2012年4月20日金曜日

究極のアロマセラピー


アロマセラピーをご存知か?

アロマは芳香という意味でセラピーは療法なので、芳香をつかった療法ということである。
疲れたとき、イライラしたとき、集中したいとき、リラックスしたいとき、などシチュエーション別にカモミール、ラベンダー、ユーカリなど植物由来の精油をアロマポットで炊いたりして香りを愉しむ・・・というのが僕の理解である。

一時期、アロマポットを買って、リラックス用として既にブレンドしてある精油を使ったこともあるし、もともとバニラの香りが好きなので、バニラの香りで部屋を満たしたこともあった。

確かに香りってのは良いものだと思う。

ただし、自分のやっているのは我流というか、テキトーなものであって、専門の方からすると眉をひそめてしまうようなものかもしれない。

前置きが長くなった。

中毒ほどではないが、コーヒーは好きな飲みものだ。
毎朝必ず飲むし、日中にも一回くらいは飲むと思う。

でもそんなにこだわっているわけでもなくて、家で飲むこともあれば、ハンバーガー屋のコーヒーを飲むこともあれば、シアトルあたりを起源とするコーヒーチェーンで飲むこともある。

家では紙フィルターを使って入れるが、大してこだわっているわけではなく、スーパーで買ってきたコーヒーだ。
ハンバーガー屋のコーヒーは安いし、その昔に比べれば格段に美味しくなった。
シアトル起源のコーヒーチェーンはお値段もそこそこするが、家では絶対に出せない味であると認めざるをえない。

さて、家の冷蔵庫に密閉タッパーにて保存してあるコーヒーがそろそろなくなりそうで、買い足しにいかねばなぁと思っていたところ、この前お花見で久し振りにお目に掛かった方から大変有益な情報を得た。

神楽坂のコーヒー豆店はお値段もリーズナブルでとっても美味しい、と。

神楽坂はしょちゅう通るので昨日豆を買いにいった。

表通りからちょっとだけ入ったところにあるその店は 緑の豆 という。

店に入るとさまざまな種類のコーヒー豆が詳しい説明書きとともに並んでいる。
注目すべきは、豆はまだ焙煎されておらず青いのだ。

だから店名が緑の豆なんだろう、たぶん。


植物的にいえば、コーヒーは学名 Coffea arabica であり、常緑低木に赤い実がなるという何の変哲もないものだ。

その様子は普段よく見掛けるアオキとあまり変わらないくらいだ。

さっそく店員さんに、オススメの豆を聞いて「神楽坂ブレンド」をチョイスした。

とりあえず200グラムをお願いすると、その豆をその場で焙煎(ロースト)してくれる。
ロースト加減も注文があればその通りにしてくれるが、初回だったので「お任せ」で。

あたりになんとも芳ばしい香りが漂う。

アッという間に焙煎が済むと、不純物や不良な豆がないかをチェックしてくれて、今度はそれを挽いてくれる。
これもお好み次第だが、初回だったので「お任せ」で。

豆を挽きだした瞬間から店になんともいえない良い香りがふわっっ広がった。

僕は思わず目を閉じて、鼻腔を思いっきり開いて、その香りを胸いっぱい吸い込んだ。
その香りに浸った。
余分な思考はすべてストップして、脳のスイッチが切れたようだった。

なんといえば良いだろうか。なんと表現しても足りない気がする。
もうノックアウト級の良い香りだったのだ。

しばらく目を閉じたまま香りを楽しんだのだが、そろそろ袋詰めが終わってお会計をしなくてはいけない頃合かなと思って瞼を開く。
放心状態で支払いを済ませて店を後にした。

家につくまでの間、カバンからその香りがどんどん流れ出す。
帰宅してキッチンに置いた後も、キッチンから良い香りが漂ってくる。

スゴク良い買い物をしたような気になってとても嬉しかった。

そんな奇特な店を教えてくれた方に心から感謝である。

そこでハタと思った。
これぞリアル・アロマセラピーではなかろうか、と。

この香りでとても満たされた気持ちになったし、ストレスも吹き飛んだ気がする。

コーヒーは単なる飲み物ではなく、その苦味、酸味などの味覚で楽しむのはもちろんだが、併せて香りという嗅覚で楽しむ飲み物だ。

味も香りもそこそこっていうコーヒーも悪くはないが、味も香りも一級のコーヒーというのはごく身近にある実現可能な贅沢である気がした。




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