2012年7月19日木曜日

オリンピック開催目前


そろそろオリンピック間近ということで、テレビ、新聞などではその話題が増えてきた。

オリンピック開催地であるロンドンに行ってきたので、
「ロンドンはどうでした?やっぱり盛り上がってるんでしょ」
なーんて良く尋ねられる。

これは僕が個人的に受けた印象かもしれないが、ロンドンは全く盛り上がっていなかった。

オリンピック好きで盛り上がるのはアメリカ人と日本人であって、他の国民はそれほどでもない、というのも聞いたことがあるが、あながち的外れでもない気がする。

今回ロンドンで会った多くのイギリス人は
「正直、迷惑しています・・・」
という雰囲気であった。

まず僕の行動範囲としてロンドン西部、いわゆるウェストエンドを中心としているので、オリンピックスタジアムなどがあるイーストエンドとは明らかな温度差があると思われる。

もともと、ちょっと危なっかしい開発の遅れたイーストエンドをオリンピックを理由に発展させようということなんだと思う。

なので直接「恩恵」に預かるイーストエンドの人は歓迎なのかもしれないが、ウェストエンドの人たちは道路工事による渋滞やオリンピック開催による交通規制などにより、大変な不便を被るというあたりが不満の一因なのだろう。

実際、空の玄関ヒースロー空港はロンドン西部にある。
皆、ウェストエンドを通過せずにはロンドン市内にはたどり着けない仕組みになっている。

なので、そもそもオリンピックに興味のない人たちはオリンピックの喧騒を嫌ってフランスやイタリア、スペインなど海外に開催期間に合わせて休暇を取って脱出する人も多いと聞く。

宿代が高騰しているので、自分の家をオリンピックを見にきた人に貸し出すなんてことをすればお小遣いも稼げる。

・・・ともあれ、基本的にはそれほどオリンピックの話題は目にしなかった。

強いて考えてみればというのがふたつほど。

一番上の写真は、キューガーデンのオランジェリー前の芝生に設けられた花壇なんだけど、これがただの花壇ではない。

上から見ると五輪の模様になっているというもの。

キューガーデン、ホームページより
しかし上から見ることは通常できないし、横から見たって五輪マークにはなかなか見えない。

この辺りも、「オリンピックだから一応やってます」的な雰囲気が感じ取れる。

そしてふたつめは、ハンプトンコートパレスフラワーショウを見にいった帰り。

道路標識の下に
Host country for the London Olympic Games
Road Cycle events
と書いてあった。


どうやら、この辺りはロードサイクルの会場の一部として自転車が駆け抜けるらしい。

となると、当然ながら一般車両は封鎖され住民は不便を被る。
よって、あまり盛り上がっていないということになるのだろう。

唯一の救いは、ロードサイクル競技はイギリスでは比較的人気がありそうに思えるので、住民感情もぼちぼちなのではないかと思えることだ。

という訳で、開催目前のロンドンの雰囲気はどうでしたか?という問いには
「別に・・・」とエリカ様のような答えになってしまわざるを得ない。

恐らくパブでプレミアムリーグのサッカーの試合があればそっちの方が盛り上がるんだろうなぁと思います。


1 件のコメント:

茜景 さんのコメント...

お帰りなさい & お疲れさまでした。

おっしゃる通り、イギリス人はオリンピックに関して、かなり冷めた目で見ています。土壇場になっても色々と問題が山積みで、7年間と言う準備期間中、彼らは一体何をしていたんだろうと不思議に思います。

こちらは今日からやっと夏が始まりました。