2011年4月22日金曜日

ケヤキ最終章


ケヤキについて気付いたことを幾つか書いてきた。

ひとたび足を止めて花や木などに見入ると色んな発見があって止まらなくなるのは悪いクセだ。

特に人と待ち合わせしていて時間がないときなんかに 「!!!」 と何かが目に飛び込んでくると
、もう心の中でエラい葛藤がある。
待ち合わせ場所に急ぐべきか、遅れてでも見るべきか。
小心者なのでたいていは 「後で戻ってきて見よう」 とその場を離れるが、後になると忘れてしまったり、そのときの情熱が失せていることなどがあって、結局見ないで終わることが多い。

植物との出会いも一期一会なのである。

さて、ケヤキについて話をもどそう。
今日はケヤキそのものの話ではなくて、ケヤキを見ていて気付いたことだ。

上のケヤキの若葉の写真を見てなにか気付かないだろうか?

そう、葉っぱがなにやら濡れているかのように光っているのだ。
でもその日は晴天。雨が降った形跡はない。
なんでだろう?

答えはケヤキの葉の裏にある。

 

葉の裏を見てみると、小さい虫が付いているのがわかる。

これはアブラムシだ。
アブラムシは卵のまま冬を越して春になると孵化し、羽の生えた雌のアブラムシが飛び出す。
風にのって飛んでいったアブラムシは着地した先で、子供たちをどんどん増やす。
このときのアブラムシは無声繁殖、つまり卵を産むのではなく、ベビー・アブラムシをどんどん量産する。
生まれたアブラムシは数日立つとさらにベビー・アブラムシを作り出し、倍倍ゲームのごとく増えていく。

なんともホラーな話ではないか。

アブラムシたちの口はストローのようになっていて、その先をブスッと植物の茎に刺して樹液を吸う。
吸って余った樹液を、アブラムシのお尻についている2本の煙突のような管からププププッと吐き出す。

大量のアブラムシがこのようなことをするので、人間からすると あら?雨かしら? というくらい樹液が降ってくる。
この樹液は甘くてベトベトする。 
それが葉っぱについたものが今日のケヤキの写真のようにキラキラ光る艶っぽいものの正体である。

それが証拠にケヤキの葉を裏返してみると、いましたアブラムシたちがウジャウジャと。
これはまだ序の口でまだまだもっと増える。

アブラムシなどの虫たちにとっては、老いて硬い葉っぱよりは、生まれたての若くて柔らかい葉っぱのほうが魅力的なのである。
なので、若葉は格好の標的になってしまう。

植物を観察するときは、離れて見るばかりではなく近寄って見るべきだ。
近くに寄って見るばかりではなく、葉の裏側を見るべきだ。

虫を見るけることもあるだろうし、葉の表面と裏側の色が違うことに驚くこともあるだろう。

「裏を見るべし」
これは花咲ジジイからの金言である。


1 件のコメント:

花っ子 さんのコメント...

日々変化するその瞬間にしか出会えない植物達の今の姿はまさしく「一期一会」ですよね。。裏側かぁ。。深いなぁ。。(゜.゜)