「花咲じいさん」夢じゃない
植物の花を咲かせるホルモン「フロリゲン」(花咲かホルモン)が開花のために作用するメカニズムを、奈良先端科学技術大学院大の島本功教授や大阪大の児嶋次郎准教授らのグループが初めて解明し、1日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
葉で作られた「花咲かホルモン」を茎の先端で受取る受容体も発見。受容体を介し、花を作る遺伝子が活発に働くようになっていた。
グループはすでに、花咲かホルモンの合成を促進して年中咲く秋ギクを作っている。今回、イネで花かホルモンと受容体の結合強度を変え、開花を浜得たり遅くしたりすることにも成功した。
昔話「花咲かじいさん」のように、好きなときに花を咲かせる技術の実用化に近づく成果で、作物増産などに役立つと期待される。
イネのほか、花の出来方を調節し収穫量が増えたとの研究報告があるトマトなどで応用が考えられるとしている。(8月1日産経新聞)
新聞を開いてまず 「花咲かじいさん」夢じゃない というタイトルが目に飛び込んできてハッとなった。 「花咲」という単語に最近はエラく敏感なのである。
記事は上記のとおり。
花咲かホルモンによって花の開花を自在に促すことができるというまさに夢のような話。
でも、「ちょっと待てよ」と、あえてここは留まりたい。
そんなホルモンの力で開花させて収穫を増やすという発想はいかがなものだろうか?
通常は実を結んで収穫までに十分な気温や太陽光があって味わいが豊かになるはず。
この場合花は開くだろうが、肝心の実のお味は果たしてどのようにして担保するのだろうか。
季節感だってありゃしない。
夏だからスイカ、秋だから栗御飯、などと季節と食べ物はリンクしていて、それで我々日本人は季節を身体(舌)で感じていたのではないか?
これぞ日本人の誇るべき感覚のはずだ。
それがいつでも咲いちゃうなんてことになれば、季節感もへったくれもなくなってしまうではないか。
まぁ、ハウス栽培や海外からの輸入などによって季節感などというものはとっくになくなってしまっていたかもしれないけど。
花が咲く時期が変わると、それに関わる自然にも当然影響がでるだろう。
端的にいえば、虫たちである。
特定の花には特定の虫たちが主に花粉の媒介役として存在する。
花の開花する季節の気候とその虫の活動もリンクしているはずで、花が咲く時期が変わると全ての歯車が狂うことになると思う。
だってその虫を捕食している鳥や、動物にも影響があるはずでしょ。
いわゆる食物連鎖の輪の中にいるものが全て影響を被るということではないかと思う。
食糧自給率を上げよう、農地の有効活用をしよう、生産性を上げよう、などなど全てごもっともだと思う。
でも全て人間のご都合を優先していくといつかしっぺ返しを食うと思うなぁ。
あっ、今回の研究成果を悪く言っているんではないですよ。
これはこれで開花のメカニズムに迫った素晴らしい研究なんだけど、問題はそれをどのように利用していくかなんだと思うんだ。
今日の写真はホルモンってだけで、本文とは関係がありません・・・。
せっかく良いこと言ったのに台無しかな。
4 件のコメント:
このニュース、自分も驚きでした。
こうやって解明していくのって一見素晴らしいように見えますが…。
どこに向かうか今後気になります。
自分は「花咲」って聞くと蟹を思い出します。濃ゆくて旨い…。
最盛期以外での収穫は農家の収入増と平準化には欠かせない物ですが、一般人にはとんと関係ないですワナww農業系の研究者の根本は農業生産者の地位向上じゃなかったですかね...
まあこの研究が進んでいくと、100年に1回しか咲かない花もいつでも見れるようになってれして...
かいさん
アトムではないですが、科学をどのように使っていくかは永遠のテーマですよね。
ぴーさん
100年に一回の花がいつでも・・・
有り難味がなくなってしまいますね。
でも100年に一回の花ってどんなやつでしょう?
リュウゼツランとか?
むしろそっちのほうに興味があったりして。
私も、ブログのジジイさまの考えにほぼ同感です。使い方によっては季節感がなくなっちゃううなあ・・・と思いました。
それにしても関係ない写真で笑いました。微妙に「ホルモン」違いだし!こっちの語源は「放る(捨てる)もん」という説もあります。
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