実は街は植物で溢れている。彼らは色、カタチ、ニオイなどで「ここにいるよぉ」と静かなるメッセージを出している。そこには時として胸を打つドラマがあったりもする。そんなやもすると見過ごしてしまいそうな愛すべき彼らにあまり肩肘張らずにゆる~いカンジでスポットライトを当てる。日々の「あれ何だろう?」という好奇心に素直に向き合うブログ。
2011年6月10日金曜日
目からウロコのストック
場所は英国ケンブリッジ。
日本の話ではないのだけど、でも目からウロコ的なお話だ。
フラフラと歩いていて、川越しに何か良さげなものが目に入った。
赤を中心とした、いわゆる暖色の花であふれた花壇があったのだ。
橋を渡って近づいてみた。
あいにく私有地にその花壇はあったので、近づくことは許されなかったけど望遠を駆使して1枚写真を撮ってみた。
それが今日の写真。
横にズラーッと凡そ30メートルくらいの長い花壇である。
一般にこういう花壇を ボーダー (border) という。
見た目にかなりゴージャスなボーダーである。
いったい何が植えられているのだろう?
そう思って注意深く見てみて驚いた。
植えられているのはストック Matthiola incana のみだったのだ。
通常こういう場所は手前に背の低いもの、奥にいくにしたがって背が高くなり、さらに少数多品種という植物のチョイスをすることが多い。
色んなものを植えてミックスした感じを愉しむというのが、ありがちなセオリーのひとつである。
でもこれは、それに真っ向から反論している。
ストックのみを用いているというのが何とも斬新。
でも単色ではなく、赤、紫、ピンク、白・・・など統一感を出しつつも異なる色をうまく散りばめてご覧のようなゴージャス感をストックだけで演出しているのである。
すごいなぁ。
学名の種小名である incana には 「灰色の毛で覆われた」 というような意味がある。
そう、葉っぱがなんとなくシルバーっぽいのだ。
それがまたひとつのアクセントとなって全体にボーダーを明るくしているようである。
たった一つの、しかもストックというありふれた品種でもこれだけ見ごたえのある花壇が作れるだなんて、まさに目からウロコである。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿