2010年9月22日水曜日

夏の傷跡
    

おーい、今何度だ? また30度越えだと?
で、今日は何日だ? 9月22日だと?
     
9月も後半に突入し、今年も残すところ100日程度となったのに相変わらず真夏のような陽気である。
クレイジーである、まったく。
   
花咲ジジイも今このブログを首にアイスノンを巻きながら書いている。
   
どうやら明日は雨が降って、その後は急激に気温が下がるのだとか。
   
もう暑いとか、寒いとかいうのは書き飽きた気もしないでもないが、今日は総括的に書いてみることにした。
   
この夏の異常な暑さを経験して、植物のなかでそれに耐えられるものと耐えられないものがハッキリと分かれた気がする。
   
今後、この暑さが毎年のこととして常態化した場合、日本の植生は明らかに劇的に変ってしまうと思う。
   
この手の話はすでに何回か書いたけど、本当に目に余る というか、むしろ目を覆いたくなる ような現状をご報告しよう。
   
まずは一番上の写真は、都内のデパートの屋上にあった植栽スペース。
茶色なのは紅葉ではない。
ツゲ Buxus microphylla である。あまりツゲが枯れこむのは見かけなかったが、この場所ではほぼ半分くらいのツゲが枯死していた。
    

その次は道路脇の植え込みにあったオオムラサキツツジ Rhododendron pulchrum である。
これも見事なまでに茶色くカラカラに干上がっていた。
ちなみにオオムラサキツツジの脇で青々として元気なのはオカメナンテン Nandina domestica である。同じ場所でもこんなに差があるんだねぇ。
  

最後にサツキ Rhododendron indicum も哀れなものである。
    
こうやって見ると、暑さと水の少なさに耐えられないものはある程度決まっているのが分かる。
ここに挙げたもの以外にも、アオキ、アジサイ、シャラ、ドウダンツツジ、ハナミズキなどなど枚挙に暇がない。
   
これから時間があれば、今後日本の夏を乗り切れないだろうと思われる植物リストを花咲ジジイ的に作ってみようかと思うくらいである。 将来の何かの役に立つんじゃないだろうか。
   
で、ダメになったサツキを取り除いて何かを植えなくてはならないのだろうが、ここで再びサツキを植えるようなバカなことだけは起きないように祈る。
   
よく 「日本の植栽はサツキとツツジばかりで退屈だ」 という声を聞く。
別にそれが悪いものではない。
例えば小石川植物園の西端にある日本庭園のツツジなんか素晴らしい。
   
でも、TPOを選ばず、とにかく何か緑で埋めておくという場合にサツキ、ツツジが多用されるのも事実。
何故だろうか?管理がしやすい、安価であるなどなど色んな理由があってここまで広がったのだと思う。
    
大変不謹慎ではあるが、この暑さでダメになったサツキやツツジを取り除いて、景観に新たなインパクトを与える別の何かを植えるチャンスでもある
行政、都市計画の方々には気候の変化、価格、メンテナンス、景観美などトータルによくよく熟考していただいて、この轍を活かしていただきたいと願わずにはいられない。
  
    

2 件のコメント:

彬 さんのコメント...

今日は暑かった分雲がなく月がきれいに見えますよね!

人間もそうですが、植物も今年の暑さに負けてしまい、これからはただ水をあげているだけでは乗り切れないような気がしました。

地球はどうなってゆくのだろうか…

彬 さんのコメント...

駅前の植栽計画をしていて言われたことは、
実のなるものは×、刺のあるものは×、毛虫などがつき手入れが必要なものはできれば避けてほしい、大きくなる植木はこれもまた治安面で避けてほしい(人陰を作るからだそうです)。
そういう条件をクリアできる植物で考えるとサツキがおすすめと言うことになります。

外来種の植物で駅前を華やかにするのはどうかと思いますが、選択肢が少ないと結局ただ植えればいいということでありきたりな景色になってしまいますよね。

日本の植物はこれから生き残ってゆけるのか…。