昨日ご紹介したのはツユクサ。
今日は似ているけどちょっと違う ムラサキツユクサ Tradescantia であります。
ともにツユクサ科なので似ているのも無理はない。
でも花の色も形もかなり違うのが分かる。
花をそれではひとつひとつのパーツごとに見てみよう。
まず花びら。
紫色の大きな花びらが3枚ありますね。
次に雄しべ。
黄色い花粉のついた葯が目立つが、雄しべもちゃんと6本ある。
ムラサキツユクサの雄しべの面白いのは、雄しべを支えている花糸という部分に細かい毛が生えていること。
羽毛を紫色に染めたような感じだ。
恐らくこれは虫をひきつけるための工夫なんだと思う。
そして中心部に雌しべが1本。
裏をひっくり返して見ると、ガクも3つついているのが分かる。
またしても3の倍数の法則だ。
これは偶然ではない。
なるべくして3の倍数になっているのだ。
ツユクサとムラサキツユクサ。
似てるようで似てない、似てないようで似ている、そんな気になる季節の花。
興味深いでしょ。
そういえばじゅんぺいさんからコメントを頂戴した。
「雌しべのない花なんてあるんですね」と。
確かにそうなんだけど、何かの理由で物理的に欠損している場合、あるいは個体の変異によってたまたま無い場合、またそれが比較的頻繁にみられる花なんてのもある。
あるいはヤブカラシのように当初は花びら、ガク、雄しべ、雌しべと当初は揃っておきながら、朝に花が咲くとサッサと雄しべと花びらが落ちてなくなってしまうのもある。
この場合は大体いつ見ても雄しべと花びらが無いなぁ・・・と困惑することになる。
一番ありがちなのは、雌雄異株というやつ。
雄の株には雄の花しか咲かないので、その場合は雌しべは無い。
雌の株には雌の花しか咲かないので、その場合は雄しべは無い。
そうやって考えると花びら、ガク、雌しべ、雄しべが揃っている花というのは有難い花なのかも。
8 件のコメント:
興味深い話でした、ありがとうございます!
これだけ多様な存在の、どの植物にも“そうなった”理由があるのでしょうね。それは努力(笑)でどうこうなるものではなく、摂理というものなんでしょうね。
ちょっとヒトにも通じるなあなんて思いました。
紫の濃いムラサキツユクサも好きな花です。
じゅんぺいさん
コメント有難うございます。
多様化 → 進化 ってやつだと思います。
ダーウィンの世界ですね。
植物の分類もこの進化体系にしたがって行っているわけです。
オリンピック間近ですが、アメリカの水泳選手マイケルフェルプス選手の足のサイズは35センチもあるんだとか!!
これだと足ひれをつけて泳いでいるようなものですよね。
鈴木大地の手も水かきのようになっていたと言います。
テニス選手のラケットを持つ利き腕が異常に太くなったり、ピアノ奏者の手が大きく開いたり・・・
こういうのも我々人間に起きている、環境に適応する「進化」なのかもしれません。
いつも楽しく読んでいます。またまた、興味深いお話ありがとうございます。
少し難しいお話だったので、混乱しています。
ツユクサは、雌雄異株とは違い、たまたま雌しべがない個体があり、中には両方ある個体もあるということですか?種はできるのでしょうか?それともツユクサは種を付けない?でしょうか?
tomacoさん
分かりづらくてスミマセン。
ツユクサは雄しべと雌しべが同じ花につく(両性花)と雌しべの無い花が同じ株につくようです。
いずれにしても受粉し、受精し、タネを作ります。
なかなか難しいですね。
雌しべが無くても種をつけるということなのですか? セイヨウタンポポと同じ様な?
しつこくて申し訳ありません。
すみませんね、分かりづらくて。
自分の国語力の無さがイヤになります。
セイヨウタンポポは受粉せずにでも勝手にタネができて増えます。
ツユクサは雄しべの花粉が雌しべに付着して(受粉)、その後受精してタネができます。
よって雌しべの無いツユクサの花にはタネはできないはずです。
とてもよくわかりました♪
ありがとうございます♪♪
ありがとうございます。
いつも、難しいことや、疑問に思っていたことが、書いてあって、楽しくて読んでいます。
植物は不思議なことがたくさんあります。これでまた、一つ理解できました。ありがとうございます。
こんどツユクサをみつけたら、ゆっくり観察してみます。
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