紅葉の季節もすぐそこまでやってきている。
赤城山では、サクラに例えるなら1分咲き程度といった紅葉だった。
赤くなっていたのは一部のカエデやミズキのたぐい。
上の写真はツタね。
ツタはブドウの仲間であり、紅葉が見事であることはあまり知られていないかもしれない。
紅葉と黄葉の違いなんかも今度ゆっくり書こう。
っていうか毎年この時期は似たようなことを書いているけど。
昨日は紫や青の花などについて書いたが、やはり秋に実るのは赤いものが多いと思う。
赤城自然園でも幾つか見つけたなぁ。
まずはヤブコウジ Ardisia japonica
別名、十両。
これとは別に赤い実をつけるセンリョウ(千両)、マンリョウ(万両)があることは良く知られている。
こうやって山の中で見るとなかなかシブい植物である。
続いてはユキザサ Smilacina japonica
透明感のある、赤い実が印象的だ。
ササ(笹)という名がついているが、笹(イネ科)とは無関係で、ユリ科の植物だ。
そして出ました、真打。
ガマズミ Viburnum dilatatum
何で真打ちかっていうと、都会でも結構色んなところに植えられていて、最近よく見かけるからだ。
ただし、ウチの近所で見かけたガマズミはゾウムシか何かに食害されてしまって葉っぱがほとんど無くなってしまっていたけど。
学名Viburnum がそのまんまの呼び方「ビバーナム」として花材なんかで最近花屋さんでも見かけるようになった。
ビバーナムでも悪くはないんだけど、英語的には「バイバーナム」と言わないと通じない可能性があるのでご注意を。
この変わったのは、シャクヤク Paeonia
もともとあった実が裂けて赤いタネがむき出しになったものだと思われる。
最後はマムシグサ Arisaema serratum
オレンジ色のトウモロコシみだいだ。
しかも先端から色づいていっているのが分かる。
数年前、小石川植物園で咲いて大騒ぎになったショクダイオオコンニャクと同じサトイモ科なので、ショクダイオオコンニャクの実とサイズこそ違えども酷似している。
これらは薄暗い森の中でも、赤い実が浮き上がるように目立つのでスグに見つけることができる。
この「目立つ」ということが大切で、今日ご紹介した赤い実たちの多くは、目立つことで鳥たちに自分の場所を知らせて、さらに美味しそうと思ってもらうことで食べてもらう。
鳥たちに果肉部分は食べられるけど、肝心のタネの部分は鳥たちの胃袋でも消化されない。
鳥たちが飛んでいったさきで、フンをするとその中に消化されなかったタネが混じっていて、そこで新たなテリトリーを築くことになる。
このようにして植物たちが自分たちのテリトリーを広げるための知恵のひとつが赤い実ということになる。
うまく出来ているんだよねぇ、自然ってやつは。
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