「あっ、赤いキレイな花見っけ!!」
と思った方はちょっと早合点である。
よーく見て欲しいのだけど、これは花ではない。
100%自信はないながらも90%くらいの確実性ってことでご容赦いただきたいのだが、これはクサギ Clerodendrum trichotomum のガクであると思われる。
クサギに花が咲いて実がなる。
花びらが散って、ガクに守られた子房が膨らんで実となり、その中にタネがあるという普通の植物の営みである。
ただクサギの特徴は実が熟すとガクはご覧のように赤というよりもかなりビビッドなスカーレットとでも申しましょうか、とにかく自然界には存在しないような不思議な色を発するのである。
さらにガクの先端についた実は濃い紺色をしていて、赤と紺というツートンカラーの実がなんとも独特なのだ。
なんでこんな色を神様はクサギに与えたのだろうか、と本当に不思議に思ってしまう。
でも答えは簡単で、昨日の赤い実の話のように、目立つことで鳥たちに実を食べてもらってタネをより遠くへやろうという意図なんである。
作戦が奏功したのだろう、ご覧のクサギの実はあらかた鳥たちに食べられたのかすでになくなってしまって、赤いガクのみが花びらのようにして枝に残っている。
こうやってみるとなかなか風情があるもんである。
クサギという名の由来は葉がちょっとクサイからで、それはヘクソカズラと似ているのだが、こんなにユニークな実がなるのならこれから庭造りのときなど積極的に使ってみようかななどと思う次第であります。
2 件のコメント:
今年も、楽しい植物のお話を期待しています。どうぞよろしく。
今日のお話も、花咲きさんらしいですね。はでな園芸植物だけでなく、自然の樹や草にガーデニングの素材を発見するところはさすがだなあと思います。クサギの実とガクの色の配色は私も美しいと思っていましたが、実が落ちた後のガクが花のように見えるのは知りませんでした。
さぶさん
コメント有難うございます。
これ、本当にクサギのガクなのか、正直なところ絶対の自信ではないんです・・・。
たぶんそうだろうなぁ、と。
なので間違っていたらばゴメンなさい。
コチョウランのようなおすましをした植物よりも、野に咲く花にむしろ惹かれるのは事実ですね。
身近なステキな植物をたくさん見つけてご紹介していきたいと思います。
今年もよろしくお願いいたします!
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