例年であればクマは人里におりてこないが、最近はエサが不足に困ったクマがやってきて騒ぎになっている、なんていうニュース聞いたことがないだろうか?
クマのエサとはドングリなどの木の実が多いのだそうだ。
大きくて重たいクマの身体を支えるだけのエサなんだからドングリだって10粒、20粒の話ではない。
大量のドングリが必要なのだ。
ドングリがなるシラカシ、クヌギなどのブナ科の高木はクマなどに食べられてしまうことを前提としているので、大量の実をつける。
食べられずに残った幾つかが芽を出して生き延びてくれれば良いと。
リスなどは、ドングリを拾ってその場で食べるのではなく、一旦どこかへ埋めていよいよ食べるものがなくなったらば、埋めたドングリを掘り返して食糧にする。
しかしリスはあまり賢くないし、埋めるドングリの数も多いので、いちいちどこに埋めたかなんて覚えていなくて、忘れられたドングリが春先にひょっこりと芽を出すのである。
というわけで、ドングリはリス、クマ、キツネ、タヌキなどのいわゆる哺乳類のエサになることは知られている。
しかしドングリを狙っているのは哺乳類だけではない。
そう、虫たちもドングリを狙っているのだ。
虫たちはドングリに卵を産み付ける。
卵からかえった虫の幼虫はさしあたっての食糧が必要だが、ドングリの中で生まれれば、自分は食糧に囲まれて生活することができるわけだ。
ハチミツの壷に落ちたくまのプーさんのようなもんだ。
彼らは食って食って食いまくる。
そしてサナギになって、時期がきたらば羽化してドングリから旅立つ・・・。
そんなドングリの中は虫の幼虫に食われてスカスカである。
これをクマが食べようとしても殻ばかりで肝心の中味がない。
先を越された哀れなクマ。
天候の不順によってドングリの総量が減っているところへもってきて、残ったドングリには虫たちが先に唾をつけているという厳しい競争の世界がそこにある。
この前見かけたドングリたちをよーく見てみると、ことごとくキリで開けたような小さな穴が開いていた。
写真を見て分かるだろうか?
それぞれのドングリに穴が開いているでしょ。
これは虫が卵を産みつけた形跡だ。
ドングリを拾い上げてみると、中がスカスカなのか、とても軽かった。
なかなか厳しい自然界の競争を垣間見た。
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