今日はとても身近ながら、ほとんど名も知らずに通り過ぎているのではないかという「花」についてご紹介しよう。
まず上の写真を見て欲しい。
街路樹の植え込み、道端、アスファルトの割れ目など、色んなところで見掛けたことはないだろうか?
とにかく葉っぱ1枚1枚も小さいし、地面に這いつくばるようにしているので気付かない場合も多い。
これは何という植物か?
コニシキソウ Euphorbia supina (トウダイグサ科)
なんとも地味な植物だけど、ジックリ見ると面白い。
まずこんなカンジで華がないのだが、どっこい花はあるんだな。
どこにあるかといえば葉の付け根のあたり。
花ってたってピンクの花びらがあるわけではない。
生憎、コニシキソウの花には花びらがない。
そもそも花びらは、花粉を媒介するハチやチョウをひきつけるためにある。
この前ご紹介したカラスウリであれば、白いレースのような花びらが闇夜に浮かび上がって蛾をひきつける。
じゃぁ、このコニシキソウは誰に花粉を運んでもらっているのか?
正解はアリなんであります。
そうすると色んな疑問に対して答えが見えてくる。
地面に這うように・・・ 良ーんです、だってアリがよじ登りやすいんだから。
小さい花・・・ 良ーんです、だってアリにとって適正サイズであれば。
地味・・・ 良ーんです、アリはそこに花があることは既に知っていますから。
花が地味な代わりに蜜がたっぷり出るようになっている。
蜜さえもらえれば、アリはわざわざ派手な花びらで蜜のありかを教えてもらえなくても賢いので分かっているというわけだ。
そんなわけで、地味で小さな花もアリとの絶妙な連携プレーでタネをどんどん作ることができる。
さらに、出来てこぼれたタネをアリがせっせと運んで種子散布にも一役買っているという、出来すぎのような話。
そしてタネは運ばれた先で、水が少なかろうが、日差しが強かろうが逞しくどんどん生長するというわけだ。
どうです、明日通勤途中にコニシキソウを探してみたくなったでしょ。
あるよ、そこらじゅうに。
肝心なのは、関心をもって見る目をもっているかってこと。
是非探してみてねん。
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