実は街は植物で溢れている。彼らは色、カタチ、ニオイなどで「ここにいるよぉ」と静かなるメッセージを出している。そこには時として胸を打つドラマがあったりもする。そんなやもすると見過ごしてしまいそうな愛すべき彼らにあまり肩肘張らずにゆる~いカンジでスポットライトを当てる。日々の「あれ何だろう?」という好奇心に素直に向き合うブログ。
2010年7月31日土曜日
数日前の新聞に興味深い記事があった。
江戸通り沿いにムクゲが育っていて花が咲いている。
しかし、このムクゲが道路標識を覆ってしまっているので、警察側はこのムクゲを撤去、伐採するように住民宛てに勧告した。
ところが住民側は、折角咲いているムクゲを切るのはかわいそうだ、そもそも誰も見ないような道路標識のために何故ムクゲを切らねばならないのか。
道路標識は尊重しなければならないが、どうやら横断禁止の標識らしく、誰もそんな大通りを横断する人はいないので、標識そのものがそもそも意味がないのではないかということらしい。
是非、現場を見てみたいと思った。
今日ちょうど浅草橋方面に用事があったので、車で出掛けた。
江戸通り沿いを注意して見たけど、そんなムクゲは見当たらなかった。
時間がなかったので、車を止めてここなら知ってそうだという雰囲気の店で聞いてみた。
どころがこのお店の人はそんなことは知らなかった。
新聞記事では地域住民をとりこんで大きな議論になっているということだったが、実はそんなに大きな議論にはなっていなかったのではないかといぶかしく思ってしまう。
あまり時間がなかったので、仕方なくその場を離れた。
やっぱり車はダメだ。
一方通行、駐車禁止などなど規制が多すぎて機動力がない。
その点、自転車は思い通りの場所にとまって細い裏通りも自由自在である。
しかも、浅草橋界隈は今日の夜の隅田川花火大会のため色々とものものしくなっていて、車を減速させることすらはばかれた。
今度、時間が許せば自転車で現場確認すべく再訪したいと思う。
それにしても、現場を訪ねたこのお店。
造花などの飾り物がふんだんにあって、ここもゆっくりと見物してみたいと思うようなお店でありました。
さすが下町。
2010年7月30日金曜日
昨日の花咲ブログではドクダミの実を拡大してご紹介した。
身近な植物でも時期を変えたり、見方を変えると案外分からないものだ、と。
で、今日はマンリョウである。
マンリョウというと赤い実がつくため、お正月飾りなどでセンリョウと並び珍重される。
赤い実がなっていればマンリョウだとスグに分かるだろう。
でも、マンリョウってどんな花が咲くのか、パッとイメージできる人はどれくらいいるだろうか?
なーんちゃって。
実はこんなにエラそうに言っておきながら、この前散歩して見つけた花を見て こ、こ、これは、ひょとしてマンリョウの花では?? と思って初めてマンリョウの花を認識したというのが正直なところである。
赤い実がなってないのに何でマンリョウと分かったか?
それは草姿ともうしましょうか、ひょろりと幹が伸びて、その先に厚手の葉っぱがなっているという全体のイメージで分かった。
さらにその厚手の葉っぱの縁が微妙に波打っているあたりが決定的である。
で、花をマジマジと見てみると、これがあまりカワイクない のだ。
白い花びらが5枚あって、黄色い雄しべに囲まれて、一本の雌しべがひょろんと飛び出ている。
花びらは肉厚で、くすんでいて、パッとしない。
花そのものも直径がせいぜい5~10ミリ程度とかなり小さい。
その割りに花を支える花柄がアンバランスに太い。
全体になんともちぐはぐな感じがして
わぁ~、カワイイ というカンジでは全くない。
赤い実がなってナンボの植物という気がしないでもなかった。
2010年7月29日木曜日
今日は雨が降ったりやんだりして、久々に灼熱地獄から解放されてちょっとホッとした。
でも、ちょっと外出する用事があったときに雨足が強くなって、すっかり濡れてしまい、降って欲しいときには降らず、降らないで欲しいときに降るという、自然とはママならないものだということをグッショリと濡れたズボンの裾を見て思った。
さて今日の写真は何の植物だと思いますか?
小さなブツブツが沢山ついていて、それぞれのブツブツから3本の小さな突起がついている。
なに?分からない?
ではもうチョット全体が写っている写真をみてみよう。
ブツブツの全体像が良く分かるでしょ。
さらに枝の色が赤みを帯びている。
これはビッグ・ヒントかっ!!
もう分かったかと思う。
そうです、これはあのドクダミ Houttuynia cordata であります。
ハート型の葉っぱに、白い4枚の花びらが付いて、あの独特のニオイを放つあれです。
白い4枚の花びらというのはワザと分かり易いように書いたのだけど、アレは花びらではなくて苞と呼ばれるものであります。
花咲ブログの読者であれば、何度となく出てきた話題なので良くお分かりのことと思う。
粒々が沢山ついている下の部分に茶色い部分があるでしょ。あれが白かった苞のなれの果てであります。
ドクダミは白い4枚の苞があるが、花びらは無い のです。
実は花は白い苞の中心から伸びた突起に沢山付いていたのだ。
それぞれの小さな花には雄しべと雌しべはあれども花びらは付いていないということなのだ。
花が咲いていたときの黄色いものは花粉で、花が終わってしばらくたって現在は実がプックリと膨らんでいる。
一番上の写真で良く分かる粒々ひとつひとつがドクダミの実である。
実の中に小さな種が沢山入っていて、熟するとパラパラとこぼれることになっている。
そんな訳でドクダミという身近な植物も季節を変えて、接近して見るとなかなか興味深いものである。
今度見てみてね。
2010年7月28日水曜日
2010年7月27日火曜日
毎日暑くてイヤになっちゃうね。
天気予報を見る限りではしばらくこの晴天は続くそうでチョット気が重い。
昔は 日焼け命 みたいな時期があって、自らすすんで日なたを歩いたものである。
今はちょっとでも日陰がないかを見極めてから歩くコース取りをしたりする。
人間変れば変るものである。
とにかく最近の日差しは日焼けとか言ってられるレベルではなく、殺人的ですらある。
よっぽど日傘をさしてみようかとも思うのだが、この容貌で日傘をさしていたらば色んな意味で勘違いをされそうである。
さて、日差しを避けて歩くといった場合、ビルなどの建物の影を歩くか、もしくは街路樹などの木陰を歩くかということになる。
こうやって日陰を求めているときの木陰というのは本当に有難い。
そしてビルの影は 影 であって趣も何もない。
言い換えるなら all or nothing といったところで、影であるか、日なたであるか、いずれかなのである。
しかし木陰は陰でありながらもところどころに日が射してなんとも言えない心地よさを醸すのである。
木漏れ日ってやつか。
さらにビルの影は光を完全に遮断するが、葉っぱの場合自らの緑色のカラダが光に透けていたりする様子がなんとも柔らかい感じがするのだ。
植物はこうやって暑いときには蒸散といって水蒸気を気孔という葉っぱにあいた小さな穴から吐き出しているため ミスト効果 もあったりして、実際、若干涼しいのだと思う。
どうです?
良いことづくめじゃないでしょうか。
外は確かに暑いんだけど、木陰で昼寝する贅沢っていうのはあると思う。
屋上緑化、壁面緑化など、都市部を緑化しようという動きが盛んになって久しいが明らかにメリット満載の理由があるのだと思う。
今日の写真は誰かが意図的に作った壁面緑化ではなくて、空き地にはえていたカラスウリが壁をよじ登って出来た壁面緑化である。
雑草も役に立っているのである。
2010年7月26日月曜日
最近の暑さってオカシイんじゃないだろうか。
やけくそのように照り付ける日差し、高い湿度、ムッとむせかるような陽気は呼吸するのもつらく思えたりする。
我々動物は、暑ければ涼を求めて日陰に移動すれば良い。
しかし、植物はどんなに暑くても自分の意思でその場から移動することはできない。
当たり前のことではあるが、冷静に考えればとてもカワイソウなことである。
今日見かけたニチニチソウ Catharanthus roseus はちょっと気の毒だった。
横長のプラスチックのプランターに植えられていたのだけど、プランターの半分は直射日光を燦燦と浴びて、プランターの半分はちょうど軒下の日陰に入っていた。
まさに運命の分かれ道。
日陰のニチニチソウは葉っぱをシャンとはって元気そうである。
かたや日差しをもろに受けているニチニチソウは葉っぱをクルリと丸めて出来るだけ直射日光を受けないように精一杯の自己防衛をしている。
この葉っぱが丸まっているのは2つの理由が考えられる。
ひとつは上記のごとく、葉を丸めることで表面積を小さくしてなるべく日差しにあたらないようにしているということ。
もうひとつはあまりの暑さで葉っぱが保持できる水分が全て蒸発してしまって組織が収縮してしまった結果葉っぱが丸まってるということ。
いずれにしても 「この暑さなんとかしてくれ~」 と悲鳴が聞こえそうである。
ニチニチソウはアフリカ方面、マダガスカルが原産なので、ある程度暑さには強いとは思うがなんとも気の毒な感じがする今日の一枚である。
2010年7月25日日曜日
ってなことが書いてあるのだろう、たぶん。
2010年7月24日土曜日
花咲ブログとしては放っておけないホットな話題だ。
国立大学法人東京大学大学院理学系研究科附属植物園 通称:小石川植物園でショクダイオオコンニャク Amorphophallus titanum が開花して一般公開されているというのだ。
テレビ、ラジオ、新聞などでも取り上げられていたので知っていた人も多いだろう。
スゴイ混雑をしているのだと容易に想像できたが、その混雑振りがどんなものなのかを見るために猛暑の中、冷やかしに出掛けた。
植物園に近づくにつれてその異常な熱気が伝わってきた。
イヤ、ホント。
植物園の入口の手前300メートルあたりから自転車が ワーーッ と駐輪してある。
道路には誘導灯を持ち、「東京大学」という腕章をした係官が何人もいて 「車が通りまーす。寄ってくださーいっ!!」と絶叫していたりする。
いつもは閑散とした通りなのに次々とタクシーが人を乗せてやってくる。
もうスゴイのだ、ホントに。
的屋のお兄さんが焼きトウモロコシや大阪焼き なんか売っていてもなんら違和感がないような、お祭り的な盛り上がりなのである。
まさにコンニャク・フェスティバルである。いや、コンニャク・カーニバルか。
いつも入園券を売っているお向かいの売店ではなくて、今回は植物園での「直売」である。
どうやら開花が世間に知れた昨日は、エラい数の人が押し寄せてきて途中で入園券の販売を中止したのだという。
今日も急遽10,000人の入場制限を設けて、チケットが10,000枚売れた時点で公開は終了となるとのことだった。
因みに今日は開園時間が9:00なのに対して、チケット販売は7:00からだったのだそうで、何やら開店前の銀座アバクロ、もしくはiPad発売日の銀座アップルのようである。
花咲ジジイが見に行ったのは丁度12:00頃で
10:30時点で6,600名の入園者で、オオショクダイコンニャク見学までの待ち時間はおよそ2時間半~3時間
と張り紙があった。
そして午後、小石川植物園のHPを見ると
13:00時点で8,000名の入園者 残り2,000名
とあった。
3時間待ちだなんて、ディズニーランドの人気アトラクションでもそんなに待たないんじゃないか?
普段の小石川植物園の来園者って1日どのくらいだろうか?
普段もみんな来てねと植物園の声が聞こえそうである。
この炎天下で3時間、大きなコンニャクの花を見るために並ぶ・・・・。
なんかバカバカしいと思う方もいるかもしれないが、花咲ジジイは植物が人々の心に投げかける大いなる好奇心の潜在力を感じて 「この盛り上がりをもっと頻繁に、そして長く続けられないものだろうか」と真剣に考えてしまった。
タクシーがあれだけ来るあたりを見ると、恐らく土地勘のない遠方からの来園者も沢山いたに違いない。
大阪とか、九州とか。
大きなコンニャクを見るために時間とお金を掛けて東京都文京区白山3丁目まで来た人がいたと思う。
あれだけ混雑すると難しいけど、今後の植物の吸引力を測る上で来園者にアンケートするなどして来園者属性を調べると興味深いのではないかと思う。
ショクダイオオコンニャクの開花期間は2日間。
昨日咲いたので今日でオシマイのはずである。
どなたか小石川植物園に見に行った人はいますか?
2010年7月23日金曜日
こんばんは。
昨日の話はとても分かりづらかったのではないかと反省している。
でも、どうやったら分かりやすく伝えることができるのか色々考えたんだよ。
で、結果があの表現だったわけだ。
ツラツラと考えるに一番分かりやすいのは 映像 だとう思う。
でもイチョウの精子が泳ぐ様子なんてのは撮る自信もなければ、機会もなさそうだ。
そんな反省をもとに、今日の話。
カタイ話のあとにはやはり 手抜きか? くらいの緩い話が良いのではないかと。
それはブドウであります。
近所のお宅に小さなブドウ棚があって、そこから立派なブドウがぶら下がっていた。
とりあえずパチリと写真を撮ったのだけど、改めて見てみると ブドウってのも若いギンナンと様子がソックリである。
今日の写真と、昨日のギンナンの写真の一枚目とを比べていただきたい。
ねっ、似てるでしょ。
青い実、垂れ下がる実、なんとなく似ている。
それだけの話でございました。
2010年7月22日木曜日
たわわになった実。
これはイチョウの今である。
花咲ブログで扱った植物の回数としてはイチョウがダントツではないかと思われる。
以前 「知っている人は誰でも知っている、知らない人は誰も知らない、イチョウの不思議な話」 ともったいつけた話を今日は7枚の写真とともにお送りしてみようと思う。
文章では分かりづらいとは思うがなんとか付いてきて欲しい。
まず、多くの普通の植物は 雄しべの花粉が雌しべに渡り、雌しべの先端(柱頭)に付いた花粉から花粉管という管がシュルシュルっと子房の中の胚珠に向かって伸びて受精されることになる。
花粉管という管に頼っているというのがポイント。
翻って我々人間などは、精子が「泳いで」卵子にたどり着くというのは知られた話である。
なるほど、そんな違いがあるのね、植物と人間には。
しかし! 例外があるのである。 このイチョウに!
イチョウは春に目立たない花を咲かせる。
風媒花なので風でもって花粉が雄しべから雌しべに運ばれる。
すると花粉がギンナンの内部に入り込むと卵が作られ始める。
そしておよそ4ヶ月後に成長したギンナンの中で卵が成熟するのだが、同時にイチョウはギンナンの中に精子が泳ぐための海を作るのである。
春にギンナンに取り込まれた花粉はおよそ4ヶ月スタンバイしていて、期を見計らって精子を作るのである。
出来た精子が「海」を泳いで卵にたどりつく・・・・
どうです?! スゲーでしょ。
言っている意味が分からない という声も聞こえそうだし、そのお気持ちも良く分かる。
なぜなら花咲ジジイも初めてこの話を本で読んだときに何を言ってんだかサッパリ理解できなかった。
一言で言うなら 「イチョウは精子が海を泳いでギンナンになる」 ということだ。
イチョウの雌花を見つけたどー と大興奮してブログを書いたのが4月19日。
4ヶ月のスタンバイ期間ってことは8月19日ころか。
となると、今頃はひょっとするとその「海」ってやつがギンナンの中にあるのかも!?
そんな淡い期待と好奇心を持って、近所のイチョウのしたに転がっていた若い青いギンナンを数粒拾ってきて分解することにした。
まずは外観。
フツーのギンナンである。
因みにアノ独特のニオイは全くしない。
そして包丁を入れて果肉を半分取ってみると、中からギンナンの核心が現れた。
絵的にはかなりサイエンティフィックである。
果肉を全て取り除き、中を出す。
フツーのギンナンである。
このまま煎っても美味しそうな気がする。
ペンチでタテに挟むと大して力を入れていないのにパカッと半分に割れた。
中から 「海」の海水がジャブジャブ出てくるのでは・・・・? という淡い期待は見事に裏切られた。
中にあったのはこれまたフツーの緑色のギンナンだった。
若いので、まだ小さいし、とっても柔らかくてプニョプニョしていた。
それを取り出していじっていたら、半分に割れた。
こうやって見ていると枝豆のようだ。
相変わらず、あのギンナン独特のニオイはない。
というわけで、かなりもったいぶって7枚もの写真を載せたが、期待したような発見はとくになかった。
来年は3ヶ月くらいのところで中を見てみようかな。
最後にはバラバラになった無残なヤング・ギンナンが机の上に残った。
2010年7月21日水曜日
プライベートなことで恐縮だが、最近買ったもので毎日楽しんでいるのが iPad である。
何で買ったのかと言えばそれはいろいろ理由はあるが、一番は 仕事で使うのに便利だから というのに尽きる。
写真をその場で見せてイメージを相手に伝えたり、外出先でサクサクとネット検索して情報を集めたり、といったことをメインにその可能性は無限大にありそうである。
最近仕事の関係で木材を扱うことになり、色々と情報を集めている。
出掛けた製材所で、自分のイメージを伝えるために幾つかの写真や図面をサッサッサッと見せると話はとても早いし、正確に相手に伝わる。
スバラシイ。
さらに、iPad はまだ目新しさがあるようで、行った先でこれを取り出すと会話が盛り上がる。
この前なんかは初対面のオバサマだったけど
「おっとぉ~ 出ましたぁ~ 初めて見ましたぁ~」 と大興奮していらしたのを見て、思わず笑ってしまった。
その後、商談にスムースに入れたことは言うまでもない。
花咲ブログは植物をテーマにしており、最新ガジェットが云々というブログではないのでiPadはこの辺で。
さて、製材所を幾つか巡って自分が木にたいしていかに無知であるかを思い知った。
素材の違い、風合いの違い、色調(木味と言っていたなぁ)とか、木材のとり方などなど、それはすごく深い世界があった。
さらに専門用語もあるようで、例えば細い木を使ってまっすぐ使おうと思っていても、細いがゆえに木が曲がってしまうのことを 「木が酔っ払う」 という表現を使っていたときは思わずメモを取ってしまった。
新木場という地名があって、その昔は貯木場として栄えていた。
色んな建材はあるけど、いまだにスギやヒノキは高級建材として健在である(ウマイ!)。
言いたいことは、貯木場などはあまり見かけなくなったけど、木の存在は揺るいでいないということ。
外で使うような木材に関して情報を集めていて、それらも色んなものがあってそれぞれ特性がことなる。
レッドシダー、イベ、セランガンバツ、ウリン、アピトンなどなど・・・・
今日はあまり深く触れないが、製材所は色んな木材であふれ、色んな木材の香りがして、なんかスゴク良い場所のように思えたのでありました。
2010年7月20日火曜日
いやー、昨日も今日も暑かった。
明日も暑いらしい。
イタリアにいる友人によれば、日中の気温は40度あたりで、夜もあまり気温が下がらず、「地球が壊れていく気がする」とボヤいていたのだけど、その表現はうなずける。
さて、そんな夏の日に夏の花は元気に咲き誇っている。
夏の花の代表格にあるのがこのサルスベリ Lagerstroemia indica である。
色も濃いピンク、淡いピンク、白などバリエーションが多い。
遠目に見るだけで ああ、サルスベリの花ね と分かるのだけど、ひとつひとつの花をジックリ見るとこれまたオモシロイ。
フワフワしているが花びら(花弁)である。
しかしこの花びらはおもしろくて根元のあたりがエラく細くなってくっついている。
蕾がパカッと割れるとまず花びらがシュルルルーと出てきて開く。
追って蕾が全開になってようやく雌しべと雄しべが伸びてくるというわけだ。
遠目に見ても、近くでジックリ見てもなかなか美しい花だ。
2010年7月19日月曜日
数日前の花咲ブログで近所のおばあさんがカタルパをさしてキリですよ と教えてくれた話を書いた。
カタルパもキリも花の形や葉の形が似てなくもない。
しかし、実の形が決定的に違うと書いたのだけど、キリの実の写真を撮ったのでそれを今日はご覧いただこう。
キリの花は2009年5月4日の花咲ブログで写真を載せてあるのでそちらをご参照いただきたい。
カタルパはインゲンマメのようにサヤが木からぶら下がっている。
しかしキリは小さい実の幾つかがまとまって枝になっている。
それは「ぶら下がる」といった風情ではなくて、天空に向かって「突き出した」ようなカタチである。
キリの御紋を思い浮かべていただきたいが、あの葉の上に3つ突き出ているのはまさにキリの実なのである。
御紋といったシンボリックな意匠であっても、この実はキリの特徴をうまく表現したものとして描かれているというわけだ。
カタルパとはやはり全く違うなぁ。
2010年7月18日日曜日
この前出掛けた居酒屋で。
暑気払いだとかなんとか言って、しばしビールを飲んだ後、友人が手洗いに席を立った。
一人になった花咲ジジイはあたりを観察していた。
人間ウォッチングなどは本当に興味深くてアッという間に時間が過ぎる。
時折、あまりに見過ぎてしまって 「何か?」と言わんばかりの視線を投げ返されてハッと我に返るなんてのはしょっちゅうである。
でもこのときは人間ウォッチングではなくて、店のインテリアウォッチングをしていたらば、自分の真横にあった仕切りに目がとまった。
格子のようなこの仕切りは竹でできていた。
いやぁ、気付かなかったなぁ。
竹は生長も早く、柔軟な一面があって加工が楽だったりする一方で、頑丈で耐久性があって建材としてもよく使われる。
他にも食器として使われたり、一輪挿しのように様々なカタチで我々の生活に欠かせないものになっている。
で、この格子。
竹をタテに割ったもので、竹そのものがタテの軸、そして竹の節がヨコの軸となっていて、それらを幾つか組み合わせることでなんともナチュラルな仕切りとなっていたのである。
竹のこの使い方は初めて見たなぁ。
花咲ジジイが知らなかっただけだろうか。
悪くない。
2010年7月17日土曜日
ちょっと風変わりな植物を見かけた。
残念ながら花が咲いていなかったが、細長く突き出した蕾がなんとも期待感を煽る。
なんだろう、どんな花が咲くのだろう?
つぼみ以外に目新しいところは・・・・
葉っぱがすべすべで、大きくて、葉脈がハッキリしている。
さらに葉っぱが対生といってペアになって茎から出ているのも特徴であるとみた。
他には・・・・
あった。ありました。
実が変っているのだ。
トゲトゲの実で、なにやらフグのようである。
カワイイというよりも、見た目とおりトゲトゲして友達にはなれない、そんな気がした。
でもこのトゲトゲの実はどこかで見たことがあるなぁと思い出してみると、それはエンジェルズ・トランペットとして名高いブルグマンジア Brugmansia の実と酷似しているのだ。
ブルグマンジアの和名はキダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔)であり、今日のこの植物はケチョウセンアサガオ(毛朝鮮朝顔)である。
似ているではないか!
でも前者の学名は Brugmansia で、後者は Datura なので、似て非なるものであることが分かる。
ブルグマンジアは放っておくとだんだん大きくなって木のようになる(だから木立ね)のだが、ダチュラは多年草、すなわち草の類なので毎年地上の部分が枯れてしまうあたりが決定的に違うのである。
でも、どちらも広い意味で朝鮮朝顔なのである。
とても分かりづらいなぁ。
東京は今日で梅雨が明けたんだそうだ。
うだるような暑さでイヤになっちゃったよ、今日は。
となると子供たちはそろそろ夏休みで、アサガオの観察日記なんかつけたりするのかな。
子供の頃は全く興味がなかったけど、いまだったら喜んで観察日記つけるのにな。
2010年7月16日金曜日
2010年7月15日木曜日
毎日暑いですねぇ。
暑いと(暑くなくても)、ビールがとても美味しい。
ビールのお供として、押しも押されぬ不動の人気を誇るのが枝豆であろう。
採りたて、茹でたての枝豆をご馳走になったのだけど、これがめっぽう美味かった。
ぷりぷりの食感と、口一杯に広がる豆の風味。
ウーン日本人でよかった。
枝豆は大豆 Glycine max は言うまでもなくマメ科の植物である。
マメ科らしく サヤ に収まっているでしょ。
この前書いたミモザと基本は一緒である。
ところでこの枝豆を良く観察してみると、手間の掛かった下処理がしっかりとなされていた。
お気づきだろうか。
マメのサヤの端が切られている。
諸説あるようであるが、これは塩味がマメに浸透しやすくするためだと言われている。
さらに指でギュッとサヤを押さえると中からマメがつるんと出やすくするためであると言う話も聞いたことがある。
いずれにしても、ひとつひとつ丹念にマメの端を切るのはなかなか根気のいる作業である。
まさにマメマメしくないとできない芸当である。
お後がよろしいようで・・・・。
2010年7月14日水曜日
今日の話はなんとも不確かな話なので申し訳ない。
不確か、ふたしか、自信がない、英語で言えば uncertain ということで、花咲ブログに取り上げるのもどうかとも思ったのだけど、珍しいことには間違いない。
まず何が不確かかと言えば、この植物の名前だ。
たぶん トベラ Pittosporum tobira だと思う。
なんでこんなに自信がないかと言えば、これってトベラでしょ、と言った直後に訂正をくらったことが何度かある。
なんと訂正されたかちゃんと覚えておけばこんなことにはならないのだけど、その場でスッカリ忘れてしまって、同じ過ちを何度も繰り返すのである。
まぁ、百歩譲ってトベラだとしよう。
その葉っぱに目をやると何やら不思議な模様が付いているのを見つけた。
オッ!!なんだこれは。
葉っぱの模様かと一瞬思った。
でも一枚葉っぱをちぎって目に近づけてみてみた。
さらにそれをちょっとこすってみた。
するとその白い模様がポロっとはがれたのである。
このことから、これはカイガラムシの一種に違いないという推論を立てた。
しかしひとつひとつの粒が小さいので、肉眼ではそれがカイガラムシなのかは判断が付かなかった。
分からなかったけど、あれはカイガラムシに違いない、と不確かな思い込みを胸に家路へと急いだ。
世の中、確かなものなんてないのだ、これでイイのだ。 (by バカボンのパパ)
2010年7月13日火曜日
忙しくササッと通り過ぎてしまうのではなくて、ちょっと立ち止まって足元に散らばっているものに疑問を持って上を見上げる余裕が欲しいものである。
2010年7月12日月曜日
2010年7月11日日曜日
近所を散歩していたときのこと。
とあるお宅の敷地内に丸坊主に剪定されたんだろうな、と思われる高さ4メートルくらいの木から葉が吹いていて、そこにインゲン豆のような実が沢山ぶら下がっていた。
カタルパか・・・・?!
そう思ったのだけど、丸坊主にしてしまうような剪定が何年も繰り返されたからだと思うが、本来の樹形を全く留めておらず、まさに棒のようだったので、カタルパ Catalpa ovata であるかは自信が持てなかった。
丁度、そこのお宅のおばあさんが出てきたので、コンニチハと挨拶をして
「これは何の木ですかね?」
と尋ねた。
するとおばあさんは
「これはキリですよ」
とお答えになった。
ハテ? キリってこんな実がなったかなぁ??
キリ Paulownia tomentosa はゴマノハグサ科に属する樹木である。
葉はたしかに、大きさ、形ともに似てはいる。
似てはいるがこういう実はつかないハズである。
キリの御紋でお馴染みのあのカタチの実のハズである。
おまけに花のカタチもどことなく似ている気がしたのでますます分からなくなってしまった。
でもキリの花なんてとっくに終わってるはずだし・・・・・
でもおばあさんが「キリです」とズバリ言い切ったので花咲ジジイとしては混乱しきって帰宅した。
そして家に帰って調べると、やはりアレはキリではなくてカタルパであった。
実がインゲン豆のよう、と言ったけど、英名は Indian Bean Tree という。
しいて訳すならインド豆の木となるだろうか。
とにかく豆の鞘のような実が特徴なのだ。
じゃマメ科か、といえば否で、ノウゼンカズラ科 BIGNONIACEAE に属する。
ちょっとややこしいけど明かなる違いがあるのである。