昨日はチリチリに日焼けしたアオキをご紹介した。
基本的に温帯の在来種は極度な暑さや寒さに弱い。
英語では tender plant とか言ったりするが、tender とは柔らかい、壊れやすい、傷つきやすい、もろい、といったような意味合いがある。
これに対して、この酷暑のなかでも嬉々として元気なやつらがいる。
今日、サラッとご紹介するのはオリーブ Olea europaea 、ユーカリ Eucalyptus spp、ローズマリー Rosmarinus officinalis だ。
それぞれちょっとした工夫というか、進化を遂げて暑さに耐えている。
まずそれぞれの原生地を考えると、暑いくて日差しが強いところであることが分かる。
オリーブとローズマリーは地中海地方、ユーカリはオーストラリアである。
そういう地域で生きていくためにどんな工夫があるかというと、まずなんといっても葉っぱを見て欲しい。
オリーブは細長く、硬く、ツヤツヤしている。(写真上)
ローズマリーは葉がやや巻き込むような形状で細長く、細かな毛が生えていて、白っぽい。(写真中)
ユーカリは小さくて、硬くて、ツヤツヤしていて、色もシルバーっぽい。(写真下)
もうお分かりだろう。
葉っぱが大きすぎると太陽光をキャッチしすぎてしまうので、やや小さくして露出部を抑えている。
葉が硬いこと、ツヤツヤしていることで、余分な水分の蒸散を抑えている。
白っぽかったり、シルバーっぽかったりすることで日光を反射する。
毛が生えていることで直射日光を和らげている。
これ以外にもありそうだが、基本筋としてこのようにして暑さの厳しい土地でも生き抜けるような工夫があるのである。
サボテンのトゲも葉っぱが進化したものであるという説がある。
あんなにトゲトゲの葉であれば、直射日光の影響も少ないだろうし、水分の蒸散も最低限であるに違いない。
まさに究極の暑さ対策である。
同様に極寒地の植生も似たところがある。
極寒地で生きている植物の代表が針葉樹であるが、書いて字のごとく葉っぱが針のような形をしている。
これも寒さにさらされる葉の面積を最小限に抑え、蒸散を少なくしようという工夫である。
一言で植物といっても色々あるってことである。
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