ほら言わんこっちゃない。
もうサクラはとっくに終わってしまったではないか。
旬な話題をお届けしようというのがこのブログのポリシーではあるが、やはりちょっとこれは書いておきたかった。
これは4月上旬。
場所は京都府立植物園。
ちょうど園内のサクラが満開だったころだ。
園内の桜林には様々なサクラがあって、その脇にボケなどが咲いていてとても華やかである。
ここの桜林の特徴は、人々がサクラの根を踏みつけて痛めないように土が盛ってあって、さらにロープをはって人が根元に立ち入れないようになっている。
サクラに限らず、植物たちにとって根はとても大切だ。
根は ①植物を支え ②呼吸し ③水分、養分を吸い上げている。
普段は目に見えないがその役割はとても重要である。
でも花見と称して多くの人がサクラの木の下を歩く、寝転がる、宴会をする、飛び回る・・・ と、根のまわりの土が踏み締められて硬くなってしまう。
通常、土には適当な隙間があって、そこに空気、水分、、微生物などがあり、根を張ることができる。
ところが踏み締めれてカチカチになってしまうと、根はある種の窒息状態のようになってしまう。
このことを 「踏圧(とうあつ)される」 といって木々たちにとって避けたいことのひとつである。
花見はわれわれの楽しみかもしれないが、サクラにとってはエラく迷惑な話なのである。
前置きが長くなってしまった。
新聞の切り抜き記事がラミネートされて張ってあったのでその内容を参考までに付しておこう。
(出展不明)
京都府立植物園で、18年前に枯れかけたシダレザクラの木から1本の小枝が生長し、このほど真っ白な花を咲かせた。園の職員が、生き残った根から栄養が取れるように地面に誘導する「バイパス手術」を施し、命をつないだ。
桜林で見ることができ、同植物園は「桜の生命力のすごさを感じてほしい」としている。
このシダレザクラは樹齢50年ほどだったそうだ。
木の上の部分を伐採して、芯が腐って空洞になった内部に腐葉土を詰めて枝付近から出た不定根が地面に伸びるように治療を施した。
枝は順調に伸びたが、低い位置にあり、枝先が地面に接してしまうため、今年1月、土を盛った場所に木を移植して高さをかさ上げした。
というすごいサクラがこのサクラだ。
丸太や竹でがちがちに補強されている。
諸説あるがサクラの寿命は意外と短くて70~90年くらいではないかと言われている。
このシダレザクラは樹齢50年とまずまず長生きしたわけだが、一旦枯れそうになってから小枝を大切にして今の姿になったということは、そこで寿命カウンターがリセットされるはず(取り木と同じ理屈)なので、大切にすればまだまだ長生きできるのではないかと思う。
生命力のすごさを感じて欲しいということだったが、いやいや、痛いほど感じますよ。
0 件のコメント:
コメントを投稿