『イギリス料理はマズイ』
誰が言ったか、今となっては定説のようになっている。
ウマイとかマズイなんてのは個人の味覚と主観、さらには趣味におうところが大きいので、本当にマズイかなんてアテにならない。
ここはひとつ英国料理を擁護する立場で今日のブログを書いてみようと思う。
ウマイかマズイか、というのは恐らく比較の話で、ご近所のフランス料理やイタリア料理と比較して美味しくないと言っているような気がする。
確かに伝統的なイギリス料理は茹でる、焼く、煮るという単純な調理方法で、基本的に塩を振ってオシマイというパターンが多いのは事実。
気の利いたソースなどがあるわけではない。
しかしモノは言いようで、僕はそれは素朴で家庭的な味だと思っている。
それとマズイマズイと言っておられる方は、えてしてロンドンの観光客が集まるレストランで食事してそういった印象を持っているのではないかと想像する。
これは持論だが、美味しいイギリス料理は雰囲気の良いパブで供されるものである。
フラリと土地勘もなく出掛けたのであれば、どのパブが良いパブかなんて分からない。
必然的にガイドブックに載っているようなあたりさわりのないレストランで食事をすることになる。
良い庭はどれか鼻がきく・・・と数日前書いたことがあるが、同様に僕は良いパブはどれなのかとても良く鼻がきく。
例えば大型スクリーンがあっていつもサッカーばかり流しているようなパブ、あるいはスロットマシーンのようなゲーム機が何台か置いてあるようなパブは避けたほうが良い。
逆に静かで音楽も掛かっていなくて、暖炉でパチパチと薪が燃える音だけが聞こえるようなパブは期待して良いだろう。
英国の地ビール協会のような Campaign for Real Ale (CAMRA)という団体があるが僕はそこの会員でもあった。
分厚い地ビールガイド本を持って、英国中のパブを訪れご当地ビールを飲み、素朴な英国料理を食べてきた。
日中は庭めぐり、夜はパブめぐりとまさに一石二鳥だった。
そこで得た結論は、やはり英国料理はマズくないということだった。
一番上の写真はミックス・グリルといって、チキン、ラム、ビーフ、ソーセージ、ブラックプディングなど色んな肉が少量づつグリルされている一皿。
肉を食ったどー、と満足できる一品である。
英国のパブフードの定番中の定番はソーセージ&マッシュというもの。
太目のジューシーなソーセージとたっぷりのマッシュドポテトにグレービーソースがたっぷり掛かっている。
これとビールなんて本当に最高の組合せだ。
ステーキだって、イギリス発祥だなんてことを聞いたことがあるぞ。
そりゃ神戸ステーキとは違うけど、噛みごたえがあって肉らしい味がちゃんとするステーキもなかなか捨てがたい。
あまり英国料理に飛躍したくない、というむきにはハンバーガーなんてのもある。
これなら誰でもOKでしょう。
炭火焼されてスモーキーで美味しい。
最近の英国では中華料理、インド料理、タイ料理、などが流行っていて、とくにインド料理のうちチキンティカマサラというクリーミーでやや甘いカレーはもはや英国の国民食になったと以前BBCで言っていた。
同様にトルコ、ギリシャ料理も人気で、日本でも最近見掛けるケバブショップは町のいたるところにある。
日本人がさんざん飲んだ後にラーメンで〆るように、英国人はさんざん飲んだ後にケバブやフィッシュアンドチップスで〆る。
そんなケバブショップも店内で座って食べられるところもあって、これがなかなかウマイ。
パブ中心の庶民の味が得意だから、力説しているが、英国にはゴードン・ラムゼー、ジェイミー・オリバー、リック・スタイン、ナイジェラ・ローソン、ヘストン・ブルメンタール、ガリー・ローデスなどなどテレビのスイッチを入れると料理関連番組が目白押しで国民の料理に対する関心の高さを知ることが出来る。
いろいろ書いたが決して押し付けるつもりはない。
イギリス料理はマズイという先入観を捨てて、いろいろ試してみると良いと思う。
せっかく行くんだから
「あ~、マズくて嫌になっちゃうなぁ」 と思っているより
「最高!!美味しい!!大好き!!」 と思っていたほうが人生楽しいのだと思うのだけど。
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