強い日差しの中で、花は咲かせていないが元気なやつを見つけたゾ。
こんな光景、見たことあるでしょ。
ときどき『ど根性ギリ』とか言って紹介されることもある
キリ Paulownia tomentosa であります。
なんで、ど根性かというと、植えた覚えもないのにホンの僅かな都会の隙間に根を張り大きく育つからだと思う。
恐らく誰も水なんかやっていないと思う。
こんなに大きくなるので、逆に厄介もの扱いされているケースの方が多いかもしれない。
その旺盛な生育力と大きさは圧巻。
まず上の写真。
自転車を押しているオジサンの背丈の倍はゆうにある。
推定3メートル。
次はとある御宅の玄関脇。
2階のエアコン室外機に届いている。
推定3メートル20センチ。
そして3つめは高速道路の橋脚脇の柵の中。
これは3つの中では一番大きい。
推定5メートル。
とまあ、皆それぞれデカいのだ。
昔は、女の子が生まれたらキリを植えろ、という時期があったという。
女の子が大きくなってお嫁入りするころには立派な大木になって、そのキリで箪笥を作るということだったらしい。
当時の想定は20年くらいだったとのことで、昨今の晩婚化によって、かなり立派な箪笥が一棹か二棹余計に作れるかもしれない。
因みにキリは熱を伝えにくいので燃えにくい。
さらに軽いので水にも浮く。加えて頑丈。
仮に洪水が起きても浮いて箪笥の中身をシッカリ守ってくれる。
・・・ということは、もし津波がきてもキリの箪笥があれば、ひょっとして命も、そして財産も守れるかもしれない。
防災意識の高まる今の時代、もっとキリ箪笥に目が向いても良いのかもしれない。
ちょっと話が逸れた。
とにかくキリは元気で、青空にむかってまっすぐグングン伸びる。
特筆すべきはその葉の大きさである。
僕の手と比べてみれば分かりやすいだろう。
一枚の葉の幅が50~60センチくらいはある。
これは若木のときに見られる特徴で、木が成長していくと葉は小さくなっていく。
子供とこの葉の大きさを測ったりすると面白いだろうな。
身近にこんな大きな葉っぱがあるなんてちょっとした驚きだもの。
根元を見れば、コンクリの割れ目に根を張っているのが分かる。
同様にアスファルトの割れ目だったり、とにかく 「なにもそんな狭いところで・・・」 と同情してしまいたくなるようなところで頑張っている。
ゆえに、ど根性なんだろう。
最後に、驚く話をもう一つ。
このキリはゴマノハグサ科。
その名が表すようにゴマノハグサ→「草」なわけで、他にどんなやつらがゴマノハグサ科にいるかというと、キンギョソウ、ジキタリス(フォックスグローブ)、あたりで、まさに草花がほとんどだ。
キリが草だと言っているのでない。
キリは立派な木だけど、その立派な木が、キンギョソウやジキタリスなんかと同じ仲間だなんて意外じゃない?
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