昨日の夜NHK19:30~20:45「ちょっと変だぞ日本の自然 新型生物誕生」という番組をやっていたが観た方はいるだろうか。
外来種が及ぼす影響という視点から新たに生まれてきた植物を含めた生き物を紹介した番組で、なかなか興味深い一方でかなり怖い内容だった。
日本の天然記念物のオオサンショウウオと中国の大きなサンショウウオの間にできた交雑サンショウウオなんかは獰猛で気性も荒いらしく、その様子を見ていたら背筋がゾッとした。
他にもイネの樹液を吸う害虫は風にのってベトナムから中国を経由して日本に入ってきて日本の稲作の脅威になっているという。
風にのってやってくるなんて黄砂みたいなもので止めることはできない。
そんな中、花咲ブログでもこの前書いたイラクサの話題も出ていた。
奈良には鹿が沢山いる。
彼らは草食で色んな草を食べる。
イラクサも鹿の格好の食糧となっていたが、奈良公園のイラクサを鹿たちは食べないのだそうだ。
なんでか?
イラクサはそもそも毒をもったトゲがあって、これに刺されるとビリッと痺れたような鋭い痛みがある。
シカたちは当初この程度の刺激は意に介さずどんどんイラクサを食べていた。
するとイラクサたちの中から、毒をもったトゲの数が多いものが出現するようになって奈良公園のイラクサは通常のイラクサに比べるとトゲの数が比較にならないくらいに多いものばかりになったのだそうだ。
これにはさすがの鹿たちも 「たまらん」 ということで鹿たちは奈良公園に自生するイラクサには手を出さなくなったらしい。
イラクサたちも食べられまいとして必死なのだ。
トゲの鎧をまとったイラクサは通常のイラクサとは遺伝子の違いもあることからこれを 進化 と呼んでいるとのこと。
そうなるとこれに対抗すべく鹿たちも毒に負けない舌を持ったら・・・
こうやって自然界では身を守るため、子孫を残すためにさまざまな工夫をし、互いに進化を遂げているのだ。
庭においても、嫌いな害虫がいて殺虫剤を使えば、そのうちその殺虫剤に耐える害虫がでてくる。
取り除きたい雑草があって除草剤を使えば、そのうちその除草剤に耐える雑草がでてくる。
まさに全てが関連しあう因果な世界である。
安易に外来種を持ち込んだり、そのへんに遺棄・放置したりするとやがて取り返しのつかないことになるという怖い事実を改めて突きつけられた番組だった。
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