実は街は植物で溢れている。彼らは色、カタチ、ニオイなどで「ここにいるよぉ」と静かなるメッセージを出している。そこには時として胸を打つドラマがあったりもする。そんなやもすると見過ごしてしまいそうな愛すべき彼らにあまり肩肘張らずにゆる~いカンジでスポットライトを当てる。日々の「あれ何だろう?」という好奇心に素直に向き合うブログ。
2011年11月30日水曜日
むかご
オリヅルランの子株がもったいない、という昨日の話。
今日の話もちょっと似ている話。
むかごをご存知だろうか?
ヤマノイモなど御飯と一緒に炊き込む食材としてご存知の方も多いだろう。
むかごとは不定芽という芽から根や葉が出て新たな個体となるものをいう。
たとえばユリのムカゴは、葉腋といって茎の葉の付け根の部分にぷくっと丸いものが付くのがそうだ。
これが地上に落ちるとそこから根や葉が出るというものだ。
タネじゃないの?
いいえ、タネではないんです。
タネというのはオシベの花粉がメシベに渡って受精したのちに出来るもので、父親と母親の遺伝子が入っている。
いわばSEXの結果にできるもの。
対してムカゴは不定芽という芽の一種がこんなことをするわけで、別にSEXは関係なくできる。
両親の遺伝子に関係なく、その個体の一部からできるわけで、その個体のクローンだといえる。
実はこの話には伏線があって、昨日のオリヅルランの子株もSEXによってできるものではなく不定芽による繁殖なのだ。
一昨日書いた「ペアフルーツ」は接木という方法で増えているが、これも木と木と接いで新たな木をつくっているわけで、SEXの結果ではない。
このように植物界においてはタネのように両親に遺伝子を引き継いで新たな固体が生まれる繁殖方法と、クローンのように個体そのものの複製が生まれる繁殖方法がある。
床屋に行って散髪してもらった髪を持って帰って地面にまいたらその人のクローンが出来たなんて話は聞かない。
あったら怖いけど。
でも植物の世界にはそういうこともあるのだ。
すごいなぁ、植物って。
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2 件のコメント:
興味深いお話
有り難うございました。
これまで
ムカゴとは ヤマトイモの子供(?)限定だと
思っていました。
そうそう ムカゴ御飯!
ユリにも ムカゴが出来るんですね。
固有名詞ではなく 普通名詞だったのですね。
びっくり!!です。
匿名さん
コメント有難うございます。
そうなんですよね、色んなムカゴがあるんですよ。
また何か見つけたらば花咲ブログでお知らせしますね。
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