日本橋室町をキョロキョロしながら歩いていたらば不思議な姿の樹を見掛けた。
その樹形からは何の樹なのかは判断しづらいが、近寄って見るとそれはクスノキであった。
えっ、これがクスノキ?! と思うくらいオリジナルの樹形は留めていない。
加えて藁がぐるぐると樹全体を巻いていた。
何やら包帯をしているようにも見えなくもない。
遠目には 一足早い巨大「門松」 のようだ。
さて、ではここで何が起きているのかを考えてみたい。
恐らく・・・・
もともとこの地に大きくて立派なクスノキがあった。
しかしビルの建て替えにより邪魔になった。
とはいってもそのクスノキを伐採してしまうには忍びない。
そこで、クスノキを場所を変えて植え替えよう という作戦を立てた。
そのまま植え替えるには大きすぎる。
まずは根回し といって、時間をかけて根をある大きさで切る。
そこから新たな細かい根が発根するのを確認した後に全体を堀りあげる。
根のサイズが小さくなったのに上の葉がそのまま沢山茂っていたのでは根から吸い上げる水分と、蒸散や光合成で使われる水分とのバランスが取れないので、樹に負担にならないギリギリの範囲で枝を落とす。
さらに樹の保護のためにワラを樹全体に巻く(これによって水分の余分な蒸発も防げるとう説もあるが定かではない)。
というのが花咲ジジイの大胆な想像である。
決して確信があるわけではないので間違っていたらゴメン。
しかし大胆に枝を落としたものである。
枝を落としたというか、大きな枝をズバズバっとぶった切って、その傷跡から新たな芽が萌芽するのを待つ作戦であると思われる。
直径20センチ以上ありそうな太い枝がバッサリと切られて、その脇から新たな芽が吹いているのが見えるでしょ。
これによってクスノキ本来の樹形が損なわれてしまう。
生き延びてはみたものの、それまでの姿とはまったく違う姿でこのクスノキは余生を送らねばならない。
樹は生命力に溢れているので、なんとか生きようとしてジックリと時間を掛けて枝を張ることだろう。
そして長い年月の中でクスノキらしい樹形を取り戻そうとするのだと思う。
なんともけなげに都会のクスノキは頑張っていたよ。
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