2012年8月31日金曜日

夜間徘徊のススメ


いよいよ今日で8月もおしまい。

早いねぇ、時の経つのは。

ちょとは涼しくなるのかなと思いきや、相変わらずの暑さ。

ややウンザリである。

でも、しばらくするとこの暑さが懐かしいと思ったりするのだろうか。

ポジティブに考えるならば、暑い、寒いと言えるのは有難いともいえるかもしれない。

赤道直下の国であれば、1年12カ月ずっと暑い。
日の長さも変わらない。
四季がない。

それはそれで辛いだろう。

そう思えば、1年のうちの数カ月暑いくらいは我慢しなきゃな、なんてね。


さて、この花咲ブログで取り上げる植物は基本的にお昼、日中に起きていることについて書くことがほとんどだ。

花が咲いているのが日中だし、カメラを持って歩いてキレイに撮れるのも日中だし・・・

さらりと「花が咲いているのは日中」なんて書いたけど、それはウソ。

一日のうちの限られた時間帯に咲く花ってのがある。

アサガオは朝咲くし、ヒルガオは昼咲くといったあたりは分かりやすい。

他にも月下美人は夜中に咲くし、この前ちょっと書いたオシロイバナも夕方から夜にかけて咲くなどなど結構あるものだ。

そこで夜にカメラを持って散歩にでた。

一歩間違えれば怪しげな夜間徘徊者といったところで、職務質問を受けかねない。

夜ならコレと決めていたので、それほど徘徊ってわけでもなかったけど。

コレというのはカラスウリ Trichosanthes cucumeroides 

ゴーヤ、キュウリなどと同じウリ科のつる性植物である。

何かの木に絡みつくように葉を広げている。

一番上の写真はちょっとピンぼけだけど、暗闇の中で白い花が咲いているのがスグに分かる。

このスグ分かるというのがポイント。

カラスウリが夜に花を咲かせる理由は、花粉を蛾に運んでもらうためだ。

蛾の活動時間帯と花の開花時間帯を合わせているわけだ。

しかも蛾に花の存在を分かりやすくするために白い花を咲かせている。


さらに5枚ある花びらの先端が細かく裂けていて白いレースのようになっている。

これが暗闇で一段と目立つようになっている。

2枚目の写真を見れば、暗闇に白い花が浮かび上がっているのが分かるでしょ。

一晩頑張って花を咲かせると、朝には枯れてしまう。

朝散歩をしていて見掛けることができるカラスウリの花はすべからく役目を終えて枯れてしまっているはずだ。

ちょっと神秘的ですらあるこの白い花をみるにはやはり夜に限るというわけだ。

夕涼みがてらカラスウリを探しに歩いてみてはどうでしょう。

カラスウリも夏の花なので、見れるのもあと僅かだと思う。



2012年8月30日木曜日

Bean Boots 帰る


長年愛用している Bean Boots の縫い目がほつれてしまって、この度2度目の修理に出すのだ。

と、書いたのは7月22日のことだった。

Bean Boots はソール交換といって、くるぶしから下のゴム部分を有償で交換してくれる。

くるぶしから上の革部分はもうかれこれ25年以上履いているので、イイ具合にへたっていて自分の足にも馴染んでいて新しいものに買い替えるのは忍びない。

そんな事情もあって、2度目のソール交換と相なった。

ソール交換といっても、日本国内ではできないらしく、わざわざ本国アメリカのメイン州に送られるので2~3ヵ月かかると聞いていた。

ところがほぼ一カ月しかたっていない先日、宅急便で新品のソールに交換された Bean Boots が送られてきた。
なんとスピーディー!

当たり前なんだけど、上半分は25年以上の年季が入り、下半分は新品のピカピカ・ソール。
かかと部分なんかはまだ角がたっているのが分かるでしょ。

そのアンバランスな感じがなんとも恥ずかしいカンジがする。

でも心配無用。
数回、あるいは数カ月履けばもうスッカリ馴染んでしまうはずだ。

新たに縫いつけられたソールの縫い目の糸も白く鮮やか。

縫製がほつれてしまったのは自分の履き方に問題があったからで、今回はその辺を気をつけて履けばあと5年くらいはもつのではないかと思う。

30年も履けば天寿を全うしたともいえるだろう。

という訳で元気に帰ってきたピカピカの Bean Boots。

雨の日が楽しみになってきた。
早く降らないかな、雨。

四谷駅前のアベリアも雨を待っているはずだ。



2012年8月29日水曜日

キリの話


強い日差しの中で、花は咲かせていないが元気なやつを見つけたゾ。

こんな光景、見たことあるでしょ。

ときどき『ど根性ギリ』とか言って紹介されることもある
キリ Paulownia tomentosa であります。

なんで、ど根性かというと、植えた覚えもないのにホンの僅かな都会の隙間に根を張り大きく育つからだと思う。

恐らく誰も水なんかやっていないと思う。

こんなに大きくなるので、逆に厄介もの扱いされているケースの方が多いかもしれない。

その旺盛な生育力と大きさは圧巻。

まず上の写真。

自転車を押しているオジサンの背丈の倍はゆうにある。
推定3メートル。

次はとある御宅の玄関脇。


2階のエアコン室外機に届いている。
推定3メートル20センチ。

そして3つめは高速道路の橋脚脇の柵の中。


これは3つの中では一番大きい。
推定5メートル。

とまあ、皆それぞれデカいのだ。

昔は、女の子が生まれたらキリを植えろ、という時期があったという。

女の子が大きくなってお嫁入りするころには立派な大木になって、そのキリで箪笥を作るということだったらしい。
当時の想定は20年くらいだったとのことで、昨今の晩婚化によって、かなり立派な箪笥が一棹か二棹余計に作れるかもしれない。

因みにキリは熱を伝えにくいので燃えにくい。
さらに軽いので水にも浮く。加えて頑丈。

仮に洪水が起きても浮いて箪笥の中身をシッカリ守ってくれる。

・・・ということは、もし津波がきてもキリの箪笥があれば、ひょっとして命も、そして財産も守れるかもしれない。

防災意識の高まる今の時代、もっとキリ箪笥に目が向いても良いのかもしれない。

ちょっと話が逸れた。


とにかくキリは元気で、青空にむかってまっすぐグングン伸びる。


特筆すべきはその葉の大きさである。

僕の手と比べてみれば分かりやすいだろう。

一枚の葉の幅が50~60センチくらいはある

これは若木のときに見られる特徴で、木が成長していくと葉は小さくなっていく。

子供とこの葉の大きさを測ったりすると面白いだろうな。
身近にこんな大きな葉っぱがあるなんてちょっとした驚きだもの。


根元を見れば、コンクリの割れ目に根を張っているのが分かる。

同様にアスファルトの割れ目だったり、とにかく 「なにもそんな狭いところで・・・」 と同情してしまいたくなるようなところで頑張っている。

ゆえに、ど根性なんだろう。

最後に、驚く話をもう一つ。

このキリはゴマノハグサ科。

その名が表すようにゴマノハグサ→「草」なわけで、他にどんなやつらがゴマノハグサ科にいるかというと、キンギョソウ、ジキタリス(フォックスグローブ)、あたりで、まさに草花がほとんどだ。

キリが草だと言っているのでない。

キリは立派な木だけど、その立派な木が、キンギョソウやジキタリスなんかと同じ仲間だなんて意外じゃない?








2012年8月28日火曜日

四谷駅前のアベリア


8月も残りわずか。

子供たちの夏休みも終わりに近い。
宿題は終わっただろうか?

自由研究に植物を取り上げてくれた子供たちはどうしているかな。

しかしながら相変わらずの残暑残暑であります。

ふうふう言いながら外を歩く。

どうやらこの残暑は9月上旬までは続くんだそうで困ったものである。

でも最近は夕方6時半くらいには暗くなり明らかに日が短くなっているし、夜には草むらからリーリーと虫の鳴く声がする。

あと一頑張りだ。

さて、ふうふう言いながらJR四谷駅前を通りかかった。

駅ビルの前、ちょうど新宿通り沿いに花壇がある。

花壇の高さは60センチくらいあって、待ち合わせする人たちがチョコンと腰掛けていたりするのを良く見かける。

この花壇の横を通り過ぎようとして『異変』に気付いた。

上の写真がそうだが、何か気付きますか?

植えられているのはアベリアで、珍しくもなんともないありふれた植栽。

そう、植えられているアベリアが茶色く変色しているのだ。

これは、明らかに水切れによるものである。

アベリアの植えられている花壇の土をみるとカラッカラッに乾ききっている。

試しに指で数センチの深さまで掘り返してみたけど、表土と同じように水気はまったくない。


アベリアは「暑さに強い花」として、ついこの前、このブログで書いたばかりだ。

そんなタフなアベリアがここまで枯れ込むとは・・・。

そいうえば、ここ最近東京都心では雨らしい雨はほとんど降っていなかったし、連日のこの陽気。
水分は片っ端から蒸発してしまうだろう。

見たところ自動潅水装置のような気の効いたものはない。

となると、誰かが手で水やりをしなくてはならないが、普段は雨水に頼って誰かが水をやるってことはしていないのだと思われる。

今ならまだなんとか復活すると思うが、このまま放置していては間違いなく枯死するだろう。

いったい誰に言えばいいのだろう?

四谷駅の駅員か?駅ビルの誰かか?道路の管理者か?

道路の管理者といっても、それが国道、県道、私道などによって所轄管理団体が異なったりする。

仮に分かったとして
「あの~、四谷駅前のアベリアに水をやらないと枯れてしまうと思います」
といって、果たして取り上げてくれるものだろうか?

その所轄団体には同じような花壇が沢山あるはずだ。
とても全部を構っていられないと言われるだろうか?

でも完全に枯れてしまって新たに何かを植栽する手間と費用を、水やりをすることで低減できればその価値はあると思うんだけど。

今、ブログを書きながらこうやって色んな思いが巡るけど、その場では暑さのためか何の発想も湧かずに帰ってきてしまった。

誰かに聞けば良かった、とちょっと後悔している。



2012年8月27日月曜日

旅する香辛料

ゴアのマーケットで見掛けた香辛料

昨日の「THE世界遺産」ご覧になりましたか?

コショウ一粒は小さいながらも、その背景にはなんともスケールの大きな話があるものだ。

番組で取り上げた幾つかの町には実際に足を運んだことがあったので、より一層興味深く感じた。

ヨーロッパの人々がコショウを求めると同時に買い付け先ではキリスト教の布教も盛んに行われた。

インド西部のリゾート地ゴアは、ポルトガル人が植民都市として入植しキリスト教を広める拠点となった。

そういえば町や村には小さな教会が点在していたっけ。



青い空、ヤシの木、そして白い教会の壁のコントラストがなんとも印象的だった。

コショウを求めて旅をしたバスコダガマが眠るというリスボンのジェロニモス修道院。

ポルトガルが海洋王国として栄華を極めた証となる荘厳な修道院。


ステンドグラスも美しく、あまりの荘厳さにしばし時を忘れて佇む。

番組では、大航海時代の象徴として修道院の壁には帆船やコショウそのものをモチーフにしたものが彫られているとのことだった。

手元の写真を見ていたらば、あった、ありました。
帆船が彫られている壁の写真を撮ってあった。


コショウは、粒が大きく描かれていて、コショウと気付かなかったんだと思う。

知っていれば、もっと有難く見ることができたのに。

そして最後に出てきたのがキューガーデン。

キューガーデンは生きた植物の展示ばかりではなく、植物標本を約1000万種保有し、植物の分類・同定などに役立てている。

植物標本は昔ながらのやり方であるが、今彼らが取組んでいるのは「種(しゅ)の保存」で、タネを凍らせて保存したり、昨日番組でやっていたようにDNAを取り出して保存している。

植物の話題になると、最後にはこうやってキューガーデンに行きつくというのが、キューガーデンのスゴイところであると改めて思った次第。

最後の写真は、これがコショウの木。


木とはいっても、つる性の植物で、いわゆる「木」とはイメージが異なる。

番組でインド南部ケララ州のコショウ・プランテーションの様子が映っていたけど、あれは実はコショウの木ではなくて、つるが巻きつく為の何かの木を植えて、そこにコショウが巻きついてあたかもコショウの木になっていたのだと思う。

コショウは学名では Piper nigrum 

Piper は英語でコショウの意味 pepper のもとになったと容易に想像できるし、
nigrum は黒いという意味で、いわゆる黒コショウを指してついた名前であると思われる。

キューガーデンでは昨日のブログの写真パームハウスという温室にコショウの木が展示されている。

またしても手元に写真がないか探してみたらば、一枚だけあったのが上の写真。

なんの変哲もない葉っぱの写真で有難味がないカンジがするかもしれないが、間違いなくこれがキューガーデンにあるコショウの木の写真であります。

なんでこんな写真を撮って持っているかというと、植物の同定試験というのが隔週あって、このコショウも試験範囲だったのだ。

そこで写真を撮って、パソコンで写真を見ながら学名をムニャムニャと思い出しながら紙に書く、といった試験勉強をしていたのだった。

コショウは身近で地味な香辛料だが、確かに我々の生活に今や欠くことができない。

出来合いの粉状のコショウも良いのだけど、やはりペッパーミルで潰したての方が香りがたって美味しい気がする。

旅に出たいなぁと胸がぞわぞわする、そんな楽しくも為になる昨日の番組でした。







2012年8月26日日曜日

THE 世界遺産 (TBS)


おはようございます。

今朝の新聞を読んで最後にテレビ欄をみていたらば、とても面白そうな番組をみつけたのでお知らせです。

TBS18:00~18:30 「THE世界遺産」
ヒトと食 コショウが世界を変えた

高尚な番組構成と美しい映像が印象的なステキな番組だが、今回はヒトと食をテーマに世界遺産を巡るらしい。

イスタンブール、リスボン、ローマなど、そしてイギリスのキューガーデンも訪れるらしい。


キューガーデン特集ではないので、恐らく数分程度だとは思うけど。

それはそれとして、コショウも植物の実ということで、花咲ブログ的にもなかなか興味のある話題だ。

もしお時間が許すようでしたらちょっとご覧になってみたらいかがでしょう?



2012年8月25日土曜日

アメリカサイズの元気な花


ひときわ目を引くデカい花。

そうねぇ、直径は楽に20センチはあるんではないだろうか。

見たところジャンボ・ハイビスカスといった風情である。

それもそのはず、このアメリカフヨウ Hibisicus moscheutos は学名を見れば分かるようにハイビスカスなのであります。

もっと詳しく言うと アオイ科フヨウ属 MALVACEAE Hibiscus となる。

フヨウ属はハイビスカスはもちろん、その属名ともなっているフヨウ、そしてこの前書いたムクゲも含まれ、ちょっとした派閥を形成しているのだ。

色んな種類があるけど、ぜーんぶハイビスカス。
ちょっと乱暴だけど、そう覚えれば楽でしょ。

このアメリカフヨウも暑さに強い花だといえる。


花は大きいながらも一日花といって、たった一日のはかない命。

朝あんなに元気に大きく咲いていたのに、夕方にはガックリと萎んでしまっている。

水切れではない。
寿命を全うしたのだ。

はかないなぁと思うが、ご安心あれ。

隣にはもう明日花を咲かせるつぼみがスタンバイしている。


こうやって次から次へと花を咲かせてくれるのだ。

ハイビスカスのイメージからかもしれないが、フヨウ属はとても夏らしくて良いなぁと思う。

9月になってもしばらく厳しい残暑が続くらしいけど、あと何日くらい見れるかな。



2012年8月24日金曜日

断捨離なのか



見つけてしまったよ、また。

ランの何かだろうなぁ。
葉の様子からするとコチョウランではない。

まだ黄色いラッピングが施されている。

葉は青々としてまだまだ元気。

ただ花がすべて終わってしまっているだけのことだ。

贈り物としてランを貰ったのだが、花がすべて落ちてしまった。
しかしこのあと、この葉っぱをどのように世話していいのか分からない。
面倒になってしまって、ゴミの日に集積所に出してみた。
・・・と、想像するにそんなところだと思う。

これと同じような光景をたびたび目にして、この花咲ブログでも取り上げてきた。
クリスマスの後のポインセチアも捨てられていたっけ。

なんか寂しいよね。

一応、彼らもまだ生きているのだから。

捨てた人には一抹の罪悪感はあったのだろうか?
それとも全くなかったのだろうか?

この植木鉢を植物として認識しているか、単にモノとして考えているかによるだろうなぁ。

あまり説教っぽい話をする気は毛頭ない。

自分だって、ついこの前はヒマワリを枯らしてしまいそうになったりしたし。

問題の所在は捨てた人にもあるけど、むしろこれを贈った人にあるのカモ、なんて思う。

一生懸命やってもうまく植物を育てられない人は確かにいる。
本人は真面目に頑張っているのだけど、どうしてもうまくいかない。

それはそれでしょうがない。

贈る側としても、贈ったという事実に安心して「やれやれ」と思うのではなくて、贈った先でその鉢がシアワセになれるのか、というところまで配慮できると良いのではないかなぁ、と。

物品というモノではなく、仮にも生命体であるということを考えるべきかと。

ならばいっそ、プリザーブドフラワーとか、切り花とかであれば後腐れがない気がする。

売る側も売りっ放しっていうのではなくて、「受け取られる方は植物好きですか?」とかいろいろ聞いて、太鼓判を押した場合のみギフトとして販売する・・・・
なーんてやったらやり過ぎだろうか?

意に反してややこしいことを書いてしまった。
大意はない。

ただ、ゴミ集積所にあったランの鉢を見てちょっと悲しくなっただけだ。


2012年8月23日木曜日

小さい秋見つけた


8月23日。

今日は処暑とかいって、本来は暑さの峠を過ぎて過ごしやすい季節に向かっているはずではなかったのか?

なのにこの暑さ。
たまらん。

道路工事、あるいは街路樹剪定工事などで誘導員の方を見掛けるたびに思わず 「頑張ってください」 と心の中で密かに声を掛けてしまう。

たまたま日陰になれば良いが、そうでなければ直射日光の下でただひたすら立ち続けるという。
こんなに過酷な仕事があるだろうか。

植物たちは自分たちの育つ環境を自由に変えられない。
雨が降ろうが、日照りが続こうが、じっとその場で耐えるしかない。

誘導員の方々を見ていると、植物たちのそんな姿と何となくダブるところがあるような気がしてしまうのだ。

機械や人形で代役は務まらないものか。

当の御本人たちがどう思われているのか直接尋ねたことはないので分からないけど、かなりしんどそうで心配になってしまう。

さて、昨日はたまたまユニクロでダウンベストやヒートテックを売っているのを見た、なんて話を書いた。

これもちょっと先取りしすぎのような気がする。

ダウンベストやヒートテックって「冬」でしょ。

我々は今日ようやく暑い処暑をやり過ごし、これから徐々に秋を迎えるのに、秋をすっとばしていきなり冬というのもいかがなものか。

そう思っていたらば、コンビニで小さな秋を見つけた。

発泡酒や第三のビールを含めて、どうやらビール市場というのは季節モノ、季節限定的な商品をタイミング良く投入してくるきらいがある。

コンビニのビール売り場の棚で見掛けたのは、秋をモチーフにしたビールだった。

とりあえず3種類。
あるものを全て買ってみた。

・・・そこに秋が感じられるかといえば、正直そうでもない。

でもいいじゃぁないの。

夏には花火やアサガオの柄が入った缶が売り出され、春にはサクラの柄、ついこの前はオリンピック柄。

中身はたいして変わらないけど、なんとなく楽しい気分にもなるってもんだ。

季節を敏感に感じるスポットとして、スーパーやコンビニのビール売り場ってのはあると思うな。


2012年8月22日水曜日

サルスベリ分解の巻


うだるようなこの暑さはいったいいつまで続くのだろうか・・・。

今週に入って暑さはさらにヒートアップした感じがする。

一方、ユニクロでは早くもヒートテックやダウンベストなんかを売り始めているのを目撃して
「ううっ、早くこういうものが着れる季節になっておくれよ・・・」
と、買いもしないのにダウン生地を手でさすってきた。

さて、こんな暑さの中、元気な花があるよ、という話をしてきた。

その中にサルスベリがあるが、このサルスベリの構造について取り上げくれぃ、というリクエストがきていた。

そこで今日は暑さにもメゲずに元気に咲くサルスベリをちょっとだけ摘んできて分解してみることにした。

まず外観。

サルスベリの花はご覧のとおり比較的小さいものではあるが、それらがまとまって房状に咲くので、あんなに見ごたえがあるのだ。

見ごたえのある秘密は花びらにもあると思った。
というのは、サルスベリの花びらは真中のガクのあたりから打上げ花火のように広がっているからだ。

ちょっと分かりにくいか。
ガクのあたりの花びらの根元部分は細くなっていて、その先にフリル状の花びらがフワフワ~っと開いているので、全体的に大きく見栄えがするのだ。

さてそれではいよいよ分解してみよう。


花びらは全部で6枚(写真上列)
そして細長く先端の曲がった雄しべが6本(写真下列右)
さらにガク、雌しべ、短い雄しべ(写真下列左)

まず花びらは問題ないね。
うん、6枚見える。

面白いのは雄しべだ。

細長い雄しべが6本、そして短くて先端が黄色い雄しべが無数ある。

生殖に係る雄しべは細長い雄しべ6本に委ねられていて、短くて黄色い葯が目立つ雄しべはハチなどの花粉を媒介する虫たちをひきつけるためではないかと言われている。

これはこの前ご紹介したツユクサの雄しべと同じ理屈だ。


改めてガク、雄しべ、雌しべを見てみよう。

ガクは6つに裂けている。

雄しべは幾つ、と数えられないくらい不定数ついていて、黄色い葯がまだ付いているもの、すでに落ちてしまって花糸しか残っていないものがある。

雌しべはググーンと長く元気に伸びていて、とても良く目立つ。

うーん、もっと拡大して撮れる良い方法はないかなぁ。

そう思っていたらば、数日前NHKのEテレでやっていた趣味Do楽という番組で大変興味深いテクニックを紹介していた。

これを実践するためには中古カメラ屋さんで古いレンズを買わなくてならないが、手に入れたらば試してみてうまくいったら、そのテクニックも含めてご紹介したい。

しばしお待ちを。

てなわけで、宿題としていただいておりましたサルスベリの構造、お分かりいただけましたでしょうか。

自分としても大変勉強になりました。

こうやって普段身近にあって当たり前と思っている花も、間近に見てみたり、分解してみたりすると、全く新たな見方ができるようになるというのは事実。

是非、気になる花があれば分解してしてみてはいかがだろうか?
あっ、もちろん花に感謝の気持ちを捧げてから分解するようにね。



2012年8月21日火曜日

鬱蒼とした邸宅の話


その家の前を通るたびに気になっていた。

かなり立派な門構えの邸宅。

なぜ気になっていたかといえば、立派な御宅にあるあらゆる木が野放図に伸びきっていたのだ。

空き家なのかとも思ったが、人気もありそうな気もする。

とにかく気になりつつも、通りの側から「気になるなぁ・・・」と思いながら通り過ぎるだけだった。

ところが、最近になってこの気になる御宅のお隣が更地になった。

そうするとこれまで様子の分からなかった、鬱蒼としたその御宅の半分くらいが出現した。
更地の側から見ると一目瞭然。



竹、松、カエデ、アオギリなどなどが、塀から溢れるように育っているのが分かった。

空き家なのかは相変わらず良く分からなかったが、恐らく空き家なんだろうなぁ、これは。

この調子で、この家からは四方に向かって木々が枝を垂らしていることになる。

この写真の逆側は低層マンションになっていて、境界を越えて枝が沢山飛び出ていた。

秋になれば落ち葉だってかなりのものだと思うし、これだけ鬱蒼としていたらばヤブ蚊の温床にもなるだろうなぁ。

それぞれの木々は丁寧に手入れをすればなかなか価値のありそうなものだと思うが、実にもったいない

更地になった分譲地を見にきた人がいたとして、お隣がこれではちょっと躊躇するかもしれない。

「緑が豊かで良いですねぇ」
とはならないだろうし。

今後この鬱蒼とした邸宅が今後どうなるのか、目が離せなくなった。



2012年8月20日月曜日

楽しい講演のお知らせ


英国とオランダに出掛けて、まだ一か月ちょとしか経っていないのか、と手帳を見て改めて思う。

なにやら随分遠い昔のような気がしないでもない。

その間、色んなことがあったから、ということもあるかもしれないし、この蒸し暑さはその頃はこれほどでもなかったので季節が随分進んだ気がするからかもしれない。

今年はこれまでに2回渡英。

1回目は英国園芸協会日本支部主催のツアーのツアーリーダーとして。
2回目は独りで英国園芸事情を調査するため。



1回目にはチェルシーフラワーショウ、2回目にはハンプトンコートパレスフラワーショウにそれぞれ出掛け、英国園芸協会(RHS)主催の2大フラワーショウをカバーすることができた。

英国在住ならまだしも、同じ年の別の期間に開催されている2大フラワーショウをわざわざ日本から見に行くというのもなかなかあることではないので、せっかく集めてきた情報を皆様と共有できないか・・・・。

そこで来る9月26日(水)12:30~14:30に自由が丘でレクチャーを開催することになりました。


詳細・お申し込みは英国園芸協会日本支部(RHSJ)まで。

自由が丘というナイスな場所で、自家製スコーン、サンドイッチ、紅茶などもいただきつつリラックスしていただければと思います。

すでにお申込みが相当数あるようでして、ご興味のある方はお早めに!!


2012年8月19日日曜日

箱根の休日


今日までがお盆休みという方も多かったのではないだろうか。

空の便も、道路もかなりの渋滞が予想されたが、箱根行きを渋滞覚悟で強行した。

高原のような涼しさってわけにはいかなかったが、それでも都内よりは明らかに数度気温が低く、カラッとして爽やかだった気がする。

しばらく箱根を歩いた。

気持ちが良い。

うっすらと汗をかいて、お昼御飯にはビールも飲んだ。

サッポロビールだが、なんとラベルには箱根の文字と絵柄が入っていた。
美味しかったなぁ。


インターネットなどで、東名の渋滞は16時ころがピークとの情報を入手していたので、あわてて帰らずにあえてゆっくりと夕食もとってから、時間差作戦をとることにした。


その効果はあったのか、なかったのか。

21時に東名御殿場をのり、都内の自宅に今帰りついた。

一回の休憩もとらずに頑張ったのだが、予想以上に時間がかかってしまった。

しかし久しぶりに仕事抜きで山を少し歩いて、とてもリフレッシュできた気がする。

さぁ、明日からまた新たな気持ちで頑張るべし。

やらねばならないこと山積みであります。