2009年8月22日土曜日

カクレミノ Dendropanax trifidus
    

   
カクレミノ・・・ と聞いて何を連想するだろうか?
   
個人的なことで恐縮であるが、僕の場合、幼き頃祖母が読んでくれた 「天狗のかくれみの」 というお話を思い出す。
   
ご存知の方も多いと思うが、
天狗のかくれみのをコッソリ手に入れて姿を消して、悪さを連発する少年だが、ある日納屋に隠してあったかくれみのを家の人に燃やされてしまう。
かくれみのを諦めきれない少年は燃えかすの灰を我が身にまぶして再び姿を隠して悪さをする。
しかし、喉が乾いたときに水を飲んだところ、口のまわりの灰が落ちて正体がバレてしまう・・・・
   
という元祖・透明人間のような話。
   
これを興奮して聞いた覚えがある。
もしも透明人間になれたら・・・ なんて空想しまくったものである。
   
そして大人になって、このカクレミノという植物を知った。
植物そのものよりもその名前に惹かれた。
   
植木屋をやっていると色んなお宅でお目に掛かる植物ではあるが、これといってエキサイティングなものでもない。
アオキのように日陰にも耐える常緑ものなので割と重宝がられる。
   

    
花が咲いて実がなると写真のようなカンジなのだが、見たカンジがヤツデ Fatsia japonica に似ている。
それもそのはず共にウコギ科 ARALIACEAE である。
   
面白いのは葉っぱのカタチ。
この3つに裂けた形が 隠れ蓑 に似ていたのでカクレミノの名前がついたのだろう。
   
木がまだ若いうちはこのようなカタチの葉っぱだが、木が熟してくると葉っぱのカタチが裂け目無しの普通の楕円の葉っぱのカタチになってくる。
   
この辺も面白いところである。
  
  

1 件のコメント:

ひるがお さんのコメント...

葉の形は先日紹介されたハンテンボク(ユリの木)に似てますね。
でも葉の質感は水っぽい感じがします。
日陰が好きそうですね。

ハンテンボクはチューリップのような花も個性的ですけど、結実した形(萼の部分がかぶってくる?)がものすごく面白いです。