2011年12月21日水曜日

風に吹かれて


イチョウの葉っぱが散って黄金色の絨毯ができるのは良いが、掃除が結構大変だ。

朝からせっせと掃いても後から後から落葉が降ってくる。

街路樹の落葉がひどいってんで、頭にきた人が区役所なんかに
「街路樹の落葉がひどい。なんとかしてくれ。」
なんていう苦情の電話を入れると、区役所は問題の街路樹の枝を切りにやってきてくれるとか、くれないとか。

そんなまことしやかな噂を聞いたことがある。

落葉樹なんだから葉っぱが落ちるのは当たり前で、そこに苦言を呈されても困ると思うんだけど。

夏は葉っぱが繁って日陰(木陰)をつくりだし、冬にはちゃんと葉を落として光を遮らないという、なんとも賢いやつだと思えば愛着もわくと思うが、落葉だけを気にしていると頭にくるんだろう。

落葉の量も、大木になればその分増えるのは自明の理というもの。

イチョウはまさに大木落葉樹で、落ちてくる葉の量もかなりのものだ。

スズカケノキも大木落葉樹で、さらに葉っぱ一枚一枚の大きさがかなり大きいので厄介かもしれない。

そして僕が密かに落葉ランキングのナンバーワンだと思うのはケヤキだ。

ケヤキは樹高30メートル級も珍しくない大木だ。
そのわりに葉っぱ一枚一枚の大きさは小さい。

葉っぱ一枚ごとがヒラヒラと飛ぶのではなく、何枚かの葉をつけた小枝ごと風に飛ばされる。

今の時期のケヤキの葉はカサカサに乾いていて、小枝に葉っぱが数枚付いた状態でもかなり軽くて風にのって遠くまで飛ぶ。

これは以前の花咲ブログでも書いたけど、小枝についた葉の根元(葉腋)に小さなケヤキの実がなっている。
要はタネをより遠くへ飛ばしたいという種子散布の工夫として、ケヤキは小枝ごとタネの付いた葉っぱを風に乗せるのだ。

今日の写真はビルの3階である。

テラスにたくさんのケヤキの葉っぱ付きの小枝が落ちている。

この元となっているケヤキの木は、このテラスから50メートル以上離れたところにある。
50メートル離れていても、一旦地面に落ちた葉が風に吹かれて移動することはあると思うが、ビルの3階にある枯葉たちはダイレクトにこの場に飛んできたものに他ならない。

このビルの5階にも積もるくらいのケヤキの葉っぱがあった。

スゴクないか?
いったい何メートル飛ぶことができるんだろうか?

我々にとっては、枯葉を大量に、そして遠くまで散らかす厄介なケヤキだが、当のかれらは生存競争に勝ち残ろうと大量のタネを産み出し、それを遠くに運ぼうとしているだけのことなのだ。




2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

私もいつも思います。
景観とか日陰とか温暖対策とかいいながら落葉だけは我慢できないって??すぐ苦情電話でバッサリ! 
皆が樹木を大切にして落ち葉を楽しんだあと枯れ葉の掃除もせいぜい2~3週間、これも皆でワイワイ言いながら楽しんで掃除すれば地域のいいコミニュケーションになるはず..

花咲ジジイ さんのコメント...

♪焚き火だ焚き火だ落葉焚き♪

なんて童謡がありましたよね。
焼き芋なんか作ったりして。

でも最近は落葉で焚き火なんかやってはいけない、という時代なんだそうで・・・。

落葉で焚き火なんて風情のあることが出来ると、季節感も高まって良い経験になると思いますし、俄然落葉掃除にも精が出ると思うのですが。

時代は変わったものです。