昨日は神保町で見つけた価値ある古本についてご紹介した。
実はもう一冊買ったのだった。
「活生の物植」
すなわち植物の生活であります。
これは昨日の本(雑誌の付録だった)よりもやや新しくて昭和15年に研究社から発刊されたものだ。
定価金五十銭と書いてある。
古本だけに裏表紙の裏に
「東京府立園藝學校本科第三年一組××××」
と、もとの所有者の名前が書いてある。
東京都のその前、東京府ですよ。
三年一組の彼は今頃なにをしているのだろうか?
そしてどこをどう巡って、ここにあるのだろうか、この本は。
そうやって考えると古本というものには独特の浪漫がある。
昨日の本は「園芸」の本だが、この本は「植物」の本であるという点が大きく異なる。
内容も
- 生物の起源
- 根とその作用
- 植物の栄養
- 種子の発芽
- 植物の生長と運動
- 紅葉と落葉
- 植物の地理的分布
- 進化
などなど、植物の生理、構造などについて触れている。
メンデルの法則なんかについても詳しく書いてあるし、減数分裂なんてことも解説してある。
ただし本のタイトルが右から左へ書いてあるようにすべからく表記が古い。
例えばメンデルのことを書いた一節に
「遺傅學の基礎を気付いた有名な人であるが、彼は西暦一八二二年に墺国シレシアの有福な百姓の子として生まれた。」
とある。
墺国ってどこ?何て読むの?
「おうこく」と読み、オーストリアのことであるなんて勉強になる。
昨日の園芸本よりは遥かに読みごたえがある。
ただ、グッとページを力強く開くと本がバラバラになりそうなのでハラハラして集中できないということはあるけども。
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