2012年4月30日月曜日

遠くから、近くから


GWの天気はどうやら下り坂なんだそうだ。

外に繰り出そうと思っていた人にとっては残念なこと。
そうやって考えると昨日、快晴の新宿御苑に出掛けてよかった。

昨日ちらりと書いたけどオオアマナが今満開だ。

上の写真を見て欲しい。

白い花畑のような場所に、なにやらニョキニョキと棒のようなものが出ている。

白い花がオオアマナで、棒のようなものはラクウショウという大木の根っこだ。

ラクウショウは水辺に育つので、地中で根っこが十分呼吸できない。
よって、このように潜水艦の潜望鏡のような根っこを地上に出して呼吸しているのだ。

白い雲海から、尖った山の頂きが見えるようで、ロードオブザリングのワンシーン、もしくは中国の水墨画のようでもある。

このラクウショウとオオアマナのコンビネーションは新宿御苑ならではだと思われる。
見ごたえがあって、かなり美しい。

都内にもう一箇所オオアマナの名所がある。
それは小石川植物園だ。

ここはほんとうに白いカーペットのようにオオアマナが群生している。

いずれも一見の価値があるが、恐らく花はこのGW一杯ではないだろうか。


オオアマナと書いたが、正確にはどうやらホソバオオアマナ Ornithogalum tenuifolium らしい。

オオアマナは在来種、外来種など幾つかあるが、このホソバオオアマナは外来種でかなりの勢いで増えているようだ。

ひとつの茎に複数の花が咲くのが特徴のひとつで、在来種の場合ひとつの茎にひとつの花というのに比べると繁殖力が旺盛であることが想像できる。


ユリ科なので、花の基本構造はユリやチューリップなどと同じだ。
6枚の花びらに見えるのは、正確には外側の3枚がガクが変化したもの(外花被)で、内側の3枚が花びら(内花被)である。

おしべは6本、すなわち3の倍数で、めしべもよくよく見ると6つにくびれているのが分かるだろう。
単子葉のユリ科などの植物たちは3の倍数好きなのだ。

一面の白い花畑を俯瞰しても面白いし、こうやってひとつの花を覗き込んでつぶさに観察してみるのも面白い。

いろんな楽しみ方があるよ。




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