2010年7月22日木曜日

イチョウ再び・・・
     
   
たわわになった実。
これはイチョウの今である。
   
花咲ブログで扱った植物の回数としてはイチョウがダントツではないかと思われる。
   
以前 「知っている人は誰でも知っている、知らない人は誰も知らない、イチョウの不思議な話」 ともったいつけた話を今日は7枚の写真とともにお送りしてみようと思う。
    
文章では分かりづらいとは思うがなんとか付いてきて欲しい。
    
まず、多くの普通の植物は 雄しべの花粉が雌しべに渡り、雌しべの先端(柱頭)に付いた花粉から花粉管という管がシュルシュルっと子房の中の胚珠に向かって伸びて受精されることになる。
    
花粉管という管に頼っているというのがポイント。
   
翻って我々人間などは、精子「泳いで」卵子にたどり着くというのは知られた話である。
    
なるほど、そんな違いがあるのね、植物と人間には。
   
しかし! 例外があるのである。 このイチョウに!
    
イチョウは春に目立たない花を咲かせる。
風媒花なので風でもって花粉が雄しべから雌しべに運ばれる。
   
すると花粉がギンナンの内部に入り込むと卵が作られ始める。
そしておよそ4ヶ月後に成長したギンナンの中で卵が成熟するのだが、同時にイチョウはギンナンの中に精子が泳ぐための海を作るのである。
   
春にギンナンに取り込まれた花粉はおよそ4ヶ月スタンバイしていて、期を見計らって精子を作るのである。
   
出来た精子が「海」を泳いで卵にたどりつく・・・・
   
どうです?! スゲーでしょ。
言っている意味が分からない という声も聞こえそうだし、そのお気持ちも良く分かる。
なぜなら花咲ジジイも初めてこの話を本で読んだときに何を言ってんだかサッパリ理解できなかった。
   
一言で言うなら 「イチョウは精子が海を泳いでギンナンになる」 ということだ。
    
イチョウの雌花を見つけたどー と大興奮してブログを書いたのが4月19日。
4ヶ月のスタンバイ期間ってことは8月19日ころか。
となると、今頃はひょっとするとその「海」ってやつがギンナンの中にあるのかも!?
   
そんな淡い期待と好奇心を持って、近所のイチョウのしたに転がっていた若い青いギンナンを数粒拾ってきて分解することにした。
    
   
まずは外観。
フツーのギンナンである。
因みにアノ独特のニオイは全くしない。
     
   
そして包丁を入れて果肉を半分取ってみると、中からギンナンの核心が現れた。
絵的にはかなりサイエンティフィックである。
      
   
果肉を全て取り除き、中を出す。
フツーのギンナンである。
このまま煎っても美味しそうな気がする。
    
    
ペンチでタテに挟むと大して力を入れていないのにパカッと半分に割れた。
中から 「海」の海水がジャブジャブ出てくるのでは・・・・? という淡い期待は見事に裏切られた。
中にあったのはこれまたフツーの緑色のギンナンだった。
若いので、まだ小さいし、とっても柔らかくてプニョプニョしていた。
    
    
それを取り出していじっていたら、半分に割れた。
こうやって見ていると枝豆のようだ。
相変わらず、あのギンナン独特のニオイはない。
   
というわけで、かなりもったいぶって7枚もの写真を載せたが、期待したような発見はとくになかった。
来年は3ヶ月くらいのところで中を見てみようかな。
    
    
最後にはバラバラになった無残なヤング・ギンナンが机の上に残った。
   
  

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