The Yellow Book をご存知だろうか?
National Garden Scheme といって個人の庭を一般公開し、幾ばくかの入場料を集めてチャリティへと寄付するという画期的な仕組みは1927年にはじまった。
そして現在では3,700を超える庭がこれに参加して、年間75万人以上の人々がそれぞれの庭を見に出掛けるのだという。
英国の庭文化水準の高さを示すひとつの好例であると思う。
この庭を地域ごとにまとめて、公開日、場所、そして簡単な解説を載せてあるのがイエローブックというわけだ。
今僕の手元に2011年版があるが、本の厚みは2.2センチあり総ページ数は744ページもある。
この本の存在を知っていて、すでに幾つか訪れたことのある人も多いのではないだろうか。
しかしイザこの本を使って庭巡りをしようとすると、自分の滞在日と庭の公開日が合わないということはママあることである。
なので、この分厚い庭ガイドを恨めしそうに唇を噛みながら眺めるなんてことになる。
しかし公開日でなければ絶対に見れないのか?
答えは否である。
やる気と情熱さえあれば扉は開く。
このガイド本にはそれぞれの庭のオーナーの電話番号がついている。
ここに電話を掛けて交渉するのだ。
「あのー、イエローブックを見てお電話したんですが、是非お庭を見せていただきたいんですけど、そのために遥々日本からやってきたんです。うっうっうっ・・・」
とちょっと泣きを入れるくらいでもいいだろう。
そんなことを言われて嫌な思いをする人は少ない。
そうかー、わざわざ日本から・・・ そう思って快く特別に受け入れてくれるに違いない。
実はこれは本当の話で、昨年チェルシーフラワーショウの会場から芝生に座って休憩しながら、必死でこんな電話を3件ほど掛けた。
その3件すべて僕の訪問を快諾してくれた。
この3件を選んだ理由は特別にない。
ただ、どういう訳か僕はこのへんのことについては鼻がきくのだ。
なんか良さそうだぞ・・・という本能に従ったのだが、それは当たっていた。
今チェルシーフラワーショウの会場から電話しているんだ、なんて言うと反応はさらに良かった気がする。
庭好きという同志のニオイを漂わせる作戦である。
さらにヨークに2年住んでいたんだ、なんていう同郷の情け作戦も奏功する。
そうやって訪れた庭3件はいずれもオーナーの庭に対する情熱と愛情がひしひしと伝わってくる素朴でステキな庭だった。
今回のツアーではそのなかから2件をピックアップしてご紹介しようと思っている。
すでにふたりのオーナーには了解を得てあって、歓迎するというお返事をいただいている。
単独で観光でイギリスに行ったとして、ヨークシャーのこんな隠れたる庭を訪れることはまずないと思う。
オーナーおふたりとも高齢の女性だが、日本人に会ったのは僕が初めてだと言っていた。
シシングハースト、ヒドコート、グレートディクスターなど有名庭園は確かに素晴らしいが、今となっては有名になりすぎて新鮮さはあまりないかもしれない。
そいう意味では、このふたつの庭はまさに我々日本人にとっては処女地ならぬ処女庭となるはずである。
庭の素晴らしさは言うまでもないが、彼女らの庭に対する情熱を肌で感じることが何にも変えがたい経験となるのではないかと思っている。
ふたりとも大変チャーミングな女性である。
そんな特別な庭も花咲ジジイが御案内します。
2 件のコメント:
どひゃ~~、
素晴らしいお庭ばかり!!
行きたい見てみたいと誘惑たっぷりの文面・・・
スケジュールと貯金通帳のチェックしなくっちゃ。
匿名さん
コメント有難うございます!!
是非、是非、ご一緒しましょう!
何かご不明の点などありましたら、お気軽にご相談下さい。
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