これは何でしょう?
一見して植物であることは分かる。
しかし尋ねたいのはソコではない。
びっしりと隙間なく植物が密生している。
そしてそれが縞模様に規則性をもって並んでいる。
これはいわゆる壁面緑化なんであります。
最近はこの壁面緑化を色んなところで色んなパターンで見掛けるようになった。
ここは埼玉県所沢駅。
最近、駅舎が新しくなったようで、その壁面にご覧のようなタペストリーのような壁面緑化が施されているのだ。
赤いポツポツが見えるのはヒューケラというやつで和名をツボサンゴという。
下のほうに見える茶色い葉もヒューケラの別品種のもの。
別に枯れてしまって茶色いのではなくて、こういう変わった葉の色を楽しむ植物で最近結構流行っている。
そのヒューケラとヒューケラの間にある緑のものはフィカスといってクワ科の植物である。
フィカスは壁一面にびっしりと張り付くように生えるので、家の塀なんかでもよく見掛ける。
さて出来上がったばかりの新駅舎。
そして隙間のない緑のタペストリーのような壁面緑化。
なんら問題がないように見えるが、僕は一抹の不安を覚える。
何でか?
なぜならこの壁面緑化は今すでに100%の仕上がり具合だからだ。
もちろん新しい駅舎ができて、皆が注目するので壁面緑化も隙間なく見栄えが良い方がいいに決まっている。
でも待って。
植物は生長するのだ。
今、もうすでに100%なんだから、これから太陽の光を浴びてどんどん生長して120%、150%となっていくのは目に見えている。
とくにフィカスの生長が気になる。
彼らは放っておけば大きな壁だって覆い尽くすだけの潜在力を持っている。
今はフィカスとヒューケラが縞模様を織り成しているけど、フィカスの方が圧倒的に旺盛な成長力を持っているので、早晩ヒューケラを駆逐して縞模様は見えなくなってしまうと思う。
しかも今は駅の壁の「額縁」にキレイにおさまっているけど、この額縁から飛び出して駅の壁にテリトリーを広げるのではないかと思う。
それを防ぐにはこまめな剪定しかない。
ちょっとはみ出したらすかさず切る。
そういうマメマメしさがなければ、この額縁を維持するのはなかなか難しいだろうなぁ。
自分だったら、駅舎をフィカスで覆ってグリーンビルにしたいのでなければこの植栽は選ばないと思うが、すでにこういう植栽が出来上がっているので、今後どうなるのか機会があればときどき訪れてフィカスの生長ぶりを見てみたいと思う。
それともう一点付け加えるならば、工事引渡し時に100%を求めるか、どうかという議論もある。
植物は生長するものなので、そのあたりの「生長しろ」を確保してあげるのが植物にとっては配慮があるといえる。
しかしながら今回のような商業施設の場合は、いつの時点であっても見栄えのする100%が求められるという事情も十分理解できる。
この辺が植物と人間のあいだにある大きなジレンマなんであります。
2 件のコメント:
この壁面緑化の行末を是非報告してほしいです。ヒューケラは私の大好きな花材、コンテナやハンギングに映える植物ですが価格が高くて沢山使えません。それが植えた段階でびっしり! 一体この壁面はいくら掛かっているんだろう? それより本当にこれからどんどん大きくなるのにどうするんだろう??次号楽しみにしています。
匿名さん
コメント有難うございます。
そうなんですよね、ヒューケラって結構お高いんですよね。
そういう見方もありますよね。
ともあれまた通る機会があれば、経過をみてみたいと思います。
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