2011年5月4日水曜日

オイシイ蜜アリ〼
  
 
連休も後半、残り僅かとなりました。

皆様いかがお過ごしでしょうか。

天気は良いような、そうでもないような、なんとも微妙な毎日である。

さて町を歩けば色んな花が咲いているのだが、特に目に付くのはツツジではなかろうか。
都電の線路脇にもツツジが咲いていた。

オオムラサキツツジ Rododendron pulchrum が正式な名であるが、ツツジということで広く知られている。

ツツジもサツキ Rododendron indicum もマンションの植え込みや、街路樹脇の植え込みなど、とにかく何か緑を植えなくてはならない、という場合に頻繁に植えられるようで、どこへいってもサツキとツツジばかり目に付くので、やや退屈な花と思われているのではないだろうか。

確かに派手な花の咲く今以外の時期は単なる葉っぱばかりですから。
それがここも、そこも、あそこもツツジとサツキなんだからちょっと食傷気味になるのも無理はない。

あまりにありふれているので、見過ごしてしまうが今日はそんなツツジの意外な一面をご紹介しよう。
 
 
花咲ジジイもそうだったけど、子供のころツツジの花をガクから引っこ抜いて、花びらの根元に口をつけてをチューチューと吸ったことがある人もいるだろう。
蜜が甘くておいしいのだ。

ミツバチやチョウなどもツツジの上を良く飛んでいる。

ミツバチなどはどうして甘い蜜がツツジにあると分かるのだろうか?

本能? そうかもしれない。

実はツツジはミツバチたちに対して 
オイシイ蜜アリ〼
と強烈なサインを送っているのだ。

それは蜜標(みつひょう)と呼ばれる、花びらについた模様である。
 
 
これは人間の目にはさほどアピールしないが、ミツバチたちの目には人間と違った色彩識別力があって、これがネオン看板のように蜜のありかを示しているというわけだ。
ツツジの花びらの一番上の一枚にまだら模様があるのはそのためなのだ。


ツツジはこうやって蜜のありかを教えて甘い蜜を供するかわりに、ミツバチたちに花粉を運んでもらう。

よってツツジは虫媒花であることはいうまでもない。


こんどツツジを見つけたら、童心にかえって蜜を吸うのもよし、あるいは蜜標を観察するのも悪くない。



2 件のコメント:

花屋のオジサン さんのコメント...

ランキングから伺いました。

虫や動物から見た色の世界は、確かに不思議ですね。
彼らにとっては赤いツツジも白いツツジも同じように見えているのでしょうか?
だとしたら、花の色って何なのでしょう・・・

こういうこと考えるのが大好きです。
ありがとうございました。

花咲ジジイ さんのコメント...

花屋のオジサンさん

コメント有難うございます。
ブログも拝見しましたが、とても独特な構成で楽しいですね。

花についてどうアレンジしたらいいのかなど参考書的に使う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

さて、ハチは確かに我々と見えている色が違うと思います。
光はその波長によって長いほうから赤外線~短いほう紫外線に分けられ、ミツバチは人間よりも短い波長を見ることができます。

つまり紫外線による色の見え方をするので、昨日のツツジも赤、白というあたりは割りとボンヤリとした違いで、蜜標のところだけブラックライトが当たったように目立つのではないかと考えます。

花の色は品種改良の中で人間の好みに仕立てられたものが多くお花屋さんに並んでいます。(青いバラなんてのが良い例でしょう)
野にある花たちは、本来の目的である花粉を媒介してくれる虫たちをひきつけるために自然とそういう色になったと思われます。

以上、まったくの個人的な考えですが。

また是非花咲ブログにお立寄り下さい。