。

たとえばレンゲショウマ。

まだポツっと小さなつぼみだけど、あと4~5週間くらいすると咲くのかな。

次から次へと楽しみはつきない。


2015年6月20日土曜日

赤城ひとりじめ


赤城にきております。

明日、赤城自然園で特別植物観察会があるからですが、朝早いので前のりしました。

現在、赤城自然園は閉園期間中なので、下見で園内を歩くとひっそりとしていて不思議な雰囲気でした。

花はいっときほりも少ないですが、その分いろいろな実がなっていました。

クワは「食べごろ」だったなぁ。

残念なことに、クワにはかなりのかずのカイガラムシがくっついていたけども。

今日は最寄の渋川に宿泊です。

温泉につかって英気をやしないたいと思います。

イワガラミ

都内では終わってしまったドクダミもまだ見ごろ

2015年6月19日金曜日

イングリッシュオーク


英国にもっとも馴染む木。

それは間違いなくイングリッシュ・オーク(Quercus robur)に違いない。

なんてったってイングリッシュって名前についているんだから。

樹形だって悠々たるものだし、大きいし、威厳がある。

そんなイングリッシュオークは古くは建材としてティンバーハウスに用いられたりしていた。

目が詰まっていて堅くて丈夫。

ゆえに腐りにくく長持ちする。



さらにはフェンスなどにも使われている。

支柱も横にわたるフェンスもすべてオーク。

さらには釘などは使わずに、支柱に予め開けておいた穴にフェンスを差し込むだけというシンプルさ。

フェンスは適度にカーブして独特の雰囲気がある。

さらに経年変化で風合いが増していく。

これがあたりの風景に馴染んで溶け込んでいくのだ。

金属やプラスチックを使った直線的で無機的なフェンスも悪くはないのだけど、あらゆる面でこの木製フェンスに分があるような気がするのだけどどうだろう。


2015年6月18日木曜日

これは何?


イギリスで古い家を訪れると、玄関先にこんな変わった置物があるのをみたことはないだろうか。

これが何なのか知っていればなんてことはないが、知らないと
「ハテ、何かしらん?」
となる。

ご存知の方も多いと思うが念のためご紹介しておくと、これは Boot Scraper といって、靴底にこびりついた泥を家に入る前にこそぎ落とすためのもの。



なので家にあがる前には遠慮なくこれで泥をガシガシと落とし、さらには玄関マットで靴底を拭う。

あたかもウンチをした犬が後足で土をザッザッとかくような仕草と似ている。

基本的には靴のまま家にあがるという文化、風習の国だからして、こういうものが設けられたのだろう。

でも最近は日本に倣って(?)、玄関で靴を脱ぐ家も増えてきたと思うよ。



2015年6月17日水曜日

静かな芝刈り


英国では今の時期、庭仕事といえばまずはなにはなくとも芝刈りであります。

今の時期は気候的にも芝の成長期にあたり、刈ったはしからどんどん芝が伸びてくる。

そして英国園芸の庭に対する美徳は芝にあると言っても過言ではない。

芝がいかにキレイに整備されているかは基本中の基本であり、いかに意匠を凝らした庭をつくろうとも芝のメンテナンスが行き届いていなければ全てがブチ壊しとなる。

なのでガーデナーたちは日々、芝刈り、除草(雑草取り)、エッジング(花壇の縁の芝を刈る)にいそしまなくてはならない。

芝刈りにも用途に従ってさまざまなタイプがある。

ここで使われているのはシリンダー型の芝刈り機。

たいていはガソリンエンジンを搭載した芝刈り機だが、彼の使っていたのは充電式。

なんとも静かだし、排気ガスも出ない。

静かなくせして、耳栓(ear defender)をしているのがなんともイギリスらしい。

チェーンソーも最近は充電式のものが出回るようになってきた。

スタートが楽だし、音も静か、振動も少ないし、排気ガスにむせることがない。
加えてかなりパワフル。

しかしこの電動芝刈り機は静かだったけど、パワフルさは微塵もなかった。

ウィーーンと静かにゆっくりと庭内を周回していたが、見ていてなんだかストレスが溜まりそうだった。

やはりバリバリっと芝をスッキリと気持ちよく刈りたいよねぇ。

2015年6月16日火曜日

アガパン


入梅の候、いかがお過ごしでしょうか。

気温はそれほどでもなくとも、そこはやはり梅雨、湿度が高いのがたまらんね。

ちょっと動くとじわ~っと汗がでてくる。

でもこういう高温で多湿な時期が年間に一定期間あるというのは植物たちにとっては有難いことなのかも。

今は春と夏が拮抗しているというか、端境期というか、のんびりした春の花と気の早い夏の花がしのぎを削っている。

ノウゼンカズラ、タチアオイ、サルスベリ、ムクゲなんかが元気に咲いているのを見かけると、今は何月だ?と不思議な気持ちになる。

一方、梅雨時の花の代表格アジサイは終わりつつあるし。

今、ツボミであとちょっとで咲きそうなのがアガパンサス。

青ばかりではなく最近は白も増えてきた。

鬱陶しい季節に花が咲いているのを見るとちょっと救われる。

2015年6月15日月曜日

折りたたみ自転車



現在、欲しいものリストのトップにあるものは自転車。

英国生まれの折りたたみ自転車。

以前から知っていたけど、それについてとくに欲しいと思ったことはなかった。

でも最近、公共交通機関との組み合わせでさらに効率よく移動するにはとても優れているのではないかと思うようになったら、頭から離れなくなってしまった。

英国ではこのように折りたたんで地下鉄や電車に乗り込む人の姿を良く見かける。

日本ではカバーの着用など規制もあるけど、うまく使いこなせば便利至極なはず。

そしてとてもブリティッシュなカンジも良い。

欲しいなぁ~

問題は自転車の置く場所なんだよね。

すでに愛車があるので辛いところ。

街をあげてブロンプトン専門のレンタルもある

2015年6月14日日曜日

ペングイン


イギリスで買ってきたチョコレート菓子。

これを今日の園芸英語講座で参加者の皆様に召し上がっていただきました。

高価なものではなく、まったくの庶民のお菓子ですが、懐かしい味。

紅茶のアテによく食べたんだよ、とか、それぞれの包装についているクイズ(駄洒落)が楽しいんだよ、とかちょっとした説明も加えつつ。

しばらく見ないうちにパッケージがカラフルでポップな感じになっていてちょっとビックリ。

このペンギンチョコは今日でなくなりましたが、まだ隠し玉があるのですよ。

これは来る7月5日(日)の講座
で出そうと思っていますので、お菓子と紅茶目当ての方も歓迎です。

詳細はコチラまで。





2015年6月13日土曜日

not 木登りの季節


気がつけば6月も半ば。

かなり気温も上がってきたなぁ。

木登りは相変わらず取り組めていない。

イギリスで樹高30メートル級の木に3回登っただけ。

腕もなまるってもんだ。

因みに上の写真、木のてっぺん、やや左方向にポツって人が見えるでしょ。

そこから下をみればご覧のとおり、アリんこのように見えるのであります。



これから夏本番になると、毛虫、スズメバチなど木登りをするには危険なやつらもたくさん出てくるし、なんといっても最近の夏の暑さは木登りには辛すぎる。

根性論ではなく、木に登ると大量の汗をかくので脱水の危険、熱中症の危険などもあるので自主規制をすることにしている。

仕事などでよっぽどの事態に迫られないかぎりは。

そんなわけでしばし本格的な木登りとは縁遠くなってしまうと思うが、それでも地上でできるトレーニング、練習を重ねて腕の鈍らぬように備えたいものであります。


2015年6月12日金曜日

ゴミ問題


英国にて。

大きな「ズタ袋」には GARDEN WASTE COLLECTION の文字が。

GARDEN WASTE とは剪定ゴミのように、庭仕事をしていて出てくるゴミのこと。

日本でも、庭木の剪定をした後に細かく切って(刻んで)燃えるゴミに出すときがあるでしょ。

あれも気をつけて細かく刻まないとゴミ袋をすぐに貫通してしまう。

しかしこんなに頑丈な袋があればそんな心配はない。

ガンガン押し込んで出せば良い。

もちろんこれは業者向けではなく、一般家庭向きの話。

袋の上部には
「Please fill your home composter first!」
と書いてある。

おウチのコンポストからまずは埋めてみて、それでも余ったときにこの袋で出してね、という意味。

人間が生活すると必ずゴミがでる。

庭を維持するにもゴミがでる。

それは避けることのできない必然。

ならば、それをスマートに効率よく、さらには環境に配慮した形で処理できれば良いよね。

こういう制度、日本でももっと取り組めばいいのに。

2015年6月11日木曜日

難しい花壇のお話


花壇というのはなかなか難しい。

人を楽しませるのも、この庭はスゴイと思わしめるのも、花壇の役割であり、いわば庭の顔的な存在である。

花壇の優劣は
①デザイン
②植栽
③メンテナンス(維持管理)
で決まると思う。

①デザインはもちろん大切。
フォーマルでいくか、カジュアルでいくか、平坦(平面)でいくか、高低差をつけるか、などなど様々な要素が考えられる。

②そして植栽。
たかが植栽、されど植栽。
いかにデザインの優れた花壇をつくっても、そこに何を植えるかで全てが台無しになってしまうこともある。
逆にデザイン的には平凡であっても、優れた植栽ができれば、それは素晴らしい花壇になりうる。
何をどうやって植えるか、がとても大切。

③最後にメンテ。
せっかく素敵な花壇を作っても、雑草だらけだったり、水切れを起こしてうなだれている花ばかりでは全てがブチ壊しだ。

キューガーデンのパームハウス前には大きな花壇がある。

これはパーテェー(parterre)といって、幾何学的にデザインされた花壇。

ここのデザインは僕の知る限り10年以上変わっていない。

この花壇は年に2回全面的に植え替えられる。

この花壇の責任者が何を植えるか植栽案を作り、それに従って裏方で半年がかりで苗を作る。

そして一週間以上掛けて植え替える。

なので、行く度にここの様子が異なっている。

これは楽しみだし、このパームハウスはヴィクトリアゲートから入場したらばすぐ目の前にあるのでいわばキューガーデンの顔でもある。

今回行ったらばご覧のようにブルーとピンクの2色をテーマに花壇が作られていた。


・・・・これ、どう思います?

僕は、これはいかがなものかと思った。

よく言えばシンプル、悪く言えば退屈な花壇だと思う。

これだけの広いスペースに、あまりにも「動」の要素が無さ過ぎる。

動とは、例えば草丈の異なる植物を使って高低差をつけるとか、色合いの異なる花を使ってみるとか、さらには補色(反対色)を使ってコントラストを強調してみるとか。

一見、良いようでいて、これはイカンなぁと思って今年の花壇を見てきました。


2015年6月10日水曜日

実践、サステナブル


庭をとりまく環境も大きく変わってきたのではないだろうか。

サステナブル、リサイクル、エコ、オーガニックなどなど、様々なキーワードがもてはやされている。

特に温暖化、気候変動などにより平均気温が上昇していること、降水量が減ってきていることなどが問題だ。

となるとこれまでうまく育っていた植物が育たない、もっと温暖な地域で育っていた植物にとってかわる、水遣りを控えなくてはならない、などの問題がおきてくる。

ホースでの水遣りは、本当に水を欲している箇所以外にも水が無駄に垂れ流しになるので、いよいよ貯水率が厳しくなると、ロンドンではホースを使っての散水が禁じられる。

なので手間でもジョウロでの水遣りをしなくてはならないのだ。

サステナブルが叫ばれる昨今、深刻な水不足の前から雨水の再利用が定着してきているようだ。

仕組みはごくごく簡単で、雨樋にご覧のような雨水タンクをかませるだけ。

これでタンクには雨水が溜まり、タンク下部にある蛇口をひねると雨水がでてくるという仕組み。

シンプルで安上がり、しかもサステナブル。

日本でも地方自治体によってはこういった雨水タンク設置に補助金がでるところもあると聞く。

これは積極的に真似てもいいんではないかな。

2015年6月9日火曜日

街路樹


日本で街路樹の思想無き剪定を目の当たりにして、戸惑うことあれど。

英国にても、やはり街路樹の維持管理には思想よりも効率が求められるなりけり。

2015年6月7日日曜日

最新庭事情など


今回イギリスにいって感じたことがある。

それは「ユニクロ多し」ということ。

日本ではもはや「国民服」のようになっていて、まさに老若男女がユニクロのお世話になっていると思う。

とくに冬場のダウンは目を見張るものがあって、ここそこにユニクロのダウンを着ている人が闊歩している。

この様子は日本だけではないんだなぁと今回思った次第。

ご覧の女性が着ているので分かるように、こういう姿をいろんな場面で見かけた。

軽いし、暖かいし、なんといっても安い。
それでいてそこそこの品質。

そのあたりが英国人にもウケたんだと思う。

実は4月に日本にやってきたキューガーデンのボスもユニクロダウンを着ていた。

・・・そんな最近のイギリスで感じたことや、そしてチェルシーの様子など、最新の英国庭事情などをふんだんなスライドとともにたっぷり2時間お話する機会を持つことにしました。

よろしければ是非ご参加ください。

『チェルシーフラワーショウと最新イギリス庭情報』
 *日時:7月5日(日)13:30~15:30
 *場所:池袋コミュニティカレッジ
 *参加費:3844円(コミカレ会員・RHSJ会員に割引有り)
 *お申込・お問合:03-5949-5481

2015年6月5日金曜日

負けないもんネ


今回の旅の後半では車を借りました。

キューから地下鉄でヒースロー空港まで近いので、わざわざヒースロー空港まで行って車を借りたのです。

これには理由が。

最終日、空港に重い荷物を抱えて地下鉄で空港に向かうのであれば、レンタカーで向かったほうが楽ではないか、と。

キューからタクシーでヒースローに向かってもそこそこ良いお値段がするので、レンタカーでの庭巡りと、帰りの手間を兼ねようという作戦。

作戦はまずまず成功したかのように見えました。

ちょっとしたヒヤヒヤもあったけど。

それは、給油に関して。

実質48時間しか借りないし、そんなに遠くに行かないので給油は空港近くの1回でよかろうと。

焦って家の近くて満タンにしても、空港で車を返すときに満タンでないとケチをつけられるのは気分も良くないし、財布にも痛い。

キューを出発して空港に向かうときにすでに、給油ランプが点いていましたが空港までは楽勝だろうとタカを括っていたわけです。

ところが空港にあると想像していたガソリンスタンドが無い。

ガソリンスタンドを探して右往左往しているうちに本当にガソリンが尽きる一歩手前まできたのでしょう。

赤信号で止まっていたら、エンジンが止まってかからなくなってしまった。

後続車からクラクションをファンファン鳴らされながらも必死に、「きえーっっ!!」と気合でイグニッションキーをまわしたらばどうにか動き、ぎりぎりどうにかガソリンスタンドに滑り込むことができました。

危なかった。
勘弁してくれよ、ほんとに。

そして無事に車を返し、無事に日本に戻ってきたと思ったら・・・。

レンタカー屋から最終請求書なるものが送られてきた。

よくよく見ると、レンタル期間=3日間とある。

いやいやいや、それはないでしょ。

2日間しか借りていないし、そこは十分すぎるくらい余裕を持ったはず。

英語だし、メールだし、顔は見えないし、クレームつけても無視されたら終わりだなぁ。
悔しいけど泣き寝入りか。

ちょっと諦めかけたけど、これはどうしたっておかしいし、悔しい。

負けないもんネ。

書きましたよ、メールを。

「納得いかないので再度確認されたし」って。

数日経ってもやっぱり返事がない。

諦めかけたころ、ちょうど一週間くらい経ってからようやく返事が。

「こちらの誤りです」と。

良かった、やったよ、お父さんは。

それにしても、こちらが何もいわなければこのまま間違ったままスルーしていたのだろうか。

イギリスとは先進文明国と信じているけど、ときどきこうやってハラハラどきどきさせられちゃうんだよね。



2015年6月4日木曜日

NGS


NGSをご存知だろうか。

National Gardens Scheme といって、チャリティを目的として個人の庭を一般に有料で公開する。

その入園料(公開料)をチャリティに寄付するというもので、イギリスでは1927年にこの運動がはじまった。

今ではイギリス国内でおよそ3700の庭がこの運動に参加している。

個人邸の庭は普段は公開されていないので、イギリス人の庭たるやどんなものか実際に見るチャンス。

さらにはイギリス人たちが庭とどのように向き合っているかを知るチャンスでもある。

この庭の公開情報を集めたのがいわゆるイエローブック。

このガイドブックには何時、何処で庭が公開されるかを知ることができる。

公開が近づくと、その庭の主は公開を告知するするべく、黄色いポスターを近所に貼り出す。

そうそう、昨年はたまたまロンドン滞在時期と、近所の庭の公開日が一致して楽しくも有意義な時間を過ごしたんだっけ。

今年もたまたま近所のパブに寄ったら掲示板にご覧の通り、庭公開の案内が貼り出してあった。

残念。

今年は自分お滞在日程と合わなかった・・・。

また来年、楽しみにしているよ。