2010年6月17日木曜日

ボダイジュ Tilia
     
    
あまり知らないという人もいるだろう
あまり見たことがないという人もいるだろう
        
でも注意して見てみると割りとある樹なのである。
             
植物園なんかには当然あるが、街路樹なんかにもたまに使われている。
実際、このボダイジュもとある街道脇の街路樹としてあったものを撮ったものだ。
           
ヨーロッパなどでは街路樹としてもっともっと活躍している。
             
このボダイジュが良いのは、まずその樹形が美しいということ。
もちろん街路樹として植えられた場合は強剪定されてしまって、本来の樹形を保つことはできないけども。
            
そしてその葉っぱの形が、いかにも葉っぱというようなハートの形をして葉脈もきれいに浮かび上がってキレイなのである。
さらに、これは落葉樹なので冬場には枝ばかりになり、その独特の樹形がよりクッキリと分かる仕組みになっているのだ。
           
         
樹形、葉っぱときて、次は花と実である。
花は小さくてあまり目立たないが、目立たないといっても直径1センチくらいはあるので注意深く見ていれば見過ごすことはない。
カエデやイチョウほど小さいわけではないからね。
         
小さいながら沢山の雄しべがついているのが分かるでしょ。
          
実は硬くて小さい。
これが当初緑色をしているのだが、熟すにしたがって茶色に変色する。
実が熟す頃がちょうど秋で葉を落とすころだ。
     
このころになると面白いことが起きる。
     
     
何が面白いかと言えば、このボダイジュの実にはヘラ状というものがついていて、これが樹から落ちるときにプロペラの役目をして旋回しながら落ちてくるのだ。
旋回しながら風にのってより遠くへ行こうという工夫からこんな姿になっているのだ。
   
緑色ではあるが、実が3つ。 そしてその上にプロペラの羽の役割をする苞が見えるでしょ。
これがクルクルっと回りながら落ちてくるという仕掛けだ。
   

これと似た仕組みを持っているのがカエデだ。
確か以前花咲ブログでも書いたことがあったと思う。
    
種をより遠くへ! と願うのは植物の本能なのである。
   
   

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