冬のたのしみ 冬芽2
花が咲いていなくたって、葉っぱがなくたって、植物ってのは面白いと声を大にして言いたいわけである。
冬の間に少しずつ太って、春になると新芽を吹く冬芽を見てみよう、ということなんだけど
「ハテ、枝ばかり見て面白いのかしら? 枝だけで何の木なのか分かるのかしら?」
という疑問の声も十分理解できる。
そこで今日は典型的な冬芽の例をご紹介したい。
それはトチノキ Aesculus turbinata である。
冬芽といえばトチノキ、トチノキといえば冬芽といえるくらい、その冬芽に特徴がある。
明るい薄茶色の枝の先端に茶色く飴色ににテカった冬芽がついている。
飴色にテカっているのは何も見た目だけではなくて、実際に触れてみるとベトベトしている。
こんな冬芽は他にないと思われ、一目瞭然にしてそれがトチノキであると知れるわけである。
トチノキは葉っぱが大きい。
手のひらのような形(掌状)をしていて、全体が1枚の大きな葉のように思われるが、実は5枚程度の小葉が集まって1枚の葉のようになる掌状複葉である。
これだけ大きな葉の源がこの冬芽に詰まっているのだから、大きく膨らんで特徴的な冬芽というのも頷けると思う。
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