実は街は植物で溢れている。彼らは色、カタチ、ニオイなどで「ここにいるよぉ」と静かなるメッセージを出している。そこには時として胸を打つドラマがあったりもする。そんなやもすると見過ごしてしまいそうな愛すべき彼らにあまり肩肘張らずにゆる~いカンジでスポットライトを当てる。日々の「あれ何だろう?」という好奇心に素直に向き合うブログ。
2011年8月4日木曜日
動かぬ証拠
植物たちは自分たちのテリトリーを広げるために色んな工夫をしている。
折角できたタネは自分よりも遠くへやることでテリトリーを広げることができる。
さもないと、狭く限られた場所で同族同士が光、水、養分、スペースなどを奪い合うことになる。
それは彼らにとって本意ではない。
他の植物たちとの生存競争に勝ち抜かなくてはならないのだから。
自分たちの意思で自ら移動してタネを遠くへやることは植物たちにはできない。
そこで、他の動物の身体にくっついたり(例:ヒッツキムシ)、風に飛ばされたり(例:タンポポ)、水に流されたり(例:ココナツヤシ)などなどアノ手コノ手を使っている。
最も代表的なのは、鳥や小動物たちに実を食べてもらって、彼らが移動した先でフンをすることで消化されなかったタネが見事移動するというもの。
彼らに美味しそうと思ってもらえるように赤い色をしていたり、実際美味しかったりする。
なので、なんでこんなところにこんなものが??
という場合、タネが旅をしてきたという理由によるのだ。
・・・・とここまでの話はこれまでもしてきたし、皆知っていることだと思う。
この前八王子の森に出掛けたときに何かのフンを見つけた。
それは鳥なのか、タヌキなどの小動物なのかは分からなかった。
でも見てみるとフンのなかには消化されなかったタネが満載だったのだ。
白っぽくて割と大きな3つのタネが特に目につくが、これは何のタネだと思いますか?
自分でもプッとやるので分かる人もいると思うがこれはサクラのタネだと思う。
サクランボのタネってこんなでしょ。
ナントカ錦といって、高価なものだけがサクランボではない。
我々にとっては渋すぎたりして食用に適していないサクランボも動物たちにとっては美味しいエサなのだ。
で、このように立派なフンをしていく。
これが温度や水分などの諸条件が揃うと、じきに発芽するのだろう。
そして新たなテリトリー拡大に成功するというわけだ。
理屈で知っていても実際にこうやって動物のフンを見ないとにわかには信じ難いかもしれない。
でもひとたび見れば、そのインパクトの強さに一生忘れない知識となることだろう。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
2 件のコメント:
迫力のあるUNCHI。
猛禽系の鳥が、消化できないパーツを口から定期的に吐き出す事もするようです。ペリットみたいですね。
どちらから出ても種は運ばれるんですね。植物は面白いです。
かいさん
コメント有難うございます。
彼らの知恵というのは本当にスゴイものがありますね。
もっとそのスゴサに迫って、そのスゴサを伝えていきたいと思います。
コメントを投稿