街を歩いていると、どこからともなくチェーンソーの音なんかが聞こえてくると、いてもたってもいられなくなって、時間が許す場合はその音源を捜して歩き回る。
そして音源を突き止めては、作業をしばし眺める・・・。
なーんか変な人のようだが、これはもう癖(へき)とでもいいましょうか、どうしようもない。
どんな人が、どんな格好で、どんな道具をつかって、どういう仕事をしているのか。
職業病といえばそうかもしれないが、興味が尽きない。
とくにチェーンソーの音というのは不思議なもので、聞いていると血が騒ぐ。
でもチェーンソーを使う現場に限らない。
植栽、剪定、なんでも良いのだけど、庭や植物に関することをやっているとどうしても足を止めて見入ってしまう。
だって他の人がどういうやり方でやっているかってとても興味深いじゃない?
勉強にもなるし。
先日見かけたのは、イチョウの街路樹剪定。
僕はこれを見つけて「しめたっ!!」と拳を固めた。
なぜならば、歩道橋のすぐ横のイチョウの剪定をしていたからで、歩道橋に上がれば作業を間近に見ることができる。
普段は見上げるばかりだものなぁ。
このイチョウの剪定は、監督さん1名、誘導員1名、剪定する人2名、下で枝を裁く人2名というチームだった。
しばらく眺めていたのだが、やはり街路樹ということもあって、イチョウにとってはかなり気の毒な剪定をされていた。
というのは細い枝を片っ端から切り落として、太い枝のみが残るような大胆な剪定方法だったのだ。
もうちょっとオトナの言い方をするならば、一年枝、あるいは二年枝を全て取り除く方法とでも言えばいいだろうか。
こうなると理屈はいらない。
片っ端から機械的に細い枝を切っていけば良い。
それでも細い枝を一本一本剪定するのはかなりの手間なのだろう。
細い枝がまとまって伸びている、その根元のやや太い枝ごと剪定ノコで切り落とす。
こうすれば、そこに細い枝が何本もついているで作業スピードがあがる。
街路樹剪定の場合、この作業スピードが重要なんだと思う。
なぜなら、「一本あたり幾ら」という金額設定があって、チーム全体の人件費、ゴミ処理代などをクリアするいわゆる損益分岐の本数があるはずだからだ。
これをクリアしないと赤字というわけだ。
なので、見栄えが良いとか、木の為になるとかならないとか、そんな面倒くさい理屈をこねている暇はないのだ。
損益分岐をクリアし、さらに利益を生み出すためには作業スピードをあげるしかない。
・・・とあくまで、これらは僕の想像だけど、恐らく概ね当たっていると思う。
なので、街路樹というのは強剪定をほどこされて、いわゆる「丸坊主」になっているものが多いのだろう。
天気が良かったので作業していても気持ちが良かったうなぁ。
どうぞ怪我のないよう、頑張ってください、と一人つぶやいてその場をほどなく後にした。
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