2012年2月1日水曜日

しぶといギンナン


晴天なれど風強し。

向かい風にもめげずに自転車で出かけた。

風に混じってぽわ~んと臭った。

そうギンナンのあのニオイだ。

しかし、もう2月だってのにいったいどこからだ?

道路を見ると沢山のギンナンが車にひかれてつぶれていた。

まさか秋につぶれたギンナンが今もニオイを放つなんて、そんなことってあるのだろうか?

そう思って上を見上げてみた。


イチョウの葉はスッカリ落ちてしまって枝ばかりになっていたが、良く見るとまだギンナンがしぶとく房状になってぶら下がっているのが見えた。
まだ枝からぶら下がっているギンナンが風にあおられてバラバラと落ちてきたのだと思う。

それを行き交う車が轢いたり、通行人が踏みつけたりして、あたりにニオイを漂わせているのだ。
あまり褒められたニオイではないが、それはそれで秋の情景を思い浮かべる季節のニオイである。
年も明けてもう2月だってのに、ついこの前過ぎたばかりの秋がなんとなく思い出されて懐かしかったりもする。
キョロキョロと見渡すと歩道に踏まれていないギンナンが落ちていた。


黄色くて瑞々しいギンナンの実ではなくて、シワシワの年代モノの梅干みたいな風格が漂っていた。

あと3ヶ月もすればイチョウも新芽を吹くだろうな。
春遠からじ、などと冷たい風に吹かれながら思った。




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