今日も残暑の厳しい一日だった。
植木屋の親方とちょっとした打合せがあって、都内某所の街路樹剪定作業中の親方を尋ねた。
一番上の写真を見て欲しい。
通りの右側は剪定されていない街路樹。
そしえ左側が剪定を終えた街路樹。
かなりサッパリしているのが分かるだろう。
切り過ぎではないか? なんてのは野暮な疑問である。
街路樹という性質上、それを管理している自治体がある。
彼らには年間管理予算というものがある。
その予算の中で、自分たちの管理すべき街路樹をカバーせねばならない。
となると、歴史のある日本庭園の松を剪定するのとは異なり、スピードと効率が何にも優先される。
親方もその意識をもって、街路樹としての剪定を素早くテキパキとこなしている。
ご覧の通り交通量も多いので、のんびりとやっているわけにはいかないのだ。
親方が剪定し、下でそれをさばくお弟子さんたちが2名、さらに歩行者の安全を確保する警備員さんもいてチームで作業に取り組んでいる。
しばらく作業の様子を見学していたのだけど、その無駄のない動きにほとほと感銘を受けた。
一本のスズカケノキを剪定するのに10分は掛かっていないと思えた。
それにしてもこれは過酷な仕事である。
スズカケノキからはホコリのような細かい粉のようなものが沢山出てくる。
これを吸い込むと咳が止まらなくなるし、目に入ると痛くて涙が止まらなくなる。
なので、ヘルメット、ゴーグル、マスク、長袖といういでたちで作業にあたるのだが、この炎天下である。
マスクなんかしていたら息苦しいだろうし、ゴーグルだって曇ってしまうだろう。
かといってしないわけにもいかない。
さらにはグンバイムシという体長3~5ミリ程度の小さい虫が無数にスズカケノキにはいるので、枝を落とすたびにモワッとグンバイムシたちが飛び立ち、作業する人たちにまとわりつく。
首筋あたりを這われたらかなり不快な思いをする。
つくづく大変な仕事だと思う。
どうでしょう、どこの街路樹もだいたいキレイに管理されているのではないだろうか?
でも、それは自然にそうなっているんではなくて、必ず誰かが汗を流しながら剪定、管理をしてくれているからキレイに保たれているのである。
都内にいったい何本の街路樹があるのか知らない。
でも親方のような職人の方々がいてこそ、街の景観は守られているのだと思うと本当に有難い。
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